平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(創作部門) ○ 応 募 総 数 36編 ○ 入 賞 点 数 9編 (41編) ( 6編) ( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 純 度の高い作 品が出 揃い、選考は白熱した。文芸賞、記念賞は全く伯 仲 し た 作品 であっ た。揃い踏みをするこ とは近年にはなかった事で、手応え 十 分の 年であ ったことは審査員一同のよろこびとするところであった。 文芸賞の「木下闇に風の吹く」は全体的に読ませる。文もこなれている。 作 家 と編 集者と の関係や、そのやりと り、そして捨てられた男とのこと、 書生の こと等が端正な文章で無駄なく描か れている。 第 70 回記念 賞の「父 子の系譜」は複雑とも思える人間関係が良く描か れ て いた 。多少 強引とも思える描写も あったが、それを納得させるだけの 文章力があった。 小説とは伝わって来る感動のようなものが必要だと思う が、それを満たしていた。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 ふく とみ よう こ 福 冨 陽 子 こ の し た やみ (宇都宮市) 「木下闇に風の吹く」 ○ 第7 0回記 念賞 み うら 三 浦 や す お み 安 臣 ふ し (宇都宮市) 「父 子の系譜」 (さくら市) 「隣の両ちゃん」 ○ 準文芸賞 あお き かず お 青 木 一 夫 しら い とおる 白 井 亨 (宇都宮市) 「銀馬車」 ○ 文芸奨励賞 ひら やま つぐ と 平 山 嗣 人 ワラウミドリ やま もと ゆう すけ 山 本 裕 介 たか むら せん り 高 村 千 里 たて の 舘 野 ひろ子 (那須塩原市) 「幕末野州片恋秘話」 (宇都宮市) 「波を駆ける」 (鹿沼市) 「黄色イサツキ」 (栃木市) 「Walk the road」 (宇都宮市) 「少年と私の詩」 平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(随筆部門) ○ 応 募 総 数 47編 ○ 入 賞 点 数 9編 (65編) ( 8編) ( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 応募数は若干減ったが、年々レベルの向上が見られる。 し かし、抜 き ん出た新 鮮な作品が見当たらなかったのは残念なことだ った。来年の応募については、より高いものを目指して精進して欲しい。 文芸 賞の 「畦地 梅 太郎の ブル ー」 はテーマの選び方、先へと読ませる 文章が優れている。読み手に作者の情感が伝わってくる秀作と評価した。 第7 0回 記念賞 の 「開拓 地『 千振 』を自画自賛」は旧満州から那須山 麓 と続く開 拓地「 千 振一家」のただ一人の生き証人が描いたドキュメン ト。武骨な文章ながら、70回記念にふさわしい作品と評価された。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 く に 国 い かず こ 井 和 子 (市貝町) 「畦地梅太郎のブルー」 ○ 第7 0回記 念賞 なか ごみ とし ろう 中 込 敏 郎 (那須町) 「開拓地『千振』を自画自賛」 (矢板市) 「山の雷」 (佐野市) 「十五分の力」 ○ 準文芸賞 いな ば まさ こ 稲 葉 征 子 たか はし とし こ 高 橋 祚 子 ○ 文芸奨励賞 ふじ い きょう こ 藤 井 杏 子 こ い た ば し たけし 小板橋 武 こく ぼ ひとし 国 母 仁 ささ の 笹 野 こ 小 い み え (山口県山陽小野田市)「ジャンボすいか」 (宇都宮市) 「父の生き方」 (宇都宮市) 「レベルからラベル」 こ 美江子 け きょう こ 池 京 子 (宇都宮市) (日光市) 「老いの身のもどかしさ」 「かまどと共に」 平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(詩部門) ○ 応 募 総 数 41編 ○ 入 賞 点 数 8編 (30編) ( 6編) ( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 母親や夫など身近な素材を取り上げた作品が多かった。そういう中では、 作 者 自身 の内面 を具象的なものに仮託 した作品や社会的現象に視点を置い た 作 品が 注目さ れた。総体的には応募 数は増加したが、作品の質は例年並 み と 言え よう。 文 芸賞の「 広 場」は表 現など無難であり、題材も的確であって、現代 社 会 の 情勢 にも底 通したテーマである。 審査員の一致した意見もあったこと は 特 筆さ れよう 。 第 70回記 念 賞の「冬 の病室」は夫婦愛というテーマはありふれた感 が あ る もの の、内 在律も確かなものがあ り、本賞には相応しい暖か味あふれ る 作 品に なって いる。