PDF形式

資料4-4
シェアリングエコノミー検討会議
検討の経過整理
平成28年8月31日
内閣官房IT総合戦略室
目次
1.現状と課題
(1)シェアリングエコノミー発展の必要性
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類①
分類②
分類③
分類④
分類⑤
分類⑥
シェアする対象に基づく分類
業法規制に関係のあるサービスか
既存の業界と競合のあるサービスか
安全性が強く求められるサービスか
プラットフォーマーが「場の提供者」に過ぎないものか一定の関与を行って
いるものか
提供者と利用者の関係が「C to C」か「B to C(G to C)」か
(3)シェアリングエコノミーの発展に向けた課題の整理
2.自主的ルールの考え方
(1)自主的ルールの策定方法
(2)自主的ルールに関する主な論点
(3)各事業者における取組
3.その他の振興策の考え方
その他の振興策に関する主な論点
1
1.現状と課題
2
1.現状と課題
様々な分野に拡大するシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーとは、個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、
インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動。
代表的なサービスとして、住宅を活用した宿泊サービスを提供する民泊サービスが挙げられるほか、一般のドライ
バーの自家用車に乗って目的地まで移動できるサービス、個人の所有するモノを利用するサービスや、個人の専門
的なスキルを空き時間に提供するサービス、空いている駐車スペースを利用するサービス等、様々なサービスが登
場している。
<主なシェアリングエコノミーの分類と事業者>
シェアリングエコノミーは
おもに5つに分類されます。
※協会会員以外のサービスも含まれます。
(出典)第1回シェアリングエコノミー検討会議 一般社団法人シェアリングエコノミー協会提出資料より引用
3
1.現状と課題
(1)シェアリングエコノミー発展の必要性
シェアリングエコノミーは、超少子高齢社会における諸課題の解決に資することが期待されるため、我が国としてシェア
リングエコノミーの発展に向けた環境の整備が必要。
• 一億総活躍社会の実現:個人によるサービス提供の拡大、個人の所得増大、働き方の改革(労働法制・税制等)
• 経済成長:隠れた需要の顕在化と供給の拡大、低廉で新しいサービスの登場、消費者の選択肢の拡大
• イノベーション創出:ITを活用して多様なニーズを収集し、IoTやAI、ビッグデータ関連技術等の活用による新しいソリューション
の提供等、新たな付加価値を提供するビジネスモデルの創出
• 地域共助・地域経済活性化:課題を抱えている人と支援を提供できる人が出会い頼り合える仕組みの構築、行政を代替する
サービスの提供、女性や高齢者、障害のある人等の新たな就業機会の創出
• 地域資源の活用:公共の遊休資産の有効活用、新たな行政収入の確保、新たな観光資源の開発
<主な意見>
• これからの超少子高齢時代に次世代労働力をどのように確保していくか。課題がある人に対して支援を提供できる人の出会うきっ
かけと頼り合える仕組みがあれば、世の中が豊かになるのではないかと考えた。(AsMama 甲田氏)
• 遊休のスペースや利用時間外のスペースを収益化したい貸し手と、スペースを探している借り手を単につなぐだけでなく、新たな不動
産の価値創造を実現する「不動産シェアリングエコノミーカンパニー」とうたっている。(スペースマーケット 重松氏)
• 会議室が足りなかったり、そういったところのビジネス環境の向上。会話から生まれる、世の中のイノベーションの源泉を生み出す土壌
を生成できるのではないかということでやり始めた。(スペイシー 内田氏)
• 中長距離の移動、特に都市間の移動に関して課題を解決していきたい。(notteco 東氏)
• 限られた「ヒト、モノ、カネ」をどのようにまちづくりに生かしていくのかというのがある。その方策としてシェアエコというのは非常に有効だと
いうことをこの3年間の取組の中で手応えを感じている。(日南市 﨑田市長)
• 今後、ますます地方の人口が減っていき、行政がカバーできないサービスも多数出てくる。多くの市民にシェアリングサービスを活用し
てもらい、共助の仕組みを作ることで、行政がカバーできないサービスを提供できるよう連携したい。(重松構成員)
• 女性の社会参画を促進するべく、家事・育児を中心とした日常のちょっとした「リクエスト」を地域内で叶えあうサービス。地域の未来
のため、自己実現の時間を創造することを目的としたシェアリングエコノミーサービス。(川上村提供資料より抜粋)
• 公共の遊休資産、例えば道路、庁舎、駐車場や美術館などを有効活用することは、自治体の収入にもなるだろうと思うし、ぜひ検
討すべき。(関構成員)
4
1.現状と課題
<参考>シェアリングエコノミーの市場規模
●PwCの実施した調査では、シェアリング・エコノミーの各国合計の市場規模は、2013年に約150億ドル(約1兆5
千億円)であったが、2025年までに約3,350億ドル(約33兆5千億円)に拡大されると予想されている。
●日本でも今後の市場拡大が予想されている。矢野経済研究所の推計によると、シェアリング・エコノミーの国内市場規
模は2014年度に約233億円であったが、2018年度までに462億円まで拡大されると予想されている。
(平成28年度 情報通信白書より引用)
シェアリング・エコノミー各国合計市場規模の予測
シェアリング・エコノミー国内市場規模の予測
(単位:億円)
500
(単位:億ドル)
4,000
3,350
3,500
450
407
400
3,000
350
2,500
300
2,000
250
