たばこ税の税率の引上げ

平成 29 年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設 ・拡充・延長)
(厚生労働省
制
税
度
健康局健康課)
名
国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、た
ばこ税の税率の引き上げ
目
たばこ税、たばこ特別税
要
望
「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」の締約国としてたばこ
対策の強力な推進が求められていること、たばこ対策が重要な公衆衛生施策と
して位置づけとされていること、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競
技大会に向けてたばこフリー環境を目指す必要があること等を踏まえ、国民の
健康の観点からたばこの消費を抑制するため、たばこ税の税率を引き上げる。
の
内
容
16- 1
平年度の減収見込額
-
百万円
(制 度 自 体 の 減 収 額)
( -
百万円)
(改 正 増 減 収 額)
( -
百万円)
⑴
新 設 ・ 拡 充 又 は 延 長 を 必 要 と す る 理 由
政策目的
たばこ税の税率を引き上げることによって、たばこの消費抑制を図り、もっ
て国民の健康増進に資する。
⑵
○
施策の必要性
喫煙の健康への悪影響は明らかであるが、いまだ日本の喫煙率は高い。
・ 男性喫煙者の肺がんによる死亡率は男性非喫煙者に比べて約 4.5 倍高い
・ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡原因の約 5 割が喫煙
○
平成 17 年2月に発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約
(FCTC)」において、たばこの消費及び受動喫煙は死亡、疾病及び障害を引き
起こすリスクが高まることが科学的証拠により明白に証明されていること、
価格や課税に関する措置が、様々な人々、特に年少者のたばこの消費を減少
させる効果的かつ重要な手段であること等が規定されている。一方、他の先
進諸国と比べて我が国のたばこ価格は低い状況にある。
○ 平成 27 年7月に WHO が発表したたばこに関する報告書「The Global
Tobacco Epidemic 2015」において、喫煙に起因する病気による死亡者が全世界
に年間約 600 万人いるとし、その上で、たばこの消費量を減らし、かつ税収を
上げるために、たばこ税を少なくとも販売価格の 75%以上とすることが望まし
いとこととされた。
今
回
の
政策体系
における
政策目的の
位置付け
合
要
理
望
性
に
政 策 の
達成目標
(基本目標)
安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進
すること。
(政策目標10)
妊産婦・児童から高齢者に至るまでの幅広い年齢層において、
地域・職場などの様々な場所で、国民的な健康づくりを推進す
ること。
(10-2)
生活習慣の改善等により健康寿命の延伸等を図るとともに、が
んによる死亡者の減少を図ること。
たばこの消費を抑制させることで、国民の健康を増進させる。
関
連
租税特別措
置の適用又 -
は延長期間
す
同上の期間
中の達成 -
目
標
る
16- 2
政策目標の
達成状況
有
要 望 の
措 置 の
適用見込み
-
-
効
性
要望の措置
の効果見込
み(手段とし
ての有効性)
例えば、平成 22 年 10 月の増税(70 円/箱)では、たばこの代
金が 37%上昇し、販売数量は 16%減少、成人喫煙率は 14%減少
(平成 21 年 23.4%→平成 23 年 20.1%)という効果がみられ
た。
当該要望項
目以外の税
制上の支援
措
置
なし
相
当
予算上の
措置等の
要求内容
及び金額
平成 17 年度からたばこ対策促進事業として、都道府県等のたば
こ対策への補助を実施している(平成 28 年度予算 39,781 千
円)。
性
上記の予算 たばこ対策促進事業において都道府県等が行うたばこ対策の支
上の措置等 援を行うことで、健康増進に係る社会環境整備の推進を図る。
と要望項目
との関係
要望の措置
の妥当性
これまでの租税特別措
置の適用実績と効果に
関連する事項
租税特別
措 置 の
適用実績
たばこの課税に関する措置は、日本も受諾している「たばこの
規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」においても提唱さ
れており、過去にもたばこ税の税率を引き上げることによって
消費量が減少したことから、効果がある。
-
租特透明化 -
法に基づく
適用実態
調査結果
16- 3
租税特別措
置の適用に
よる効果
(手段として
の有効性)
前回要望時
の達成目標
前回要望時
からの達成
度及び目標
に達してい
ない場合の
理
由
-
-
-
【過去5年間の要望状況】
○平成 24~26 年度税制改正要望
「国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的
とした、たばこ税の引上げ」において、たばこ税の税率の引上
げを要望。
これまでの
要 望 経 緯
○平成 27 年度税制改正要望
「国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的
とした、たばこ税の税率の引上げ等」において、以下を要望。
①たばこ税及び地方たばこ税の税率の引上げ
②紙巻きたばこ旧3級品における税率の特例措置の廃止
③かぎ用の製造たばこ等における課税の換算方法の見直し
このうち、②の要望が認められた(平成 31 年までに段階的に
特例措置を廃止)。
○平成 28 年度税制改正要望
「国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的
とした、たばこ税の税率の引上げ等」において、以下を要望。
①たばこ税及び地方たばこ税の税率の引上げ
②かぎ用の製造たばこ等における課税の換算方法の見直し
16- 4