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 いい じま まさ ひろ 飯 島 正 裕 (宇都宮市) 「広場」 (小山市) 「冬の病室」 ○第70回記念賞 なか むら 中 村 み ち よ 実千代 ○ 準文芸賞 ふじ うら あおい 藤 浦 蒼 や た べ (佐野市) 「仮面」 (真岡市) 「素粒子」 (大田原市) 「石の貌」 まさる 谷田部 勝 ○ 文芸奨励賞 かい づか 貝 塚 津音魚 やま だ みのる 山 田 稔 む と 六 斗 お お お か 大 岡 つ ね お たかし かお (足利市) (那須塩原市) 「風の舟」 「人は言う」 たけし 武 (益子町) 「椅子」 平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(短歌部門) ○ 応 募 総 数 72編 ○ 入 賞 点 数 9編 (76編) ( 8編) ( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 先 ず72名 と 云う多数 の短歌を預かって心を籠めて選歌をした。昨年 よ り は 4名 減であ る。短歌の表記上千鳥 書きのものは外した。一昨年度から 応 募 数1 0首と なって選をする身も多 少気分は楽になった。高校生が4名 応募し、若い短歌も拝見出来たことは喜びであった。 文 芸 賞の 「妻 と なる べき 君と 思い き 」は 、5 0年 を過 ごし た 夫婦 の思 い 出 に共感 するものが あり、ほほえましく心温 まるものがあった 。 第7 0回記 念賞の「書作展」は良 寛の短 歌の書 展を 観賞しての一 連十首 の歌意が通っており、第70回の記念賞には相応しいと思った。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 も ろ た まこと 茂呂田 誠 (足利市) 「妻となるべき君と思いき」 ○ 第7 0回記 念賞 かわ はら よし こ 川 原 宜 子 (宇都宮 市) 「書作展」 (佐野市) 「記憶」 (足利市) 「桜花・ 蛍火 幻想」 ○ 準文芸賞 やなぎ た よし ろう 柳 田 由 郎 もて ぎ よう こ 茂 木 陽 子 ○ 文芸奨励賞 こま ば 駒 場 ゆ 湯 み あ さ と し 浅 さ き 望彩紀 寿 いの くち あき よし 口 昭 義 まつ した 下 と ば 鳥 羽 「はつこい」 (宇都宮市) 「尾瀬逍遥」 (宇都宮市) 「かくて老いゆく」 (宇都宮市) 「秋」 (小山市) 「母の手」 ゆき 之 井 松 (宇都宮市) こ ヨシ子 こ ゆき子 平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(俳句部門) ○ 応 募 総 数 64編 ○ 入 賞 点 数 9編 (54編) ( 8編) ( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 6 4編 の応募 。粒揃い で審査に苦労した。伝統的俳句、現代俳句とそれ ぞ れ の傾 向の違 いがはっきりしていた 。素材の選び方が日常生活に密着し た も のが 多かっ た。誤字、仮名づかい の間違いも少なかった。 文 芸賞の「 余 熱」はイ メージの斡旋が鮮明であり、発想が鋭く詩情が あ る。 第 70回記 念 賞の「共 白髪」は喜寿を迎えた作者の老いを見詰めた日 常 の在り様に好感がもてる。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 みず ぐち けい こ 水 口 圭 子 (佐野市) 「余熱」 ○ 第7 0回記 念賞 た が よ し ろ う 多 賀 与四郎 と も し ら が (さくら市) 「共白髪」 ○ 準文芸賞 こ 小 や ぶ とし お 薮 敏 夫 おお たけ てる こ 大 竹 照 子 (栃木市) 「不動明王」 (栃木市) 「水馬」 (宇都宮市) 「青葉潮」 あめんぼ ○ 文芸奨励賞 こま ば 駒 場 と ば 鳥 羽 まさゆき ゆき子 (小山市) 「海施餓鬼」 しの ざき とし お 篠 﨑 利 男 (小山市) 「電子辞書」 ち さ (栃木市) 「盛夏」 (宇都宮市) 「六臂の水」 まし やま 増 山 いた がき ひろ し 板 垣 博 史 ろっ ぴ 平成28年度第70回記念栃木県芸術祭文芸賞審査結果(川柳部門) ○ 応 募 総 数 50編 ○ 入 賞 点 数 9編 (44編) ( 7編)( )内は昨年度実績 〔審査寸評〕 文芸賞の「人生譜」は十句に破綻がなく審査員全員一致の推挙であった。 第 70回記 念 賞の「薬 指」は「い」抜き言葉を避ける意味もあったと 思 われるが一句だけ中八があったものの文芸賞に準ずる作品として推挙した。 〔入賞者名〕 ○ 文 芸 賞 しの はら あきら 篠 原 晟 (佐野市) 「人生譜」 ○ 第7 0回記 念賞 しろ せ かず み 白 瀬 一 美 (宇都宮市) 「薬指」 ○ 準文芸賞 こ じま すみ こ 小 島 澄 子 しの だ てん しよう 篠 田 天 照 (宇都宮市) 「暮らし」 (宇都宮市) 「好奇心」 ○ 文芸奨励賞 こ 小 も り とし こ 森 利 子 (那珂川町) 「無限大の夢」 キ ヨ (真岡市) 「ワンルーム」 (芳賀町) 「葛藤」 (益子町) 「ティータイム」 いち むら 市 村 やま もと 山 本 み え こ 美枝子 かわ しま ひろし 川 島 廣 お の ぐ ち ひろし 小野口 博 (鹿沼市) 「農」
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