アジア経済の現状と見通し : 2016年 9月

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Shinkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
※ 最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
アジア経済の現状と見通し : 2016年 9月
中国、香港 、シンガポール
●中国は、固定資産投資が減速しているものの、消費は底堅く、さらなる景気対策も見込まれます。よって、6.5~7%という今年の成長率目標は達成できそうです。人民元はさらなる下落が予想されるもの
の、株価は政府の下支え策により底堅く推移しそうです。香港は、中国経済の停滞、住宅価格の下落観測、米国の利上げをめぐる不透明感などにより、景気が圧迫されそうです。ただ、香港株は、中国本土から
の資金流入などに支えられるでしょう。シンガポールは、輸出や住宅市場の停滞が続く中、今年は1%台の経済成長率にとどまりそうです。
図表1.中国の株価と為替
(月末値)
5000
(円/人民元)
21
為替
(右目盛)
4500
4000
20
18
3500
17
(円/香港$)
17
16
28000
香港 ハンセン指数
(左目盛)
19
中国 上海総合指数
(左目盛)
図表2.香港の株価と為替
(月末値)
30000
26000
15
14
2500
13
2000
12
1500
11
10
11
12
13
14
15
16
14
24000
13
22000
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
12
20000
為替
(右目盛)
10
9
16000
10
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
図表4.韓国の株価と為替
(円/100ウォン)
12
韓国 総合株価指数
(左目盛)
2200
11
図表5.台湾の株価と為替
(月末値)
10000
10
2000
9
1800
8
7
1400
6
11
12
13
14
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
4.4
4.2
4.0
台湾 加権指数
(左目盛)
8500
3.8
3.6
8000
3.4
7500
3.2
3.0
7000
為替
(右目盛)
1600
(円/台湾$)
9500
9000
10
3400
90
85
3200
80
75
3000
70
2800
65
為替
(右目盛)
2600
60
55
2400
10
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
●アジア金融市場の見通し
●韓国は、財政出動や金融緩和の効果もあり、内需には持ち直しの動きがみられます。ただ、輸出は伸び悩んでおり、企業の投資意欲も慎
重です。台湾は、輸出や製造に回復の兆しがみられるものの、米国や中国の景気など、外部環境に左右されやすい状況が続くでしょう。
2400
95
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
韓国、台湾
(月末値)
(円/シンガポール$)
シンガポール ST指数
(左目盛)
11
18000
(年、月次)
3600
15
16
3000
図表3.シンガポールの株価と為替
(月末値)
15
16 (年、月次)
2.8
為替
(右目盛)
6500
2.6
6000
2.4
10
11
12
13
14
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
1/4
15
16 (年、月次)
(株式)アジア経済は引き続き、緩やかな成長が予想されま
す。中国についても、過剰設備・負債の問題などがあるもの
の、政策効果などにより、政府の目標に沿った経済成長が続く
でしょう。また、先進国の低金利などを背景に、アジアへの資
金流入は継続すると見込まれます。よって、アジア株の中長期
的な上昇余地は大きいとみられます。
(為替)米国が9月に利上げを決めた場合、アジア通貨は一旦
下落しそうです。ただ、米国はその後の利上げを急がない方針
とみられることから、アジア通貨の下落は限定的でしょう。
(金利)原油など資源価格安を背景に、アジアのインフレ率は
抑制されています。よって、金融緩和の継続が見込まれること
から、各国の金利が急上昇する可能性は低いでしょう。
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アジア経済の現状と見通し : 2016年 9月
タイ、インドネシア、マレーシア
●タイは、個人消費が主導し、景気は回復基調です。爆破事件が相次いでおり観光業などの影響が懸念されますが、株価などへの影響は現時点では軽微です。インドネシアでは、政府によるインフラ投資が進み
つつあり、景気を後押ししています。インフラ投資が加速すれば、5%台の経済成長率が続く見通しです。マレーシアは、消費が堅調であるほか、鉱工業生産にも回復の動きがみられます。
図表6.タイの株価と為替
(月末値)
1800
(円/バーツ)
1600
タイ SET指数
(左目盛)
1400
(月末値)
4.0
6000
3.8
5500
3.6
5000
3.4
3.2
1200
(円/100ルピア)
図表7.インドネシアの株価と為替
1.1
2.8
2.6
為替
(右目盛)
800
インドネシア ジャカルタ総合
(左目盛)
1.0
4000
0.9
600
10
11
12
13
14
15
3500
2.2
2000
0.8
為替
(右目盛)
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
11
12
13
14
15
16 (年、月次)
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(円/フィリピンペソ)
図表9.フィリピンの株価と為替
フィリピン 総合指数
(左目盛)
6000
700
2.8
650
2.4
図表10.ベトナムの株価と為替
(月末値)
3.0
2.6
(円/100ベトナムドン)
0.60
0.55
600
2.2
4000
2.0
3000
為替
(右目盛)
1000
10
11
12
13
28
26
1400
為替
(右目盛)
24
22
1200
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
550
0.50
0.45
14