1,500
200
1,000
150
500
462
350
290
233
100
150
50
0
2013
2025(予想)
0
2014
(出典)PwC「The sharing economy –
sizing the revenue opportunity」
2015
(見込み)
2016
(予測)
2017
(予測)
2018(年度)
(予測)
注1)サービス提供事業者売上高ベース
2)2015年度は見込値、2016年度以降は予測値(2015年7月現在)
(出典)矢野経済研究所「シェアリング・エコノミー(共有経済)
市場に関する調査結果2015」を基に内閣官房IT総合戦略室で作成
5
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
多様なサービスが登場しているシェアリングエコノミーについては、様々な観点から分類を整理し、分類
毎に課題を整理することが必要ではないか。
分類①
シェアする対象に基づく分類
分類②
業法規制に関係のあるサービスか
分類③
既存の業界と競合のあるサービスか
分類④
安全性が強く求められるサービスか
分類⑤
プラットフォーマーが「場の提供者」に過ぎないものか一定の関与を行っているものか
分類⑥
提供者と利用者の関係が「C to C」か「B to C(G to C)」か
6
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類①
シェアする対象に基づく分類
•
•
•
•
•
場所:ホームシェア、農地、駐車場、会議室等のシェア
乗り物:カーシェア、ライドシェア等
スキル:家事代行、介護、育児、知識、料理等のシェア
モノ:フリーマーケット、レンタルサービス等
お金:クラウドファンディング等
<課題>
• シェアリングエコノミーは多様な分野に拡がっているが、(民泊以外のサービスは)認知度が低い。社会的認知
度の向上が必要ではないか。
• 認知拡大による一般の人の理解や信頼度向上及び企業との連携による事業拡大を可能とするためには、業界
としてガイドラインや認定マークのような仕組みが必要ではないか。
• 多様な分野にわたるシェアリングエコノミーについて、統一的なガイドライン等を作成することは困難ではないか。
<主な意見>
• 新しいタイプのサービスなので、事業者に説明するときに内容が全く理解されないことはある。(ココナラ 南氏)
• 小さいスタートアップなので大企業との連携というのはなかなか信頼が得られず困難に感じる。行政にも認知拡大の支援を
求められたらと思う。(スペイシー 内田氏)
• シェアリングエコノミーの認知度が低く、大企業との連携がスムーズに進まない。(スペースマーケット 重松氏 資料)
• 例えば、待機児童の問題の対策に、ベビーシッターのシェアエコがテーブルに載らない。ガイドライン、認定マークの付与でそう
いう産業もあるという理解が広がれば、保育園と並び、シェアリングエコノミーにも予算付けしようという議論が進む。(上田構
成員)
• AsMamaのケースも踏まえると、シェアリングエコノミーに共通したガイドライン、あるいはルールを定めることはかなり難しいと考
えられるため、十分な議論が必要。(関構成員)
7
1.現状と課題 <参考>シェアリングエコノミーの認知度・利用意向・利用率
• シェアリングエコノミーに関連する様々なサービス(※1)の類型別に、認知度・利用意向・利用率等について、国内外
(※2)のアンケート調査を総務省およびみずほ情報総研が実施。
• 「民泊サービス」の認知度は各国とも7-9割程度であり、一番低い日本でも72%。一方、「個人の家事等の仕事・労
働のシェアサービス」、「個人所有のモノのシェアサービス」等の認知度は、日本以外についてはいずれも6-9割程度であ
るが、日本ではいずれも4-5割とシェアリングエコノミーの認知度が他国に比べて比較的低い状況。
• 日本で、民泊サービスのデメリット・利用したくない理由としては「事故やトラブル時の対応に不安があるから」が特に多
い。また各国とも、利用意向のない者は利用意向のある者に比べ、「この中にない」を選ぶ傾向があり、利用意向のな
い者は漠然とした不安を抱いている可能性。
※1 民泊サービス、個人の家事等の仕事・労働シェアサービス、個人所有のモノのシェアサービス、駐車スペースシェアサービス
※2 日本、米国、英国、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、インドの8か国の各1000人のモニターが対象。
個人の家事等の仕事・労働のシェアサービスの認知度・利用意向・利用率
民泊サービスの認知度・利用意向
認知度
日本
ドイツ
韓国
77.6
中国
84.2
オーストラリア
インド
84.4
40 %
90.6
韓国
90.8
中国
82.2
48.7
20 %
ドイツ
85.8
43.1
60 %
80 %
オーストラリア
90.3
100 %
84.2
54.3
71.7
45.0
17.1
77.4
41.3
9.5
73.7
68.1
14.6
75.0
52.0
18.0
40 %
89.3
78.0
51.2
20 %
88.0
79.0
39.2
インド
0%
利用率
46.7
27.2
英国
72.8
44.2
利用意向
30.7
5.7
米国
86.5
55.0
英国
日本
72.0
31.6
米国
0%
認知度
利用意向
60 %
80 %
100 %
(出典)いずれも総務省 平成28年度版 情報通信白書より引用
8
1.現状と課題 <参考>シェアリングエコノミーの認知度・利用意向・利用率
民泊サービスのデメリット・利用したくない理由
個人所有のモノのシェアサービスの認知度・利用意向
認知度
日本
20 %
40 %
60 %
6.1
15.4
53.6
44.1
米国2016年
利用意向なし
利用意向あり
33.8
54.0
