2016(平成28)年度 全学部統一入試 (一般入試S日程) 政治・経済 [60 分] 【問題 1 】次の文章を読んで、下の問い(問 1 ~ 8 )に答えなさい。 人が社会生活をおくるための行動規範の 1 つが法である。法には、さまざまな種類や分類方 法がある。 たとえば、 と A という分類方法がある。 B A は、人と社会の本性に根差し、 あらゆる時代のあらゆる社会を通じて拘束力を持ち普遍的に成立すると考えられる法である。 これに対して、 B は、慣習や立法機関などによる制定など、人間の行為によって作り出 された法で、特定の社会において実効性を有しているものである。 また、公法と私法という分類方法もあり、具体的には前者に C 、後者にa民法などが 含まれる。両者を区別する意義として、公法関係は厳格な法的制約のもと法律にもとづいての み法律関係が形成されると解されるのに対して、私法関係は私的自治の原則のもと自由に法律 関係を構築できるという差異が認められる点などが考えられる。また、戦前のb大日本帝国憲 法のもとにおいては、行政裁判所へ訴えを提起できるかを判断するにあたって、両者の区別が 重要な意味を有したと評される。なお、両者の区別基準には学説上争いがあり、完全に分ける ことが困難な領域としてc社会法などがあげられる。 さらに、国際社会における秩序形成には、国際法という分野が寄与している。国際法には、 国家間の一般的慣行として拘束力ある法として認められたものやd条約などが含まれる。国際 紛争の解決は、歴史上、世界政府や統一的な立法機関などの不存在により国家の軍事力行使に 依拠する時代が長かった。しかし、19世紀末以後、国際法にもとづいた司法的解決の制度が発 達した。例えば、1899年に常設仲裁裁判所、1921年に常設国際司法裁判所、その後の第二次世 界大戦後に国際司法裁判所がeハーグに設置されるなどした。2003年にはf国際刑事裁判所が 開設されている。これらの制度により、国際紛争においても平和的解決が徐々に試みられてい る。 問 1 空欄 と空欄 A B に当てはまる語句の組み合わせとして最も適当なものを、次 の①~④のうちから一つ選びなさい。 1 ① A -慣習法 B -実体法 ② A -慣習法 B -実定法 ③ A -自然法 B -実体法 ④ A -自然法 B -実定法 問 2 空欄 なさい。 に入る語句として最も適当でないものを、次の①~④のうちから一つ選び C 2 ① 刑法 ② 商法 ③ 地方自治法 ④ 内閣法 政経-1 問 3 下線部 a に関連して、民法に関する説明として最も適当なものを、次の①~④のうちか ら一つ選びなさい。 3 ① 非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の二分の一とする規定(民法第900条第 4 号) は、法の下の平等に反しないことや法律婚の尊重を根拠に、違憲判決がくだされた。 ② 民法の規定は、1898年の施行以来、部分的改正がなされてきたが、親族・相続に 関する規定は、戦前の家長制度を維持しており批判されている。 ③ 民法の基本的理念である契約自由の原則によれば、契約の当事者は、自己の自由 な意思に基づき、契約書を要さず口頭の約束のみで商品の売買契約を締結すること が可能である。 ④ 民法は、私的自治の原則を根拠として、自由な意思形成が尊重されるため、殺人 を依頼する契約も、民法上の法的拘束力を有し、履行しなければならない。 問 4 下線部 b に関連して、大日本帝国憲法に関する説明として最も適当でないものを、次 の①~④のうちから一つ選びなさい。 4 ① 大日本帝国憲法における臣民の権利は、現在の基本的人権と同様の性格であり、 法律によって制限できるものではなかった。 ② 大日本帝国憲法における天皇大権のもとにおいて、美濃部達吉が天皇を国家機関 とみなす憲法学説を唱えた。 ③ 大日本帝国憲法のもとにおいて、立法権は帝国議会の「協賛」、行政権は国務大 臣の「輔弼」によって行使され、さまざまな勢力の権限が絡み合った。 ④ 大日本帝国憲法は、1889年に明治天皇により発布され、プロイセン憲法などの影 響を受けた欽定憲法である。 問 5 下線部 c に関連して、社会法に関する説明として最も適当でないものを、次の①~④の うちから一つ選びなさい。 