第4章 安全運転と車両の安全確保

第4章 安全運転と車両の安全確保
第4章
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安全運転と車両の安全確保
基本的な考え方
運転免許保有者は年々増加し、運転者も若者から高齢者まで多様化し、特に高齢者
の運転免許保有者が増えています。そして、交通事故の発生原因の多くは、運転者
のルール違反あるいは運転技術の未熟などです。常日頃から交通ルールを守る
とともに、やさしさと思いやりのある運転が実践されるよう、運転者教育の充実や
安全運転管理の確保などの施策を推進します。
特に、高齢運転者や二輪車運転者の事故を防止するため、そうした運転者を対象
とした講習や運転適性検査を積極的に実施し、高齢者に対しては、自主的に運転
免許証の返納を推進します。
また、整備不良車対策など車両の安全の確保を図っていきます。
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安全運転の確保
(1)
運転者教育の充実
すべての運転者に対して、最近の交通情勢を踏まえ、個々の心理的・性格的
な適正を踏まえた教育、交通事故の悲惨さを理解させ、自らの身体機能の状況や
健康状態について自覚を促す教育を徹底し、運転実務に必要な知識と判断能力を
修得させる教育の充実に努めます。また、人命尊重の理念に基づく交通ルール
の遵守と正しいマナーの実践を徹底するため、警察署が中心となって実施して
いる運転者講習会をさらに拡充します。
特に、安全教育の機会に恵まれず、運転者の安全管理が不十分と思われる
未組織運転者の安全教育を充実するなど、区内全域の運転者に対して交通安全
思想と的確な運転行動の普及・浸透を図るとともに、高齢者や子供など交通
弱者の保護意識の醸成及び思いやりのある運転行動の涵養に努めます。
(警察署)
(2)
高齢運転者対策の充実
高齢化社会の進行に伴い、高齢運転者の関係する交通事故が多くなっています。
高齢運転者に対し、加齢による身体機能の低下とその危険性の認識、安全・確実
な運転を実践するため、各種講習会や会合等を活用し、事故防止意識の徹底を
図っていきます。
特に、プロ指導員による実技指導等が受けられる、警視庁交通安全センター
における「シルバードライバーズ安全教室」の受講について、積極的な広報活動
を展開します。
(警察署)
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(3) 二輪車事故防止対策の推進
重大事故に直結する二輪車の交通事故は、全発生件数の3割を占めています。
二輪車運転者に対しては、関係機関・団体と連携した二輪車実技教室を拡充し、
参加・体験・実践型の交通安全教育を推進します。また、講習会への積極的な
参加を促すため、二輪車安全運転推奨シールを受講者に交付して、模範運転者
としての自覚を促し、交通安全意識の高揚を図ります。
(警察署)
(4) 自転車の安全利用の推進
自転車利用者の増加にともない、自転車に関わる交通事故が増加しています。
原因は、ルール無視やマナーの低下によるものであり、事故防止のために、
実践的、体験型自転車講習会を開催し、
「自転車安全利用五則」等の周知徹底を
図っていくとともに、交通ルールや交通マナーの啓発活動を強力に推進します。
(警察署・区環境土木部)
(5)
安全運転管理の充実
安全運転管理者制度の運用については、事業場における安全運転管理者・
副安全運転管理者の資質と管理技術の向上を図るため、安全教育に必要な知識・
技能等の講習内容の充実に努めます。
また、安全運転管理者未選任の事業場に対しては、早期選任に向けて指導監督
を行うととともに、選任を義務づけられていない小規模事業場等についても、
講習会への参加を呼びかけるなど安全運転管理の充実を推進します。
(警察署)
(6)
交通労働災害の防止
事業場における交通労働災害防止のための管理体制の確立、適正な労働時
間等の管理及び走行管理の励行、交通労働災害防止担当管理者及び運転者に対
する教育の実施、運転者の健康診断結果に基づく健康管理の充実等を内容と
する「交通労働災害防止のためのガイドライン(平成20年4月3日基発第0403001
号)
」を周知し、交通労働災害防止の徹底を図ります。
また、携帯電話使用中の交通事故を防止するため、携帯電話の適正使用に
ついての啓発を推進します。
(労働基準監督署)
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(7)
労働条件の適正化
自動車運転者については、依然として過重な長時間労働が行われている状況
が認められることから、長時間労働等による過労運転を防止するため、毎年、
春・秋の全国交通安全運動実施時期等を中心に、労働基準法等関係法令及び
「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号
改正平成12年労働省告示第120号)
」並びに平成18年4月に施行された改正労働
安全衛生法に基づき、ハイヤー、タクシー及び道路貨物運送事業者に対する監督
指導を実施し、改善基準告示による労働時間の管理、過重労働による健康障害
防止対策としての健康管理措置の徹底など、労働条件の確保・改善を図ります。
(労働基準監督署)
(8)
道路交通に関する情報の収集と提供
道路交通情報・駐車場情報・災害情報・気象情報など道路交通に関する様々な
情報を、迅速かつ的確に収集し、道路交通の安全・円滑化、環境への負荷低減化
等を図るため、関係機関が行う情報通信技術の開発及び運用に対して、保有情報
の提供など積極的に援助・協力していきます。
(警察署・区環境土木部)
(9)
自動車運転代行業の業務適正化
自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律に基づく認定等の業務を
適切に行うとともに、自動車運転代行業者に対する立入検査や指導取り締まり
により業務の適正な運営の確保に努めます。
(警察署)
3 車両の安全性の確保
(1) 自動車の安全性の確保
自動車の整備不良や不正改造が原因となって発生する交通事故を防止する
ため、自動車検査(車検)をはじめとする自動車の点検・整備の確実な励行、
不正改造車の排除等について、自動車関係諸団体等を通じた広報啓発活動を
積極的に推進します。
(警察署)
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(2) 自転車の安全性の確保
自転車の安全な利用を確保するため、区内自転車商組合等の協力を得て自転車
の適切な点検・整備を実施するとともに、自転車の「TSマーク」(※)
・
「SG
マーク」(※)の普及に努めます。
※ TSマーク ─ 自転車安全整備店の自転車安全整備士が点検整備し、道路交通法
に規定する普通自転車であることを確認して貼付するマーク。傷害
保険及び賠償責任保険が附帯されている。
※
SGマーク ─
製品安全協会が消費生活用製品安全法に基づく安全基準の適合
したものに付けるマーク。
第2部 第2章 2(8)「自転車の安全利用の推進」に別掲
(警察署・区環境土木部)
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