すぐに使える学校情報(生徒指導ワンポイント情報) 不登校への対応について 義務教育課 はじめに 本県の平成26年度問題行動等調査の結果から分 かるように,不登校の問題は依然として大きな課 題となっています。 平成25年度 平成26年度 いじめの認知件数 14,196 5,094 不登校児童生徒数 2,265 2,260 (鹿児島県公立学校の総計) ここでは,不登校への対応について,未然防止 と初期対応の在り方を考えてみたいと思います。 □ 先生は,子供たちの主体的な児童会・生 徒会や学級活動のための働きかけを行って いますか。 □ 先生は,道徳の時間を要とした道徳教育 を推進していますか。 □ 先生は,子供が中心となった主体的な交 流活動等を設定していますか。 □ 先生は,人間関係に悩む子供の不安解消 に努めていますか。 初期対応の取組・・・ チェック→前年度までの欠席状況 二種類の不登校予防 不登校になってからの事後の働きかけに対し, 不登校にならないようにする事前の働きかけが, 「不登校の予防」です。これには,教育的予防の 「未然防止」と治療的予防の「初期対応」の二種 類があります。 ①「未然防止」(教育的予防の発想の働きかけ) 特定の児童生徒を想定せず,全ての児童生 徒を対象に学校を休みたいと思わせない「魅 力的な学校づくり」を進めることを指します。 授業や行事等の工夫や改善が基本です。 ②「初期対応」(治療的予防の発想の対応) 学校を休みそうな児童生徒や休み始めた児 童生徒に個別に対応することを指します。い わゆる「早期発見・早期対応」ですが,欠席 日数が30日を超えるまでは「不登校」と呼ば ないので,「休み初め」の意味で「初期」と表 現します。 未然防止の取組・・・ キーワードは“居場所づくり・絆づくり” 不登校という事象に対して, 学校がまず取り組むべきことは, 全ての児童生徒が学校に来るこ とを「楽しい」と感じ,学校を 「休みたい」と思わせないよう な,日々の学校生活の充実です。 どの児童生徒も落ち着ける場所をつくること (居場所づくり),全ての児童生徒が活躍でき る場面をつくること(絆づくりのための場つく り)が鍵になります。次のような視点で,教育 活動を振り返ってみましょう。 □ 子供たちは笑顔で学校生活を送っていま すか。 □ 子供の視点で,学習内容及び学習方法を 把握していますか。 □ 先生は,子供にとって分かりやすい授業 を行っていますか。 不登校の予兆とは,1日, 2 日 , ・・・と 児 童 生 徒 が 学 校 を休み始めることにほかなり ません。欠席日数が30日を越 えるまでには少なくとも1ヶ 月半の猶予期間がありますか ら,この初期の段階で児童生 徒の状況に応じた働きかけを 適切に行うことが大切です。初期対応として日 頃から注意を払ったり,働きかけを行ったりす ることの大切さを,次のような視点で確認して みましょう。 □ 先生は,傾聴と受容,共感等のカウンセ リングマインドの視点で指導・援助を行っ ていますか。 □ 先生は,保護者とのコミュニケーション を図り保護者の気持ちに寄り添って一緒に 対応しようとしていますか。 □ 先生は,保護者が相談しやすい雰囲気を 作っていますか。 □ 子供や,その家庭の状況等について先生 方の間で情報が共有されていますか。 □ 適応指導教室との連携はできていますか。 □ スクールカウンセラーやスクールソーシ ャルワーカーを活用していますか。 実効性のある学校組織づくりを 不登校に対して多面的なアクションが根気強く 継続されているか・・・各学校においては,一貫した 生徒指導の方針を先生方が共通理解した上で,日 頃から児童生徒の様子を的確に把握し,より具体 的な対応を進めていくことが大切です。 *参考資料* ○ 生徒指導・進路指導研究センター(文部科学省・国 立教育政策研究所)生徒指導リーフ「不登校の予防」 ~平成27年3月 ○ 不登校対策リーフレット2013「不登校対策の視点」 (鹿児島県教育委員会) ~平成26年3月
© Copyright 2025 ExpyDoc