5 ① いわゆる独占禁止法は、自由な経済活動の結果として市場の寡占化や独占化が生 じた場合の弊害を防止し、公正かつ自由な競争を促進する目的を有している。 ② いわゆる労働三法とは、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法をさす。 ③ 日本国憲法のもとにおいては、労働基本権は労働三法という個別の法律にのみ根 拠づけられるため、もし労働三法がなければ、労働者はどのような過酷な契約内容 でも締結後はそれを必ず守らなければならない。 ④ 労働法の分野は、経済的に弱い立場の人々を保護する目的を有している。 政経-2 問 6 下線部 d に関連して、条約に関する説明として最も適当でないものを、次の①~④の うちから一つ選びなさい。 6 ① 気候変動枠組み条約第 3 回締約国会議で採択された京都議定書は、温室効果ガス の削減目標を定め、これを受けていわゆる地球温暖化対策推進法が制定された。 ② 「国際法の父」とよばれるオランダの法学者グロティウスは、『戦争と平和の法』 (1625年)を執筆した。 ③ 条約とは、成文化された国家間の合意と定義づけることができる。 ④ 日本における条約締結権は国会が有し、条約を批准する手続として、事前または 事後に内閣の承認が必要である。 問 7 下線部 e に関連して、ハーグが所在する国として最も適当なものを、次の①~⑤のうち から一つ選びなさい。 7 ① スウェーデン ② デンマーク ③ オランダ ④ イギリス ⑤ スイス 問 8 下線部 f に関連して、国際刑事裁判所の略称として最も適当なものを、次の①~⑤のう ちから一つ選びなさい。 8 ① ICC ② ICJ ③ PCA ④ PTBT ⑤ WIPO 政経-3 【問題 2 】次の文章を読んで、下の問い(問 1 〜 8 )に答えなさい。 日本国憲法において、国会は「国の唯一の立法機関」であり、「国権の最高機関」とされ、 立法権は国会に、行政権は内閣に、そして、司法権は裁判所に帰属することが定められている。 日本の国会は、衆議院、参議院という両議院からなる二院制であり、それぞれの議員の任期や 選挙の方法は異なっている。この国会の意思決定は、両院の決定の一致によって行われるが、 現実に難しい場合、衆議院の優越が認められている。 そして、こうした議会の信任に基づき、内閣が政権を運営する政治制度のことを議院内閣制 という。日本の議院内閣制の特徴として、行政の強さがしばしば指摘されてきた。内閣は行政 権を持ち、行政一般を担当するのみならず、法律を実際に執行する。この内閣の長たるa内閣 総理大臣は、行政各部を指揮監督する権限を持ち、これを支えているのが、数多くのb公務員 からなる行政機構となる。2001年の中央省庁再編以降、 1 府12省庁体制へと再編され、この中 には、内閣府のように各省庁よりも一段高い立場から行政活動の調整を行う機関もあれば、 c 行政委員会のように内閣から独立した合議制の機関も存在する。ここで内閣は、政策の方向 付けにおいて行政機構を民主的に統制し、国会への責任を負うことを通して国民に責任を果た すことになる。すなわち、制度理念的には、内閣総理大臣は、政党政治の代表者として、政治、 行政にわたりリーダーシップを発揮すべき地位を与えられているのである。 実は、この政治と行政の関係、さらには、d政治的な意思決定の方法に関しては、歴史的に も国際的にも常に安定的なものではなく、社会の変化と共に変化を余儀なくされてきた。そし て現代では、いわゆるe福祉国家の進展と共に、社会に対する行政の活動領域は拡大し、様々 なサービス提供に関与するようになっている。こうした動きに合わせるように、政策形成に必 要となる専門知識を備えた官僚の役割が大きくなってきた。しかしながら、官僚制が強化され ることで、f各省庁の権限と業界の利益が深く絡み合い、天下りが常態化し、また、不透明な 行政それ自体への批判も大きくなっていった。そして、この種の官僚制の肥大化がもたらす弊 害に対応するべく、1990年代から2000年代にかけて、 g 規制緩和や行政組織の効率化など、 様々な改革が行われてきた。こうした流れは、例えば、h小泉内閣による郵政民営化などにも 現れており、行政の役割とその課題は、現在においても一層の重要性を持って検討され続けて いる。 