9.6
21.5
32.5
28.7
英国2016年
利用意向なし
利用意向あり
31.2
38.7
12.3
31.1
33.6
28.6
利用意向なし
21.0
5.8
利用意向あり
利用意向なし
21.3
27.9
19.2
22.8
31.7
30.0
55.9
中国2016年
オーストラリア
2016年
83.4
76.9
42.8
25.7
韓国2016年
88.6
60.6
45.4
15.0
31.5
利用意向あり
ドイツ2016年
75.1
82.5
47.2
インド
0%
76.9
20.9
中国
オーストラリア
72.9
80 %
100 %
利用者の口コミに
個人情報の事前
事故やトラブル時 サービスの内容や
よるサービス評価
登録などの手続
の対応に不安が 使い方がわかりに
この中にはない
には限界があると
がわずらわしいか
くそうだから
あるから
思うから
ら
9.2
61.1
20.2
30.7 -
利用意向なし
日本2016年
62.6
43.1
12.9
韓国
日本2015年
43.3
17.7
企業が責任を
もって提供する
サービスの方が信
頼できるから
利用意向なし
23.2
単位:%
73.4
53.1
25.6
英国
利用率
45.6
34.9
5.4
米国
ドイツ
利用意向
インド2016年
11.6
11.1
19.0
18.3
7.0
5.4
16.2
45.1
22.7
10.2
5.7
7.5
8.2
10.6
40.3
8.4
5.1
10.7
4.7
7.2
9.0
40.7
15.2
7.0
21.6
26.2
12.4
12.8
20.7
14.7
10.9
7.0
22.9
10.8
33.1
利用意向あり
36.7
30.7
36.2
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
12.2
41.8
38.8
24.2
20.1
12.6
45.0
26.2
35.1
16.5
12.7
14.0
7.5
利用意向あり
38.3
27.0
33.7
10.7
8.2
12.3
利用意向なし
利用意向あり
27.4
55.4
12.7
28.3
22.6
18.4
14.3
10.7
15.6
7.1
36.7
4.3
一般のドライバーの自家用車に乗って目的地まで移動できるサービスの
デメリット・利用したくない理由
日本2015年
日本2016年
米国2016年
英国2016年
ドイツ2016年
韓国2016年
中国2016年
(出典)いずれも総務省 平成28年度版 情報通信白書より引用
オーストラリア
2016年
インド2016年
企業が責任を
もって提供する
単位:%
サービスの方が信
頼できるから
利用意向なし
21.1
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
利用意向なし
利用意向あり
25.4
16.2
30.5
38.2
29.9
25.2
17.6
18.5
22.2
24.5
6.5
25.3
35.7
30.0
20.2
35.1
利用者の口コミに
個人情報の事前
事故やトラブル時 サービスの内容や
よるサービス評価
登録などの手続
の対応に不安が 使い方がわかりに
この中にはない
がわずらわしいか
には限界があると
くそうだから
あるから
ら
思うから
64.0
17.6
27.9 9.1
5.3
17.5
10.7
28.4
13.2
33.3
5.2
17.5
19.7
29.0
17.9
33.3
10.5
24.6
15.5
39.1
54.8
45.7
37.4
30.7
32.6
29.9
35.1
33.4
60.3
46.1
45.5
35.8
37.5
37.1
24.4
25.6
10.3
11.5
8.3
9.4
7.1
10.8
5.7
6.7
14.0
18.0
7.5
12.0
8.3
10.9
7.8
12.3
14.6
14.7
7.1
6.7
8.0
5.1
6.1
6.8
13.2
11.9
16.3
12.4
8.6
6.3
8.3
5.0
24.6
15.9
40.5
10.7
39.1
12.4
41.1
26.9
14.2
5.8
28.8
10.1
32.6
15.1
39.3
4.9
9
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類②
業法規制に関係のあるサービスか
• 業法規制により許可等が必要なもの:スペースシェア(民泊)、カーシェア(レンタカー)、ライドシェア(白タク)、保育業、法律相談等
• 業法規制と関係があると思われるもの:スペースシェア(会議室等)、カーシェア(共同使用)、ライドシェア(相乗り)、子育て、離婚相談※等
※法律相談となり、弁護士法で禁止さ
• 業法規制と関係のないもの:占い、デザイン、恋愛相談、翻訳、マーケティング、家事等
れている非弁行為となる可能性
<課題>
• 業法規制と関係があると思われるものについては、業法の適用が不明確なところがあり、誤解により運営に支障をきたし
かねない。グレーゾーンを解消すべきではないか。
• 業法規制により許可等が必要なものについて、政府部内に規制緩和の検討のための場を設けるべきとの意見あり。規制
を緩和するのであれば、利用者の安全・安心の確保や外部不経済等の問題解決を現行の業法規制に代替する仕組み
の検討も必要ではないか。
<主な意見>
• 違法な白タク行為と誤解されることが課題。今も保険会社に世間体があるので提携しづらいといわれている。こういうところが
解消されるとよい。実費のシェアは明確に適法だと行政に判断してもらいたい。(notteco 東氏)
• ベビーシッター派遣事業でも保育事業でもないにもかかわらず、規制対象の一環であるかのように勘違いされると、運営に支
障をきたしかねない。(AsMama 甲田氏 資料)
