薩摩川内市農業振興地域整備計画書(案)

地 域 指 定 年 度 平成17年度
計 画 策 定 年 度 平成17年度
平成20年度
計画見直し年度
平成28年度
市町村コード 4 6 2 1 5
薩摩川内市農業振興地域整備計画書(案)
(概要版)
平成28年
鹿児島県薩摩川内市
第1
◇
農用地利用計画
土地利用区分の方向
<土地利用の構想>
本市は、薩摩半島の北西部に位置し、南は県都鹿児島市といちき串木野市、北は阿久根
市、東はさつま町等に隣接する本土区域と、上甑島、中甑島、下甑島の3島からなる甑島
区域で構成されている。
土地利用の現況は、総面積68,292ha の58.2%に当たる39,784ha が農業
振興地域で、そのうち61.7%(24,548ha)が森林・原野であり、農用地はわず
か15.7%(6,244ha)にすぎない。
本市の推計人口は、平成37年には9万人を割り込む水準まで減少すると予測されるな
か、農業就業者数においても、それに平行して年々減少しているが、15歳から39歳ま
での年代は増加傾向にある。
また、販売農家の経営規模別農家数については、1ha 以上の大規模農家の減少割合が小
さく販売農家全体に占める割合が増加傾向にあり、このような経営規模拡大を目指す農家
へ、経営が難しくなった農家の農地を集約する農地利用集積を促進し、農地基盤の整備に
努める。
(単位:ha、%)
区分
年次
農用地
農業用
施設用地
森林・原野
実数
比率
実数
比率
現在
(H28)
6,244
15.7
45
0.1
24,548 61.7
(114) (0.3)
2,078
目標
(H38)
6,034
15.2
45
0.1
24,554 61.7
(114) (0.3)
2,172
増減
△210
0
実数
比率
住宅・工場用地
6
実数
比率
その他
計
実数
比率
5.2
6,869
17.3 39,784
100
5.5
6,979
17.5 39,784
100
110
0
94
(注):(
実数
比率
)は混牧林地面積である。
<農用地等利用の方針>
本市の農用地区域面積は約4,077ha で、その内訳は農地3,730ha(水田2,845ha、
畑585ha、樹園地300ha)
、採草放牧地198ha、混木林地2ha、農業用施設用地45
ha、森林・原野等102ha である。
これらの農用地等の利用については、農地利用集積円滑化事業及び農地中間管理事業を
活用して、効率的かつ安定的な農業経営を営む者への面的集積の割合が高まるよう努め、
地域の農用地の利用集積の対象者(農用地の引き受け手)の状況に応じ、地理的・自然的
条件や営農類型の特性、農地の保有及び利用状況並びに農業者の意向を踏まえた農地の利
用集積の取組を推進するなど、優良農地として維持する。
-1-
現況:平成 28 年度、将来:平成 38 年度
区分
農地
採草放牧地
1
1
0
307
307
0
0
現況
0
増減
0
将来
0
現況
0
増減
0
将来
増減
0
森林・
原野等
計
現況
将来
小
現況
樋脇C
増減
305
将来
増減
樋脇B
現況
将来
0
現況
306
306
川内A
509
509
川内B
632
632
川内C
小 計 1,447 1,447
98
98
樋脇A
農業用
施設用地
混牧林地
単位:ha
地区名
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
509
509
0
0
0
23
23
0
0
0
0
10
10
0
665
665
0
0
0
23
23
0
0
0
0
11
11
0
1,481
1,481
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
99
99
0
0
305
0
0
0
0
0
0
0
3
3
0
308
308
0
2
182
182
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
183
183
0
0
計
585
585
0
0
0
0
0
0
0
5
5
0
590
590
0
2
入来A
入来B
156
156
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
158
158
0
0
359
359
0
0
0
0
0
0
0
15
15
0
374
374
0
10
小
515
515
0
0
0
0
0
0
0
17
17
0
532
532
0
10
40
40
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
40
40
0
0
57
57
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
57
57
0
0
101
101
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
101
101
0
0
92
92
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
92
92
0
16
122
122
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
122
122
0
18
412
412
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
412
412
0
34
191
191
