日米防衛相会談の概要 28.9.16 防 衛 省 平成28年9月15日、14時30分(米国東部時間)から約45分間、稲田防衛大臣とカー ター米国防長官は、米国防省において会談を行ったところ、概要次のとおり。 1 地域情勢 稲田大臣から、尖閣諸島周辺海域において継続的に行われている中国公船による我が国領海 への侵入は我が国主権の侵害であり、我が国として断固受入れられない旨説明し、両閣僚は、 尖閣諸島が日本の施政の下にある領域であり、日米安保条約第5条の下でのコミットメントの 範囲に含まれること、及び同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動 にも反対することを再確認した。また、両閣僚は、南シナ海情勢に関し、本年7月の仲裁裁判 所の仲裁判断が最終的かつ紛争当事国を法的に拘束するものであること、また、これを踏まえ、 国際法に則って海洋における活動を行うことの重要性を再確認し、拠点構築やその軍事目的の 利用は、地域の緊張を高める一方的な行動として国際社会の懸念事項であるとの認識で一致し た。また、両閣僚は、地域の安定化に資する取組として、南シナ海沿岸国に対する能力構築支 援を、日米で連携して進めていくことで一致した。 また、両閣僚は、9月9日のものを含む北朝鮮の度重なる核実験や弾道ミサイルの発射活動 は、明白な安保理決議違反であり、断固非難する、日米両国に対する安全保障上の重大な脅威 であるとの認識で一致した。カーター長官からは、日本に対する拡大抑止のコミットメントに ついて改めて確認する旨の発言があった。また、北朝鮮がこれらの活動を継続する姿勢を示し ていることを踏まえ、引き続き同盟調整メカニズム(ACM)の活用を含め、日米二国間で緊密に 連携していくことを確認した。さらに、両閣僚は、日米韓、日米豪、日米印、日米比の三か国 間の防衛協力のほか、多国間の枠組みによる協力を強化していくことを確認した。 2 日米同盟の抑止力・対処力の強化 稲田大臣から、平和安全法制に基づく新たな任務に係る訓練を開始した旨説明し、カーター 長官からは、これを支持・歓迎する旨の発言があった。また、両閣僚は、北朝鮮による一連の 挑発行為への対応等で ACM が効果的に機能していることを確認し、同メカニズムを一層活用し ていくことで一致した。さらに、新ガイドラインの実効性確保のための取組の進捗を確認した。 また、両閣僚は、日本の弾道ミサイル対処能力の総合的な向上や米国の第3のオフセット戦 略に係る日米防衛当局間の緊密な協力が、アジア太平洋地域における日米同盟の抑止力・対処 力の一層の強化に資することを確認するとともに、協力を加速化させることで一致した。 3 在日米軍関係者による事件・事故の再発防止、米軍再編 稲田大臣とカーター長官は、本年7月の共同発表を踏まえ、引き続き事務レベルの協議を行 っていくことを確認した。 また、稲田大臣から、辺野古が唯一の解決策であるとの立場は不変であると述べた。カータ ー長官からは、米国も日本政府と同じ立場を共有しており、引き続き緊密に協力していきたい との発言があった。また、稲田大臣から、オスプレイ等の沖縄県外での訓練の実施などによる 沖縄の負担軽減について協力を要請した。カーター長官から、引き続き協力していく旨の発言 があり、両閣僚は、嘉手納以南の施設・区域や北部訓練場の過半の早期返還に向けて取り組む ことで一致した。 (以上)
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