山行記 2016年北海道 本隊:大雪山旭岳~トムラウシ縦走の記録 【メンバー】CL 仙石、清水、望月(会員外) 7 月 15 日 羽田 10:40 発JAL553=旭川(12:20 着)、→レンタカーで旭岳温泉 YH 白樺荘へ 7 月 16 日 4時起床 5:10YH 発-旭岳ロープウェイ山麓駅 5:30~6:00=姿見駅 6:05~6:20―― 姿見の池 6:44~6:47――金庫岩 8:44~8:53――旭岳 9:02~9:24――裏旭キャンプ指定地 9:55―― 間宮岳分岐 10:40~11:10――松田岳 11:53――北海岳 12:05~12:15――白雲分岐 13:30~13:40―― 白雲岳避難小屋キャンプ指定地 14:10(テント泊)(歩行6時間50分) 朝食を宿の人に作ってもらったおにぎりと持参したインス タント味噌汁で簡単に済ませ出発。宿からロープウェー乗り 場までは 7~8 分だが、始発 20 分前にはもうすでに 50~60 人の人が並んでいた。 登山口より姿見駅まで 500 メートルを 10 分で駆け上がる。 軽く準備運動をして朝の筋肉を目覚めさせ、いよいよ登山開 始。緩やかな登山道の脇には、ウコンウツギ、チングルマな どの花々が我々を出迎えてくれている。 20 分もすると姿見の池を過ぎる。その辺りからは花はなく、 火山石の急坂が始まる。雄大な旭岳をバックに眼下にはジェ ット機のような爆音を轟かせながら真っ白い蒸気を噴出して いる地獄谷。周りはゼブラ模様の雪渓に覆われている。 やがて、6 合目、7 合目と進むとガスが立ち込めて視界を遮 る。道は相変わらずのザレ場だが、金庫岩に差し掛かる頃は 一面のエゾツツジ、イワヒゲに感動です。 間もなく丸く大きな旭岳山頂に到着。記念写真と水分補給 を済ませると、間宮岳分岐に向けて更に細かな火山石に足元 を救われそうになりながら急降下。 間宮岳分岐で早めの昼食。 (5 年前も黒岳から縦走で昼ご飯 でした。 )今回はここから白雲岳方面に向かうが人気はグンと減る。分岐を過ぎると間もなくエゾタカネスミ レの大群落・雪渓と続き、振り返ると雪渓の向こうには青空ものぞき旭岳が存在感を出している。松田岳~ 白雲岳分岐(白雲岳はパス)を過ぎ、白雲岳非難小屋が見え て来た。近づくともうすでに30張り程のテントが張られて おり、雪の上にも幾つかのテントが観られる。地面はぬかる んでいるが、私たちは、幸い比較的水分の少ない地面を見つ け設営に取り掛かる。全て初体験と言う事でリーダーをヤキ モキさせながらも何とか完成!! テント場使用料を払い、水汲み(水は豊富だが煮沸が必要) コーヒーを一杯、早めの夕食をして明日に備えテントにもぐ り込んだ。 この年になり、まさかの北海道の屋根を大縦走すること出 1 来ました!リーダーには大変お世話になりました。この達成感と感動は一生の宝です。 K子 チングルマ ウコンウツギ エゾノツガザクラ イソツツジ イワヒゲ」 キバナシャクナゲ エゾタカネスミレ エゾコザクラ ハクサンイチゲ コマクサ エゾノオヤマノエンドウ リュウキンカ 7 月 17 日 3 時起床 キャンプ指定地 4:50 発――高根ヶ原分岐 6:05~6:15――忠別沼 8:15~8:25―― 忠別岳避難小屋分岐 10:35~10:45――五色岳 11:30~11:45――ヒサゴ沼分岐 13:05~13:15―― ヒサゴ沼避難小屋 13:50(小屋泊)(歩行 7 時間 40 分) 2 朝3時に起床。テントの中で朝食を済ませ、急いでテントを撤収する。4時50分に白雲岳避難小屋テン ト場を出発する。 今日はヒサゴ沼避難小屋までの道のり。 行く手のトムラウシ山方面は雲がかかっていたが、 天候は上昇のきざしでだんだんと晴れてきた。 高根ヶ原周辺は起伏の少ないなだらかな尾根道で、登山道がず~っと見えていて、北海道の雄大な景色が 広がっていた。両脇に一面に咲く高山植物(ハクサンイチゲ、チングルマ、コマクサ、イワヒゲ、ホソバウ ルップソウなどなど)に目を奪われ、写真撮りが忙しく、なかなか前に進まない。振り返ると昨日出発した 旭岳から黒岳、白雲岳と眺められ、朝から歩いてきた縦走路も見える。左手眼下には水色の空沼がみえ、ま さに雲上の楽園である。 さらに進むと忠別沼が現れ小休止。少し曇ってくる。ここか ら忠別岳、五色岳と上り下りを繰り返し、化雲岳の鞍部に着い たときは一面真っ白のガスが立ち込めてきた。広大な緑のじゅ うたんの中にハクサンイチゲやチングルマが咲き、幻想的で本 当に神遊びの庭と いう感じだ。 ヒサゴ沼分岐を 左に進み、やがて 雪渓が現れる。