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
192
192
0
0
149
149
0
0
0
0
0
0
0
7
7
0
156
156
0
1
144
144
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
146
146
0
0
145
145
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
147
147
0
0
629
629
0
0
0
0
0
0
0
12
12
0
641
641
0
1
計
東郷A
東郷B
東郷C
東郷D
東郷E
小 計
祁答院A
祁答院B
祁答院C
祁答院D
小 計
里A
里B
里C
小 計
上甑A
上甑B
上甑C
5
5
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
5
0
0
29
29
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
29
29
0
0
38
38
0
17
17
0
0
0
0
0
0
0
55
55
0
0
72
72
0
17
17
0
0
0
0
0
0
0
89
89
0
0
0
0
0
88
88
0
2
2
0
0
0
0
90
90
0
16
10
10
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
10
10
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
上甑D
6
6
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
6
6
0
1
上甑E
上甑F
小 計
11
11
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
11
11
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
27
27
0
88
88
0
2
2
0
0
0
0
117
117
0
19
下甑A
41
41
0
70
70
0
0
0
0
0
0
0
111
111
0
36
下甑B
下甑C
下甑D
小 計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
0
43
43
0
70
70
0
0
0
0
0
0
0
113
113
0
36
3,730
3,730
0
198
198
0
2
2
0
45
45
0
3,975
3,975
0
102
合
計
-2-
第2
◇
農業生産基盤の整備開発計画
農業生産基盤の整備及び開発の方向
本市の農業用施設用地及び森林・原野を除く農用地区域面積は、約3,930ha で、その
内訳は水田2,845ha、畑585ha、樹園地300ha、採草放牧地198ha、混木林地2ha
である。
水田は、本土区域では川内川の両岸に開けた平坦地水田と川内川支流沿いの平坦地水田及び
山間迫田からなるが、全体的に区画が狭く、湿田も多い傾向にある。
また、甑区域では山間部から海岸部へ開けた迫田が散在している。
畑についても、小規模の畑団地が散在しているなか、野菜や果樹など地域の特色を生かした
農産物が栽培されており、水田も含め、暗渠排水や用排水路、農道整備等を進め生産性の高い
農地の確立に努める。
第3
◇
農用地等の保全計画
農用地等の保全の方向
本市における土地利用状況は、山林が最も多く、次いで水田、 原野、 畑、 宅地となって
いる。経年変化では、水田や畑が減少しているが、山林、 原野、 宅地等は増加しており、市
街地周辺の宅地化、就農者減少による農地の山林・原野化が進行している状況にあることから、
優良農用地の保全に努める。
◇
農用地等の保全のための活動
中山間地域等直接支払交付金制度や多面的機能支払交付金などの日本型直接支払制度による
農地の法面や水路、農道等の管理活動、集落組織の活発化を促進するとともに、認定農業者の
育成をはじめ、集落営農組織の活動を支援し、耕作放棄地等の有効活用や農地中間管理事業を
活用した農用地の利用集積・集約を図るなど、農用地等の保全に向けた活動を展開していく。
第4
◇
農業経営の規模の拡大及び農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進計画
農業経営の規模の拡大及び農用地等の効率的かつ総合的な利用に関する誘導方向
<効率的かつ安定的な農業経営の目標>
本市の農業構造については、高度経済成長期以降、若年労働者の他産業部門への流出や農
業従事者の兼業化、高齢化の進行、あるいは第二種兼業農家の離農等により、農家戸数、就
業者数は減少しているが、農地中間管理事業や農地利用集積円滑化事業を活用しながら、離
農した農家の農地を引き受けて経営規模拡大を行う農家が増えていることから、1戸当たり
の経営規模は増加しており、今後もこれらの事業を活用しながら経営規模拡大を進めたい。
また、六次産業化については、薩摩川内市農林漁業の六次産業化の促進に関する条例及び
薩摩川内市六次産業化基本計画を踏まえ、農林漁業者が主役の六次産業化の推進を基本理念
として、農林漁業者の経営改善及び所得の向上を目指した支援を行っており、経営改善に主
体的に取り組む農業者が増えてきている。
このような農業構造の現状並びに将来の見通しを踏まえ、農業が職業として魅力とやりが
