この仕様書は平成 28 年度のものです。 契約締結時には変更の可能性があります。 今治市地域包括支援センター運営業務委託仕様書 1 職員体制 今治市地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準を定める条例に基づき、適切 な数の職員を配置すること。 なお、大島、大三島にはサブセンターを設置すること。 2 施設の設備 (1)地域包括支援センター業務を行う上で、必要な広さを有する専用の事務室を設置す ること。 (2)事務室には簡易な相談にも対応可能な受付カウンター等を設置し、情報提供スペー スを設けパンフレット等を配布することにより、地域包括支援センターほか各種福祉 制度の周知普及に努めること。 (3)事務室内には、相談及び会議室機能を有する専用スペースを確保すること。 (4)事務室内には、業務を行う上で必要な数の机、椅子、施錠できる書類保管庫、パソ コン、プリンタ、電話、FAX等を設置し、電話については専用回線を確保すること。 (5)インターネットへの接続が可能な環境を整備すること。また、地域包括支援センタ ー専用で利用できる電子メールアドレスを取得すること。 (6)施設は高齢者に配慮した設備を有すること。 (7)駐車場スペースを適宜確保すること。 (8)案内板等を1つ以上設置し、地域住民への周知に努めること。 3 業務内容 地域包括支援センターの業務は次のとおりとする。 (1) 包括的支援事業 ①総合相談支援業務 ア 高齢者実態把握業務 民生委員や自治会、老人クラブ等のほか、地域において多くの高齢者と触 れ合う機関とのネットワークを通じて支援が必要な高齢者の情報を収集する ともに、収集をした情報を元に戸別訪問等にて実態把握を行うこと。 収集した情報は実態把握票(様式 1-1 または様式 1-2)に記載するととも に、状況に応じて随時更新を行い支援経過記録(様式 1-3)に記載して、地 域包括支援センターの台帳として備えること。 なお、台帳は 50 音順あるいは住所順など規則的に整理され、必要に応じて 即座に参照できる状態となっていること。 イ 地域ケア会議開催業務 個別のケースの支援内容の検討による課題解決を出発点として、各社会資 源のネットワークを構築し、高齢者個人に対する支援の充実を実現するとと もに、地域課題を抽出し、その地域課題を地域づくり・社会資源の開発や施 策等の充実によって解決していくことを目的とする、個別や日常生活圏域等 1 の地域ケア会議を開催する。 地域ケア会議を実施した場合には「地域ケア会議実施状況報告書」 (様式 2-1 または様式 2-2)に記載するとともに、地域ケア会議開催後1か月以内に市 へ提出すること。 ウ 適切な情報提供及び個別支援 高齢者福祉に関する各種相談に対し、電話、面接、訪問等により総合的に 応じる。要援護高齢者及びその家族について、各種の公的保健福祉サービス の紹介を行うとともに、利用申請手続きの便宜を図る等その適用の調整を行 う。 (代行申請を含む) 総合相談を行った場合に、相談受付簿(様式 3) ・相談業務集計票(様式 4) に記録するとともに、相談件数等を月ごとに地域包括支援センター相談支援 実績月間報告書(様式 5)にまとめ、4半期毎に市へ提出する。相談受付簿・ 相談業務集計票・地域包括支援センター相談支援実績月間報告書の記載方法 は、今治市総合相談業務集計票記載マニュアルによること。 実態把握及び総合相談において、既存のサービス等では適切なものが見つ けにくい場合等、その対応が困難な事例については、市の職員が協力し、対 応策の検討を行い、関係機関との連携を図り、必要な措置をとること。 エ 認知症高齢者とその家族に対する支援に関する業務 認知症高齢者とその家族に対して、受診支援や適切なケアのアドバイス、 認知症に関する地域資源の把握等の情報を収集し、必要に応じて提供する。 また、認知症の専門医・専門機関と連携し、認知症に関する相談について速 やかに医療機関に繋げ、認知症高齢者とその家族が、認知症と上手に向き合 いながら、住み慣れた地域で安心して暮らすができるよう支援すること。 認知症サポーター養成講座などを通じて認知症予防・対応に関する普及啓 発活動に取組むことが望ましい。 ②権利擁護業務 地域包括支援センターは、高齢者等に対する虐待の防止及びその早期発見のた めの事業、その他高齢者等の権利擁護のため必要な援助を行う。 