答申第793号~806号 [PDFファイル/547KB]

情報公開審査会答申の概要
答申第 793 号(諮問第 1323 号)
DV 被害者支援ネットワーク会議ワーキンググループ復命書等の一部開示決定に関
件
名
する件
一部開示決定(平成 26 年 9 月 18 日)
本件行政文書は、愛知県東三河福祉相談センターが管理する文書のうち、別記に
掲げる文書 1 から文書 13 までである。
原処分では、出席者の職氏名等を条例第 7 条第 2 号(個人情報)に該当するとし
原処分の内容 て、事例研究の内容等を同条第 2 号(個人情報)及び第 6 号(行政運営情報)に該
当するとして、文書 1 のうちワーキンググループ資料、文書 4 のうち「加害者対応
について~最近の傾向と注意点~」並びに文書 8 のうち一時保護所の電話番号及び
FAX 番号(以下「ワーキンググループ資料等」という。
)を同条第 6 号(行政運営
情報)に該当するとして不開示とした。
不 服 申 立 て 開示を求める異議申立て(平成 26 年 9 月 22 日)
の
内
容
条例第 7 条第 2 号、第 6 号に該当しない。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 26 年 11 月 6 日
原処分妥当
1 本件異議申立ての対象となった部分は、出席者の職氏名等のうち氏名、生年月
日、住所及び電話番号以外の部分(以下「出席者の職等」という。
)
、事例研究の
内容等並びにワーキンググループ資料等であると解される。
2 出席者の職等は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することがで
きるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、な
お個人の権利利益を害するおそれがあるものであると認められる。
また、当審査会において、本件行政文書を見分したところ、事例研究の内容等
には、DV 被害者等からの相談内容、家族の状況等が詳細に記載されており、いず
れも全体として個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる
もの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個
人の権利利益を害するおそれがあるものであると認められる。
よって、出席者の職等及び事例研究の内容等は、条例第 7 条第 2 号本文に該当
答 申 内 容
する。
3 出席者の職等及び事例研究の内容等は、法令等の定めるところにより又は慣行
として公にされ、又は公にすることが予定されている情報とは認められないた
め、条例第 7 条第 2 号ただし書イに該当しない。
また、出席者の職等及び事例研究の内容等における個人は公務員ではないた
め、出席者の職等及び事例研究の内容等は、同号ただし書ハに該当しない。
さらに、出席者の職等及び事例研究の内容等が同号ただし書ロ及びニに該当し
ないことは明らかである。
4 以上のことから、出席者の職等及び事例研究の内容等は、条例第 7 条第 2 号に
該当する。
5 当審査会において、本件行政文書を見分したところ、ワーキンググループ資料
には、愛知県 DV 被害者保護支援ネットワーク会議ワーキンググループの検討資
- 4 -
料として、DV 被害者保護施設の職員と加害者及びその関係者との応対事例等が
具体的かつ詳細に記載されていることから、公にすることが前提となれば、当該
資料の作成者は、公になることを意識して、事例の内容を詳細に記載することを
ちゅうちょ
躊 躇 することとなり、その結果、関係者における率直な意見交換が行われなく
なって会議が形骸化するなど、DV 被害者支援事業の適正な遂行に支障を及ぼす
おそれがあると認められる。
6 事例研究の内容等に記載された情報は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の
保護等に関する法律第 23 条第 1 項に秘密の保持に関する定めがあるように、秘
密保持を前提に愛知県女性相談センターの相談員等が相談者等から聴取したも
のである。
その一部でも公にすることとなれば、今後、DV 等の相談をしようとする者は、
ちゅうちょ
自分の相談内容等が公にされることを意識して相談を躊 躇 し、又は率直な意見
や具体的な事実を言わなくなるおそれがある。その結果、事実関係等を正確に把
握することができなくなるなど、女性相談員による適切な助言指導等を行うこと
が困難となり、女性相談事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認めら
れる。
7 実施機関によれば、加害者対応について~最近の傾向と注意点~」は、東三河
南部圏域 DV 被害者保護支援ネットワーク会議において配付された対応マニュア
ルであり、加害者側から支援機関に接触があった際の注意点等が記載されている
とのことである。
したがって、当該資料を公にすることとなれば、各支援機関の DV 被害者保護
の対応方法が明らかとなり、被害者の一時保護先の特定に悪用されることなどか
ら、DV 被害者支援事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
8 一時保護所の電話番号及び FAX 番号を公にすることとなれば、被害者がかくま
われている一時保護所の所在地の特定につながることなどから、DV 被害者支援
事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
9 以上のことから、事例研究の内容等及びワーキンググループ資料等は、条例第
7 条第 6 号に該当する。
別記
文書 1 平成 24 年度 DV 被害者支援ネットワーク会議第 1 回ワーキンググループ復命書
文書 2 平成 24 年度東三河ブロック女性相談員研修会復命書
文書 3 平成 24 年度女性問題相談員ネットワーク事業復命書
文書 4 平成 24 年度東三河南部圏域 DV 被害者保護支援ネットワーク会議資料
文書 5 平成 25 年度 証明書交付申請書について
文書 6 平成 25 年度 DV 防止法に係る保護命令申立書面について
文書 7 平成 25 年度第 2 回三河ブロック女性相談員研修会復命書
- 5 -
文書 8 平成 25 年度市町村等 DV 実務担当者会議復命書
文書 9 平成 25 年度 女性相談員の月例報告について
文書 10 平成 25 年度東三河南部圏域 DV 被害者保護支援ネットワーク会議報告書
文書 11 平成 26 年度 証明書交付申請書について
文書 12 平成 26 年度 DV 防止法に係る保護命令申立書面について
文書 13 平成 26 年度 女性相談員の月例報告について
- 6 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 794 号(諮問第 1348 号)
特別支援教育のうち外国の児童生徒に対するもの等の不開示(不存在)決定に関す
件
名
る件
不開示(不存在)決定(平成 26 年 11 月 12 日及び同月 25 日)
本件開示請求は、愛知県知事に対するもので、本件請求対象文書は、別記に掲げ
原処分の内容 る文書 1 から文書 3 までである。
原処分では、条例第 11 条第 2 項(開示請求に係る行政文書を管理していない)
に該当するとして、不開示とした。
不 服 申 立 て 開示を求める異議申立て(平成 26 年 11 月 17 日及び同月 28 日)
の
内
容
開示請求に係る行政文書を作成又は取得している。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 3 月 9 日
原処分妥当
