矢板市財政健全化対策 平成 26 年度実績について

矢板市財政健全化対策
平成 26 年度実績について
○矢板市財政健全化対策(第2次)について
矢板市では、自立した行政経営を進めることを目的として、平成17年度より「矢板市財政
健全化計画」を策定し取り組んでいます。平成22年度には、市政運営の指針である「第 2
次 21 世紀矢板市総合計画」において、「行財政の健全化」を市政運営の基本姿勢の柱として
位置づけ、歳入確保と歳出削減に努め、限られた財源を有効に活用して、着実な市勢の発展を
目指しています。
○実施計画に基づく実施状況ついて
財政健全化対策の具体的な取り組みについては、総合計画に定めた 4 つの重点分野の項目別
に、平成23年度から 5 カ年間に取り組む具体的な削減項目と実施目標年度を定めた実施計画
に基づき、計画的に取り組んでいます。
平成26 年度の各分野の主な実施状況は次のとおりです。
「第 2 次財政健全化対策」の構成と平成 26 年度の主な実績
重 点
分
野
基本政策1
項
目
◇中期財政フレーム設定
内
容
①中期財政計画の策定
平成26 年度の実績
①中期財政計画の策定
財政の健全経営方針
備
考
資料P2
実施計画
◇財政指標設定
②市債残高の抑制
②市債残高(臨財債除く)
№1∼2
約 2 億 4 千万円削減
基本政策2
◇事務事業見直し
経 営 の 効 率 化
基本政策3
①事務事業改善、民間委
①各種業務の見直し検討
託推進
資料P3
実施計画
◇経費節減方針
②コスト削減等
②光熱費等物件費の削減
№3∼106
◇機能的な組織づくり
①組織機構の改編、施設
①民営化に向けた調査研究
資料P4
人 材 の 活 用
の民間委託推進等
◇人件費対策
②職員の適正配置等
の継続
実施計画
②職員数の適正化(2 名減)
№107∼
115
基本政策4
歳
入
◇税収等の確保
確
①適正賦課・徴収強化
保
①収納率の向上(市税 0.5%,
住宅使用料 0.5%)
◇公有地販売
②販売促進
②販売収入 約 1,000 万円
賃料収入
1
約 450 万円
資料P5
実施計画
№116∼
129
財政健全化対策 実施計画の主な内容
基本政策1
財政の健全経営方針
[総合計画における計画の目標]
(「総合計画」P114~)
本市の財政運営は、財源を的確に把握し、その限られた財源の中で、財政の健全性を保ちながら最も効率的な財政運営が行わ
れるように、施策、事業を選択することが極めて重要となっています。
そのため、中期の財政計画の見通しを立て、将来にわたり安定した健全な財政運営の確立を目指すとともに、総合計画実施計
画の策定や予算編成の指針となる中期財政計画を策定するものとします。
実施計画の具体的な内容
①[中期財政計画の策定]
限られた財源の中で、計画している事務事業の適切な執行と、社会情勢の変化等に対応した柔軟な市政運
営を図るため、中期的な財政収支の見通しを立てるとともに、特に大型建設事業の執行年次を平準化するな
どにより、事業を計画的に執行していきます。
目標
中期財政計画の策定
計画期間
5 カ年間
対象事業
全事務事業
更新年次
毎
年
②[市債残高の抑制]
計画的な財政運営を推進し、事業費と連動して市債を活用しますが、借入と返済の均衡を図り、特に国の
政策的な起債である臨財債を除く市債残高の抑制に努めます。
目標
市債(臨財債を除く)残高の減少
H22 末 約84億円 → H27 年末 74億円
平成26 年度の主な成果
①[中期財政計画の策定](実施計画 No.1)
・矢板市が実施中の全事務事業を対象として、平成 31 年度までの計画事業費を定め
た中期財政計画を策定しました。
・歳入の伸び悩みや義務的経費の増大などが進むなか、総合計画に定めた重点事業の
着実な推進、特に大型建設事業の計画的な執行を図るため、実施年度を平準化するな
ど、計画的な予算編成・執行に活用しました。次年度以降の計画変更、新たな行政需
要に対応するため、毎年、更新を行っていきます。
②[市債残高の抑制](実施計画 No.2)
・中期財政計画に基づく計画的な財政運営を推進した結果、臨財債を除く市債残高に
ついては、約 2 億 4 千万円減少の約 67 億6千万円となり、平成 27 年度末目標の
74 億円に対し約 6 億 4 千万円減少させています。
2
財政健全化対策 実施計画の主な内容
基本政策2
経営の効率化
[総合計画に定めた計画の目標](
「総合計画」P116~)