ア 高齢者虐待の防止及び対応に関する業務 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成 17 年法律第 124 号)に基づき、高齢者虐待を受けた高齢者及び養護者の支援に 関し、今治市高齢者虐待対応マニュアルに定める業務を行うこと。 また、地域におけるネットワークを積極的に活用し、高齢者等に対する虐 待の早期発見、対応並びに防止に努めること。 イ 虐待等による老人福祉法上の措置入所支援に関する業務 高齢者が養護者等による高齢者虐待を受けている場合、認知症その他の理 由により意思能力が乏しく、かつ、本人を代理する家族がいない等、契約に よる介護サービスの利用や要介護認定の申請を期待しがたい場合等において、 在宅における日常生活を営むのに支障があり、老人福祉法に基づく措置が必 要であると判断した場合は、市と連携を図り、必要な支援を行うこと。 2 ウ 消費者被害の防止及び対応に関する業務 高齢者等や家族、関係機関等からの相談や実態把握によって、消費者被害 に関する問題が発生している又はそのおそれがあると認められる場合には、 関係機関と連携を図り、必要な支援を行うこと。 また、地域におけるネットワークを積極的に活用し、高齢者等に対する消 費者被害の早期発見、対応並びに防止に努めること。 エ 判断能力を欠く常況にある人への支援に関する業務 高齢者やその家族、関係機関等からの相談や実態把握によって、高齢者等 の判断能力や生活状況等を把握した結果、医療機関の受診や福祉サービス利 用等の契約に関して支援が必要な場合、経済的被害を現に受けている又はそ の可能性がある場合、預貯金等の財産管理、遺産管理等の支援が必要な場合 等、成年後見制度や日常生活自立支援事業を利用する必要があると判断した 場合は、必要な支援を行うこと。 オ 困難事例を把握した場合に、専門職が連携をとり必要な支援を行う業務 高齢者等やその家族に重層的な課題が存在している場合、高齢者等自身が 支援を拒否している場合、既存のサービス等では適切なものが見つけにくい 場合など、その対応が困難な事例を把握した場合には、地域包括支援センタ ーの職員が連携し、対応策の検討を行い、関係機関と連携を図り、必要な措 置をとること。 ③包括的・継続的ケアマネジメント支援業務 高齢者が住み慣れた地域で暮らすことができるよう、主治医と介護支援専門員 との連携はもとより、多職種との協働や地域の関係機関との連携を図る。 介護予防ケアマネジメント、指定介護予防支援及び介護給付におけるケアマネ ジメントとの相互の連携を図ることにより、個々の高齢者の状況や変化に応じた 包括的・継続的なケアマネジメントを実現するため、介護支援専門員に対する後 方支援を行う。 ア 関係機関と連携体制構築支援 要介護高齢者等に対して包括的・継続的な支援を提供していくために、ケ アマネジメントの実施に際して、多職種・多機関(地域の医療機関、介護保 険のサービス事業所、公的機関、地域のインフォーマルサービス等)が連携 するシステムを構築すること。 イ 介護支援専門員に対する日常的個別支援 介護支援専門員に対して、そのケアマネジメント力を高めるためにサービ ス担当者会議の開催支援、入院・退院時の連絡支援、ケアプランの作成指導 等を行うこと。 ウ 支援困難事例等への指導・助言 介護支援専門員が抱える支援困難事例について、地域ケア会議の活用支援 や専門的な見地から指導・助言を行うこと。 エ 事例検討会及び研修会等の実施 担当地域の介護支援専門員に対して、交流会等を開催しニーズ把握に努め、 3 情報提供と質の向上を目的とする事例検討会及び各種研修会を実施すること。 オ 記録及び実績報告 上記、アからエの業務を行った場合に、継続的・包括的ケアマネジメント 業務集計票(様式 6)に件数を記録するとともに、月ごとに包括的・継続的 ケアマネジメント月間報告書(様式 7)にまとめ、4半期毎に、市へ提出す る。記載方法は今治市包括的・継続的ケアマネジメント支援業務集計票記載 要領による。 また、担当地域の介護支援専門員に対して研修会等を開催した場合は、介 護支援専門員研修会事業実施報告書(様式 8)に記載するとともに、開催後 30 日以内に市へ提出すること。 なお、研修会は介護支援専門員以外の者の参加を妨げるものではないが、 名簿に事業所名・職種等を記載する等により、参加者の把握をしておくこと。 