• C to Cやインターネットマッチングサービスをしようとするといつも法律との関係に悩む。安全を担保するために必要なものはいい
が、既存の立法趣旨から考えると適法であるというところを明確にしてほしい。(ココナラ 南氏)
• 法的規制のあるサービス領域について、ライドシェア等まだ検討ができていないものについては、政府部内に検討会を設置し
て、法的に認めていく方向を推進すべきだということをこの検討会議においても何らかの形で主張すべき。(関構成員)
• 外部不経済に対してはユーザー評価だけでは不十分。外部不経済の問題に対しては、代替措置や業法が考えているものを
ハードローで対処することもあり得る。(森構成員)
• これまで組織だったサービスを提供するためには法人という組織が必要であったが、スマホ等を通して個々人が協力してレベル
の高いサービスを提供できるようになった。にもかかわらず法律は今の時代のサービスを想定しきれていない。(上田構成員)
• そもそも規制がなされていない領域がある。こういう領域について、何か規律を設けて規制をするという態度でそもそも臨むべき
ものなのかどうか。(増島構成員)
10
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類③
既存の業界と競合のあるサービスか
• 競合なし:企業が行うには事業採算性のないサービス、今まで無かったマーケットの新規開拓 等
• 競合あり:上記以外
<課題>
• シェアリングエコノミー事業者と、競合する既存の事業者との間の軋轢をどう考えるか。
• 市場活性化や相乗効果をもたらし、消費者の利益につなげることが必要ではないか。
<主な意見>
• シェアリングエコノミーは既存の業界を危機にさらす可能性があり、既存業者との軋轢のようなものがあるのではないか。(森
構成員)
• 直接既存業者との軋轢はないが、例えば、ライドシェアと既存のタクシー・ハイヤーなどと対談形式の記事を書く際に、既存業
者から取材を断られることなどはあるようだ。(notteco 東氏)
• 基本的に安いなら…といった人たちがマッチングしているので、今までなかったマーケットを新規開拓しているものと思っている
が、既存の方でスキルが薄い人は仕事を取られるという事象は発生する可能性がある。(ココナラ 南氏)
• 本業の集客目的のため、ココナラで簡単サービスを500円、1,000円で提供しておき、本格的なものは例えば事務所のサイ
トからお願いしますといったことにつなげている。(ココナラ 南氏)
• 共助が広がることによって経済力の活性化というところにもつなげていきたい。 (AsMama 甲田氏)
• 業種によっては既存業者と深刻な問題が生じる可能性がある。(安念主査)
• 夜行バスや高速バスが競合しているが、そうした競合事業者に適用されている規制を超えられるようなサービス設計が必要と
考えている。(notteco 東氏)
• 消費者は必ずしもいまの規制がいいとは思っておらず、もっと柔軟性があってもいいと思っている。古いしがらみや呪縛にとらわ
れていることは、消費者のためには必ずしもあっておらず、価格なども高値安定になりがちで、消費者側ではそんなところは保
護してほしいとは思っていない。(松岡構成員)
11
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類④
安全性が強く求められるサービスか
• 安全が求められるサービス:生命、身体等に損害を生じさせる恐れのあるサービス。多大な金銭的損害が
想定されるサービス 等
<課題>
• シェアリングエコノミーに求められる安全性をどのように担保すべきか。
• 求められる安全性は領域によって異なるのではないか。
• 安全性には外部不経済など、ユーザー評価や相互評価が機能しないものがあるのではないか。
<主な意見>
• 消費者として一番気になるのはやはり安全性。いろいろな意味での安全。(松岡構成員)
• 占いを500円で行うのに本人特定まで求めるのはやりすぎ。一方、車を運転するサービス、人の家に泊まれるサービス、ベ
ビーシッターのシェアリングエコノミーは本人特定が必要。こうしたサービスについては、保険の加入も必要。(上田構成員)
• 安全のうち、非常に発生確率が低くて重篤度が高いものはめったに起きないので、まず口コミ(相互評価)では全く機能し
ない。例えば伝染病とか火災とかそういう類いのものは、やはり消費者保護の観点からある程度何かを入れないことには、最
悪のことが起きたときに、結局、業界全体が壊滅してしまう。(持丸構成員)
• 外部不経済に対してはユーザー評価だけでは不十分。外部不経済の問題に対しては、代替措置や業法が考えているもの
をハードローで対処することもあり得る。(森構成員)
• 実際に会わないこと、物品の送付を禁止することで、問題が起こりにくくなる。(ココナラ 南氏)
• 消費者としては、もう安全というのは絶対に至上命題であるのは明らかなので、シェアエコにおける安全とは何であるのか、そ
れをどのようにして担保していくのか。(安念主査)
12
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類⑤
プラットフォーマーが「場の提供者」に過ぎないものか一定の関与を行っているものか
• 単に場を提供しマッチングしないプラットフォーム
• マッチングを行うプラットフォーム(需要と供給のマッチングの機能が重視されるプラットフォーム)
<課題>
• プラットフォーマーにも一定の責任を持って欲しいとの消費者の声にどう応えるべきか。
• プラットフォーマーの関与の度合いに応じた責任の限度が不明確ではないか。
<主な意見>
• 消費者側はどうしてもどこかに責任を担保してほしいという気持ちが強く、一番考えるのはプラットフォーマーに責任を持ってもら
いたい。(松岡構成員)