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
15
16
(年、月次)
為替
(右目盛)
450
0.40
400
1.8
350
1.6
300
●インドは、公務員の賃金増加などを受け消費が好調で、今年度も
高めの経済成長率を記録する見込みです。
図表11.インドの株価と為替
(月末値)
30000
(円/ルピー)
2.2
28000
2.0
26000
ベトナム VN指数
(左目盛)
500
5000
2000
1600
インド
8000
7000
30
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
●フィリピンは、法人税や所得税の減税のほか、インフラ投資の拡大が見込まれ、経済成長率を押し上げそうです。ベトナムは、製造や
建設が堅調に伸びる一方、干ばつによる農業への打撃が広がる中、今年の経済成長率は昨年をやや下回る見通しです。
9000
32
1700
10
フィリピン、ベトナム
(月末値)
FTSEブルサマレーシア
KLCIインデックス(左目盛)
1300
0.7
10
16 (年、月次)
34
1500
3000
2500
36
1900
1800
4500
2.4
(円/マレーシアリンギット)
2000
3.0
1000
図表8.マレーシアの株価と為替
(月末値)
2100
為替
(右目盛)
24000
1.8
22000
1.6
20000
18000
0.35
10
11
12
13
14
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
2/4
15
16
(年、月次)
0.30
1.4
インド ムンバイ
SENSEX30種指数
(左目盛)
16000
14000
10
11
12
13
(注)直近は2016年8月末値
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
14
15
16
(年、月次)
1.2
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Shinkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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アジア経済の現状と見通し : 2016年 9月
図表12.アジア各国・地域の長期金利
16
図表16.アジア株と日本株
(%)
16
14
インド
中国
韓国
14
12
台湾
シンガポール
香港
ベトナム
タイ
(%)
インドネシア
マレーシア
(10/1=100)
フィリピン
220
200
アジア株
日本株
12
180
10
10
160
8
8
140
6
6
120
4
4
100
2
2
80
0
0
10
11
12
13
14
15
(年、月次)
16
10
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
(注)長期金利は10年国債利回りの月末値。直近は2016年8月
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
60
(年/月、月次)
10
11
12
13
14
15
16
(注)アジア株:MSCIエマージング・マーケット・アジア・インデックス(円ベース)
日本株:日経平均株価
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
図表13.アジア各国・地域の政策金利
16
(%)
ベトナム
インドネシア
14
フィリピン
タイ
12
マレーシア
16
インド
台湾
14
12
中国
シンガポール
韓国
香港
10
10
8
8
6
6
4
4
2
(%)
(前年比、%)
①GDP成長率
2
0
10
11
12
13
14
15
(年、月次)
16
0
10
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
(注)直近は2016年8月。香港とシンガポールは、参考金利としてインターバンク3か月物金利、ベトナムはリファイナンス金利を表示している。
(出所)各国通貨当局、Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
(10/1=100)
(%)
アジア債券
先進国債券
国内債券
150
140
アジア通貨(対円)
130
ドル円
120
110
90
80
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
(注)アジア債券:シティアジア国債インデックス
先進国債券:米国10年国債、国内債券:新発10年国債
(出所)Bloomberg、シティグループ証券よりデータ取得し、しんきん投信作成
②インフレ率
2015
2016
(予)
2017
(予)
2015
2016
(予)
2017
(予)
6.9
6.5
6.2
1.4
1.8
2.0
2.6
0.7
2.4
2.0
2.7
1.5
2.2
1.8
2.9
2.2
2.4
2.2
0.7
-0.3
3.0
-0.5
1.3
0.7
2.5
0.2
2.2
1.1
2.6
1.3
2.8
4.8
5.0
6.3
6.7
7.6
3.0
4.9
4.4
6.0
6.3
7.5
3.2
5.3
4.8
6.2
6.2
7.5
-0.9
6.4
2.1
1.4
0.6
4.9
0.2
4.3
3.1
2.0
1.3
5.3
2.0
4.5
2.9
3.4
2.3
5.3
(注)インドは年度データ(4月~3月)。
実績はBloomberg、予測(斜体数字)はIMF
(出所)Bloomberg、、IMF 「World Economic Outlook April 2016」よりデータ取得し、
しんきん投信作成
100
10
中国
NIEs
韓国
台湾
香港
シンガポール
ASEAN
タイ
インドネシア
マレーシア
フィリピン
ベトナム
インド
図表15.アジア通貨とドル円
図表14.債券利回りの比較
図表17.東アジア各国・地域の経済見通し
10
11
12
13
14
(注)アジア通貨:JPモルガンELMI+(アジア)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
3/4
15
16
(年/月、月次)
(2016.9.6 チーフエコノミスト 辻 佳人)
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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4/4