1 文書 1 について
実施機関によれば、愛知県地域振興部国際課(当時。以下「国際課」という。
)
多文化共生推進室においては、外国人も安心して暮らせ活躍できる地域社会であ
る多文化共生社会づくりの推進に係る事務を行っており、その一環として、外国
人の児童生徒が学校外において日本語教育を習得するために必要な事業を行っ
ているものの、学校内における児童生徒に対する教育については所管していない
とのことである。
児童生徒に対する特別支援教育は、特別支援学校並びに小学校及び中学校の特
別支援学級等において実施され、また、愛知県教育委員会事務局組織規則第 6 条
第 7 項の規定により、特別支援教育の振興に関する事務、特別支援学校並びに小
学校及び中学校の特別支援学級及び通級による指導の教育課程、学習指導、生徒
指導及び職業指導に関する事務等を愛知県教育委員会学習教育部特別支援教育
課が所管していることからすれば、国際課において文書 1 に係る請求対象文書を
作成又は取得していないとする実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点があ
るとは認められない。
答 申 内 容
2 文書 2 について
実施機関によれば、国際課多文化共生推進室においては、多文化共生社会づく
りの推進に係る事務を行っているが、外国人支援のための防災計画は策定してい
ないとのことである。
また、災害対策基本法第 40 条第 1 項の規定に基づき作成されている愛知県地
域防災計画は、県民の生命、身体及び財産を守るため、県、市町村、指定地方行
政機関、指定公共機関、指定地方公共機関、公共的団体及び防災上重要な施設の
管理者がとるべき基本的事項等が定められたもので、外国人のみを対象とした防
災計画ではないことからすれば、国際課において文書 2 に係る請求対象文書を作
成又は取得していないとする実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点がある
とは認められない。
3 文書 3 について
実施機関によれば、外国人からの相談については、公益財団法人愛知県国際交
流協会(以下「国際交流協会」という。
)が運営する多文化共生センターにおい
て、生活相談を始めとした各種の外国人相談に応じるとともに、複雑な問題を抱
- 7 -
える外国人に対して継続的な個別支援をするなど、専門的に行っているとのこと
である。そして、国際交流協会に対しては、県が運営費を補助しているとのこと
である。
生活相談を始めとした外国人からの相談は、県が運営費を補助する国際交流協
会が、多文化共生センターを運営し、専門的に行っていることからすれば、国際
課多文化共生推進室では、外国人の相談事務を行っておらず、また、外国人から
相談があった場合にも、同協会を案内するにとどまり、個々の相談記録を同協会
から取得していないなどとして、文書 3 に係る請求対象文書を作成又は取得して
いないとする実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点があるとは認められな
い。
4 以上のことから、本件請求対象文書を作成又は取得しておらず、不存在である
としたことについての実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点があるとは認
められない。
別記
国際課に対する開示請求
文書 1 特別支援教育のうち外国の児童生徒に対するもの(計画、法制度、実践等を含む) H24
年度~H25 年度
文書 2 外国人支援のための防災計画 直近のもの
文書 3 外国人の相談記録 H22 年度~H26 年度
- 8 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 795 号(諮問第 1366 号)
行政文書及び自己情報開示請求に関する不服申し立てについて審査請求書に年齢
件
名 の記載がないことを理由に審議取り消し・諮問終了となった事例の不開示(存否応
答拒否)決定に関する件
不開示(存否応答拒否)決定(平成 27 年 1 月 9 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、別記
に掲げる文書である。
原処分の内容
原処分では、本件請求対象文書が存在するか否かを答えることは、条例第 7 条第
2 号に定める個人情報を開示することと同様の結果となるため、条例第 10 条によ
り当該対象文書の存否を明らかにしないで不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 1 月 21 日)
本件開示請求は、審査請求人が愛知県公安委員会に提出した審査請求について、
過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行い受理が為され、又審議の終了が
不 服 申 立 て なされている事案がいくらでもあるにも関わらず、開示請求人による年齢を記載す
の
内
容 る必要性についての問いに対して、何ら説明する責務も果たさず、過去に再三重要
な違反があるかのように装い、審査請求人の意に反し、訂正の強要が行われたこと
に対する事実立証をするための開示請求である。審査請求人には、本件開示情報に
ついて「知る権利」がある。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 6 日
原処分を取り消すべき
1 本件請求対象文書は、条例又は愛知県個人情報保護条例に基づく行政文書又は
自己情報の開示請求に関する不服申立てについて、愛知県情報公開審査会(以下
「審査会」という。
)若しくは愛知県個人情報保護審議会(以下「審議会」とい
う。
)における審議が終了し、又は審査会若しくは審議会に諮問中であるにもか
かわらず、審査請求書に審査請求人の年齢の記載がないことを理由に、当該審議
が取消しとなり、又は当該諮問が終了となった事例が記載された文書であると解
される。
2 実施機関によれば、本件開示請求書には、特定の審査請求の処理に関する情報
が詳細に記載されており、当事者以外の者には知り得ない情報であるため、本件
開示請求は、本件審査請求人又は第三者が当事者となっている事例に関する情報
答 申 内 容
の開示を求めているものと解するほかなく、仮に本件請求対象文書が存在すると
しても、特定の個人の情報を含んだ文書となるとのことである。
しかし、本件開示請求は、その記載からは、特定の個人が不服申立てを提起し、
請求内容にあるような取扱いを受けたという前提のもとになされたものである
とは認められない。
そして、本件請求対象文書の存否を答えたとしても、審査請求書に審査請求人
の年齢の記載がないことを理由とした審査会又は審議会に係る審議の取消し又
は諮問の終了という事実の有無が明らかになるにすぎず、それによって、個人に
関する情報であって特定の個人を識別することができるものを開示することに
なるとは認められない。
3 また、審査請求人の年齢は、行政不服審査法(平成 26 年法律第 68 号)による
改正前の行政不服審査法(昭和 37 年法律第 160 号)第 15 条第 1 項第 1 号により、
- 9 -
審査請求書の記載事項とされていたところであり、これが審査請求書に記載され
ていたか否かは形式的な情報であることからしても、本件請求対象文書の存否を
答えることで、個人の権利利益を害するおそれがあるとは認められない。
4 したがって、本件請求対象文書が存在するか否かを答えるだけで、条例第 7 条
第 2 号に規定する不開示情報を開示することとなるとした実施機関の判断は、妥
当であるとはいえない。
以上のことから、実施機関は、本件請求対象文書の存否を明らかにして、改め
て開示決定等をすべきである。
別記