事務事業全般にわたり総点検を行い、現在行っている各種事務事業についての妥当性、成果を判定し、効果を検証し、効果の小さ
い事業の計画や執行方式等の見直し、事業の整理、廃止等による統廃合や改善を進めるとともに、民営化の推進や組織の見直しを行
い、効率的な執行体制の確立に努めます。
まちづくりの主役である市民と行政の役割分担を明確にして、市民、地域のコミュニティ団体や各種ボランティア団体などとの
協働によるまちづくりを進めます。また、外郭団体の経営に関して、市の基本的な関与の在り方を明確にし、適正な支援を行うと
ともに、外郭団体の自主自立を促します。
実施計画の具体的な内容
①[事務事業の見直し]
事務事業全般について、改善・費用対効果の検証や整理統合を推進します。
公共施設の整備・管理について、指定管理者制度の導入など民間委託を推進します。
目標
事務事業の改善
広報やいた発行事業(新規)
電子計算機管理運営事業(新規)
市営バス運行事業(継続検討)
温泉センター施設運営事業 (継続検討)
勤労者対策事業(新規)
など 96項目(事業)
②[経費の節減対策]
成果を維持しながら執行方法の見直し等による経費の節減や、各種団体に対する補助金等について、団
体の必要性などの視点から、運営費補助の見直し(事業費のみの一部補助)などにより、補助金の抑制に
努めます。
目標
物件費の削減(需用費及び役務費の年5%削減)
各種補助金の見直し(毎年1%の削減及び廃止事業の検討)
外郭団体などの効率的運営推進
平成26 年度の主な成果
①[事務事業の見直し] (実施計画 No.3~No.98)
・事務事業の見直しを行った事業について
使用済小型家電のリサイクル開始
市民大学の廃止(自主事業のうち児童演劇鑑賞については、今後無料で実施)
・公共施設の整備・管理について、事業の改善や効率的な運営となるよう検討を進めな
がら、実施に向けて取り組みました。
温泉センター施設運営事業(温泉センターのあり方について検討)
城の湯ふれあい館運営事業(同上)
②[経費の節減対策](実施計画 No.99~No.106)
・当初予算ベースで前年度比 物件費一律5%削減といたしました。
(需用費及び役務費の年5%削減)
・庁舎の光熱費削減など経費の節減に努めました。
3
財政健全化対策 実施計画の主な内容
基本政策3
人材の活用
[総合計画に定めた計画の目標](
「総合計画」P118~)
地方分権、少子高齢化時代において、効率的・効果的な行政サービスを継続し提供するため、組織をスリム化して、分かりやすい
簡素で効率的な組織に再編し、事務処理の迅速化、決断決定の合理化を図ります。
また、社会情勢の変化に合わせた適正な給与制度の運用と、外部委託の推進、任期付職員、非常勤嘱託員、臨時職員等の有効活用
を行い、最小の経費で最大の効果を得られるよう努めます。
活力あるまちづくりのため、各種事務事業について民間活力の導入により、行政がやらなければならないものと、民間にお願いで
きるものを区別して事業をすすめるとともに、市民、地域のコミュニティ団体及び各種ボランティア団体など多様な担い手との協働
によるまちづくりを進めます。
実施計画の具体的な内容
①[機能的な組織づくり]
職員定数の削減を進めているなかで、より効率的な組織機構とするため、平成 23 年度から部制を廃止し
ました。
今後とも、より機能的な組織づくりをめざすとともに、指定管理者等民間委託の更なる推進や、窓口業務
の改善、事務の効率化を図っていきます。
目標
部制廃止
公共施設等の管理運営民間委託の推進
効率的な窓口業務の推進(総合窓口の調査研究)
②[人件費対策]
職員定数の削減に加え、市長など特別職報酬や管理職手当の引き下げなどに引き続き取り組んでいきます。
目標
職員定数削減
267名(H22)→ 259 名(H27)
市長等特別職の本給・諸手当の削減(継続)
管理職、職員諸手当等削減(継続)
平成26 年度の主な成果
①[機能的な組織づくり](実施計画 No.107~No.109)
・更なる民営化推進のための検討や人材育成を進めました。
・市営住宅の維持·修繕等の管理業務を施設管理公社に委託しました。
②[人件費対策](実施計画 No.110~No.115)
・地方分権改革の推進などにより、行政需要は増大していますが、部制廃止等組織の
効率化により、職員定数の更なる削減を図りました。
職員定数削減
259 名(H25)→ 257 名(H26) 2 名削減
・市長等特別職の本給・諸手当の削減(継続)
