―コールターカウンターを用いて― 燃料電池で駆動する車はすでに道に走っています。H2 ガスを電気に変えてくれるのは燃料電池の電極に コーティングしているカーボン微粒子です。このカーボンの粒子径分布は燃料電池の発電効率に大きく影響 し、カーボン微粒子の粒子径分布を精密に測定する必要があります。しかし、今まで 2 次元的な測定法 (レーザ回折散乱法)では精密に測定することができませんでした。 粒子の体積(3 次元)と数を計測している精密粒度分布測定装置 Mutlisizer 3 を用いることにより、簡単かつ 精密にカーボン微粒子を測定することができます。 Mutlisizer 3 は世界の標準法であるコールター原理(電気抵抗法 †1 )を用いており、測定範囲は、0.4μm~ 1,200μm となります。 今回は、分級方法の違いによるカーボン粒子を Multisizer 3 で測定した結果を紹介します。 精密粒度分布測定装置:Mutlisizer 3 測定方法:電気抵抗法 異なった分級方法で造ったカーボン微粒 子 2 種類(A と B)を、Multisizer3 で測定し た粒子径分布を図に示しています。 カーボン微粒子 A は比較的にシャープな 1 ピーク分布を示しており、これに対して、 カーボン微粒子 B は 2 ピークを存在してい ます。おそらく、カーボン微粒子 B の方は 分級がうまくできていないと思われます。 図1 異なった種類のブドウ球菌の粒度分布 Multisizer 3 は、このような微小の違いを 正確に測定することができます。 分級方法の違いによるカーボン粒子の平均サイズ †1 平均サイズ(μm) 標準偏差(μm) A 8.040 3.394 B 7.602 5.546 電気抵抗法: コールター法とも呼ばれる。粒子を電解液に分散させ、そこに細孔を持つアパチャーを入れ、そのアパチャーの内外に電極を設置する。電極間に 一定電流を流すと、細孔の大きさに見合った抵抗値が発生する。このとき粒子が細孔を通過すると、細孔は粒子の大きさ分だけ小さくなり、したがっ て抵抗値が上がる。この抵抗値の変化量は粒子の大きさに比例する。よって、抵抗値の変化量(実際には電圧パルス)を検出することにより、粒子 の大きさと個数を測定することができる。 PCF32-0610
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