いがあり、将来の農業を担う若者が選択し得るよう、本市の特性を生かした営農類型のモデ
ルを定め、効率的かつ安定的な農業経営や新たに農業経営を営もうとする青年等を確保・育
成する。
-3-
◇
農業経営の規模の拡大及び農用地等の効率的かつ総合的な利用の促進を図るための方策
<農用地等の農業上の効率的かつ総合的な利用に関する誘導方向>
農業経営の改善による望ましい経営の育成を図るため、土地利用型農業による発展を図ろ
うとする意欲的な農業者に対しては、農地中間管理機構を通じて農地の貸借を行い、農地の
集積・集約化、農業経営の規模拡大、新規参入等による農用地等の効率的利用を促進し、農
業の生産性を図る「農地中間管理事業」の活用を推進するとともに、現在実施している農業
委員会を核とした農用地の利用集積に係る情報の収集・分析活動を活発化し、農業委員など
による掘り起こし活動を強化して、農地の出し手と受け手に係る情報の一元的把握の下に両
者を適切に結びつけて利用権設定等を進める。
また、農地の流動化に関しては、集団化・連担化した条件で担い手に農用地が利用集積さ
れるよう努める。
特に、農用地の利用集積を進めるに当たっては、人・農地プランを生かしながら、農地利
用集積円滑化事業(農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号、以下「法」という。)
第4条第3項)、農地中間管理事業(農地中間管理事業推進に関する法律(平成25年法律
第 101 号)第 2 条第 2 項)の積極的な活用を図り、地域ごとの農用地の利用の実態に配慮し
て円滑な農用地の面的集積を推進する。
第5
◇
農業近代化施設の整備計画
農業近代化施設の整備の方向
農業の生産性向上を図るためには、高性能農業機械及び近代化施設の効率的活用が必要であ
り本市では、高性能農業機械及び各種近代化施設の整備を図ってきた。
今後もほ場整備の進捗などに対応し、農地の集積・集約、農地流動化による機械作業の効率
向上及び高性能機械の整備、集出荷施設整備など生産から流通販売に至る一連の近代化施設の
整備を推進する。
第6
◇
農業を担うべき者の育成・確保施設の整備計画
農業を担うべき者の育成・確保施設の整備の方向
本市においては、社団法人薩摩川内市農業公社(以降、「市農業公社」という。)の研修施設
を整備している。
◇
農業を担うべき者のための支援の活動
農業を担うべき者の育成については、市担い手育成総合支援協議会を設置し、認定農業者
に対する研修等を実施しており、引き続き関係機関一体となって認定農業者に対する指導、
支援の強化に努める。
また、市農業公社において新規就農者の育成を目的とした研修事業に取り組むとともに、
新規就農者や地域の担い手となる農業者を対象に、農業の技術、 知識の習得を行うための研
修等を実施する。
なお、就農形態の多様化に対応するため、就農相談者及び新規就農者に対する受け入れ・
支援体制の確立について、関係機関一体となって取り組む。
-4-
第7
◇
農業従事者の安定的な就業の促進計画
農業従事者の安定的な就業の促進の目標
本市における農業従事者の就業をめぐる情勢は、農業就業面では、若年層を中心とした農外
就業が増加しており、高年齢化の傾向が強まっている。
今後、兼業農家、特に第二種兼業農家の安定的な就業を確保しつつ、それによって生じる余
剰農用地を中核的な農家である認定農業者等へ集積し、生産性の高い農業の確立を図るなど、
農業構造の改善を進める。
また、恵まれた地域資源を有効に活用した六次産業化の促進や地場産業等の育成を図るとと
もに、企業参入の推進に努める。
第8
◇
生活環境施設の整備計画
生活環境施設の整備の目標
<安全性>
川内川の河川改修や内水排除施設の整備が進み、台風、豪雨等による災害の危険度は小さ
くなっているが、近年の異常気象による豪雨が全国各地で発生しており、今後も、川内川及
び支流の中小河川の改修及び急傾斜地の崩壊防止のため、治山事業を進める。
なお、都市化の進展による交通量の増加により市街地を中心に渋滞が広まりつつあり、事
故等の発生も増加しているため、市道、農道や交通安全施設の整備を進める。
<保健性>
市街地においては、 し尿処理を加えた総合的汚水処理施設である公共下水道の整備を図る
とともに、 農村部でも、 農業集落排水事業が整備された地域では接続の推進を図るととも
に合併処理浄化槽の整備など、水質浄化に努め住みよい環境整備を進める。
また、保険・医療については、健康づくり事業を推進するとともに、安心して医療が受け
られる医療体制の充実を図る。
<利便性>
本市には、南九州西回り自動車道(薩摩川内水引IC~鹿児島IC)、国道3号、267
号、328号やJR九州新幹線や鹿児島本線など道路、鉄道網が整備されており、北薩地域
の交通の要衝となっている。今後更に、南九州西回り自動車道(阿久根川内道路)や藺牟田
瀬戸架橋の建設促進を図る。
また、串木野・川内~甑島航路の維持と利便性、サービス向上及び利用促進に努める。
<快適性>
生活様式の多様化に伴い、スポーツ、レジャー志向が大衆化し、公園、緑地スポーツ施設
の整備を望む声が高まりつつある。
本市では、これまで寺山いこいの広場、総合運動公園、藺牟田池自然公園、甑島区域のキ
ャンプ場等の整備を進めてきたが、これらを市民が安全快適に利用できるよう施設の整備や
維持管理に努める。
<文化性>
本市には、可愛山陵をはじめ薩摩国分寺跡、泰平寺、入来麓武家屋敷群などの史跡や文化
財が豊富である。今後も、このような貴重な文化財を保護、整備するとともに、地域住民の
文化活動や生涯学習活動を積極的に推進する。
-5-