【校⻑挨拶 8⽉31⽇】 「勝ちに行く」目的は? ~リオ五輪と始業式の生徒代表挨拶から~ 校長 赤岩 輝雄 【始業式で挨拶する市川さん】 大型で勢力の強い台風10号の接近で昨日から、本校でも警戒を強めていたところ ですが、生徒の登校や学習・活動に影響がないと判断しました。本日予定していた1 年生の球技大会も実施します。 今年度の体育的行事は陸上競技会を実施しないため、 学年球技大会のみとなっただけに、生徒は楽しみにしていたことと思います。昨日は 2年生の球技大会が行われ、熱戦が繰り広げられました。仲間と一緒に体を動かし、 気持ちの良い汗をかくことは心身ともにリフレッシュになります。球技大会で、長い 2学期を元気にスタートしてほしいと願っています。 スポーツといえば今夏はリオデジャネイロ五輪の話題で連日持ちきりでした。日本 人選手の活躍に感動し、元気をもらった人は多いと思います。 体操の内村航平選手も、団体と、個人総合で金メダルを取るなど大活躍した一人で す。個人総合とは、ゆか、あん馬、つり輪、平行棒、跳馬、鉄棒の6種目全ての得点 を競う競技です。この種目で内村選手は、前回のロンドンオリンピックで優勝、世界 選手権でも連覇を続けており、今回のリオ大会でも優勝候補と見られていました。 しかし、最後の鉄棒の種目が始まる時点でトップに立っていたのはウクライナのオ レグ・ベルニャエフ選手でした。ベルニャエフ選手は躍動する演技で2位の内村選手 に1点近い差を付けています。鉄棒は内村選手の得意種目でもありますが、1点近い 差を逆転するのはかなり厳しいと思えました。 鉄棒の演技が始まり、内村選手は難度の高い演技を次々にこなし、着地もぴたりと 決めました。次に演技したベルニャエフ選手は着地でミスはあったものの全体を無難 にまとめ、優勝かと思われましたが、内村選手がわずか0.099の差で逆転優勝しまし た。 - 1 - 表彰後の会見で鉄棒の採点について内村選手に甘かったのではないかと質問が出ま したが、ベルニャエフ選手は「どんな選手も点数はフェアにつけられている。航平さ んはキャリアの中でいつも高い点数を取っている。無駄な質問だ」と答え、一流の選 手のもつスポーツマンシップの高さを示しました。 厳しい状況の中でも高い集中力と正確な演技力を発揮した内村選手、また、フェア プレイとスポーツマンシップの素晴らしさを示したベルニャエフ選手を称え、大きな 拍手を贈りたいと思います。 25日の始業式で、3年生の市川美愛さんが、1学期の終業式に澤出凌さんが「夏 休みは勝ちに行きます」と言ってくれて、初めての保健委員長の仕事などに不安があ った私は大きな勇気をもらった、粘り強く「勝ちに行く」気持ちで2学期を頑張りた い、特に合唱コンクールでは最優秀賞より大きなことに挑戦したい、それは2組の全 員で心を一つにして歌うことだ、と決意を述べてくれました。「勝ちに行く」とは今 の3年生にとって修学旅行で前田詩菜さんがこの言葉で檄を飛ばして以来、キャッチ フレーズになっています。 私は、「最優秀賞 より大きなこと」 に「勝ちに行く」とい う市川さんの志に感銘を 受けました。人からもらったり、人と比べたりする「賞」より、一人一人が全力を出 し切り、学級が一つになった達成感こそ価値があるという考え方がそこにはあります。 リオ五輪における、「メダルの色」ではなく、限界まで自分を追い込み、できうる限 りのパフォーマンスをやり遂げた内村選手、ベルニャエフ選手が示した「スポーツマ ンシップ」の純粋さ、高潔さに相通じると言っても過言ではありません。 2学期は始まったばかりですが、子どもたちの成長が楽しみでなりません。 【2学期始業式に臨む生徒たち】 - 2 -
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