北陸i-Construction通信

第5号
北陸i-Construction通信 2016.8.29
発行
URL:http://www.hrr.mlit.go.jp
i-Constructionの取り組みでは、ICT技術の全面的な活用の関心が高く、これまで、15の基準や施
工法、受発注者向けの講習会、3次元測量、3次元設計データの作成方法などについて紹介してきま
した。一方、i-Constructionの3本柱のうち「規格の標準化」「施工時期の平準化」についても、現場の生
産性を向上させる重要な施策で、北陸地方整備局では積極的に取り組むこととしています。今回の
「北陸i-Construction通信」は、これらの取り組み内容や状況を広く、皆様にお知らせすることにより、よ
り一層の取り組み推進をはかるものです。
最新ニュース
今年度、北陸地方整備局でICT土工の発注者指定型で予定していた
2件の工事は、いずれも契約締結がされました。
また、施工者希望型は、国道253号野田地区舗装他その2工事など16件の工事で既に契約締
結し、このうち、7件の工事で3次元起工測量から3次元データの納品までを行う「ICT活
用工事」の希望があり、協議が整いました。既に一部の工事では、UAVによる起工測量も終
了し、これから本格的に工事が始まります。
本号の掲載内容
ICT技術の活用
規格の標準化
施工時期の平準化
特に無し
プレキャストコンクリート製品活用事例等
平準化の具体的取り組み
規格の標準化
建設現場全体に占める、土工・コンクリート工
事割合が合計約4割と高いにもかかわらず、約
30年前と比べて生産性に変化が少ないため、
この部分の生産性を向上させることが効果的と
考えられています。
コンクリート工は、屋外作業では気象条件によ
り作業が影響を受けやすく、計画的な施工が困
難な特徴があります。さらに構造物によっては
高所作業が必要となり危険が伴うとともに、作業
が複雑なため技能労働者も一定のスキルが必
要です。
一方、工場製作の課題としては、同サイズの
製品を大量に使用する機会は限定的なためス
ケールメリットが生じにくい特徴があります。不
必要な在庫を抱えられれないので受注を受けて
から生産するため安定的な生産によるコストダ
ウンが難しい環境にあります。
これらの課題を踏まえ、コンクリート工全体の
生産性向上を図るため、全体最適の導入、現場
打ちコンクリート、プレキャスト製品それぞれの
特性に応じた要素技術の一般化等の検討が進
められています。
北陸地方は積雪寒冷地にあり、特に積雪の多
い地区では冬期前での工事完成、また、比較的
積雪が少ない地区にあっても冬期の通年施工
を可能とする必要があったため、従来からボック
スカルバート、擁壁、一部の河川構造物につい
ては、プレキャストの採用を標準としておりま
す。
今回、大型構造物への活用も見据え、北陸地
整管内でのプレキャスト製品の活用効果、コスト
比較、採用事例を「プレキャストコンクリート製品
活用事例」として取りまとめ作成しました。
コストの比較では、水替え、土留め矢板、交通
規制費用、冬期間の特殊養生費用等の考えら
れるコストを総合的に比較する考え方も例示し
ました。この事例集も参考にしながら、引き続き
プレキャスト製品の積極的な活用に努めてまい
ります。この事例集は北陸地方整備局のホーム
ページにも掲載されていますので、是非ご覧下
さい。
http://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/i_Construction
/pc/hr_pc_jirei.pdf
●
施工時期の平準化
施工時期の平準化は、人材や機材を効率的
に活用して年度始めの閑散期、年度末の繁忙
期の解消をして、生産性を向上させようという取
り組みです。
平準化の具体的な取り組みとしては、平準化
のための国債制度(複数年の工事)や繰越制度
を活用して、工期末の平準化を考慮した上で計
画的な工事発注を行います。
また、工期の制約等のため年度始め早々から
着手する必要がある工事については、早期発注
にも取り組み、結果的に年度初めの平準化対策
となります。
一方、公共工事全体の7割を占める地方公共
団体等、全ての発注者が一体となって取り組ん
で行くことが重要です。全ての公共工事の発注
機関で構成する「北陸ブロック発注者協議会」で
は、施工時期の平準化についても取り組み項目
に追加して自治体の支援をしていきます。
今後とも自治体の状況も把握しながら、北陸
地域全体として平準化が図られるよう努めてま
いります。
●平準化の取り組みイメージ
当該年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
次年度
第4四半期
第1四半期
第2四半期
●
概
算
要
求
第3四半期
●
概
算
要
求
①平準化国債の要求検討
①平準化国債の要求検討
②繰越制度の手続き
②繰越制度の手続き
③早期発注の手続き
出水期
積雪期
③早期発注の手続き
出水期
積雪期
①平準化国債の要求検討
平準化のための国庫債務負担行為の要求を検討
②繰越制度の手続き
随時、必要な案件は手続きに着手
③早期発注の手続き
翌年度の第一四半期早々から工事開始出来るよう手続き開始
i-Construction推進本部 事務局
(問い合わせ先)
第4四半期
北陸地方整備局 地方事業評価管理官(2118)
企画部 技術管理課長(3311)
企画部 技術検査官(3122)
〒950-8801 新潟市中央区美咲町1-1-1 新潟美咲合同庁舎1号館 ℡025-280-8880(代)
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