デジタル放送宅配便

~家電業界向け技術情報誌~
10月号
デジタル放送宅配便
2016年
8K技術の医療への応用
8Kの超高精細度映像技術は、放送以外の産業での応用も期待されています。例えば医療の分野では、8K
の特徴を活かし、遠隔医療や医学教育などで活用される動きがあります。
高解像度 現行ハイビジョン(2K)の16倍、細かい部分もより精細に
8Kの特徴
広色域 自然の色をより実物に近く表現、患部の色も忠実に
HDR(ハイダイナミックレンジ) 明暗をくっきりと
高フレームレート 速い動きもスムーズに
遠隔医療
離れた場所でも、手術室と同じ映像情報を得られるため、遠隔地にいる専門医や病理医のきめ細かい指
示や重要な判断を得ることができるようになります。
医学教育
高精細度映像データを蓄積し、機械学習した人工知能で診断支援したり、高度な医学教育への利用が考
えられています。
実績
これまで「脳外科手術」や「心臓バイパス手術」、「肝臓移植手術」などで実績があり、今後、高度な医療
の発展へ貢献することが期待されます。
脳外科手術の医療用顕微鏡にセットされた8Kカメラ、手術の様子
(出典元:NHK技術情報)
※より詳しくは、総務省「8K技術の応用による医療のインテリジェント化に関する検討会」の資料を閲覧ください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/8ktech/index.html
(名古屋局 T.Y)
■NHKデジタル放送宅配便 掲示サイト http://www.nhk.or.jp/nagoya/nouhau/info/forbiz.html
バックナンバーの一部もご覧いただけます。
【設置確認メッセージ消去用販売店様専用電話】
0120-500536
自動音声応答による24時間受付(年末年始は休み)
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10月号
デジタル放送宅配便
受信環境クリーン月間
各地域の総務省総合通信局と受信環境クリーン協議会※は、毎年10月を「受信環境クリーン月間」と定め、
テレビやラジオの電波障害防止対策推進と知識の普及を図るため、メディアによる周知広報、相談会の開設に
加えて、中学生を対象に「受信環境クリーン図案コンクール」を開催しています。
昨年度(平成27年度)は、東海地域では22校、170点の作品、北陸地域では21校154点の作品(全国では
243校2,601点)の応募がありました。平成28年度も多数の応募があり、現在受信環境クリーン協議会で作品
の審査を行っています。入賞作品は月間中の展示やポスタ-等に活用し、受信環境の重要性をアピールします。
昨年度受賞作品(東海北陸地域分)
(敬称略)
なお、平成28年度作品の一部は、愛知県の瀬戸デジタルテレビ放送所近傍で開催される、「せと・ま
るっとデジタルまつり2016 」(11月開催予定)でも、展示を予定しています。同イベントでは、
NHKもブースを出展予定ですので、ぜひお越しください。
※受信環境クリーン協議会
電気的原因などによる放送など無線通信の受信障害の防止を図り、もって電波利用面における公共の福祉を増進することを目的としており、全国
11の地域ごとに地域協議会があります。関係官公庁、地方公共団体、放送事業者、関連業界団体・企業などから構成されています。
(名古屋局 K.O)
【デジタル放送など、NHKの放送受信に関するご相談窓口】
0570-00-3434
又は 050-3786-5006 (平日、土日祝日とも9時~20時)
ホームページ「NHKデジタル」もご利用下さい http://www.nhk.or.jp/digital/
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10月号
デジタル放送宅配便
~連載・次世代メディアマスターへの道(30)
最近発表された4Kサービスと関連技術
Q
試験放送が始まったBS以外での
4K・8Kの動向は?
