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2016年9月号
Vol.37
(2016年9月5日発行)
麻疹アウトブレイク中
既に各種報道等で明らかとなっていますように、関西国際空港を震源とする麻疹のアウト
ブレイクが発生しています。9月3日現在のメディアからの情報によると、空港に勤務してい
る職員での麻疹確定例は31名に達し、職員以外にも5名の方が関西国際空港を利用して
麻疹ウイルスに感染・発病していることが明らかとなっています。既に相当数の麻疹ウイルス曝露者が存在し、ウイル
スは地域に拡散してしまっている可能性が高いです。当院にも麻疹発症者が受診しても何ら不思議ではありません。
以下に改めて麻疹について、その症状・特徴を記述します。
麻しんは麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症であり、空気感染、飛
沫感染、接触感染と様々な感染経路を示し、その感染力は極めて強いことが
大きな特徴です。典型的な麻疹の発症例では、感染後10~14日間の潜伏期
を経て、①カタル期:38℃前後の発熱、咳嗽、上気道炎症状、結膜炎症状をき
たし、経過中に頬粘膜にコプリック斑が出現、通常3日間前後、②発疹期:
39℃以上の発熱、耳介後部、頚部、前額部に発疹が出現(写真)して全身に
広がる、通常4日間前後継続、③回復期:解熱し、体調は改善、発疹は退色、
といった経過をたどります。合併症としては肺炎、中耳炎、脳炎、心筋炎等が
あり、2000年に大阪で麻疹が流行した際には入院率は40%を超えました。
今回の関西国際空港のアウトブレイクでは、19~31歳と若年成人層が発症
の中心ですが、既に麻疹ワクチンを1回接種している例も多く、この場合は修
飾麻疹となって典型的な症状を呈さず、診断が困難であったと想像されます。
前述した通り、今後しばらくは当院にも麻疹発症者が受診する可能性があり
ます。特に関西国際空港を利用して10~21日経過し、発熱している患者さん
が来られた場合は、例え発疹がなくてもご注意ください。また、麻疹ウイルス
写真.麻疹の発疹(顔面、耳介、頚部に出現)国立
の拡散によって、関西国際空港とは関係のない発病者も現れる可能性があり
感染症研究所ホームページ:
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_03/kans ますから、症状・経過より疑わしい患者さんが来られた場合はICTにご一報くだ
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さい。
感染管理認定看護師への道!
初めまして、手術部の川口です。この度試験に合格し、
平成28年7月より感染管理認定看護師として活動を開
始することになりました。よろしくお願いします。
感染管理認定看護師には、在宅から急性期病棟まで、
医療関連施設を利用する患者・家族・訪問者、医療現
場で働く全ての人を感染源から守る役割があります。
当院の感染管理認定看護師は私を含め2名在籍して
おり、1人は専従として感染管理室に配属され、私は手
術部に所属し兼任の感染管理認定看護師として活動
をしています。今回は、感染管理認定看護師への道の
りをご紹介します。
認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟
練した看護技術と知識を有することが認められた者を
いいます。特定されている分野は全21分野で、感染管
理認定看護師もその一つです。まず、認定看護師にな
感染管理認定看護師は、自部署だけでなく院内全ての感染
るためには、看護師免許取得後5年以上の実務経験、
管理に携わるため、これまで関わりの少なかった部門や多職
そのうち通算3年以上特定分野での活動実績、例えば
種のスタッフと協働する機会が多くなります。
感染管理分野の場合はリンクナース活動などが必要
また保健所や連携病院など外部機関との
です。認定看護師教育機関を受験し、6ヶ月・615時間
交流も増え、院内外を問わず幅広い仕事が
以上の研修を経て、認定審査の受験資格が得られま
す。そして、毎年5月に行われる認定審査に合格すると できるのは感染管理認定看護師の魅力で
認定看護師として登録されます。平成28年7月現在、全 はないでしょうか。感染管理認定看護師に
国の認定看護師数は17,443名、感染管理認定看護師 興味のある方、お気軽に声をかけて下さい。
(手術部 感染管理認定看護師 川口尚子)
登録者数は2,560名です。