また、圏域内の研修に参加していない居宅介護支援事業所の介護支援専門員 も把握しておくこと。 ④介護予防ケアマネジメント業務 生活上のさまざまな課題を抱える高齢者に対して適切な支援を行うことにより、 要支援・要介護状態の予防やその重症化の予防、改善を図るため、利用者の主体性 を引き出した目標指向型のプランを作成する。また、個々人に対する支援にとどま らず、地域住民への啓発も必要である。 ア アセスメント 基本チェックリストや利用者基本情報、アセスメントシート(二次予防事 業のみ)や面談により、生活機能低下の原因や背景等の分析を行い、根本的 な問題や課題を定めて支援ニーズを明らかにすること。 イ プラン作成 介護予防支援計画書または通所型介護予防事業支援計画票を対象者と共に 目標を決定し、作成すること。 サービス担当者会議を開催し、共通認識を図ること。 ウ モニタリングと評価 一定期間経過後、サービス事業所からの報告・連絡等を受けて、参加者の 生活機能全体に関する評価を行う。必要に応じて、事業継続の要否について 判断や、ケアプランの見直しをすること。 通所型介護予防事業の利用期間は1年程度を目安とすること。 実施状況については支援経過を記録すること。 エ 関係機関との連携 行政、サービス事業者、主治医、保健・医療・福祉の関係機関、地域のイ ンフォーマルサービスなどとの連携が必要である。 <二次予防事業の対象者の把握に関する事業の一部> 二次予防事業の対象者把握事業において実態把握及び総合相談等で基本チェック リストにより把握した二次予防事業対象者に対し、介護予防の必要性の説明を行い、 4 通所型介護予防事業への参加を促すこと。 通所型介護予防事業を利用した場合は、半年ごとに通所型介護予防事業利用者名 簿(様式 9)を提出すること。また、通所型介護予防事業の利用者が、事業を休止・ 終了(様式 10) ・変更(様式 11)する際は、市に報告すること。 (2)その他事業 ①認知症予防教室開催業務 65 歳以上の者を対象に、認知症の基本的な知識について学び、認知症予防の生活 習慣を身に付けることを目的とした認知症予防教室を開催する業務 ア 委託料 年間 100,000 円 業務完了後、実績報告書に基づき行う検査の合格後、請求により支払うものと する。委託料には講師謝礼金・会場使用料・その他必要経費を含む。 イ 対象者 市内に在住している 65 歳以上の者 ウ 開催内容 (ア)参加人数 1 講座当たりの参加者を 5 名以上とすること。 (イ)開催頻度・時間 年間 6 回以上の連続講座とすること。月に 2 回程度、連続して 3 ヶ月以上 実施することが望ましい。1 講座当たりの時間は 60 分以上とすること。 (ウ)会場 講座を開催するうえで必要な広さを有する会場を確保すること。 (エ)参加費 講座の参加費は無料とする。ただし、教材費・材料費については、参加者 に対して実費相当分を徴収できるものとする。 (オ)講座内容 以下に掲げる内容で地域包括支援センターの3職種が協力して行うこと。 1)認知症の基礎知識の習得を目的とするもの 2)認知症予防の生活習慣を身に付けることを目的とするもの エ 実施報告 業務完了後、30 日以内に「認知症予防教室実施報告書」 (様式 12) 「認知症予防教 室参加者名簿」 (様式 13)に実施を確認できる書類等を添付して報告すること。 ②福祉電話による安否確認サービス業務 ひとり暮らしで、体調に不安があるなどの理由で安否の確認が必要な高齢者に対し、 定期的に電話をかけて安否確認や生活相談を行なう業務 ア 委託料 対象者 1 名につき 2,000 円(1 月あたり) 委託料は 4 半期毎に実績に基づき支払うものとする。 5 イ 実施方法 対象者と安否確認日の決定 市が申請に基づき安否確認サービスの利用決定を行い、受託事業所に通知するこ と。受託事業所は、安否確認を行う日時について、利用者や家族、担当ケアマネ ジャーほか関連機関と調整を行い、決定すること。 安否確認を行う日 安否確認を行う日は、他の介護サービス・高齢者福祉サービスの利用がない日を 中心に、安否の確認が必要と判断される日とする。 安否確認を行う日は、利用者のケアプランや生活状況により、利用者の了承を得 て随時適切な日に変更することができる。 ウ 安否確認の方法 電話 あらかじめ利用者と定めた日時に電話をかけて話をし、異常がないか確認するこ と。 