問 1 下線部 a に関連して、内閣総理大臣に関する記述として最も適当なものを、次の①〜④ のうちから一つ選びなさい。 9 ① 内閣総理大臣は、天皇の承認を受けた場合のみ、衆議院を解散することができる。 ② 内閣総理大臣は、両議院で可決された法案について、アメリカ大統領と同様に、 国会に再議を要求する拒否権を持つ。 ③ 内閣総理大臣は、自衛隊に対する最高指揮監督権を持つが、一方で自衛隊の定員 や予算、組織に関する基本的内容を決定する権限は、国会が持つ。 ④ 内閣総理大臣は、自らに対する不信任決議が衆議院において可決された場合、自 らの判断で、辞職しなければならない。 政経-4 問 2 下線部 b に関連して、日本の公務員に関する記述として最も適当なものを、次の①〜 ④のうちから一つ選びなさい。 10 ① 1980年代以降、地方公務員の数は減少を続け、2015年の時点で、公務員の総数に 占める国家公務員と地方公務員の割合はほぼ同じになっている。 ② 国家公務員および地方公務員は労働基本権の制限を受けるが、どちらの場合にお いても、その代償措置が設けられている。 ③ 国家公務員および地方公務員は政治的行為の制限を受けるが、どちらの場合にお いても、その違反に対する罰則は設けられていない。 ④ 1980年代以降、女性公務員の数は増加を続け、2015年の時点で、公務員の総数に 占める男性と女性の割合は、ほぼ同じになっている。 問 3 下線部 c に関連して、行政委員会に関する記述として最も適当でないものを、次の①〜 ④のうちから一つ選びなさい。 11 ① その設置目的の 1 つは、公正で中立的な行政を実現することにある。 ② その設置目的の 1 つは、専門的な知識を要する行政に対応することにある。 ③ 行政委員会は、その機能として、通常の行政機能に加えて、準立法的機能や準司 法的機能を有する。 ④ 行政委員会の例として、人事院・公正取引委員会・選挙管理委員会などがあり、 これらはすべて明治憲法制定時に導入されたものである。 問 4 下線部 d に関連して、現代日本における政治的意思決定に関して最も適当でないものを、 次の①〜⑤のうちから一つ選びなさい。 12 ① 国会で官僚が政府委員として答弁する政府委員制度は、廃止された。 ② 閣議案件の調整を事前に行う事務次官会議の慣行は、廃止された。 ③ 政党は、国家機関としての地位を憲法により保障されている。 ④ 内閣総理大臣は、最大議席を有する政党から選出しなくてもよい。 ⑤ 内閣総理大臣は、他の国務大臣を任命・罷免する権限を持つ。 問 5 下線部 e に関連して、日本の福祉国家の現状に関する記述として最も適当なものを、次 の①〜④のうちから一つ選びなさい。 13 ① 義務教育において、国民は、授業料を徴収されない教育の機会が保障されている のみならず、教科書も無償で配布されることになっている。 ② 健康で文化的な最低限度の生活を営むことができない者は、法律の根拠がない場 合でも、直接憲法に基づいて国に生活保護を請求することができる。 ③ 勤労は、権利であるとともに義務であるため、国が必要と認める場合には、国民 を強制的に徴用することができる。 ④ 公務員も勤労者であることから、その権利として、争議権もしばしば合法的に行 使される。 政経-5 問 6 下線部 f に関連して、政治と利益の問題に関する説明として最も適当でないものを、次 の①〜④のうちから一つ選びなさい。 14 ① 一般に、消費者は生産者に比べると、商品に関する情報収集の点で不利な立場に ある。 ② 一般に、消費者は生産者に比べると、組織化されていないため、政治に影響力を 行使することが難しいとされている。 ③ 日本ではかねてより、経済成長を推進するために、生産者を重視する政策がとら れがちであったと理解されている。 ④ 日本ではかねてより、消費者団体が政党ごとに系列化されて対立関係にあり、政 府の審議会に消費者の代表が参加できないことが多かった。 問 7 下線部 g に関連して、1990年代以降の行政組織の活動とその変化に関する記述として 最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選びなさい。 