鹿児島県立大口高等学校 校長通信 № 64 誇りと愛着

鹿児島県立大口高等学校
校長通信
誇りと愛着のある学校
H28年9月
感動をありがとう
№64
9日
9/1
さて,始業式にあたり何を話そうかということですが,やっぱりオリンピックですね。観ましたか?
私 は 3 時 に は 起 き て LIVE で テ レ ビ 観 戦 で し た 。 日 本 は , 史 上 最 大 の メ ダ ル 数 ( 金 メ ダ ル 1 2 個 , 銀
メダル8個,銅メダル21個)でした。日本人の活躍を本当に嬉しく思いましたし,感動と勇気・元気
をもらいました。それはオリンピックに参加するすべてのアスリートが,人生をかける思いをもってこ
の舞台に立つためにしっかり準備してくるからです。
今回のオリンピックに関してはさまざまな報道がなさ
れており,私の話もその域を出る話ではありません。
二 学 期 の ス タ ー ト に 際 し ,期 限 付 教 諭 と し て 下 町 太 騎 先 生 が ,
非常勤講師として大西治男先生が赴任されました。養護教諭の
後野里美先生は育児休暇からの復帰です。左から,下町太騎先
生・後野里美先生・大西治男先生。新任式と始業式の様子。
夢中に応援し感動した一つは,卓球でした。男子団体
の銀メダルそして女子団体の銅メダルは感動でした。福原愛ち
ゃんのチームリーダーとしての思いが伝わり,銅メダルをかけ
ての試合は力が入りました。愛ちゃんは努力と気配りの人だと
思いました。
柔道もすごく応援していました。ロンドンオリンピックでの
惨敗からの日本柔道界の再起を期してのオリンピックでした。
各階級の選手そりぞれが,強い思いをもって厳しい練習をして
きました。全員が金メダルを目指していたのです。斉藤仁全日本柔道連盟強化委員長の病死もありまし
た 。 勝 負 の 世 界 は 常 に 厳 し く ,「 鍛 錬 千 日 之 行
勝負一瞬之行」です。私が凄いと思い感動したのは,
金メダルを目指して戦ってきたのに敗れ,30分後には気持ちを切り替えて,銅メダルを勝ち取ったと
いうことです。4年間金メダルだけを目指して練習してきた選手が,15分ぐらいは茫然自失の時を過
ごしたでしょうか。その後,戦いモードに気持ちを切り替え見事に勝利する。選手の精神力に,感動し
ました。
レスリングでは,最後まで諦めない姿勢に感動しました。登坂絵莉選手にしても4大会金メダルの伊
調馨選手にしても,残り僅かからの逆転の金メダルでした。猛練習に裏付けられた「絶対に諦めない」
という姿勢でした。戦いの後半,外国人選手が肩で息をしているのに対し日本選手はタイムがストップ
した後もすぐに攻撃姿勢をとっていました。後半にチャンスがあるというのは,猛練習に裏付けられた
ものであり,少しのチャンスをも見逃さず逆転できたのです。
男子体操団体の金メダルも感動的でしたね。内村選手は,ロンドン大会に続いて総合でも金メダルを
取 り ま し た 。 団 体 で 金 メ ダ ル を 獲 っ た 理 由 を 訊 か れ て ,「 す ご く 努 力 を し て き た 」 と 言 い ま し た 。 こ れ
は す べ て の ア ス リ ー ト に 共 通 す る こ と で す 。「 準 備 な く し て 勝 利 な し 」 で す 。「 努 力 し た 人 が 必 ず し も
勝つとは限らないが,勝った人は必ず努力している」ということです。
カヌーやバドミントン競技で,日本人初のメダルを獲得しました。カヌーで銅メダルを獲得した羽根
田卓也選手は,高校卒業後強くなりたい一心でカヌーの強豪国スロバキアに渡って武者修行を10年続
け て い た の で す 。 バ ド ミ ン ト ン ダ ブ ル ス で 金 メ ダ ル を 獲 得 し た 高 松 ペ ア (高 橋 礼 華 選 手 と 松 友 美 佐 紀 選
手 )は , 1 6 - 1 9 と 負 け て い た 決 勝 戦 で , 連 続 5 ポ イ ン ト を 獲 得 し た 試 合 も 鳥 肌 が 立 ち ま し た 。 高 松
ペアは高校時代の先輩後輩ですが,彼女らはオリンピック金メダルを目標にし公言して練習していたの
です。高い目標を持つことの大切さを教えてくれます。
陸 上 の 4 0 0 M リ レ ー の 銀 メ ダ ル も 凄 い こ と で し た 。彼 ら は 東 京 で の 金 メ ダ ル を 本 気 で 狙 っ て い ま す 。
陸上でアメリカ・ジャマイカを押さえて,日本が世界一になることも夢ではなくなりました。
も う 一 つ 凄 く 感 動 し た の は ,「 2 4 時 間 テ レ ビ 」 で す 。 病 気 や 障 害 に 負 け ず に , 明 る く 力 強 く 生 き て
いる。人生のどこかのタイミングで障害者になった人は,過去の自分とのギャップに苦しむそうです。
その後,徐々にできないことよりもできることに目を向け,能力を高めていく。テレビ前で感動しなが
ら ,“ も っ と 感 謝 し て 生 き な け れ ば 。 そ し て も っ と 頑 張 ら な い と ” と 決 意 を 新 た に さ せ て く れ ま し た 。
その時思いついたのが「あたりまえ」という詩です。私が20代の時出会った詩です。作者は30歳で
骨 肉 腫 に な り ,右 足 を 切 断 し ま し た が 腫 瘍 は 両 肺 に 転 移 し ,3 2 歳 の 若 さ で な く な り ま す 。彼 の 手 記『 飛
鳥へ,そしてまだ見ぬ子へ』がベストセラーになり,映画にもなりました。
〈あたりまえ〉
こんなすばらしいことを,みんなはなぜ
よろこばないのでしょう
あたりまえであることを
お父さんがいる
お母さんがいる
手が二本あって,足が二本ある
行きたいところへ自分で歩いて行ける
手をのばせばなんでも取れる
声が聞こえて声が出る
こんなしあわせはあるでしょうか
しかし,だれもそれをよろこばない
あたりまえだ,と笑ってすます
食事が食べられる
夜になるとちゃんと眠れ,
そしてまた朝がくる
空気を胸いっぱいにすえる
笑える,泣ける,叫ぶこともできる
走りまわれる
みんなあたりまえのこと
こんなすばらしいことを
みんな決してよろこばない
そのありがたさを知っているのは
それを失くした人たちだけ
なぜでしょう
あたりまえ
第 6 9 回 体 育 祭 に 向 け て の 予 行 練 習 ( 9/8) の 様 子 。 生 徒 達 も
気合いが入り,応援団は夏休みから練習が続いています。二年
生の「集団行動」は早朝の自主練習が始まっています。趣向を
凝らしたパネルは,当日のお楽しみです。保護者,地域の方々
のたくさんのご来場をお願いします。