臨床検査部 1. 診療科の特徴 5. 研修スケジュール 臨床検査部の主な業務は患者の診断や治療のめやすとなる①血液・一般 各臨床科のカンファランス(内科、外科、病理)や大学内CPCにも参加し、検 検査②化学・免疫検査③微生物・遺伝子検査④輸血検査⑤生理検査などに 査データの評価、 病態の理解を深める。 関する医療部門であり、多くの診療科と関連があるため広い知識と技術が ①臨床化学 (毒物、 生体異物検査を含む) :3∼5ヶ月 必要とされる。 ②血液学 (フローサイトメトリー、 凝固、 顕微鏡検査を含む) :3∼5ヶ月 2. 専門医研修の目的・特徴 ③微生物学 (細菌学、 真菌学、 ウイルス学、 寄生虫学を含む) :3∼5ヶ月 ④輸血学 (血漿交換、 細胞治療を含む) :3∼5ヶ月 臨床検査専門医とは臨床検査項目の基礎医学的背景、臨床的意義だけで ⑤免疫学:1∼2ヶ月 なく、臨床検査の入り口である検査依頼、検体前処理に関連する因子、患者 ⑥生理機能検査:3∼5ヶ月 の生理的変動などの測定前プロセス、 日々の精度管理や精度保証などを含 ⑦病理と画像診断:3∼5ヶ月 めた測定プロセス、標準的な結果を正しく返却する測定プロセスそれぞれ ⑧管理学と検査情報学:1∼2ヶ月 において、検査値に影響する要因についての専門知識を有し、検査結果を 6. 必須症例数 適切に解釈して診療に貢献する専門医である。 また、高い生命観と倫理観 日本臨床検査医学会 臨床検査専門医 受験資格 をもって、国民の診療・健康管理に貢献する意志を持ち、臨床検査の専門家 ①出願時日本臨床検査医学会の会員であること。 としてチーム医療に参画することができ、後進の教育や研究指導ができる ②日本臨床検査医学会の定める研修プログラムにより、5年間研修を終了 専門医である。 このような専門医となるための研修を行う。 していること (2年間の初期臨床研修は5年の研修期間に含む) 3. 到達目標 1)一般目標(GIO) : 臨床検査に関する専門的医学知識と技能を有し、臨床検査が安全かつ適切 に実施できるよう管理し、医療上有用な検査所見を医師・患者に提供できる 能力を身につける。 2)行動目標(SBOs): ・臨床検査医学総論(医療倫理、医療安全も含む) :①検査計画法と検査結 果の判定:感度、特異度、予測値、カットオフ値、ROC曲線、パニック値など ②正常値あるいは基準範囲 ③測定値の技術的変動 ③日本臨床検査医学会の認定する認定研修施設において以下の内容の全 てを含む研修を、 3年以上終えていること。 a)臨床検査医学 (臨床病理学) 総論 (医療倫理、 医療安全も含む)、 b)一般臨床検査学、 c)臨床血液学、 d)臨床化学、 e)臨床微生物 (感染症学を含む) 、 f)臨床免疫学、 g)輸血学、 h)臨床生理学 ④臨床検査室等での日常業務内容を証明する、各種のコンサルテーション 記録、骨髄像報告書、免疫電気泳動報告書、染色体分析報告書、 その他の臨 床検査医による解釈、 コメント付き検査報告書、On-Callカンファレンス記録 など20編を提出すること。 ⑤臨床検査医学(臨床病理)に関する筆頭者としての原著論文、 または学会 ・一般臨床検査学:一般検査を用いた検査診断学的アプローチを理解する 報告が3編以上あること (ただし、 そのうち筆頭者としての原著論文が少な ①尿検査 ②糞便検査 ③髄液検査 くとも1編以上あること) ・臨床血液学:血液・造血器系疾患診断法を理解する。①検体の取扱い:採 7. 研修責任者・指導医 血行為、抗凝固剤 ②血液一般検査の解釈 ③血液形態検査:末梢血液像、骨 責任者:中島 収 (部長・教授) 髄像、網赤血球、特殊染色など ④止血、血栓に関する検査の解釈 ⑤染色体 指導医:大崎 浩一 (助教) 検査の解釈(代表的な染色体異常) 臨床検査専門医:1名、 病理専門医:1名、 細胞診専門医:1名、 ・臨床化学:①臨床化学に必要な基本的・簡単な統計検査 ②酵素活性測定 輸血・細胞治療学会認定医:1名 法の概略 ③日常診療における基本的検査としての化学検査の臨床的意義 8. 研修責任者より一言 について理解する。 臨床検査部は多くの診療科から提出された検体検査や生理機能検査を行 ・臨床微生物学:①感染症の種類と変貌の概略の理解:市中感染と病院感 う部門であり、研修医はISO15189国際規格に準じた各種検査項目の内容を 染、 日和見感染について ②感染症診断法の概略 ③検体検査法と臨床的意 検査技師と協力して学びながら学生、検査技師、臨床医師などの指導や教 義:検体の採取法・輸送・保管の注意点、 各種染色・鏡検法など ④臨床細菌学 育、 コンサルテーションにも役立てる必要があります。 で重要な微生物の学名と臨床的意義 ⑤薬剤感受性検査法と化学療法につ いて理解する。⑥病院感染症防止のための微生物検査について理解する。 ・臨床免疫学:①免疫系の構成と機能の概略を理解する。②免疫機構の異 常に伴う病態と疾患の概略を理解する。③免疫血清学的診断法の原理・概 要を理解する。 ・輸血学:①血液型検査の概略:AB0式血液型、Rh式血液型 ②交差適合試 験:主試験と副試験、交差適合試験の方法と選択、不規則性抗体スクリーニ ング、各種血液製剤の適応について理解する。③その他:血液保存法、Type &Screen, GVHDなどについて理解する。 自動血圧脈波検査、呼吸機能検査、超音波検査、 ・臨床生理学:心電図検査、 脳波検査、神経伝導検査・脳誘発検査、心臓カテーテル検査などの臨床的 意義や概要について理解する。 4. 取得できる資格・専門医 日本臨床検査医学会 臨床検査専門医、 臨床検査管理医資格 9. 主な関連病院 久留米大学 医療センター 10. 連絡先 久留米大学病院 臨床検査部 TEL:0942-31-7400(内5440), FAX:0942-31-7709 ホームページ:http://www.hosp.kurume-u.ac.jp/yuketsu/greetings/
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