民法の成年年齢の引下げの施行方法に関する意見募集 第1 意見募集の趣旨 民法の成年年齢の引下げについては,平成21年10月の法制審議会の答申(別添 「民法の成年年齢の引下げについての意見」参照)において,国民投票の投票権年齢 が18歳と定められたことに伴い,選挙権年齢が18歳に引き下げられることになる のであれば,18歳,19歳の者が政治に参加しているという意識を責任感をもって 実感できるようにするためにも,取引の場面など私法の領域においても自己の判断と 責任において自立した活動ができるよう,「民法が定める成年年齢を18歳に引き下 げるのが適当である。」とされています。また,平成27年6月の公職選挙法の改正 により,選挙権年齢が18歳に引き下げられましたが,その際の附則でも, 「民法(明 治二十九年法律第八十九号)(中略)の規定について検討を加え,必要な法制上の措 置を講ずるものとする。」とされています。 法務省民事局としては,以上の状況を踏まえ,民法の成年年齢を20歳から18歳 に引き下げる法改正の準備作業を行っておりますが,民法の成年年齢を引き下げた場 合には,その影響が及ぶ範囲は極めて広範に及ぶことが予想されます。そのため,改 正法の具体的な施行方法,施行日,経過措置等について,国民の皆様から広く意見募 集する必要があると考えられますので,皆様の御意見をお寄せ願います。 第2 民法の成年年齢の引下げの影響 民法上,成年年齢には,親権者の同意を得ることなく確定的に契約等の法律行為を 行うことができる年齢及び親権者の親権に服さなくなる年齢という二つの側面があり ます。 上記の法制審議会の答申では,これらの二つの側面のいずれについても,成年年齢 を18歳に引き下げることとしています。 そのため,民法の成年年齢の引下げに伴い,民法上,例えば, ① 18歳,19歳の者が行った契約は,未成年者であることを理由として取り消す ことができなくなる ② 18歳,19歳の者は,親の親権に服さないことになる ③ 18歳,19歳の者は,未成年後見制度の対象ではなくなる 等の影響が生じます。 なお,養子をとることができる年齢については,上記の法制審議会の答申で,20 歳とする現状を維持することとされていることから,これを「成年」(現行民法79 2条)から「二十歳」とする改正を予定しています。 第3 意見募集事項 意見募集を行う事項は,別添の「民法の成年年齢の引下げの施行方法について」記 載のとおりです。 なお,少年法の適用対象年齢,飲酒や喫煙を行うことができる年齢,勝馬投票券の 購入等公営競技を行うことができる年齢の在り方等に関する御意見は,本意見募集の 対象外となりますので,御留意願います。 第4 意見の取扱い いただきました御意見につきましては,法務省民事局参事官室において取りまと めた上,今後の立案作業の参考にさせていただきますが,提出された方の氏名(法 人その他の団体においては,名称),御意見の内容等を公開する可能性があること及 び個々の御意見に直接回答することはないことをあらかじめ御了承願います。 意見募集要領 1 意見募集期間 平成28年9月1日(木)~平成28年9月30日(金) 2 意見送付要領 住所(市区町村までで結構です。),氏名,年齢,性別,職業を記入の上(差し支え があれば,一部の記載を省略しても構いません。),電子メール,郵送又はファックス により意見募集期間の最終日必着で送付して下さい。 なお,電話による御意見には対応することができません。 3 宛先 法務省民事局参事官室 ・郵送:〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1 ・FAX:03-3592-7039 ・電子メール:[email protected] 4 問い合わせ先 法務省民事局参事官室 TEL:03-3580-4111(内線5967)
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