訪問その他の方法 利用者が電話に出なかった場合、その日のうちに訪問あるいは他の方法により、 利用者の安否を確認すること。 利用者から連絡があった場合、利用者本人が実施施設を訪問した場合、家族や関 係者から安否について連絡があった場合などは、安否確認ができたものとみなす。 異常発見時の対応 電話あるいは訪問時に利用者の異変を発見した場合は、すみやかに 119 番通報や 家族・市・関連機関への連絡など、必要な対応を行うこと。 エ 実施報告 毎月の実施状況は、 「福祉電話等安否確認業務実施報告書」(様式 14)による。 ③家族介護教室開催業務 要支援・要介護状態にある高齢者の在宅生活の継続、向上を図ることを目的に、その 家族に対して介護教室を開催する業務 ア 委託料 家族介護教室開催 1 回につき 30,000 円 講師謝礼金・会場使用料・その他必要経費を含み一律 30,000 円とする。ただし、 年間委託料の上限は 360,000 円とし、年間 12 回を上限とする。ただし、自主的に これを上回る回数を開催することは構わない。また、他の事業等で補助金や助成 金、謝礼金が支払われる教室についても、委託料を請求することはできない。 イ 対象者 より多くの介護者が参加するよう、開催については広く周知をし、計画的に実施 すること。対象者は下記のとおりとし、1 回につき 10 名以上の参加者(関係職員 は含まない)があること。 1)現に家族や身近な人を介護している者、家族に要支援・要介護状態の高齢者が 6 いる者、近隣の援護者等 2)将来家族を介護する可能性のある者 3)介護に興味・関心がある者 ウ 家族介護教室の内容 要支援・要介護状態にある高齢者の状態の維持・改善及び、家族介護者の介護に 関する身体的・精神的な負担の軽減を目的とする以下に掲げる内容のものとし、 地域包括支援センターが主催となって行うこと。 1)介護に関する知識や技術の習得を目的とするもの 2)介護者の心身の健康維持等に役立つ知識・技術の習得を目的とするもの エ 参加費 家族介護教室の参加費用は無料とする。 ただし、教材費・材料費については、実費相当分を徴収できるものとする。 オ 実施記録及び報告 家族介護教室を開催した場合は、参加人数、講習内容、開催場所、開催日時、開 催費用等について、適正に記録管理を行うこと。 開催した月の翌月 10 日までに、 「家族介護教室実施報告書」 (様式 15) 「家族介護 教室参加者名簿」 (様式 16)に実施を確認できる書類等を添付して報告すること。 4 その他 (1)介護予防支援事業について 指定介護予防支援業務にかかる職員の配置は、地域包括支援センターの担当する介護予 防サービス計画の数を勘案して、適当な人員を配置し、包括的支援事業の業務を行う3職 種が当該業務を担当する場合は、包括的支援業務に支障がない範囲で兼務しなければなら ない。 (2)年間事業計画、年間活動報告 地域包括支援センターの業務に関し、年間事業計画(様式 17)を策定し、4月中に市へ 提出するとともに、当該計画に基づいた業務の遂行に努めるものとする。また、年間の活 動報告書(様式 18)を作成し、年度終了後 30 日以内に市へ提出すること。 (3)予算及び収支報告 地域包括支援センターの業務にかかる予算書(様式 19-1 及び様式 19-2)を作成し、4月 中に市へ提出するとともに、収支報告書(様式 20-1 及び様式 20-2)を作成し、当該年度法 人決算終了後すみやかに市へ提出する。予算書及び収支報告書は、地域包括支援センター 業務に係る経費と指定介護予防支援事業に係る経費とを明確に区分すること。 (4)地域包括支援センター業務評価のための評価シートの作成 年度業務終了おおむね2か月前に、今治市地域包括支援センター業務評価シートにより 自己評価を行い、市へ提出すること。提出された評価シートは担当部署による外部評価を 行い、契約更新の判断材料とする。 (5)職員の人材育成 地域包括支援センター職員の実践力を高めるため、自己研鑽はもとより、職員の人材育 成に務めること。また必要に応じて、市が開催する研修会、連絡会等に出席すること。 7 (6)その他 業務日、業務時間外においても地域包括支援センター職員は、電話等により連絡が可能 な体制を確保すること。 8
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