化学工学会関西支部 第4回技術シーズフォーラム 2016.10.7 同志社大学 室町キャンパス -攪拌、混合、流動、伝熱- ~マイクロミキシグからヒートインテグレーションまで~ 「高分子成形加工の研究に関する移動現象の 観点からの取り組み」 福井大学学術研究院工学系部門繊維先端工学分野 田上秀一,植松英之 高分子材料 当研究室のコンセプト (1) 材料設計から加工までの一 繊維←円形(穴) ダイ フィルム←スリット 連の「移動現象」を研究して ボトル←チューブ います。 (2) 実生産に近い環境で“もの づくり”を研究しています。 (3) 実験と数値計算の両面から 高分子成形加工の移動現 象の解明を試みています。 (4) 原料・加工メーカと同じ目線 で研究に取り組んでいます。 各種パネル(フクビ化 学工業HPより引用) スクリュー ガソリンタンク 機能性繊維 (日本製鋼所HP より引用) 1/3 研究成果事例: 事例1:粘弾性流動計算による高分子成形加工プロセスの検討 ロの字型流路を通る押出物の粘弾性流動解析結果 (形状と速度分布) 高分子成形加工における高分子流体 の熱・流動計算により,プロセス構築・ 設計への指針提供,熱流動現象の解 明を行っています。 難しい流動解析問題である粘弾性流 動問題を主に扱っています。 事例2:溶融混練によるポリカーボネート系複合材料の熱伝導率とスクリュ回転数の関係 PC/VGCF-S, 100 rpm 1.0 PC/VGCF-H, 100 rpm Thermal conductivity [W/(m K)] 10μm 含有量:5 wt% 混練温度:260℃ PC/VGCF-S, 150 rpm PC PC/VGCF-H 0.8 PC/VGCF-S 0.6 10μm PC/VGCF-H, 175 rpm 0.4 0.2 80 10μm 100 120 140 160 180 Screw rotation speed (rpm) 200 10μm ポリカーボネート/気相成長炭素繊維複合材料の熱伝導率とSEM写真 溶融混練による熱伝導 性フィラーを混ぜた高 熱伝導性プラスチック の開発とその成形加工 性に関する研究を行っ ています。 2/3 研究成果事例: 事例3:気相成長炭素繊維(VGCF)の少量添加によるポリエチレン樹脂の押出特性の制御 高密度ポリエチレン(HDPE) 低密度ポリエチレン(LDPE) HDPE+VGCF 5wt%複合体 LDPE+VGCF 5wt%複合体 高密度ポリエチレンの場合 低密度ポリエチレンの場合 ナノフィラーの少量添加 で粘度を上げずにポリ エチレン押出物の状態 制御が可能であること を見出しました。 フィラー添加の影響は, 高密度ポリエチレン,低 密度ポリエチレンと異な ることもわかりました。 今後の展開: (1) 当研究室では,企業等と共同研究を積極的に行っています。これまで実施 したテーマは以下の通りです。お役に立てることがございましたら,お気軽 にお声がけください。 ・プラスチック材料の混合・混練に関する実験研究 ・粘弾性流動計算を用いた押出成形,フィルム成形に関する基礎研究 ・レオロジーの観点から見た高分子成形加工に関する基礎研究 (2) 博士後期課程の社会人学生も積極的に受け入れています。ぜひご相談くだ さい。 ・これまで9名の企業,公設試から受け入れています(うち7名が現在在学中) 3/3
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