• ゲストとホストの間にトラブルがあったときにプラットフォーマーの責任が問われることが増えていくのではないか。その際、プラット
フォーマーがどこまで責任を負うのか、あるいはシェアリングエコノミーに関して法的・社会的な問題が生じた場合のために、プ
ラットフォームの役割や責任とその制限についても、ガイドラインをつくる際には議論するべきではないか。(成原構成員)
• 「媒介」を行っておらず、単なる「場の提供者」にすぎない場合は、原則規制の対象外。(増島構成員)
• どこまで深く入り込んだときに事業者、プラットフォーム側に責任が出てくるのかというのは非常に悩ましい。(重松構成員)
• プラットフォーマーは場の提供者であって利用規約等で店舗の行為について責任を負わないと書いてあっても、プラットフォー
マーの性質や周辺状況に応じて、利用者や第三者に対して責任を負うこともある。(森構成員)
• 一定の条件下ではプラットフォーマーが責任を負うことがあるという判示がされている。一方で自分たちに適用される公法規制
をどう洗い出すのかというのは事業者側にとって負担。(森構成員)
• シェアリングエコノミーに認定マークにより、そういう産業もあるというのがテーブルに載れば、自然と待機児童対策にお金を入れ
ようとなった時に保育園にはこれだけ、シェアリングエコノミーにはこれだけという議論が進むのではないか。(上田構成員)
13
1.現状と課題
(2)シェアリングエコノミーの分類・現状整理
分類⑥
提供者と利用者の関係が「C to C」か「B to C(G to C)」か
• B to C:企業(B)の空き会議室を提供するケース 等
• G to C:自治体(G)の公的資産を提供するケース 等
<課題>
• 自治体へのシェアリングエコノミーの導入の促進が必要ではないか。
• 自治体へのシェアリングエコノミーの導入に当たっては、法令、条例、システム等の面で障害があるのでは
ないか。
• 自治体への導入、地域での普及展開に当たっては、克服すべき課題を解決するため、実証事業等の支援
を行うべきではないか。
<主な意見>
• シェアリングシティのような取り組みは非常に有効だと思うので、ぜひ全国に広げていくべき。特に公共の遊休資産、例えば道
路、庁舎、駐車場や美術館などを有効活用するということは自治体の収入にもなるため、ぜひ検討すべき。(関構成員)
• 行政として、制度的に、シェアリングエコノミーの活用をさらに図るためには、既存の法律・制度との整理が必要な部分が存
在。(千葉市提供資料より抜粋)
• 「公の施設」の設置(利用)目的外での使用を前提とするため、「公の施設」設置の意義との整合、また明確な区分の制
度設計が必要。(千葉市提供資料より抜粋)
• 外部調達を行う場合、競争入札を原則とし、随意契約においても競争性を確保しており、シェアリングエコノミーの活用を図
りにくい。(千葉市提供資料より抜粋)
• 政府・自治体による支援策として、今年度は3~5地域でシェアリングシティの実証事業を御一緒に行って、これからのとも
に助け合う共助のモデルケースづくりをしていきたい、その御支援をお願いしたい。(重松構成員)
14
1.現状と課題 (3)シェアリングエコノミーの発展に向けた課題の整理
分類①
(対象)
• 社会的認知度の向上
・・・・・・・・・
• 業界としてガイドラインや認定マークのよ
うな仕組み ・・・・・・・・・・・・・
• 分野横断での統一的なルールの可否
分類②
(業法)
分類③
(競合)
分類④
(安全)
分類⑤
(責任)
分類⑥
(GtoC)
• グレーゾーンの解消
・・
・・・・・・・・・
• 安全・安心の確保や外部不経済等の問題解
決を業法規制に代替する仕組み ・・・・
• 競合する既存事業者との軋轢
• 市場活性化や消費者の利益
• 安全性の担保
各課題の解決のための方策(案)
①自主的ルール(認定の仕組みを含む)
・・・・・
・・・・・・
②先行的な参照モデルの構築
・・・・・・・・・・・・
• 領域によって異なる、求められる安全性・
• 相互評価等が機能しないものへの対応
・
• プラットフォーマーに一定の責任を持って
欲しいとの消費者の声 ・・・・・・・・
③グレーゾーン解消に向けた取組等
• プラットフォーマーの関与の度合いに応じ
た責任が不明確 ・・・・・・・・・・・
• 自治体への導入促進
・・・・・・・・・
• 自治体への導入にあたっての障害
• 地域での普及展開に向けた支援
・・・
等
・・・
・・・・
15
2.自主的ルールの考え方
16
2.自主的ルールの考え方 (1)自主的ルールの策定方法
•
•
•
一番上位にポリシーを定めることが重要ではないか。
自主的ルールの策定段階においては、明確な目的を設定することやマルチステークホルダー性を担保すること等が必
要ではないか。
自主的ルールの実施段階においては、第三者委員会の存在や持続性のある認証ビジネスモデル、エンフォースメント
の仕組み、モニタリングと評価基準・手法を検討しておくこと等が必要ではないか。
<主な意見>
【自主的ルールの構成】
• 一番上位にポリシーを作るというのはとても大事なこと。具体的なところが何の理念に基づいているのか、具体的なものを解
釈するときにどういう理念で解釈するのか、ということを関係者間で合意しておく必要がある。(持丸構成員)
【自主的ルール策定段階】
• 明確な目的を設定することが極めて重要である。何のためにルールを作るのか、例えば消費者保護やサービス提供者の保
護、法令遵守、解決すべき社会的課題は何か等というものを特定することが考えられる。(生貝構成員)
• マルチステークホルダー性を担保することが重要である。ルールに縛られる、あるいは影響を受ける人たちにしっかりと開かれた
形で作られていなければならない。(生貝構成員)
• 参加者の事業内容や規模の相違等を考慮し、実行可能な具体的ルールを作ることが必要ではないか。(生貝構成員)
【自主的ルール実施段階】