過去に、行政文書及び自己情報開示請求に関する不服申し立てについて、審議終了、ないし諮問中で
ありながら、審査請求書に年齢の記載がないことを理由に、審議取り消し・諮問終了となった事例。
- 10 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 796 号(諮問第 1367 号)
審査請求書を訂正しないと審査請求を却下すると脅し、訂正の強要をした責任者の
件
名
氏名及びその役職が分かる情報の不開示(存否応答拒否)決定に関する件
不開示(存否応答拒否)決定(平成 27 年 1 月 9 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、別記
に掲げる文書である。
原処分の内容
原処分では、本件請求対象文書が存在するか否かを答えることは、条例第 7 条第
2 号に定める個人情報を開示することと同様の結果となるため、条例第 10 条によ
り当該対象文書の存否を明らかにしないで不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 1 月 21 日)
本件開示請求は、審査請求人が愛知県公安委員会に提出した審査請求について、
過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行い受理が為され、又審議の終了が
不 服 申 立 て 為されている事案がいくらでもあるにも関わらず、開示請求人による年齢を記載す
の
内
容 る必要性についての問いに対して、何ら説明する責務も果たさず、過去に再三重要
な違反があるかのように装い、審査請求人の意に反し、訂正の強要が行われたこと
に対する事実立証をするための開示請求である。開示請求人には、本件開示情報に
ついて「知る権利」がある。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 6 日
原処分妥当
1 本件請求対象文書は、条例又は愛知県個人情報保護条例に基づく行政文書又は
自己情報の開示請求に係る不服申立人が過去に年齢を記載することなく再三不
服申立てをしており、かつ、愛知県情報公開審査会及び愛知県個人情報保護審議
会において、その審査請求書により審議もなされている事実があるにもかかわら
ず、今となって審査請求人に対して、
「審査請求書を訂正しないと審査請求を却
下する。
」と脅し、訂正の強要をした責任者の氏名及びその役職が分かる情報が
記載された文書であると解される。
2 本件開示請求は、審査請求書の訂正をめぐる実施機関とのやり取りの内容に触
れているなど、特定の個人が愛知県公安委員会に審査請求をし、当該審査請求書
の訂正について実施機関とやり取りがあったという前提のもとになされたもの
であると認められる。
答 申 内 容
よって、本件開示請求に係る行政文書の存否を答えることは、特定の個人が愛
知県公安委員会に審査請求をし、当該審査請求書の訂正について実施機関とやり
取りを行ったという事実の有無(以下「本件存否情報」という。
)を明らかにす
ることになる。
3 本件存否情報は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することがで
きるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、な
お個人の権利利益を害するおそれがあるものであると認められるため、条例第 7
条第 2 号本文に該当する。
また、本件存否情報は、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されて
いる情報ではないため、本号ただし書イには該当せず、同号ただし書ロ、ハ及び
ニのいずれにも該当しないことは明らかである。
したがって、本件存否情報は、条例第 7 条第 2 号に該当する。
- 11 -
4 以上のとおり、本件請求対象文書の存否を明らかにすることは、不開示情報を
開示することと同様の結果となることから、実施機関が条例第 10 条の規定によ
り、本件請求対象文書の存否を明らかにしないで不開示決定を行ったことは妥当
である。
別記
行政文書又は自己情報開示請求の不服申立人が、過去に年齢を記載することなく再三不服申し立てを
しており、且つ情報公開審査会及び個人情報保護審議会において、その審査請求書により審議も為され
ている事実がありながら、今となって審査請求人に対して「審査請求書を訂正しないと審査請求を却下
する。
」と脅し、訂正の強要をした責任者の氏名及びその役職が分かる情報。
(公務員の対応としては、
「これからは、一応年齢を記載して下さい。
」で十分である。
)
- 12 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 797 号(諮問第 1368 号)
行政文書及び自己情報開示請求の開示請求者が行った不服申し立てについて年齢
件
名 が記載されていなかったものの審査請求年月日が分かる情報の不開示(存否応答拒
否)決定に関する件
不開示(存否応答拒否)決定(平成 27 年 1 月 9 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、別記
に掲げる文書である。
原処分の内容
原処分では、本件請求対象文書が存在するか否かを答えることは、条例第 7 条第
2 号に定める個人情報を開示することと同様の結果となるため、条例第 10 条によ
り当該対象文書の存否を明らかにしないで不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 1 月 21 日)
本件開示請求は、審査請求人が愛知県公安委員会に提出した審査請求について、
過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行い受理が為され、又審議の終了が
不 服 申 立 て なされている事案がいくらでもあるにも関わらず、開示請求人による年齢を記載す
の
内
容 る必要性についての問いに対して、何ら説明する責務も果たさず、過去に再三重要
な違反があるかのように装い、審査請求人の意に反し、訂正の強要が行われたこと
に対する事実立証をするための開示請求である。審査請求人には、本件開示情報に
ついて「知る権利」がある。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 6 日
原処分を取り消すべき
1 本件請求対象文書は、条例又は愛知県個人情報保護条例に基づく行政文書又は
自己情報の開示請求者が行った不服申立てのうち、審査請求書にその年齢が記載
されていなかったものの審査請求年月日が分かる情報が記載された文書である
と解される。
2 実施機関によれば、本件開示請求書には、特定の審査請求の処理に関する情報
が詳細に記載されており、当事者以外の者には知り得ない情報であるため、本件
開示請求は、本件審査請求人又は第三者が当事者となっている行為に関する情報
の開示を求めているものと解するほかなく、仮に本件請求対象文書が存在すると
しても、特定の個人の情報を含んだ文書となるとのことである。
しかし、本件開示請求は、その記載からは、特定の個人が行政文書又は自己情
答 申 内 容
報の開示請求をしたものについて審査請求書に年齢を記載せずに不服申立てを
提起したという前提のもとになされたものであるとは認められない。
そして、本件請求対象文書の存否を答えたとしても、行政文書又は自己情報の
開示請求者が提起した不服申立てについて、審査請求書にその年齢が記載されて
いなかったという事実の有無が明らかになるにすぎず、それによって、個人に関
する情報であって特定の個人を識別することができるものを開示することにな
るとは認められない。
