眼窩 折観 的整復術後の再 術率

眼窩⾻折観⾎的整復術後の再⼿術率
眼窩⾻折に対して、観⾎的整復⼿術を⾏う際、⾻折部位(⾻⽋損部)に⾃家⾻(腸⾻等)や⼈⼯物(⼈⼯⾻
プレート)の移植を⾏う。眼窩⾻折術後の合併症としては、約5〜10%認めるとの報告がある。その内容
として眼窩内出⾎、視神経損傷、眼球位置異常、眼球運動障害、移植⾻の移動・偏位,眼窩脂肪の再脱出等
がある。これに伴い、保存的には改善が期待できない場合は再⼿術の適応となる。そのため、術後に眼球運
動の精査(Hess chart)、CTにて確認を⾏い、合併症の有無が評価し、再⼿術が必要か判断している。
H27年度(N=19)
0.0%
10.5%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
当院値の定義・算出方法
分⼦: 眼窩⾻折観⾎的整復術後に再⼿術を⾏った患者数
分⺟: 眼窩⾻折観⾎的整復術を⾏った患者数
×100 (%)
※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。
解説(コメント)
眼窩⾻折に対して、観⾎的整復⼿術を⾏う際、⾻折部位(⾻⽋損部)に⾃家⾻(腸⾻等)や⼈⼯物(⼈⼯⾻
プレート)の移植を⾏う。眼窩⾻折術後の合併症としては、約5〜10%認めるとの報告がある。その内容
として眼窩内出⾎、視神経損傷、眼球位置異常、眼球運動障害、移植⾻の移動・偏位,眼窩脂肪の再脱出等
がある。これに伴い、保存的には改善が期待できない場合は再⼿術の適応となる。そのため、術後に眼球運
動の精査(Hess chart)、CTにて確認を⾏い、合併症の有無が評価し、再⼿術が必要か判断している。
改善策について
昨年度眼窩⾻折術後に再⼿術を⾏った症例は19例中2例であった。2例とも広範囲に⾻折を認め、術後眼
球運動障害の残存が残り、再⼿術を⾏った。再⼿術後運動障害は改善し、経過は良好であった。⾻折部に⼀
部眼窩内組織の癒着、引っかかりの残存がその原因と考えられた。移植した⼈⼯物の偏位はなかった。広範
囲な⾻折の場合や術後眼球運動障害が残存する場合は、再⼿術を考慮するのが望ましいと考える。
⽂責:形成外科主任部⻑
右⽥ 尚