視 界不良の中、 足跡と仙ちゃんのGPSを頼りに長い雪道を進む。 やがて木道が現れホッとする。雨もとうとう振り出し、雨具を つけて歩き出すと間もなくヒサゴ沼が現れ、 避難小屋に着いた。 はたして泊まれるかどうか?心配しながら小屋に入ると、先 客は3,4人位。ちょっと拍子抜けしたが、小屋に泊まれて安心した。そのあと、何人かが小屋に入ってき た。小屋は2階建てで、1階は我々を含めて10人位、2階に上がっていった人は4,5人位、テント泊の 人は小雨のなか10組位いた。 M月 エゾツツジ イワブクロ ホソバウルップソウ エゾリンドウ チシマフウロ エゾヒメクワガタ 7 月 18 日 3 時起床 避難小屋 4:45――ヒサゴのコル 5:50~5:55――天沼 6:40~6:45――日本庭園 6:55―― 3 ロックガーデン 7:40――北沼 8:40~8:50――トムラウシ山 9:28~10:10――南沼 10:35~10:45―― トムラウシ公園 11:24~11:30――前トム平 12:15――コマドリ沢出合 12:50~13:00―― カムイ天上 14:48~14:50――温泉コース分岐 15:26――短縮コース登山口 15:40~15:50 A 氏のお迎えと合流==東大雪荘 (歩行 9 時間 30 分) 今日も 3 時起床。夜中に何回もトイレに行ってしまった。そのたびに、まだ霧雨が降っている。テント にしなくて良かった。青空を祈るしかない。朝飯は、お茶を飲み、ラーメン餅だ。今日は敬子さんに作っ てもらう。 出発の時からレインウエア着用だ。すぐにヒサゴ沼の雪渓を渡ることになる。雪渓は昨日までのルート 上から沼に崩落している。大きく上部をトラバースする。すでに、数パーティーが先行しており、雪渓を 渡りきるところであった。迷わずアイゼン装着とする。確実に一歩一歩雪渓をトラバースする。さらに、 ヒサゴのコルへの雪渓を急登し、岩ごつごつのコルに立つ。コルにはテント二張。ここまで来たけど進退 窮まり登山道上にテントを張ったとか。 ちょっと、登ると岩と高山植物が奇妙に綺麗な庭園のよ うな中に木道が続く。日本庭園?とも思うけれど、天沼の 先のはずである。木道と大岩を交互に跳んで進む。時に窪 地に雪が残っている。お天気が良かったら最高の景色と思 うけれど、今は、うっすらと霧に覆われている。幻想的と もいえるけれど、なかなか余裕はない。稜線に出ると登っ てきたヒサゴ沼が雪渓を抱いて暗く光っていた。 天沼の雪渓を登ると日本庭園。チングルマの白い花の盛 り上がりが霧の中にいっぱいに咲いている。お天気が良け れば!!残念。すぐにロックガーデンとなる。一度登って、降り、また登る。大きく口を開ける岩と岩の 頭を踏んで、跳んで歩く。跳んでというけれど、トンデモナイ!結局、ごつごつの大岩ロックガーデンを 160mほど登ることになった。 スマートなケルンの立つ円頂を越えると、眼下に北沼が雪 を抱いて現れる。そして、霧の中に三つの頭をもたげてトム ラウシがかすんで現れた。昨日、高根ヶ原からほんの少しの 間、頭を出していたトムラウシが、今、目の前にそびえてい た。 小休止の後、その岩尾根に取り付く。岩岩岩の連続。岩に 飛び飛びに付けられた丸印を探しながら、一歩一歩登ってゆ く。コースタイム 25 分と書いてあったが、結局 38 分掛かっ てしまう。 最後に大岩を乗り越えてトムラウシの絶頂に立つ。 絶景!!と云いたいところだが、 残念!!展望はない。 でも、 トムラウシ山と書かれた山頂の標識を抱いて登頂を確認した。 昼食の山菜おこわと味噌汁を摂って、トムラウシ温泉への下山だ。この山行 2 番目の課題、1200m、 5 時間の下山。南沼までは岩の間の急降下で、トムラウシ公 園はなかなか現れない。 トムラウシ公園から雪渓を下ると前トム平までに大きな 岩峰を越える、登り。そしてコマドリ沢の雪渓は結構長い。 降りで滑りそうになりながらクリア。そこから 1490m地点 までの 120mの登り。これは苦しかった。エネルギー切れ、 何回休んだことか。やっとの事で登り切り、今度は泥道と の格闘。降り下る下る。カムイ天上からまた急降下。温泉 4 分岐からやっと、緩やかに。 駐車場に飛び出し阿部夫妻の出迎えを受ける。ありがとうである。東大雪荘で温泉に入り、ビールを飲 み、即、爆睡であった。 仙石 7 月 19 日 宿発 8:20 発=新千歳 12:00 着(15:00 発JAL514)=羽田 16:35 着 5
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