3 また、審査請求人の年齢は、行政不服審査法(平成 26 年法律第 68 号)による
改正前の行政不服審査法(昭和 37 年法律第 160 号)第 15 条第 1 項第 1 号により、
審査請求書の記載事項とされていたところであり、これが審査請求書に記載され
ていたか否かは形式的な情報であることからしても、本件請求対象文書の存否を
答えることで、個人の権利利益を害するおそれがあるとは認められない。
- 13 -
4 したがって、本件請求対象文書が存在するか否かを答えるだけで、条例第 7 条
第 2 号に規定する不開示情報を開示することとなるとした実施機関の判断は、妥
当であるとはいえない。
以上のことから、実施機関は、本件請求対象文書の存否を明らかにして、改め
て開示決定等をすべきである。
別記
行政文書及び自己情報開示請求の開示請求者が過去に行った不服申し立てについて、年齢が記載され
ていなかったものすべての審査請求年月日が分かる情報。
(個人を特定できる情報は必要ない。
)
- 14 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 798 号(諮問第 1369 号)
審査請求書を訂正しない限り審査請求書を受理しないと強要した事実が分かる情
件
名
報の不開示(存否応答拒否)決定に関する件
不開示(存否応答拒否)決定(平成 27 年 1 月 9 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、別記
に掲げる文書である。
原処分の内容
原処分では、本件請求対象文書が存在するか否かを答えることは、条例第 7 条第
2 号に定める個人情報を開示することと同様の結果となるため、条例第 10 条によ
り当該対象文書の存否を明らかにしないで不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 1 月 21 日)
本件開示請求は、審査請求人が愛知県公安委員会に提出した審査請求について、
過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行い受理が為され、又審議の終了が
不 服 申 立 て 為されている事案がいくらでもあるにも関わらず、開示請求人による年齢を記載す
の
内
容 る必要性についての問いに対して、何ら説明する責務も果たさず、過去に再三重要
な違反があるかのように装い、審査請求人の意に反し、訂正の強要が行われたこと
に対する事実立証をするための開示請求である。審査請求人には、本件開示情報に
ついて「知る権利」がある。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 6 日
原処分妥当
1 本件請求対象文書は、条例又は愛知県個人情報保護条例に基づく行政文書又は
自己情報の開示請求者が、特定の日付で愛知県公安委員会に提出した審査請求書
について、過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行っており、愛知県情
報公開審査会若しくは愛知県個人情報保護審議会における審議を終了し、又は同
審査会若しくは同審議会に諮問中である事件が幾らでもあるにもかかわらず、今
回に限って愛知県警察本部警務部住民サービス課職員が電話で「審査請求書を訂
正しない限り、特定の日付の審査請求書を受理しない。
」と開示請求者の意に反
して強要した事実が分かる情報が記載された文書であると解される。
2 本件開示請求は、特定の日付の審査請求書を指定するとともに、当該審査請求
書の訂正をめぐる実施機関とのやり取りの内容に触れているなど、特定の個人が
愛知県公安委員会に審査請求をし、当該審査請求書の訂正について実施機関とや
答 申 内 容
り取りがあったという前提のもとになされたものであると認められる。
よって、本件開示請求に係る行政文書の存否を答えることは、特定の個人が愛
知県公安委員会に審査請求をし、当該審査請求書の訂正について、実施機関とや
り取りを行ったという事実の有無(以下「本件存否情報」という。
)を明らかに
することになる。
3 本件存否情報は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することがで
きるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、な
お個人の権利利益を害するおそれがあるものであると認められるため、条例第 7
条第 2 号本文に該当する。
また、本件存否情報は、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されて
いる情報ではないため、本号ただし書イには該当せず、同号ただし書ロ、ハ及び
ニのいずれにも該当しないことは明らかである。
- 15 -
したがって、本件存否情報は、条例第 7 条第 2 号に該当する。
4 以上のとおり、本件請求対象文書の存否を明らかにすることは、不開示情報を
開示することと同様の結果となることから、実施機関が条例第 10 条の規定によ
り、本件請求対象文書の存否を明らかにしないで不開示決定を行ったことは妥当
である。
別記
行政文書又は自己情報の開示請求者が、平成○年○月○日付けで愛知県公安委員会に提出をした審査
請求書について、過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行っており、年齢なしに審議終了、な
いし諮問中である事件がいくらでもあるにもかかわらず、今回に限って住民サービス課職員が、電話に
て「審査請求書を訂正しない限り、平成○年○月○日付け審査請求書を受理しない。
」と開示請求人の
意に反して強要した事実が分かる記録の情報。
(個人を特定できる部分については必要ない。
)
- 16 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 799 号(諮問第 1370 号)
行政不服審査法第 15 条で年齢の記載を義務づける理由が分かるものの不開示(不
件
名
存在)決定に関する件
不開示(不存在)決定(平成 27 年 1 月 9 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、行政
不服審査法(平成 26 年法律第 68 号)による改正前の行政不服審査法(昭和 37 年
法律第 160 号。以下「旧行政不服審査法」という。
)第 15 条第 1 項第 1 号において、
原処分の内容
審査請求人の年齢を審査請求書の記載事項として義務付けている理由が記載され
た文書である。
原処分では、条例第 11 条第 2 項(開示請求に係る行政文書を管理していない)
に該当するとして、不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 1 月 21 日)
本件開示請求は、審査請求人が愛知県公安委員会に提出した審査請求について、
過去に再三年齢を記載することなく審査請求を行い受理が為され、又審議の終了が
不 服 申 立 て 為されている事案がいくらでもあるにも関わらず、審査請求人による年齢を記載す
の
内
容 る必要性についての問いに対して、何ら説明する責務も果たさず、過去に再三重要
な違反があるかのように装い、審査請求人の意に反し、訂正の強要が行われたこと
に対する事実立証をするための開示請求である。審査請求人には、本件開示情報に
ついて「知る権利」がある。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 6 日
原処分妥当
1 当審査会において実施機関に確認したところ、本件開示請求は、法律の条文の
制定趣旨に関する文書の開示を求めており、実施機関においては、旧行政不服審