• 運用は中立性が肝要なため、この段階では第三者委員会というものが重要になってくる。(生貝構成員)
• 認証制度の設計に当たっては、持続性ある認証ビジネスモデルを考えることが必要ではないか。(持丸構成員)
• 経験から認証制度は、苦情相談等を受け付け、サービスを提供する者とサービスを受ける者の仲介役としての機能をしっか
り構築することで、持続性が担保される。(坂下構成員)
• 自主的ルールを策定する機関と認証を行う機関は別組織とすることが必要ではないか。(持丸構成員)
• エンフォースメントの仕組み、ルール破りにどう対応するのか、ペナルティーなり官の強制措置等が発動され得るかどうかといった
空気感みたいなものをどう演出するかというのが大事だと思う。(中村構成員)
• 実際にうまく機能しているのかを判断するためのモニタリング、評価基準・手法を検討しておく必要がある。(持丸構成員)
17
2.自主的ルールの考え方 (2)自主的ルールに関する主な論点
1.ガイドライン・認定制度の全体像
• 多様な分野にわたるシェアリングエコノミーについて、どのようにガイドライン・認定制度を設計すべきか。
• ガイドライン・認定制度の上位に定めるポリシー(理念)、ルール策定の目的は何か。
• 持続性ある認定制度のビジネスモデルをどう組み込んでいくか。
2.安全性
分類④(再掲)
• シェアリングエコノミーに求められる安全性をどのように担保すべきか。
• 求められる安全性は領域によって異なるのではないか。
• 安全性には外部不経済など、ユーザー評価や相互評価が機能しないものがあるのではないか。
3.プラットフォーマーの関与
分類⑤(再掲)
• プラットフォーマーにも一定の責任を持って欲しいとの消費者の声にどう応えるべきか。
• プラットフォーマーの関与の度合いに応じた責任の限度が不明確ではないか。
18
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
提供者と利用者の登録事項
<スペースマーケット>
【共通】氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス 等
【提供者のみ】身分証明書、民泊の場合は旅館業法の免許、
スペース情報 等
【利用者のみ】カード番号、民泊ではパスポートor免許証 等
<AsMama>
【共通】氏名、性別、住所、電話番号、プロフィール画像、
子供のプロフィール(名前、性別)等
【提供者のみ】なし
【利用者のみ】なし
【任意】生年月日、最寄り駅、子供が通う学校(園)名
<スペイシー>
【共通】法人名(氏名)、住所、電話番号、メールアドレス、
<エニタイムズ>
【共通】氏名、性別、メールアドレス
銀行口座(利用者はカード番号でも可)等
【提供者のみ】銀行口座
【提供者のみ】HPのURL、担当者名等(法人の場合)等
【利用者のみ】カード番号
【利用者のみ】なし
【任意】自己紹介、得意なスキル、生年月日、住所、電話番号、
身分証明書
<notteco>
【共通】氏名、メールアドレス、携帯電話番号(SMS認証で使用)
【提供者のみ】運転免許証
等
<ココナラ>
【共通】メールアドレス、生年月日、ニックネーム、性別、
電話番号(電話相談サービスを利用する場合)
【利用者のみ】本人確認書類
【提供者のみ】銀行口座
【任意】写真、車両情報(提供者)
【利用者のみ】カード番号(利用者)
【任意】住所、氏名、身分証明書(提供者が本人確認済みマー
クを掲載させる場合、3,000円以上のサービスを提供する
場合等)
19
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
提供者と利用者に求められる義務・禁止事項及び提供者に違反があった際の措置
<スペースマーケット>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】サイトを介さない直接取引 等
・【違反時の措置】利用停止、資格取消 等
<スペイシー>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】提供者が保有または管理していないス
ペースの貸出 等
・【違反時の措置】利用停止 等
<notteco>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】商業目的、実費以上の謝礼、サイトを介
さない直接取引、貨物自動車運送業に供される車
両でのライドシェア 等
・【違反時の措置】利用停止、資格取消 等
<AsMama>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】自動車での送迎 等
・【違反時の措置】利用停止 等
・【その他】相互の信頼関係を基にした共助のため、違反
行為等互いに不快な事柄は発生しにくいとの前提
<エニタイムズ>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】サイトを介さない直接取引 等
・【違反時の措置】利用停止、資格取消 等
<ココナラ>
・【義務】法令遵守 等
・【禁止事項】直接会う行為、物品の送付 等
・【違反時の措置】利用停止、資格取消 等
20
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
提供者と利用者の誤解を防止するための取組(評価のしくみを除く)
<スペースマーケット>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】なし
<スペイシー>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】サポートデスクによるメール、電話、チャット等の
対応
<notteco>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】サービス内容に関する情報(発着時間、出発