15 ① 非効率な行政活動への批判から、行政活動の評価を通じて、不要な事務・事業の 縮小や必要な事務・事業の拡大を進めることを目的とする行政手続法が制定された。 ② 1998年の中央省庁等改革基本法を受け、政策の企画立案と実施機能とを統合する ことを目的として、数多くの独立行政法人が創設されるようになった。 ③ 地方自治体が民間企業と共同出資で設立した第三セクターの中には、経営破綻し たものもあり、これに対する行政の責任が問われた。 ④ 電力やガスなどの公益事業を行う公社は、1990年代に地域的に分割されると共に、 株式会社に改組され、その株式が市場で売却された。 問 8 下線部 h に関連して、2000年代前半の小泉内閣期における改革に関する記述として最 も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選びなさい。 16 ① 頻繁に生じる消費者問題に対応するために、消費者行政を一元化するための組織 として消費者庁が設置された。 ② 少子化問題を背景に、その対策の一環として子ども手当が創設された。 ③ 憲法改正についての国民投票法が制定された。 ④ 日本道路公団などの特殊法人の改革が行われた。 政経-6 【問題 3 】次の文章を読んで、下の問い(問 1 ~ 5 )に答えなさい。 国際経済における貿易に関する基本的な考え方として、19世紀の経済学者の主張、すなわち A の経済学者aリカードが主張した自由貿易主義と、 B の経済学者bリストが主張 した保護貿易主義の 2 つをあげることができる。現代において貿易を議論する際にも、これら 2 つの考え方の理論的な影響力は依然として大きい。 ここで、リカードが主張した自由貿易の考え方である比較生産費説を、具体例をあげてみて みよう。 下記の表 1 および表 2 には、P 国(人口180人)と Q 国(人口90人)からなる世界において、 各国が商品 X、商品 Y をそれぞれ 1 単位生産するために必要な労働(人数)が示されている。 〈表 1 〉 〈表 2 〉 商品 1 単位の生産に 商品 1 単位の生産に 必要な労働(人) 必要な労働(人) P国 Q国 商品 X 30 50 商品 Y 150 40 P国 Q国 商品 X 100 30 商品 Y 80 60 表 1 の場合、P 国では商品 X が、Q 国では商品 Y が 国は、商品 X の生産に特化して Q 国に輸出し、 D C である。したがって、例えば P である商品 Y を Q 国から輸入するこ とで、P 国、Q 国の双方がより多くの生産物を得られることになる。このように国と国との間 で分業をすすめることによってすべての国の消費水準が向上することを「国際分業の利益」と いう。 次に、表 2 の場合、P 国は、商品 X と商品 Y のいずれにおいても Q 国に対して D にあ るが、この場合でも、両国間で貿易が行われると「国際分業の利益」が生じる。すなわち、商 品 X の 1 単 位 は、P 国 で は 商 品 Y の〔 ア 〕 単 位 と 交 換 さ れ、Q 国 で は 商 品 Y の 〔 イ 〕単位と交換される。これを言い換えれば、例えば P 国では、商品 X を 1 単位生産す るのに必要な労働で商品 Y を生産すると、商品 Y が〔 ア 〕単位生産できることを意味し、 一方、Q 国では、商品 X を 1 単位生産するのに必要な労働で商品 Y を生産すると、商品 Y が 〔 イ 〕単位しか生産できないことを意味している。ここから、P 国の E は商品 Y、Q は商品 X であることがわかる。P 国、Q 国の双方がそれぞれ E の商品の生産 国の E に特化すれば、世界全体でみると特化前と比べ、商品 X の生産量は〔 ウ 〕単位増加し、 商品 Y の生産量は〔 エ 〕単位増加する。 このように、両国が相対的に生産性の高い商品を生産し、互いの商品を交換(貿易)すれば、 生産が拡大し両国にメリットが生まれる。ただし、その際、高い関税などを課すと商品の交換 比率が変わってしまい、特化の利益を最大限享受できなくなるので、国家が干渉しない、自由 な貿易が求められることとなる。これがリカードの所説である。 このような考え方にしたがって、当時の先進工業国であった すすめた。