査法の制定に関して検討することはないとのことである。
2 旧行政不服審査法は、行政庁の処分に関し行政庁に対し不服申立てをすること
ができるための制度についての一般法であり、その規定の趣旨や理由について疑
答 申 内 容
義等があれば、その都度市販の解説書を参照する等により対応できるものと解さ
れる。したがって、本件請求対象文書を管理していないという実施機関の説明は、
不自然、不合理ではない。
3 以上のことから、本件請求対象文書を管理しておらず、不存在であるとしたこ
とについての実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点があるとは認められな
い。また、他に本件請求対象文書が存在するとうかがわれる事情も推認すること
ができない。
- 17 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 800 号(諮問第 1372 号)
仮に年齢を記載しないことが不適法であるとして公安委員会が審査請求人の同意
件
名 もなく諮問中となっている事件を取り下げることができる規定ないしはその法的
根拠が分かる情報の不開示(不存在)決定に関する件
不開示(不存在)決定(平成 27 年 2 月 17 日)
本件開示請求は、愛知県知事に対するもので、本件請求対象文書は、特定の日付
及び文書番号により愛知県公安委員会が審査請求に係る諮問の取下げをしたこと
について、愛知県個人情報保護条例の規定には、遅滞なく愛知県個人情報保護審議
会(以下「審議会」という。
)に諮問しなければならないとあるが、仮に審査請求
原処分の内容
書に年齢を記載しないことが不適法であるとして、愛知県公安委員会が審査請求人
の同意もなく、審議会に諮問中である諮問案件を取り下げることができる規定又は
法的根拠が分かる文書である。
原処分では、条例第 11 条第 2 項(開示請求に係る行政文書を管理していない)
に該当するとして、不開示とした。
開示を求める異議申立て(平成 27 年 2 月 21 日)
異議申立人の求める情報を、管理していないはずがない。
不服申立て
現に、愛知県公安委員会が、行政不服審査法に規定のあるだろう諮問事件の「取
の
内
容 下げ」とする法律行為を独自の解釈により決定し行っている。仮に、法に規定のな
い行為を公安委員会が行えば、不適法な行為であるし、又そのことが個人の権利を
侵害するものとなれば、公務員職権濫用罪の適用となる。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 4 月 24 日
原処分妥当
1 愛知県個人情報保護条例(当時)は、第 43 条第 1 項において、開示決定等、
訂正決定等又は利用停止決定等について不服申立てがあった場合における審議
会への諮問を実施機関に義務付けるとともに、諮問を要さない場合を同項各号で
定めているが、諮問の取下げについての規定はない。
また、当審査会において愛知県個人情報保護条例解釈運用基準(当時)を見分
したところ、諮問の取下げについての記載はなかった。
答 申 内 容
2 審議会への諮問は、開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等についての不
服申立てに係る調査審議を審議会に行わせ、その答申を踏まえて実施機関が当該
不服申立てに係る決定又は裁決を行うためになされるものである。よって、明文
の規定はなくとも、不服申立てが取り下げられた場合など、審議会の答申を踏ま
えて決定又は裁決をすべき不服申立てが存在しなくなれば、実施機関が諮問を取
り下げることとなることは明らかであると解される。
3 以上のことから、本件請求対象文書を作成又は取得しておらず、不存在である
としたことについての実施機関の説明に、特段不自然、不合理な点があるとは認
められない。また、他に本件請求対象文書が存在するとうかがわれる事情も推認
することができない。
- 18 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 801 号(諮問第 1389 号)
仮に年齢を記載しないことが不適法であるとして公安委員会が審査請求人の同意
件
名 もなく諮問中となっている事件を取り下げることができる規定ないしはその法的
根拠が分かる情報の不開示(存否応答拒否)決定に関する件
不開示(存否応答拒否)決定(平成 27 年 3 月 20 日)
本件開示請求は、愛知県警察本部長に対するもので、本件請求対象文書は、別記
に掲げる文書である。
原処分の内容
原処分では、本件請求対象文書が存在するか否かを答えることは、条例第 7 条第
2 号に定める個人情報を開示することと同様の結果となるため、条例第 10 条によ
り当該対象文書の存否を明らかにしないで不開示とした。
開示を求める審査請求(平成 27 年 4 月 6 日)
愛知県公安委員会が審査請求人による審査請求に係る諮問の取下げを行ってい
不 服 申 立 て るが、公安委員会が審査請求人の同意もなく諮問中となっている事件の取下げとい
の
内
容 う法律行為について、行政不服審査法における規定、ないしはその法的根拠が分か
る情報を、審査請求人には「知る権利」があり、公安委員会には説明する責務があ
る。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 22 日
原処分を取り消すべき
1 本件請求対象文書は、特定の日付及び文書番号により愛知県公安委員会(以下
「公安委員会」という。
)が審査請求に係る諮問の取下げをしたことについて、
愛知県個人情報保護条例の規定には、遅滞なく愛知県個人情報保護審議会(以下
「審議会」という。
)に諮問しなければならないとあるが、仮に審査請求書に年
齢を記載しないことが不適法であるとして、公安委員会が審査請求人の同意もな
く、審議会に諮問中である諮問案件を取り下げることができる規定又は法的根拠
が分かる文書であると解される。
2 本件開示請求は、公安委員会により審査請求に係る諮問の取下げが行われたと
する日付及び文書番号を指定した上で、遅滞なく審議会に諮問しなければならな
いとする愛知県個人情報保護条例の規定を引用しつつ、仮に審査請求書に年齢を
記載しないことが不適法であるとして、公安委員会が審査請求人の同意もなく、
答 申 内 容
審議会に諮問中である諮問案件を取り下げることができる規定又は法的根拠が
分かる文書を求めるものである。
3 実施機関によれば、本件開示請求書には、特定の審査請求の処理に関する情報
が詳細に記載されており、当事者以外の者には知り得ない情報であるため、本件
開示請求は、本件審査請求人又はその関係者が当事者となっている事例に関する
情報の開示を求めているものと解するほかなく、仮に本件請求対象文書が存在す
るとしても、特定の個人の情報を含んだ文書となるとのことである。
4 本件開示請求書には、特定の日付及び文書番号で公安委員会により審査請求に
係る諮問の取下げがあった旨が記載されている。この記載は、公安委員会が特定
の日付及び文書番号により審査請求に係る諮問を取り下げたことを前提とした
ものであるが、当該日付及び文書番号は、個人に関する情報であって特定の個人
を識別することができるものとは認められず、当該前提のみでは、文書の存否を
- 19 -
答えるだけで条例第 7 条第 2 号の不開示情報を開示することにはならない。
また、その余の記載を併せ読んだとしても、
「仮に」とした上で法的根拠を求
めており、本件開示請求は、一般的な情報を求めているものと解される。
よって、本件開示請求に係る行政文書の存否を答えたとしても、特定の個人が
審査請求書に年齢を記載することなく公安委員会に審査請求をし、当該審査請求
についての審議会への諮問が同意なく取り下げられたという事実の有無を明ら
