MACKEY O型の広帯域化モデルの検討

2016 年電子情報通信学会通信ソ サイ エ テ ィ 大会
B-1-62
MACKEY O 型の広帯域化モデルの検討
MACKEY type O with wide-band characterislics using offset feed technique
須永 誼 1
Yoshimi Sunaga
大坪 靖治 1
Yasuharu Otsubo
牧野 滋 1
廣田 哲夫 1
Shigeru Makino
Tetsuo Hirota
諸谷 徹郎 2
Tetsuo Moroya
金沢工業大学 1
Kanazawa Institute of Technology
野口 啓介 1
Keisuke Noguchi
伊東 健治 1
Kenji Itoh
金沢工業高等専門学校 2
Kanazawa Technical College
まえがき
励振用ダイポールアンテナと AMC 基板を一体化した
モデル MACKEY[1] について,自由空間および金属上
でも整合可能な事を示した [2].また MACKEY O 型 [3]
で,2 つの共振周波数の制御を実現しているが,2 つの
周波数を近い帯域にすることで広帯域化を実現すること
を示す.この技術を使って無線LANで使用されている
5GHz 帯をカバー出来るモデルの検討結果も報告する.
1
MACKEY O 型の構成
MACKEY O 型の基本構造を図 1 に示す.O 型 [3] は,
制御できる共振周波数が 2 つある. 第 1 周波目は放射基
板横幅 L とアンテナ長 l の適切な組み合わせで整合する.
第 2 周波目は放射基板縦方向 W とアンテナのオフセッ
ト量 lo の適切な組み合わせで制御することができる.
2
図 1 基本構造
広帯域化の検討
図 2 に誘電体厚 t を変化させた時の VSWR を示す.第
1 周波目を 5GHz に第 2 周波目を 6GHz に設定した.図
2 からわかる通り誘電体厚 t を大きくすることで改善さ
れることがわかる.これにより,誘電体厚 t が広帯域化
の重要なパラメータと考えられる.
3
図 2 広帯域化と誘電体厚の関係
無線 LAN5GHz 帯モデルの検討
図 2 の結果より,誘電体厚 t=3.2mm の基板を使用して
検討を行った.無線 LAN の 5GHz の使用帯域 5.15GHz
から 5.725GHz をカバー出来るように第 1 周波目と第 2
周波目を調整したモデルを図 3 に示す.モデルの寸法を
波長比にしてみると,基板縦幅 0.245λ,横幅 0.39λ,厚
さ 0.0697λ となっている.次に自由空間上と金属板上に
モデルを設置した際の VSWR 特性を図 4 に示す.図 4
は,解析値は点線,実測値は実線,自由空間上は赤で金
属板上は青で示している.自由空間上では 17%前後,金
属板上では 15%前後の帯域が確保できた.さらに,無線
LAN で使われている 5GHz 帯の所望帯域を実測解析値
共に VSWR3 以下を実現した.
4
図 3 モデル図
まとめ
MACKEY O 型の広帯域化が可能なことを示した.さ
らに無線 LAN の 5GHz 帯域をカバー出来るモデルを作
成し,解析値実績値共に所望帯域で VSWR 3以下を実
現した.本研究は科研費 JSPS(15K06089) の助成を受け
たものである.
5
図 4 VSWR 特性
参考文献
[1] 諸谷他,信学技報,AP2014-211,pp.1-5,2014.
[2] 小鷹他,信学技報,AP2015-6,pp.25-30,2015.
[3] 大坪他,信学技報,AP2016,pp.27-32,2016.
62
2016/9/20 〜 23 札幌市
( 通信講演論文集 1 )
Copyright © 2016 IEICE