しかし、例えば当時の B A などは自由貿易政策を のように後進の資本主義国では、先進国からの安価 で質の高い工業品が輸入されることで国民は「国際分業の利益」を享受できるが、同時に、国 内製品は輸入製品に駆逐され、その国で発達し始めたばかりの若い産業は発展を阻害されてし 政経-7 まう。そのため、歴史学派に属するリストは、後進国である は国内産業の保護と発展 B のためにc関税障壁や非関税障壁などによる保護貿易政策をとる必要があると主張した。 問 1 空欄 A と空欄 に当てはまる組み合わせとして最も適当なものを、次の①~ B ⑥のうちから一つ選びなさい。 17 ① A -アメリカ B -イギリス ② A -イギリス B -アメリカ ③ A -ドイツ B -アメリカ ④ A -アメリカ B -ドイツ ⑤ A -イギリス B -ドイツ ⑥ A -ドイツ B -イギリス 問 2 空欄 C から空欄 E に当てはまる語句として最も適当なものを、次の①~⑧の うちから一つずつ選びなさい。 は C 18 、 D は 19 、 E は 20 ① 比較劣位 ② 総合劣位 ③ 絶対劣位 ④ 個別優位 ⑤ 総合優位 ⑥ 絶対優位 ⑦ 個別劣位 ⑧ 比較優位 問 3 空欄〔 ア 〕から空欄〔 エ 〕に当てはまる数値として最も適当なものを、次の① ~ ⓪ の う ち か ら 一 つ ず つ 選 び な さ い。〔 ア 〕 は 〔 ウ 〕は 23 、〔 エ 〕は 21 、〔 イ 〕 は 22 、 24 ① 0 . 2 ② 0 .25 ③ 0 . 5 ④ 0 . 8 ⑤ 1 ⑥ 1 . 2 ⑦ 1 .25 ⑧ 1 . 5 ⑨ 2 ⓪ 2 .25 問 4 下線部 a および下線部 b に関連して、次の 1 から 3 の著書のうち、リカードとリストの 主著を表す組み合わせとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選びなさい。 25 1 経済学および課税の原理 2 政治経済学の国民的体系 3 経済表 ① リカード- 1 リスト- 2 ② リカード- 1 リスト- 3 ③ リカード- 2 リスト- 1 ④ リカード- 2 リスト- 3 ⑤ リカード- 3 リスト- 1 ⑥ リカード- 3 リスト- 2 政経-8 問 5 下線部 c に関連して、輸入製品に関税を課した場合の効果を述べた次の文章の空欄 ( 1 )から空欄( 3 )に入る語句の組み合わせとして最も適当なものを、下記の ①~⑧のうちから一つ選びなさい。 26 外国から輸入したある製品に関税を課すと、その製品の国内価格は上昇するため、 その製品に対する国内需要量は( 1 )し、輸入も( 1 )する。一方、輸入品 の価格が上昇したことによって、国産品は相対的に価格が( 2 )なるので、需要 が( 3 )し、生産量も( 3 )する。 ① 1 -増加 2 -高く 3 -増加 ② 1 -増加 2 -高く 3 -減少 ③ 1 -増加 2 -安く 3 -増加 ④ 1 -増加 2 -安く 3 -減少 ⑤ 1 -減少 2 -高く 3 -増加 ⑥ 1 -減少 2 -高く 3 -減少 ⑦ 1 -減少 2 -安く 3 -増加 ⑧ 1 -減少 2 -安く 3 -減少 政経-9 【問題 4 】次の文章を読んで、下の問い(問 1 ~ 5 )に答えなさい。 資本主義経済は、18世紀後半、イギリスの産業革命を通じて確立した。資本主義成立期の 1776年に『諸国民の富』( 『国富論』 )を著した は、個々の経済主体が自己の利益を追求 A すると、「見えざる手」によって社会全体の利益が促進されることになると述べ、a市場経済 における自由競争の利点を説いた。また、 は、国家が国民の経済活動に干渉せず、自 A 由放任政策(レッセ・フェール)をとることが最良であると主張した。このような考え方は、 「夜警国家」、「小さな政府」などと呼ばれ、19世紀における資本主義の基本的な国家観となっ た。 しかし、1929年にアメリカで大恐慌が発生し、その影響が世界的な広がりを見せるようにな ると、b自由放任を基調とする資本主義は、修正を迫られることとなった。イギリスの経済学 者 B は、1936年に著した『雇用・利子および貨幣の一般理論』において、国民所得の決 定に関する新しい経済理論を構築し、失業者や遊休設備の増加が見られる場合には、政府が公 共事業などによって有効需要を創出することで景気を回復すべきであると主張した。