第3共振周波数を利用したMACKEY O型

2016 年電子情報通信学会通信ソ サイ エ テ ィ 大会
B-1-61
第 3 共振周波数を利用した MACKEY O 型
MACKEY type O using third resonance frequency
平野 賢 1
Ken Hirano
大坪 靖治 1
Yasuharu Otsubo
牧野 滋 1
廣田 哲夫 1
Shigeru Makino
Tetsuo Hirota
諸谷 徹郎 2
Tetsuo Moroya
金沢工業大学 1
Kanazawa Institute of Technology
野口 啓介 1
Keisuke Noguchi
伊東 健治 1
Kenji Itoh
金沢工業高等専門学校 2
Kanazawa Technical College
むすび
f1 はグリッド幅 g とアンテナ長 l で制御し f3 はオフ
セット量 lo と基板縦幅 W で制御できることを示した.
また f1 と f3 を利用した O 型の設計方法を明らかにした.
本研究は科研費 JSPS (15K06089) の助成を受けたも
のである.
まえがき
ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ と AMC 基 板 を 一 体 化 し た
MACKEY 基本型 (以下基本型)[1] を考案し,自由空間
および金属上でも整合可能なことを示し [2],ダイポー
ルアンテナをオフセット給電(以下 O 型)することで第
1 共振周波数 (以下 f1 ) および第 2 共振周波数 (以下 f2 )
の設計方法を明らかにした [3].f2 では設計周波数に限
界があったため,f2 よりさらに高周波側である第 3 共振
周波数 (以下 f3 ) を利用する.本報告では,f1 および f3
を 2 周波共用した O 型の設計方法を明らかにする.
5
1
MACKEY O 型の構造
基本型と O 型の比較を図 1 に示す.いずれも,(1) ダ
イポールアンテナ基板,(2) 金属板装荷グリッド基板の
間を誘電体が満たしている.基本型と O 型の構造の差
異は (1) のみである.基本型は,ダイポールアンテナが
基板中央に装荷しているのに対して,O 型は,基板中央
から lo だけオフセットしたモデルである.
2
図 1 MACKEY O 型構造図
パラメトリックトレードオフ
アンテナ基板厚 t=0.8[mm],AMC 基板厚 h=3.2[mm],
ϵr =2.65,tanδ=0.001 と固定し,f1 はアンテナ長 l およ
びグリッド幅 g で 2.45GHz になるように制御し,f3 は
オフセット量 lo と基板縦幅 W についてパラメトリック
トレードオフを行った.W を 23[mm] から 31[mm] ま
で 1[mm] ずつ変化させ,そのときの正規化オフセット量
(オフセット量 lo /基板縦幅 W ) と f3 の関係を図 2 に示
す.W が大きくなるにつれて lo は減少し,f3 は低周波
側へシフトする.このことから f3 は W に依存している
ことがわかる.VSWR の解析結果を図 3 に示す.f1 の
性能は劣化せず,f3 の整合が取れていることがわかる.
また W =22[mm] 以下のとき f3 のインピーダンスの虚
部が 0Ω とならず整合が取れない.
3
MACKEY O 型の動作原理
図 4 に f1 の電流分布および f3 の電流分布を示す.f1
は基本型と同様の電流分布となり Z 方向に同位相の電流
が流れている.f3 は,スリット部およびグリッド板の 4
辺に電流が分布している.f3 の電流分布は f1 とは異な
り上下が逆位相である.また左右間にも電流が発生し逆
位相となっている.Y 方向の逆位相の電流により X 方
向には放射しない.また,W =約 0.4λ のため Y 方向で
は概ね同相となり放射する.
図 2 正規化オフセット量と第 3 共振周波数の関係
図 3 VSWR
4
図 4 電流分布
参考文献
[1] 諸谷他,信学技報,AP2014-211,pp.1-5,2014.
[2] 小鷹他,信学技報,AP2015-6,pp.25-30,2015.
[3] 大坪他,信学技報,AP2016-21,pp.27-32,2016.
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2016/9/20 〜 23 札幌市
( 通信講演論文集 1 )
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