日本大学病院 消化器病センター[消化器内科]ニュースレター

日本大学病院 消化器病センター[消化器内科]ニュースレター
No 9, 2016 vol.4
消化器内科
大久保理恵
消化器内科で診療を担当しています大久保理恵と申します。日本大学病院の消化器内科外来を週 4
日担当させていただいております。近隣の先生方よりたくさんの患者様をご紹介いただき、ありがとう
ございます。今回は、当院で導入しているカプセル内視鏡についてふれてみたいと思います。
小腸カプセル内視鏡検査
小腸は全長が 6m〜7m と長く、全消化管の 75%を占める体内で最も
長い臓器であり、通常の上部・下部内視鏡では届かないので検査が困
難なために従来「暗黒の臓器」とよばれてきました。しかし 1998 年
にイスラエルのギブン・イメージング社(現コヴィディエン社)より
小腸カプセル内視鏡が発売され、日本でも 2007 年に「上部および下
部消化管の検査を行っても原因不明の消化管出血」が保険適応となっ
たことにより、小腸疾患の診断は格段に飛躍しました。かつては小腸
には胃や大腸に比べ病変は少ないとされていましたが、炎症・潰瘍性
病変(薬剤性、放射線性、Crohn 病、結核、アミロイドーシス)、血管
性病変(angioectasia、AVM、Dieulafoy 病変)、腫瘍・腫瘍性病変(GIST、
悪性リンパ腫、ポリープ、癌、転移性腫瘍、カルチノイド)、憩室(メ
ッケル憩室など)等多彩な疾患があることが知られるようになってい
ます。カプセル内視鏡のサイズは、2.6cm×1.1cm で、1 秒間に 2 枚ま
たは 6 枚撮影を行います。2 週間以上体内より排泄されない状態を「滞
留」と言いますが、滞留のリスクを軽減するため、検査前に消化管の
開通性を判定するパテンシーカプセルが 2012 年より発売され、
「クロ
ーン病病変検出と診断を含む小腸疾患患者およびその疑いがある患
者」が追加適応となりました。
当院でも 2010 年より導入し、年間 40 例程度行っております。主と
して小腸出血の原因精査やクローン病の病勢評価に用いております。
実例を挙げると、毛細管拡張症(angioectasia)からの出血(図Ⅰ)
や粘膜下腫瘍(図2)です。angioectasia よりの出血に対しては、
診断後速やかにダブルバルーン小腸内視鏡検査を行い、止血処置を行いました。また粘膜下腫瘍に対し
ては後日内視鏡を行い、組織生検にて GIST と診断されたため手術療法を行っています。出血や病変の
部位を適切に知ることにより、より安全に治療を行うことが可能となっています。
大腸カプセル内視鏡検査
我が国における大腸癌の死亡率は年々増加傾向にありますが、大腸がん1次スクリーニング(便潜血
反応)受診者は 40 歳以上の大腸がん検診対象者のわずか 26.8%にとどまります。要精密検査率は 5.8%
であり、そのうち大腸内視鏡検査による精密検査の受診者は 57.8%です。二次精査を受けない理由と
して、自覚症状がないこと、大腸内視鏡検査に対する受容性(恐怖心や羞恥心などの心理的要因)があげ
られます。大腸カプセル内視鏡検査は「怖い」
「恥かしい」等の精神的な負担が少ないことが長所です。
またカプセル内視鏡による径6mm 以上の大腸ポリープ発見割合は感度 84~91%、特異度 64~94%と
の報告がありますので、大腸ポリープの拾い上げ診断に有用であるとされています。
大腸カプセル内視鏡の適応は「大腸内視鏡検査が必要であり、大腸ファイバースコピーを実施したが、
腹腔内の癒着等により回盲部まで到達できなかった患者に用いた場合」、
「大腸内視鏡検査が必要である
が、腹部手術歴があり癒着が想定される場合等、器質的異常により大腸ファイバースコピーが実施困難
であると判断された患者に用いた場合」とされております。
適応と考えられる患者様がいらっしゃいましたら消化器内科へご紹介いただけましたら幸いです。上
部・下部内視鏡検査も随時予約を承っておりますので、是非とも当院をご活用ください。
医療連携室(直通):03-3293-1741
受付時間:[平日]9:00〜19:00/[土曜日]9:00〜12:00
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火曜日
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午前
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山本 敏樹
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大久保 理恵
小橋 惠津
大城 周
小川 眞広
午後
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後藤田 卓志
髙橋 利実
小橋 惠津
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大久保 理恵
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平山 みどり
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渡邊 幸信
髙橋 利実
山本 敏樹
増田 あい
岩塚 邦生
中島 典子
後藤田 卓志
田中 直英
山本 敏樹
小川 眞広
山本 敏樹
大久保 理恵
大久保 理恵
池原 久朝
今武 和弘
加納 誠
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8/1 現在
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