A
4K関係では、HDRやネット併用によ
るサービスの動きがあります。
<解説>BSで4K・8K試験放送が始まった一方、その他の4Kサービスでも活発な動きが出てきていま
す。報道発表されたものから2件の概要をご紹介します。
世界初の4K HDR放送を開始へ
最近HDR対応の4K対応テレビも市販化されていますが、NHKとBBC(イギリス公共放送)が放送に適
したHDR方式として共同開発したのがハイブリッド・ログ・ガンマ方式(Hybrid Log-Gamma,HLG方
式)です。この方式を用いて本年10月4日より、CSの4K専門チャンネル(一部時間帯)において、世界
初の4K HDR(High Dynamic Range)放送が開始されるとの発表がありました。 HDRの採用により、
明暗の表現に優れ、さらに自然な描写が可能となります。
●ハイブリッド・ログ・ガンマ(HLG)方式とは…
2015年7月に電波産業会(ARIB)において国内で規格化、2016年7月にITU-Rにて国際標準化されました。
HLG方式は通常の放送(SDR:標準ダイナミックレンジ)との互換性が考慮されており、既存のHDR非対応
テレビでHLG信号を受信しても、通常の放送として表示することが可能です。
従来映像とHDR映像(8Kの例)
SDRの映像(従来映像)
(出典元:NHK技術情報)
HDRの映像
ハイブリッドキャストに連動した4K映像配信サービスの提供開始
本年8月より放送事業者を対象に、ハイブリッドキャストに連動した4K映像配信対応サービスの提供が
開始されました。本サービスにより、放送事業者は受信機との接続検証を行うことなく、市販の「4Kネッ
ト配信に対応するハイブリッドキャスト機能搭載テレビ」※に4K映像を配信できます。NHKでは本サー
ビスにより、リオ五輪において、8Kから4Kに変換した映像を一部実験的に配信しました。
本サービスに対応したデジタル放送番組(通常画質)であれば、視聴者は途切れることなく4K画質版の
番組に移行して視聴できます。このサービスを利用する場合、視聴者側では前記の機能搭載テレビの他に、
高速なインターネット回線(常時実効速度40Mbps以上推奨)が必要となります。
※一部の受信機ではソフトウェアのバージョンアップが必要です。
(この記事は、インターネット情報等を参考にしています) (名古屋局 K.O)
【NHKの放送受信料に関するお問い合わせ窓口】
0570-077-077
又は
050-3786-5003 (平日、土日祝日とも9時~20時)
ホームページ「インターネット営業センター」もご利用下さい http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/
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デジタル放送宅配便
あけくれ
~連載・送受信akekure(17)~
FMとV-Low帯域の動向
FMとV-Low帯域の動きをご紹介します。V-Lowマルチメディア放送(本誌2016年2月号参照)では、
静岡中継局(静岡県焼津市高草山)に予備免許が発行されました。また、FM補完中継局(同2015年11月号
参照)関係では、北陸放送(石川県)が放送開始、静岡放送(静岡県)に予備免許が発行されました。
FM帯域においては、東山FM放送所(愛知県名古屋市)で老朽化設備の更新を行います。
V-Low静岡中継局
「V-Lowマルチメディア放送」は、VHF帯・旧アナログテレビ放送1~3chの帯域を用いた地域密着型
のブロック放送です。東海北陸ブロックでは、既にサービスが開始されている名古屋地区に次いで2番
目の中継局となります。現在試験電波を発射しており、2月に放送サービス開始が予定されています。
【周波数】101.285714 MHz 【出 力】1 kW
試験電波の発射により、一部地域にてFMラジオ放送・地上デ
ジタルテレビ放送で受信障害が発生する可能性があります。
例えば、アナログ放送用の受信アンテナが残置されていると、
TV用ブースターへの信号が過入力となり、テレビが正常に受
信できなくなる可能性があります。
詳しくは
V-Low波
アナログ用
VHFアンテナ
地上TV波
地デジ用
UHFアンテナ
V-Low受信対策センター
ホームページは V-Low 試験電波 で検索ください
FM補完中継局
「FM補完中継局」は、地形的要因や都市型難聴によりAMラジオが聞きづらかった地域において、AM
ラジオと同内容の放送をFM波にて放送するものです。
■北陸放送(MRO)… 本年8月1日放送開始済み
【周波数】94.0 MHz 【出 力】1 kW ■静岡放送(SBS)… この冬にサービス開始予定
【周波数】93.9 MHz 【出 力】1 kW
東山FM放送所 設備更新
塔の先端部へ
高上げ!
東山FM放送所
更新後→
受信者のみなさまにFM放送を継続してお楽しみいただくため、東山FM
放送所(昭和46年より運用)では本年10月中に、老朽化した放送機
(NHK)、送信アンテナ(NHK・民放とも)等について新しい設備へ
の切り替えを行います。
従来→
従来の
NHK用アンテナ
【周波数】 82.5 MHz(NHK), 80.7 MHz (FM愛知), 77.8 MHz (ZIP-FM)
【出 力】 10 kW
※ 放送エリア・周波数に変更はありません。
(参考資料出典元)
・総務省東海総合通信局 静岡エリアにおけるV-Lowマルチメディア放送に予備免許(V-Low静岡) http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/kohosiryo/28/0825.html
・総務省北陸総合通信局 北陸放送のFM補完中継局に免許を交付 http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokuriku/press/2016/pre160727.html
・総務省東海総合通信局 AMラジオのFM補完中継局に予備免許(静岡放送株式会社) http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/kohosiryo/28/0816.html
(名古屋局 M.K)
【本誌記事のお問合せ先】
受信料関係のお問合せは
前頁欄外をご覧下さい
名古屋放送局 技術部(送受信技術)
TEL
052-952-7266
(平日9時30分~12時、13時~18時)
次号11月号は、10月20日(木)
発行予定です。