場所等)を入力必須とする
<AsMama>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】面識がある者同士であるため誤解は生じてい
ない
<エニタイムズ>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】なし
<ココナラ>
【提供者が個人であることの表示】あり
【事前の問合せ機能】あり
【その他】「購入に当たってのお願い」や「よくある質問」
等を提供者が記載可能。
21
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
評価の仕組みと評価の公平性・正確性を確保するための措置
<スペースマーケット>
【評価の有無】あり
【評価の仕組み】相互評価
【レーティングの有無】あり(5段階評価)
【その他】利用者と提供者双方の評価がそろった時点で
公開される仕組み
<スペイシー>
【評価の有無】あり
【評価の仕組み】提供者の評価
【レーティングの有無】あり(5段階評価)
【その他】相互評価については要望があれば今後検討
<notteco>
【評価の有無】あり
【評価の仕組み】相互評価
【レーティングの有無】あり(5段階評価)
<AsMama>
【評価の有無】なし
【評価の仕組み】なし
【レーティングの有無】なし
【その他】提供者が利用者にレポートを送付する仕組みが
あり、双方の承認があればレポートが公開
友人知人間の共助のため評価の仕組みは設けていない
<エニタイムズ>
【評価の有無】あり
【評価の仕組み】相互評価
【レーティングの有無】あり(5段階評価)
【その他】相互評価を完了しないと仕事を完了できない仕
組み
<ココナラ>
【評価の有無】あり
【評価の仕組み】相互評価
【レーティングの有無】あり(5段階評価)
【その他】提供者に対する評価は公開評価のほか非公開
評価を設け、非公開評価もサイトでの表示順などに活用
22
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
当事者間のトラブル対応
<スペースマーケット>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】当事者間に入り解決のため
のサポートを実施
【損害保険の活用】加入済み(支払実績なし)
【見舞金、返金等の対応】
<スペイシー>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】延長予約の方法を周知
【損害保険の活用】加入を検討
【見舞金、返金等の対応】見舞金の準備、返金の実施
<notteco>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】料金に上限を設定
【損害保険の活用】特になし
【見舞金、返金等の対応】キャンセル料の設定を検討
<AsMama>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】弁護士や保険会社への連
絡、病院での検査等、AsMamaが間に入って解決を
サポート
【損害保険の活用】加入済み(支払実績あり)
【見舞金、返金等の対応】
<エニタイムズ>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】仲裁、注意喚起、キャンセル
/退会手続
【損害保険の活用】特になし
【見舞金、返金等の対応】返金の実施
<ココナラ>
【トラブル対応】原則として、当事者間で解決
【プラットフォーマ―の取組】禁止ワードを指定して投稿で
きない仕組みの構築
【損害保険の活用】特になし
【見舞金、返金等の対応】キャンセル、サービスの取り下
げ、返金等の実施
23
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
第三者からの苦情等の対応
<スペースマーケット>
・第三者からの苦情はない
<スペイシー>
・利用者と提供者への伝達、注意喚起等
・近隣の方から、音量に関する指導要望・苦情があった
ことがある。
<notteco>
・第三者からの苦情はない
<AsMama>
・第三者からの苦情はない
<エニタイムズ>
・第三者からの苦情はない
<ココナラ>
・提供者による商標権の侵害があった場合は出品取り
下げ
・他社サービスの利用規約違反について、他社から依頼
があった場合は出品取り下げ
24
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
個人情報保護、セキュリティ対策のための措置①
<スペースマーケット>
・第三者からの問合せに対して、スペースマーケットへの登
録情報を開示しないよう利用規約において規定
<スペイシー>
・アクセス権限を分割
・公開される箇所への電話番号、住所等個人情報の開
示について制限(運営側の目視による修正)
<notteco>
・会員情報についてはアクセス制限を設定
・公開される箇所への電話番号、住所等個人情報の開
示については、利用規約で制限(全て目視確認し、
該当する者があれば削除又は運営側により修正)
<AsMama>
・個人情報は全てパスワードを多重にかけた状態で管理
・社内では情報管理規定を設けている
<エニタイムズ>
・アクセス権限を分割
・社外ネットワークからのアクセスを遮断
<ココナラ>
・アクセス権限の分割
・社外ネットワークからのアクセス遮断
・2段階認証、個別のPCの認証等を実施
25
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
個人情報保護、セキュリティ対策のための措置②
追加質問(クレジット情報等管理関係)
①クレジットカード情報を保存しているか?
