電池電極を想定したナノワイヤ 及びタッチパネル用透明薄膜 広島大学大学院 工学研究院 材料・生産加工部門 准教授 加藤 昌彦 1 電池電極を想定したナノワイヤ タッチパネル用透明薄膜 2 研究背景 ナノテクノロジーによる表面微細加工 • 既存技術のブレークスルーとなる可能性を有している. 改善される特性 • 放熱性,放電性,表面積 etc. 3 新技術の基となる研究成果 • プラズマ放電によりナ ノワイヤを基板表面に 形成 4 X線回折 ナノワイヤはCrCからなる→高硬度,導電性 形成過程 微細円錐状突起先端から成長 5 従来技術とその問題点 従来技術としては,次の2通りがある. マスクドエッチング,電子ビーム描写 問題点 ・高コスト ・先端が鋭利でない ・強度に問題がある カーボンナノチューブ接合体 問題点 ・接合が困難 ・整列方法 6 新技術の特徴・従来技術との比較 高アスペクト比 形成時間とともに,長さが増加する ので,極めて大きなアスペクト比が 得られる. 高硬度 硬度の高いCrCで構成される. 高密着性 接着されているのではなく,基板よ り成長しているので,高い密着力で ある. 低コスト マスクが不要,ビーム描写に比べ短 時間. 7 想定される用途 ・電池電極 ・放熱板 ・コールドエミッタ ・触媒担体 ・薄膜コーティング用下地 ・工具 ・紙・布などの接触搬送装置 ・ロール表面 キャパシタの構造 電極構造 8 市場規模 • ハイブリッド車 30万台×@100,000 =300億円 販売台数 350000 300000 250000 200000 150000 100000 50000 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2015年市場規模予測 • ハイブリッド車(50万台×@80,000=)400億円+電気自動車 9 実用化に向けた課題 ・高面積化 現在,形成可能な面積は限定されている.現 在,実験を継続して遂行している. ・高密度化 これまでの研究により,形成過程の理解が進 むとともに,高密度化のための指針を得てい る.実験により,高密度化が困難なステンレス 鋼の高密形成に目処がついており,ひき続い ての研究により,達成可能であると考えられる. 10 企業への期待 • 実装技術の共同開発 電極単体の作成は,大学で達成で きる見込みである.バッテリーへの 実装段階では,開発速度を高める ためにも,共同での研究が望まれ る. 11 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :金属材料表面へのワイヤ 状突起物の形成方法、及び 該ワイヤ状突起物を備える 金属材料 • 出願番号 :特願2010-166345 • 出願人 :国立大学法人広島大学 • 発明者 :加藤昌彦,林真人, 菅田 淳,曙紘之 12 電池電極を想定したナノワイヤ タッチパネル用透明薄膜 13 研究背景 透明電動薄膜の市場規模は拡大の一途 • モバイル機器,タブレット端末 には透明電動薄膜を使用した タッチパネルが使用される • 透過性,コストの点から静電容 量式が多くを占める タッチパネルの問題点 • マルチタッチ • 透過性 14 新技術の基となる研究成果 • スパッタにより透明圧抵 抗薄膜の作成に成功 • 極めて高いひずみ感受 性(ゲージ率)を有する 15 従来技術との比較 項目 動作原理 透過性 異物混入 多点入力 希尐金属 用途 その他 抵抗膜式 押圧 △ × ○ 含 携帯, PDA 安価 静電容量 閉回路 ○ ○ 2点 含 PDA 素手のみ 光学式 押圧 ◎ × ○ 無 券売機 迷い入力 高価 弾性波 音吸収 ◎ ○ × 無 OA 本発明 押圧 ○ ○ ○ 無 押さえる物体 に制約,小型 化難 16 新技術の特徴・従来技術との比較 • • • • 接触不良の問題がない 低コスト 高い光透過性を有する 多点検出が可能 第2電極 導電基板 タッチパネル タッチパネル ex) ITO 透明導電膜 ガラス基板 スペーサ 透明導電膜 透明導電膜 ガラス基板 ディスプレイ 第1電極 導電基板 ディスプレイ ガラス基板 17 想定される用途 • ドット配置 • ライン配置 18 現状の価格(15型) • 超音波25,000円,静電容量20,000円, 抵抗膜12,000円 2015年の市場規模予測 • 2000万台×@5,000=1,000億円 • その他,電子書籍(327万台,2010第3四半 期)ゲーム機(現状およそ2000万台/年) 等多方面への展開が予想される. 19 コスト試算 • 現状の価格(15型)および構成 静電容量 20,000円(1層膜+周辺機器) 抵抗膜 12,000円(4層膜+周辺機器) • 抵抗膜単体(15型,制御機器を除く)の価格が8,000円であることより, 1層コーティングあたりのコストを2,000円と仮定すると,コストの内訳 は以下のようになる. 静電容量:1層膜(2,000)+周辺機器(18,000) 抵抗膜:4層膜(8,000)+周辺機器(4,000) • 本方式は,抵抗膜方式に近い.この条件のもとでコスト試算を行うと, 2層膜(4,000)+周辺機器(4,000)=8,000円となる. 以上より,コスト比較結果は以下の通りである. • 静電容量 20,000円 • 抵抗膜 12,000円 • 本方式 8,000円 20 実用化に向けた課題 • 実装技術の確立 部材としてのシーズが確立された段階にある.今 後は,タッチパネルとしての実装技術開発が課題 となる. • 信頼性評価 タッチパネルとして実用化する際には,繰返し耐久 性,耐環境性等の信頼性を評価する必要がある. 21 企業への期待 • 実装技術の共同開発 実装試験実施のための試作品作 成のためには,企業が有する設備・ ノウハウが必要となる. 共同研究等による開発が望まれる. 22 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :透明導電薄膜、透明導電 薄膜の形成方法、及びタッ チパネル • 出願番号 :特願2010-134503 • 出願人 :国立大学法人広島大学 • 発明者 :加藤昌彦,住本宏治, 菅田 淳,曙 紘之 23 お問い合わせ先 広島大学 産学連携コーディネーター 榧木 高男 TEL 082-421- 3704 FAX 082-421- 3639 e-mail kayaki@hiroshima-u.ac.jp 24
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