かにすることになるとまでは認められない。
5 そして、
「仮に審査請求書に年齢を記載しないことが不適法であるとして、公
安委員会が審査請求人の同意もなく、審議会に諮問中である諮問案件を取り下げ
ることができる規定又は法的根拠が分かる文書」の存否を答えたとしても、個人
に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人
を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害す
るおそれがあるものを開示することになるとは認められない。
6 したがって、本件請求対象文書が存在するか否かを答えるだけで、条例第 7 条
第 2 号に規定する不開示情報を開示することとなるとした実施機関の判断は、妥
当であるとはいえない。
以上のことから、実施機関は、本件請求対象文書の存否を明らかにして、改め
て開示決定等をすべきである。
別記
平成○年○月○日付け愛知県公安委員会による○発第○号、○号、○号、○号による審査請求に係る
諮問の取下げについて、愛知県個人情報保護条例第 43 条第 1 項第 1 号の規定は、
「審議会への諮問等に
ついて遅滞なく、審議会に諮問しなければならない。
」とあるが、仮に「年齢を記載しないこと。
」が不
適法であるとして、公安委員会が審査請求人の同意もなく、諮問中となっている事件を取り下げること
ができる規定、ないしはその法的根拠が分かる情報。
- 20 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 802 号(諮問第 1390 号)
件
名 開設者事業報告書等の一部開示決定に関する件(第三者異議申立て)
一部開示決定(平成 27 年 3 月 6 日)
本件行政文書は、特定の株式会社が愛知県地方卸売市場条例第 25 条の規定によ
原処分の内容 り愛知県知事に提出した事業報告書及びその添付書類である。
原処分では、条例第 7 条第 2 号(個人情報)又は第 3 号イ(事業活動情報)に該
当する情報を不開示とし、それ以外の情報は開示とした。
不開示を求める異議申立て(平成 27 年 3 月 19 日)
当該行政文書は、公に公開されているものではないため、一部でも開示されると
不服申立て
の
内
容 当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、愛知
県情報公開条例第 7 条第 3 号イに該当する。
会社法で公開することが定められている要旨以外は、開示する必要性がない。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 30 日
原処分妥当
1 本件行政文書のうち、実施機関が開示とし異議申立ての対象となった部分は、
貸借対照表(法人の印影を除く。以下「本件情報」という。
)である。
2 会社法第 440 条第 1 項においては、
「株式会社は、法務省令で定めるところに
より、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対
照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
」と規定している。
3 一方、会社法第 440 条第 2 項においては、
「前項の規定にかかわらず、その公
告方法が第 939 条第 1 項第 1 号又は第 2 号に掲げる方法である株式会社は、前項
に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
」と規定しており、公告
方法として、同法第 939 条第 1 項第 1 号に掲げる方法である「官報に掲載する方
法」又は同項第 2 号に掲げる方法である「時事に関する事項を掲載する日刊新聞
紙に掲載する方法」を定款で定める株式会社は、貸借対照表(大会社にあっては、
貸借対照表及び損益計算書。以下同じ。
)の要旨を公告することで足りることと
答 申 内 容
している。
これは、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合は、要旨による公告を
認めることで、公告のスペースを減らし、掲載に要する費用を削減するといった、
官報又は日刊新聞紙という公告方法の性格に配慮したものと解される。
4 現に、公告方法として、会社法第 939 条第 1 項第 3 号に掲げる方法である「電
子公告」を定款で定める株式会社の場合は、要旨による公告でなくとも費用面の
負担に変わりはないと考えられ、同法第 440 条第 1 項の規定により、貸借対照表
の全文の公告が必要とされている。
5 また、会社法第 440 条第 3 項においては、
「前項の株式会社は、法務省令で定
めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第 1 項に規定する貸借対照
表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後 5 年を経過する日までの間、
継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に
置く措置をとることができる。この場合においては、前 2 項の規定は、適用しな
- 21 -
い。
」と規定している。
この規定は、会社法第 440 条第 2 項の株式会社、すなわち公告方法として官報
又は日刊新聞紙に掲載する方法を定款で定める株式会社が、その公告方法に代え
て、インターネット上のウェブサイトに貸借対照表の内容を掲載する方法をとる
ことができるとする規定であるが、これにより公開する貸借対照表も、前記4と
同様に、その全文の公開が必要とされている。
6 このように、会社法では、株式会社の貸借対照表を公にすることを前提として
おり、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合に限り、その特性に応じて、
要旨の公告を認めているにすぎないと解される。
一方、条例における開示又は不開示の判断においては、そうした区別をする理
由はなく、株式会社の貸借対照表は、公にすることが予定されている情報である
と解される。
したがって、本件情報は、公にすることによって、法人の権利、競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第 7 条
第 3 号イには該当しない。
- 22 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 803 号(諮問第 1391 号)
件
名 卸売業者事業報告書等の一部開示決定に関する件(第三者異議申立て)
一部開示決定(平成 27 年 3 月 6 日)
本件行政文書は、特定の株式会社が愛知県地方卸売市場条例第 25 条の規定によ
原処分の内容 り愛知県知事に提出した事業報告書及びその添付書類である。
原処分では、条例第 7 条第 2 号(個人情報)又は第 3 号イ(事業活動情報)に該
当する情報を不開示とし、それ以外の情報は開示とした。
不開示を求める異議申立て(平成 27 年 3 月 23 日)
当該行政文書は、会社法第 440 条で公告が定められている要旨以外において、公
不服申立て
の
内
容 に公開されているものではないため、要旨以外を開示されると当該法人の権利、競
争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、愛知県情報公開条例第 7
条第 3 号イに該当する。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 30 日
原処分妥当
1 本件行政文書のうち、実施機関が開示とし異議申立ての対象となった部分は、