②クレジットカードのセキュリティコードを保存しているか?
③利用者がクレジット情報を入力する際、通信の暗号化は行われているか?
④決済代行サービスを利用しているか?
⑤決済代行サービスを利用している場合、画面遷移型のクレジットカード情報非保持サービスを採用しているか?
注)決済代行サービスには大別して、データ伝送(API)型と画面遷移型がある。画面遷移型であると、クレジットカード
情報の入力フォームは決済代行業者が提供するものになり、シェアリングエコノミー事業者は関与を切り離すことがで
きる。
⑥アンチウィルスソフトウェアまたはプログラムを使用し、定期的に更新しているか?
⑦Webページの改ざん検知システムを導入しているか?
注)Webページの改ざんは、中々人手では検知が難しく、クレジットカード情報の漏えいが判明した事例でも、大半が
カード事業者か決済代行業者からの連絡で事件が発覚している。改ざん検知システムによりページ改ざんをすばやく
検知できれば、被害を小さくできることが期待できる。
⑧情報漏えい等のセキュリティ事故が発生したときの連絡体制を予め決めているか?
26
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
決済方法
<スペースマーケット>
【決済方法】エスクロー型決済
【手数料徴収】あり
<スペイシー>
【決済方法】エスクロー型決済
【手数料徴収】あり
<notteco>
【決済方法】直接手渡し
【手数料徴収】なし
【参考】利用人数が月間1万人程度を超えてから決済
システムを導入予定
<AsMama>
【決済方法】直接手渡し又は課金システムを利用した
カード払い
【手数料徴収】なし
【参考】カード払いの際の手数料はAsMamaが負担
<エニタイムズ>
【決済方法】エスクロー型決済
【手数料徴収】あり
<ココナラ>
【決済方法】エスクロー型決済
【手数料徴収】あり
27
2.自主的ルールの考え方 (3)各事業者における取組
税の扱いに係る注意喚起、状況把握等
<スペースマーケット>
・行っていないが、今後取り組んでいきたい。
<スペイシー>
・行っていない。
<notteco>
・行っていない。
<AsMama>
・年末に、メール等で一斉通知。
<エニタイムズ>
・行っていない。
<ココナラ>
・行っていない。
28
3.その他の振興策の考え方
29
3.その他の振興策の考え方
その他の振興策に関する主な論点
シェアリングエコノミーを振興するため、以下の取組について、具体化を図るべきではないか。
1.先行的な参照モデルの構築
• 自治体へのシェアリングエコノミーの導入の促進が必要ではないか。
• 自治体へのシェアリングエコノミーの導入に当たっては、法令、条例、システム等の面で障害があるのでは
ないか。
• シェアリングエコノミー事業者と、競合する既存の事業者との間の軋轢をどう考えるか。
• 市場活性化や相乗効果をもたらし、消費者の利益につなげることが必要ではないか。
• 自治体への導入、地域での普及展開に当たっては、克服すべき課題を解決するため、実証事業等の支援
を行うべきではないか。
2.グレーゾーン解消に向けた取組等
• 業法規制と関係があると思われるものについては、業法の適用が不明確なところがあり、誤解により運営
に支障をきたしかねない。グレーゾーンを解消すべきではないか。
• 業法規制により許可等が必要なものについて、政府部内に規制緩和の検討のための場を設けるべきとの
意見あり。規制を緩和するのであれば、利用者の安全・安心の確保や外部不経済等の問題解決を現行
の業法規制に代替する仕組みの検討も必要ではないか。
3.その他
• 他にどのような振興策が考えられるか。
30