アメリカ では、ルーズベルト大統領が大恐慌への対応としてニューディール政策を実施し、「大きな政 府」への先駆けとなった。このように、大恐慌を契機として、c政府による積極的な市場への 介入が求められるようになった。現在では、 B の主張は、経済政策を実施する上での基 本的な考え方となっている。 以上のような修正資本主義に基づき、政府は経済成長の促進や所得再分配などにおいて大き な役割を果たすこととなった。しかし、その反面、1970年代の石油危機を契機として、インフ レーションや財政赤字が大きな課題となってきた。このため、1970年代後半から1980年代前半 には、アメリカやイギリスを中心に、 「小さな政府」への回帰を目指すd新自由主義が台頭した。 新自由主義の理論的指導者であった はマネタリズムを提唱し、 C B の主張が無効で あると考えた。この考え方は、 「大きな政府」を指向していたヨーロッパやニュージーランド などにも影響を与えることとなった。 近年、世界的な金融危機の発生や格差の拡大などにより、政府の役割が再び重視されるよう になってきている。その一方で、財政赤字などの問題は依然として解消されていない。「大き な政府」と「小さな政府」との間でどのようにバランスをとっていくのかが今後の資本主義を 考える上で重要な課題といえる。 問 1 文中の空欄 つ選びなさい。 から空欄 A A は 27 C に当てはまる人物を、次の①~⑤のうちから一つず 、 B は 28 、 C は 29 ① アダム・スミス ② マルクス ③ ケインズ ④ フリードマン ⑤ シュンペーター 政経-10 問 2 下線部 a に関連して、以下の( 1 )および( 2 )に関する問いに答えなさい。 ( 1 )市場の価格メカニズムが機能するケースに関する記述として最も適当なものを、 次の①~④のうちから一つ選びなさい。 30 ① 一般に、価格が上昇すると、需要量は増加する。 ② 一般に、価格が上昇すると、供給量は減少する。 ③ 消費者がある財を好ましく感じるようになると、需要曲線は左にシフトする。 ④ 技術革新などによって生産性が上昇すると、供給曲線は右にシフトする。 ( 2 )市場の失敗に該当しないケースに関する記述として最も適当なものを、次の①~ ④のうちから一つ選びなさい。 31 ① 寡占や独占により、財・サービスが割高になる。 ② 天候不順による農作物の収穫量の減少で農作物が割高になる。 ③ 中古車の品質に関する情報の非対称性により、中古車市場で取引が行われなくな る。 ④ 公害が地元住民に不利益をもたらす。 問 3 下線部 b に関連して、以下の( 1 )および( 2 )に関する問いに答えなさい。 ( 1 )自由放任を基調とする資本主義経済の弊害に関する記述として最も適当でないも のを、次の①~④のうちから一つ選びなさい。 32 ① 市場の独占化が進行した。 ② 景気変動が縮小した。 ③ 労働運動が激化した。 ④ 貧富の差が拡大した。 ( 2 )社会主義を採用した経済に関する記述として最も適当でないものを、次の①~④ のうちから一つ選びなさい。 33 ① 土地・機械・原材料などの生産手段は人々の共同所有となった。 ② 国家による計画経済の導入により労働意欲・生産意欲が向上した。 ③ ソ連では、ペレストロイカにより経済の活性化が目指された。 ④ 中国では、改革開放政策がとられ、社会主義市場経済を推進している。 問 4 下線部 c に関連して、政府の市場への介入に該当する政策の例として最も適当でないも のを、次の①~④のうちから一つ選びなさい。 ① 公共事業 ② 民営化 ③ 独占禁止政策 ④ 社会保障給付 政経-11 34 問 5 下線部 d に関連して、新自由主義に基づく政策に関する記述として最も適当でないも のを、次の①~④のうちから一つ選びなさい。 35 ① このような政策として、規制緩和が挙げられる。 ② アメリカのレーガン大統領やイギリスのサッチャー首相が新自由主義に関する政 策を採用した。 ③ 不況期の裁量的な景気対策は有効であると考えられている。 ④ ルールに基づく安定的な金融政策が重要であると考えられている。 政経-12
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