「省エネルギー技術戦略2016(案)」に対する意見募集の結果について

「省エネルギー技術戦略2016(案)」に対する意見募集の結果について
平成28年9月16日
資源エネルギー庁及び国立研究開発法人新エネルギ-・産業技術総合開発機構では、標記「省エネルギー技術戦略2016(案)」に対する意見募集を行い、
5者の方々からご意見をいただきました結果を報告いたします。
お寄せいただきましたご意見を検討させていただき、一部は「省エネルギー技術戦略2016」に反映させていただきました。
ご意見をお寄せいただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。
1.意見募集期間 : 平成28年6月14日 ~ 平成28年6月28日
2.お寄せいただいた意見の数 : 計5者 延べ9件
3.ご意見の概要とそれに対する考え方等 : お寄せいただきましたご意見について、以下のとおり回答させていただきます。
ご意見の概要
ご意見に対する考え方
「省エネルギー技術戦略 2016」への反映
【意見1】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
家庭の太陽光発電など分散型発電に対応する小
省エネルギー技術と創エネルギー・蓄エネルギー
ご意見として承りました。
中容量蓄電池からメガソーラーや事業所での蓄電
技術との組み合わせによりエネルギーを総合的に
に対応する大容量蓄電池、更には再生可能エネル マネジメントすることが重要であるとの認識から記
ギー由来の電力を水素に転換して長期間、大量に
載させていただいております。
蓄える化学的蓄エネルギー技術など、目的に応じ
そのため、蓄電池などについても言及させていただ
た様々な蓄エネルギー技術の開発が再生可能エ
いており、表現は異なるもののご指摘の趣旨は、
ネルギーの導入拡大にとって必要不可欠な技術で
本文p6の「コージェネ・熱利用システム技術」、p21
あることにも言及されたい。
の「革新的なエネルギーマネジメント技術」等の記
述に包含されているものと考えております。
【意見2】
【考え方と対応】
ZEB/ZEH については、アクティブ技術が中心です 断熱・遮熱・気密に関する技術、パッシブ技術につ
が、高性能断熱材、開口部熱制御材料、地中熱や
いては主要関連技術としても取り上げており、アク
太陽熱の直接利用技術などパッシブ技術の重要
ティブ技術だけでなく外部環境を有効活用するパッ
性とそれらを実現するための素材開発の必要性、
シブ技術も併せて導入することでエネルギー消費
並びにそれらを普及させるための方策についても
量を削減することについて本文のp13「ZEB/ZEH」
言及されたい。
にて言及しております。
【反映の有無と反映内容】
ご意見として承りました。
また、普及に関する考え方については本文第Ⅱ
章.1 において横断的に記載させていただいており
ます。
【意見3】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
ZEB/ZEH における高機能建材の普及促進に向
普及に関する考え方については本文第Ⅱ章.1 にお ご意見として承りました。
けて、従来型建材との素材コスト競争ではない、現
いて横断的に記載させていただいております。
場施工コストや工期短縮、工場生産による品質管
また、本文p14~15 の「快適省エネヒューマンファ
理の信頼性等も含めた総合的なコストメリットを建
クター」において、快適性や知的生産性に影響を与
築・建材業界に訴求することの重要性、更には、建
える要因解析と最適制御技術の両輪でさらなる省
築・建材業界を巻き込んで省エネルギー技術によ
エネルギー化を推進することについて言及させて
る QOL 向上を消費者(建築主)に訴求して省エネ
いただいております。
ルギー化を推進する戦略の重要性についても言及
されたい。
【意見4】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
添付資料 ZEB/ZEH のサブシ-トにおいて、例え
ご指摘のとおり様々な個別技術が ZEB/ZEH に寄 ご指摘を踏まえ、ZEB/ZEH のサブシートの
ば、CO2 排出量削減に寄与する、躯体補強用革新 与するものと承知するところです。
技術開発動向に、「新規材料等を用いたさら
的建築材料、超高膨張型耐熱被覆材料をはじめ、
なる高機能化も検討されている」旨を追記さ
消費エネルギーに寄与する、地中熱利用輻射冷暖
せていただきました。
房向け樹脂製輻射パネル、高性能断熱材用ナノコ
ンポジット多孔体、断熱・耐火用有機-無機ハイブリ
ッド材料、換気用熱交換材料向けナノ多孔制御機
能性ナノファイバー材料、先端的日射遮蔽材料な
どについても記載いただきたい。
対象箇所:添付資料p21
【意見5】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
本戦略の中では、実証等による技術の確立にとど
開発成果の実用化・商用化の推進、国際競争の後
ご意見として承りました。
まらず、開発成果の実用化、更には商用化までを
押しなどが重要であることはご指摘のとおりである
スコープとして推進して頂きたい。
と認識しています。
本文Ⅱ章において、p25「1.1(2)導入支援とのパッケ
ージによる新規技術開発の加速化」、p26「1.2 省エ
ネルギー技術の国際競争力の維持強化」、p27
「1.3 導入コスト・規制等社会的制約の克服」などに
おいて、ご指摘の内容を記載させていただいており
ます。
【意見6】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
本文P3において、「革新的エネルギーマネジメント
ご指摘のとおり「革新的エネルギーマネジメント技
ご指摘を踏まえ、p3を次のとおり修正させて
技術」の概念が伝わりやすいように、P.21~P.22 お
術」は今回のポイントであり、解りやすい表記は重
いただきました。
よび P.29 に準じて記載すべき。
要と考えます。
IoT などの新たな技術、分散電源や需要機
器の統合制御技術など社会全体でエネルギ
ーの最適利用を図る技術をより広く包含す
る「革新的なエネルギーマネジメント技術」
対象箇所:本文p3
【意見7】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
ソフトウェアの重要性やソフト開発への支援につい
本戦略は、ハードウェアの開発のみならず、ソフト
ご意見として承りました。
て言及されておらず、開発マネジメント手法につい
ウェア・アプリケーション開発の重要性を含めて記
ても、ソフト開発に適した手法に関する記述がなさ
載させて頂いています。本戦略では、14 の重要技
れていない。ソフトウェア開発や IoT を活用したサ
術分野を示しておりますが、その達成手段を限定し
ービス開発の重要性、それに適したマネジメント手
ているものではありません。従いまして、重要技術
法等について記述して欲しい。
分野における省エネ・高効率化に資するソフトウェ
ア等の技術開発については、本戦略の内容とは矛
盾しないものと思料しております。
【意見8】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
日本は世界で「現在および将来」に「必要とされる」
開発技術の国際展開が重要であることはご指摘の
ご指摘を踏まえて、p.26 において次のとおり
そして「有効な」技術を提供するセンターとなるべき
とおりと認識しており、同Ⅱ章、「1..2 省エネルギー
追記させていただきました。
であり、開発した技術が世界で普及・活用されるこ
技術の国際競争力の維持強化」を記載していると
「国内では用途が限定されているものの海
とが重要との記述を加えるべき。
ころです。
外では広く普及拡大が期待できる技術につ
いても、積極的に技術開発やその普及を後
押ししていくことが重要である。」
対象箇所:本文p26
【意見9】
【考え方と対応】
【反映の有無と反映内容】
別の技術で同じアウトプットやサービスを提供でき
ご指摘の内容については、本文 p.9「製造プロセス
ご意見として承りました。
る技術も一歩進んだ省エネと理解しており、産業分 省エネ化技術」において、「分離エネルギーの最小
野でクリーナープロダクションという視点も記述して
化、原料代替等、製造工程の大幅な変革も含めた
もらいたい。
新しい視点からプロセス改善」という形で言及させ
ていただいております。