貸借対照表(以下「本件情報」という。
)である。
2 会社法第 440 条第 1 項においては、
「株式会社は、法務省令で定めるところに
より、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対
照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
」と規定している。
3 一方、会社法第 440 条第 2 項においては、
「前項の規定にかかわらず、その公
告方法が第 939 条第 1 項第 1 号又は第 2 号に掲げる方法である株式会社は、前項
に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
」と規定しており、公告
方法として、同法第 939 条第 1 項第 1 号に掲げる方法である「官報に掲載する方
法」又は同項第 2 号に掲げる方法である「時事に関する事項を掲載する日刊新聞
紙に掲載する方法」を定款で定める株式会社は、貸借対照表(大会社にあっては、
貸借対照表及び損益計算書。以下同じ。
)の要旨を公告することで足りることと
答 申 内 容
している。
これは、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合は、要旨による公告を
認めることで、公告のスペースを減らし、掲載に要する費用を削減するといった、
官報又は日刊新聞紙という公告方法の性格に配慮したものと解される。
4 現に、公告方法として、会社法第 939 条第 1 項第 3 号に掲げる方法である「電
子公告」を定款で定める株式会社の場合は、要旨による公告でなくとも費用面の
負担に変わりはないと考えられ、同法第 440 条第 1 項の規定により、貸借対照表
の全文の公告が必要とされている。
5 また、会社法第 440 条第 3 項においては、
「前項の株式会社は、法務省令で定
めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第 1 項に規定する貸借対照
表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後 5 年を経過する日までの間、
継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に
置く措置をとることができる。この場合においては、前 2 項の規定は、適用しな
- 23 -
い。
」と規定している。
この規定は、会社法第 440 条第 2 項の株式会社、すなわち公告方法として官報
又は日刊新聞紙に掲載する方法を定款で定める株式会社が、その公告方法に代え
て、インターネット上のウェブサイトに貸借対照表の内容を掲載する方法をとる
ことができるとする規定であるが、これにより公開する貸借対照表も、前記4と
同様に、その全文の公開が必要とされている。
6 このように、会社法では、株式会社の貸借対照表を公にすることを前提として
おり、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合に限り、その特性に応じて、
要旨の公告を認めているにすぎないと解される。
一方、条例における開示又は不開示の判断においては、そうした区別をする理
由はなく、株式会社の貸借対照表は、公にすることが予定されている情報である
と解される。
したがって、本件情報は、公にすることによって、法人の権利、競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第 7 条
第 3 号イには該当しない。
- 24 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 804 号(諮問第 1392 号)
名 貸借対照表等の一部開示決定に関する件(第三者異議申立て)
件
一部開示決定(平成 27 年 3 月 6 日)
本件行政文書は、特定の事業協同組合(以下「本件事業者」という。
)が卸売市
原処分の内容 場法第 55 条の許可権者である愛知県知事に提出した貸借対照表、損益計算書等で
ある。
原処分では、条例第 7 条第 2 号(個人情報)又は第 3 号イ(事業活動情報)に該
当する情報を不開示とし、それ以外の情報は開示とした。
不開示を求める異議申立て(平成 27 年 3 月 23 日)
当該決算書類については、中小企業等協同組合法において、組合員以外への開示
が求められているものではない。補助金に関する事項に関しての公開は理解できる
容
が、その他の部分について開示されると当該組合の権利、競争上の地位その他正当
な利益を害するおそれがあるため、
愛知県情報公開条例第7 条第3 号イに該当する。
不服申立て
の
内
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 30 日
原処分妥当
1 本件行政文書のうち、実施機関が開示とし異議申立ての対象となった部分は、
貸借対照表の全部及び損益計算書の備考欄(以下「本件情報」という。
)である。
2 当審査会において実施機関に確認したところによると、卸売市場は、生活に欠
くことのできない生鮮食料品等を消費者に届けるとともに、日々生産される農林
水産物を余すことなく消費につなげていく重要な機能を果たしているが、とりわ
け本件事業者は、公費による補助を受け、拠点となる卸売市場を開設及び運営し
ているとのことである。
本件事業者がこうした公益性の高い役割を担っていることからすれば、その財
務状況を一定程度明らかにすることが求められていると解される。
3 当審査会において本件行政文書を見分したところ、本件情報のうち、貸借対照
表は、事業年度の最終日現在における財政状態を示すもので、科目ごとの金額が
答 申 内 容
記載されているものの、科目等の記載内容は一般的なものであり、また、本件事
業者の共同事業や取引行為に関する具体的な情報は記録されていない。
また、本件情報のうち、損益計算書の備考欄には、小科目ごとに主な内容等が
記載されているが、一般的な情報であったり、対応する金額が補助金収入を除き
不開示とされている状態であることから、本件事業者に特有のノウハウ等が具体
的に明らかとなるような情報とはいえない。
4 なお、事業協同組合の貸借対照表を始めとした決算関係書類について、中小企
業等協同組合法第 40 条第 12 項においては、組合に対して閲覧等の請求をするこ
とができる者を組合員及び組合の債権者に限定している。しかしながら、この規
定は、組合と利害関係者との間における情報の公開に関する規定であり、情報公
開条例に基づく情報公開とは別の趣旨に基づいて行われるものである。情報公開
条例に基づく情報公開は、条例の規定及び趣旨に照らして判断されるべきであっ
て、同法において閲覧等の請求者が限定されているからといって、条例による開
示又は不開示の判断が影響を受けるものではない。
- 25 -
5 したがって、本件情報は、公にすることによって、法人の権利、競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第 7 条
第 3 号イには該当しない。
- 26 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 805 号(諮問第 1393 号)
件
名 卸売業者事業報告書等の一部開示決定に関する件(第三者異議申立て)
一部開示決定(平成 27 年 5 月 1 日)
本件行政文書は、特定の株式会社が愛知県地方卸売市場条例第 25 条の規定によ
原処分の内容 り愛知県知事に提出した事業報告書及びその添付書類である。
原処分では、条例第 7 条第 2 号(個人情報)又は第 3 号イ(事業活動情報)に該
