高機能超音波センサシステムによる 高信頼駐車支援技術

高機能超音波センサシステムによる
高信頼駐車支援技術
米子工業高等専門学校
電気情報工学科
奥雲正樹
研究背景
従来の超音波センサシステム
• 距離計測のみ
• 超音波の入射角に対し垂直でない
対象物体の測定が困難
より高機能な超音波センサシステム
提案する超音波センサシステム
• 1度の超音波送受信で距離、移動
速度、表面凹凸の測定が可能
• 超音波の入射角に対し垂直でない
対象物体の測定が可能
従来型の問題点
TOFによる距離計測
傾いている物体の計測
26×30cm
放射パルス
10
0c
m
超音波センサ
システム
30°
5
振幅(V)
電圧(V)
反射時間
物体からの
反射波
0
1
5
閾値電圧
時間
(msec)
S/N比の小さい反射波は測定困難
時間(msec)
反射時間による距離測定のみ
提案するセンサシステム
周波数[kHz]
対象物体の移動速度を計測
サンプリング周波数100kHz
サンプリング数1024(約10msec)
40
反射波サンプリング
20
対象物体の距離、表面形
状を計測
50μsec
500
550
高機能超音波センサシステムの放射超音波
時間[μsec]
凸からの反射波
測定物体
表面凹凸計測手法
凹からの反射波
周波数(kHz)
形
波
射
反
40
微小段差
反射時間:t2
反射時間:t1
20
t1
時間(msec)
t2
5サンプルごとの微小区間に分割
0 1 2 3 4
データの伸張
5個
0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 0
・・・・
2
2048個
FFTにより周波数スペクトル算出→ 20kHz帯のスペクトル強度のみを抽出
20kHz帯のスペクトル強度(V)
凸からの反射波
閾値
凹からの反射波
微小な表面段差の測
定が可能
時間(msec)
傾いた物体の計測
26×20cm
周波数20kHzの超音波
を1波長放射
10
0c
m
30°
振幅(V)
5
物体から
の反射波
0
1
20kHzスペクトル強度
5
傾いている物体からの反射波形
3
6
提案手法による処理後の反射波形
時間(msec)
時間(msec)
移動速度計測手法
受信波形のデータ数
0 1 2 3
・・・・・ 1022 1023
1024個
0 1 2 3
・・・・・
FFTによる
周波数解析
周波数分解能:100Hz
速度分解能:87cm/s
0Vで埋める
1022 1023 1024 ・・・・ 65534
65535
65536個
FFTにより周波スペクトル算出
周波数分解能:1.5Hz
速度分解能:0.65cm/s
最大パワーの周波数を受信波の周波数とし、
ドップラー効果より速度を算出
移動速度計測実験
移動物体(30×30cm)
移動速度:3.0~
51.1cm/s
センサ
システム
各移動速度につき10回測定
実験概要
実験結果(接近方向)
移動している対象物体の表面段差計測実験
7.0
26.0
80.0
1.5
3.5
81.5
センサシステム
78.0
移動速度:10.0cm/s
8.0
単位: cm
高さ20cm
実験概要
実験結果
傾いている物体の検出実験
計測可能最大角
を15~25°改善
θ
センサシ
ステム
50~150cm
6段階
26×30cm
実験概要
各測定距離において、物体角θを0°
から1度単位で増加させながら計測
実験結果
提案センサと従来センサにおいて、
各測定距離で測定可能である最大
の傾き角を比較
傾いている物体の検出実験(ノイズ有り)
θ
ノイズ発生器
50~150cm
センサ
システ
ム
計測可能最大角を9~15°改善
6段階
26×30cm
10
実験概要
50
Frequency (kHz)
混入ホワイトノイズ(周波数スペクトル)
実験結果
応用実験 (微小物体の判別)
実験概要
実験結果
応用実験 (物体角付近の距離測定)
物体の角付近での測定が可能かを検証する
40
最小物体間距
離27cm
38
36
34
40cm
32
Proposed
Sensor
セ
40cm
測定開始⇒
動 ンサ
30 距離 移
cm
30
28
Conventional
Sensor
26
Shape of
Object
24
22
20
1
5
9
13
17
21
実験結果
25
応用実験 (駐車時における距離計測)
110cm
160cm
従来型のセンサ
では測定不可能
40cm
80cm
30cm
回転半径5.4m
想定される用途
• 自動車の駐車支援システム
• 自律移動ロボットのセンサシステム
想定される業界
• 自動車業界
• 産業用、家庭用ロボット業界
実用化に向けた課題
• 現在、対象物体の距離、移動速度、表面凹
凸の個数と各奥行きを同時に測定可能。しか
し、凹凸の位置関係、形状認識が未解決で
ある。
• 傾いた物体の距離測定に関しては、研究室
レベルでは従来のシステムと比較し改善され
ている。しかし、提案技術と駐車支援システ
ムとの融合を考える必要がある。
企業への期待
• 超音波センシング技術、トランスディ
ユーサの開発技術を持つ企業との
共同研究を希望。
• 自動駐車システム、駐車支援システ
ムの開発を行っている企業には、本
技術の導入が有効と考えられる。
本技術に関する知的財産権
• 発明の名称:測定方法および測定プログラム
• 出願番号 :PCT/JP2007/066216
• 出願人 :国立大学法人鳥取大学
• 発明者 :大北正昭、奥雲正樹
お問い合わせ先
鳥取大学 産学・地域連携推進機構
知的財産管理運用部門長 佐々木 茂雄
TEL 0857-31-6000
e-mail [email protected]