・管理職、職員諸手当等削減(継続)
4
財政健全化対策 実施計画の主な内容
基本政策4
歳
入
確
保
[総合計画に定めた計画の目標](
「総合計画」P120~)
将来にわたり安定した市民サービスを提供するため、市税収入などの確保をはじめとし、市有財産の販売と有効活用や新たな歳入
の確保などにより、財政基盤の充実強化を図ります。
また、企業誘致の推進による雇用の創出、産業の振興や人口の増加、活力あるまちづくりを進め、市税などの増収に繋げます。
税収確保の対策では、歳入の根幹である市税収入を確保するため、税負担の公平性を確保するとともに、積極的な滞納整理対策の
推進に努めます。
公有地の販売と有効活用につきましては、積極的な販売活動の促進と併せて、民間への賃貸借等の推進により財源確保に努めます。
実施計画の具体的な内容
①[税収等の確保]
自主的都市経営のため、市税など財源確保、各種使用料などの確保に努めます。
目標
市税現年収納率の向上(年0.1%向上)
市営住宅使用料、上下水道使用料、保育料の徴収率向上(民間委託の推進など)
企業誘致の更なる推進(東海地方への誘致促進)
使用料・手数料の見直し(公共施設使用料など)
②[公有地の販売・有効活用]
販売可能地の積極的な販売を進めると共に、賃貸借の推進などを行います。
目標
5 カ年間販売額 1 億円(年販売額
2,000万円)
平成26 年度の主な成果
①[税収等の確保](実施計画 No.116~No.127)
東日本震災により、市内の広範囲が甚大な被害を受けたことにより、税収等の確保
には困難な状況にありましたが、市税、市営住宅使用料など各種使用料とも、前年よ
り収納率の向上が図られました。
市税(収納率)
97.7%(H25)→ 98.2%(H26)
市営住宅使用料(収納率)97.0%(H25)→ 97.5%(H26)
②[公有地の販売・有効活用](実施計画 No.129)
販売可能地の積極的な販売を進めると共に、賃貸借の推進などを行いました。
用地販売 約1,000万円
賃料収入
約450万円
5
矢板市財政健全化対策の取り組み状況
1財政の健全経営方針について
①[中期財政計画の策定]
・実施中の全事務事業を対象として、平成31年度までの年度毎の計画事業費を定めました。
・計画は、平成 22 年度の総合計画策定と併せて策定した「事務事業計画額」をベースとしながら、
義務的経費の状況、投資的経費における「子育て環境の向上」や「教育環境の充実」などへの重点配分、
重点事業の計画的な執行、特に、普通建設事業について、片岡地区市街地整備事業に優先配分を図り、
公共施設の耐震改修や市営住宅の長寿命化等を引き続き実施しつつ、一般会計における一般財源を
約 85億円程度と見込んで設定しました。
・制度改変や義務的経費の動向、大型建設事業の進捗などは絶えず変動しているため、毎年所管課との
ヒアリングなどにより年次更新をしながら策定しています。
②[市債残高の抑制]
・計画的な財政運営を推進した結果、臨財債を除く市債残高について、年2億円の削減目標に対し平成
26年度実績では、約2億4千万円の減少の67 億 6 千万円となり、平成 27 年度末目標の 74 億円に
対し約 6 億 4 千万円減少させています。
・市債残高の総額は、平成 18 年度の総額128億円をピークに減少に転じ、平成 26年度末時点総額
で約 122億円となり、平成18年度比で約6億円の減少となっています。
[財政的効果額について]
○ 平成 26年度の財政的効果額(平成 23年度からの累積額で算出)
平成 26年度の財政健全化対策により、歳入増・歳出削減などの財政的な効果を累積額で推計します
と、概ね約 5 億 6,000 万円程度の財政的な効果がありました。
・事務事業見直し(業務等見直し
・人件費対策(職員定数削減
光熱費削減等)
市長等本給
約 7,000 万円
管理職諸手当削減)
約 9,800 万円
・税収確保推進(現年度未済額)
約 2 億 8,400 万円
・公有財産処分
約 1 億 0,800 万円
合計
約 5 億 6,000 万円
注)この「効果額」とは、財政健全化対策により実施した項目により、「経費の削減」及び「歳入の増
加」を金額に換算して算出したものであり、改善項目を実施して経費削減など財政効果が発生した場
合、次年度以降も同額の財政効果が発生するものとして推計しています。
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