コペンハーゲン1

コペンハーゲンとオレスンド海峡
事務局長 池田良穂
9 月 4 日から始まる船舶関係の国際会議 PRADS2016 に参加のためにコペンハーゲンに
やってきました。2 日の夜にミュンヘン経由でコペンハーゲンの空港に到着。港の近くのホ
テルに入って、翌朝の土曜日に、さっそくコペンハーゲンの港にでかけました。
時差ボケで 5 時には目覚めてしまい、ホテルで AIS をチェックするとオレスンド海峡の
北の入り口(ヘルシンボリ)あたりに、コスタと MSC のクルーズ客船が南下しており、AIS
データによりコペンハーゲンを目指していることを確認、また 9 時 45 分コペンハーゲン着
予定の DFDS のオスロ航路のフェリーも、そのかなり北側の位置にいるのがわかりました。
明るくなった 7 時にホテルをでて、人魚像から北に延びる岸壁の先端に向かいました。
この岸壁にかつてはクルーズ客船の岸壁として利用されていましたが、そこにはデンマー
ク海軍の軍艦が並んで停泊していて、せいぜい 3~5 万総トンのクルーズ客船が 1 隻着岸で
きるかどうかのスペースしか残っていませんでした。コペンハーゲンが 10 万総トンを超え
るクルーズ客船用にクルーズ岸壁を造ったと聞いてはいましたが、場所は確認できていま
せんでした。
さて岸壁には遊歩道が完備され、アウトレットの商店街もできていました。最先端にある
灯台の周りも整備されて、売店やトイレもありましたが、早朝なので閉まったままでした。
ここからはコペンハーゲン港がほぼ一望できるので、ここで待つことにしました。
8 時半頃に、まず「コスタ・ファボロサ」が港外に姿を現し、続いて「MSC オペラ」が
続いていました。コスタは回頭して出船状態で港の入り口近くの岸壁に、MSC はその先に
平行移動をして、お互いに船首を向かい合わせの状態で着岸しました。後で確認すると、そ
のクルーズターミナルの名称は「オーシャン・クエイ」のようでした。
9 時半には、着岸するクルーズ客船の横を通って、DFDS の「パール・シーウェズ」が入
港してきました。同船は、
「クラウン・シーウェイズ」と共に、オスロ~コペンハーゲンの
定期航路にデイリーで就航しており、夕方 16 時半にはオスロに向けて出港します。写真の
姿からわかるように、元バイキングラインのバルト海横断航路のクルーズフェリーで、バイ
キングラインの構成会社の 1 つが倒産したことに伴い、スタークルーズに売られて、スタ
ークルーズのクルーズ事業開始時に使われた船です。現在、DFDS のオスロ~コペンハー
ゲン航路は、年間 77 万人の旅客、45 万台の乗用車、2500 台のバスを運んでいます。船内
には立派な会議場施設もあり、以前、クルーズ客船とフェリーの国際会議が開催されたとき
に乗船した経験もあります。
さて、このコペンハーゲン港での撮影終了後、列車でヘルシンオア(Helsingor)の港に向
かいました。約 45 分で到着。ここはオレスンド海峡がもっとも狭く、スウェーデンのヘル
シンボリとの間に航海時間わずか 20 分のフェリー航路があります。この航路には 5 隻のカ
ーフェリーと 1 隻の純客船が就航し、年間 740 万人の旅客、140 万台の乗用車、2 万台のバ
ス、39 万台のトレーラーを輸送しています。鉄道の駅とフェリーターミナルは直結してお
り、出港間際の「オーロラ・オブ・ヘルシンボルグ」に飛び乗りました。ヘルシンボルグは、
ヘルシンボリの英語読みです。
往復チケットが 57 デンマーククローネ(デンマークはユーロを使っていません)で、下船
することなく往復することが可能です。ただし、乗船時にパスポートの提示は求められまし
た。
船内は、いくつものバーや売店、レストラン、スーパーマーケットも設けられ、この 20
分の航海時に、多くの乗客が飲んで食べて、買い物をしているのには驚かされまし。この様
子からすると、船上での売り上げは結構大きいと思われますが、いずれ調査してみたいと思
います。スウェーデンに比べると、デンマークの物価が安いので、船上免税品の販売はなく
なったものの、物価差で多くのスウェーデン人が利用しているようでした。
コペンハーゲンに戻って、コペンハーゲンの人気スポットであるニューハウンに出かけ
ましたが、土曜日とあって観光客でごった返していました。また、近くの岸壁は、デンマー
ク海軍の公開日だったらしく、岸壁に並ぶ各種の軍艦に見学客が続々と来ていました。
コペンハーゲン港に入港する「コスタ・ファボロサ」(右)と「MSC オペラ」
。
「ファボロサ」は回頭中。
港の一番端に建設されたオーシャン・クエイに着岸した両船
入港する DFDS のオスロ航路のクルーズフェリー「パール・シーウェイズ」
先端の灯台と回頭する「パール・シーウェイズ」
高くなった煙突と、復原力を増すための船尾のバ
ルジにご注目。
ヘルシンオア(デンマーク)とヘルシンボリ(スウェーデン)間の短距離国際フェリー
スカンドラインの「ハムレット」
。1997 年建造の、この航路の最新鋭船。
スカンドラインズの「タイチョー・ブラヘ」
HH フェリーの「メルカンディアⅣ」(左)と「Ⅷ」
スカンドラインの自動係船装置。スカンド、HH と
もに岸壁に綱とり要員はいない。
オーロラの船上では、20 分の船旅を飲んだり食べ
たり、買い物したりで過ごす。
HH フェリーの超簡易式係船装置。船上の女性船員
が、岸壁の柱につるされたロープを船内に引き込
んでつなぐ。
純客船「ベントラフィケン」
。250 名定員で、年間
13 万人を運ぶ。
コペンハーゲンの旧港
観光客で賑わうニューハウン地区
ニューハウンの一画
市営水上バス
遊覧船
デンマーク海軍の公開日でたくさんの市民が見学
していた。