当する情報を不開示とし、それ以外の情報は開示とした。
不開示を求める異議申立て(平成 27 年 5 月 7 日)
当該行政文書は、会社法第 440 条で公告が定められている要旨以外において、公
不服申立て
の
内
容 に公開されているものではないため、要旨以外を開示されると当該法人の権利、競
争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、愛知県情報公開条例第 7
条第 3 号イに該当する。
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 30 日
原処分妥当
1 本件行政文書のうち、実施機関が開示とし異議申立ての対象となった部分は、
貸借対照表(以下「本件情報」という。
)である。
2 会社法第 440 条第 1 項においては、
「株式会社は、法務省令で定めるところに
より、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対
照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
」と規定している。
3 一方、会社法第 440 条第 2 項においては、
「前項の規定にかかわらず、その公
告方法が第 939 条第 1 項第 1 号又は第 2 号に掲げる方法である株式会社は、前項
に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
」と規定しており、公告
方法として、同法第 939 条第 1 項第 1 号に掲げる方法である「官報に掲載する方
法」又は同項第 2 号に掲げる方法である「時事に関する事項を掲載する日刊新聞
紙に掲載する方法」を定款で定める株式会社は、貸借対照表(大会社にあっては、
貸借対照表及び損益計算書。以下同じ。
)の要旨を公告することで足りることと
答 申 内 容
している。
これは、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合は、要旨による公告を
認めることで、公告のスペースを減らし、掲載に要する費用を削減するといった、
官報又は日刊新聞紙という公告方法の性格に配慮したものと解される。
4 現に、公告方法として、会社法第 939 条第 1 項第 3 号に掲げる方法である「電
子公告」を定款で定める株式会社の場合は、要旨による公告でなくとも費用面の
負担に変わりはないと考えられ、同法第 440 条第 1 項の規定により、貸借対照表
の全文の公告が必要とされている。
5 また、会社法第 440 条第 3 項においては、
「前項の株式会社は、法務省令で定
めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第 1 項に規定する貸借対照
表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後 5 年を経過する日までの間、
継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に
置く措置をとることができる。この場合においては、前 2 項の規定は、適用しな
- 27 -
い。
」と規定している。
この規定は、会社法第 440 条第 2 項の株式会社、すなわち公告方法として官報
又は日刊新聞紙に掲載する方法を定款で定める株式会社が、その公告方法に代え
て、インターネット上のウェブサイトに貸借対照表の内容を掲載する方法をとる
ことができるとする規定であるが、これにより公開する貸借対照表も、前記4と
同様に、その全文の公開が必要とされている。
6 このように、会社法では、株式会社の貸借対照表を公にすることを前提として
おり、官報又は日刊新聞紙に掲載して公告をする場合に限り、その特性に応じて、
要旨の公告を認めているにすぎないと解される。
一方、条例における開示又は不開示の判断においては、そうした区別をする理
由はなく、株式会社の貸借対照表は、公にすることが予定されている情報である
と解される。
したがって、本件情報は、公にすることによって、法人の権利、競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第 7 条
第 3 号イには該当しない。
- 28 -
情報公開審査会答申の概要
答申第 806 号(諮問第 1394 号)
名 貸借対照表等の一部開示決定に関する件(第三者異議申立て)
件
一部開示決定(平成 27 年 5 月 1 日)
本件行政文書は、特定の事業協同組合(以下「本件事業者」という。
)が卸売市
原処分の内容 場法第 55 条の許可権者である愛知県知事に提出した貸借対照表、損益計算書等で
ある。
原処分では、条例第 7 条第 2 号(個人情報)又は第 3 号イ(事業活動情報)に該
当する情報を不開示とし、それ以外の情報は開示とした。
不開示を求める異議申立て(平成 27 年 5 月 8 日)
当該決算書類については、中小企業等協同組合法において、組合員以外への開示
が求められているものではない。補助金に関する事項に関しての公開は理解できる
容
が、その他の部分について開示されると当該組合の権利、競争上の地位その他正当
な利益を害するおそれがあるため、
愛知県情報公開条例第7 条第3 号イに該当する。
不服申立て
の
内
答申年月日
平成 28 年 9 月 16 日
諮 問 年 月 日
平成 27 年 6 月 30 日
原処分妥当
1 本件行政文書のうち、実施機関が開示とし異議申立ての対象となった部分は、
貸借対照表の全部及び損益計算書の備考欄(以下「本件情報」という。
)である。
2 当審査会において実施機関に確認したところによると、卸売市場は、生活に欠
くことのできない生鮮食料品等を消費者に届けるとともに、日々生産される農林
水産物を余すことなく消費につなげていく重要な機能を果たしているが、とりわ
け本件事業者は、公費による補助を受け、拠点となる卸売市場を開設及び運営し
ているとのことである。
本件事業者がこうした公益性の高い役割を担っていることからすれば、その財
務状況を一定程度明らかにすることが求められていると解される。
3 当審査会において本件行政文書を見分したところ、本件情報のうち、貸借対照
表は、事業年度の最終日現在における財政状態を示すもので、科目ごとの金額が
答 申 内 容
記載されているものの、科目等の記載内容は一般的なものであり、また、本件事
業者の共同事業や取引行為に関する具体的な情報は記録されていない。
また、本件情報のうち、損益計算書の備考欄には、小科目ごとに主な内容等が
記載されているが、一般的な情報であったり、対応する金額が補助金収入を除き
不開示とされている状態であることから、本件事業者に特有のノウハウ等が具体
的に明らかとなるような情報とはいえない。
4 なお、事業協同組合の貸借対照表を始めとした決算関係書類について、中小企
業等協同組合法第 40 条第 12 項においては、組合に対して閲覧等の請求をするこ
とができる者を組合員及び組合の債権者に限定している。しかしながら、この規
定は、組合と利害関係者との間における情報の公開に関する規定であり、情報公
開条例に基づく情報公開とは別の趣旨に基づいて行われるものである。情報公開
条例に基づく情報公開は、条例の規定及び趣旨に照らして判断されるべきであっ
て、同法において閲覧等の請求者が限定されているからといって、条例による開
示又は不開示の判断が影響を受けるものではない。
- 29 -
5 したがって、本件情報は、公にすることによって、法人の権利、競争上の地位
その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第 7 条
第 3 号イには該当しない。
- 30 -