誰もが安心して暮らせる共生社会へ

2016年(平成28年)
8 21
No.2582
毎週日曜発行
誰もが安心して暮らせる共生社会へ
障がいや障がいのある人の理解に向けて
誰もが安心して暮らせる
〝共生社会〟
の実現を目指し、ことし4月、
本市は
﹁障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例﹂
を施行
しました。7月 日、神奈川県相模原市の障害者支援施設
﹁津久井やま
ゆり園﹂で多くの命が奪われる事件が発生しました。今号では障がい
への理解や障がいのある人とない人の相互理解を深める契機として、
共生社会の実現に向けた本市の取り組みなどを紹介します。
全の 確 保 を 再 検 討 する
■事業者に研修会を実施
中、共生社会の在り方に
施しました。各施設が安
事件発生後、本市は市
内約300カ所の施設に
障がい福祉課
(市役所分館2階)
☎025-226-1248
025-223-1500
☎0250-25-5661
0250-47-7106
西
(西区役所3階)
☎025-264-7468
025-378-3342
◇中央
中央区八千代1
総合福祉会館1階
☎025-248-7171
025-385-7931
21
025 - 243 - 4894
FAX 025-244-4894 Eメール [email protected]
す る も の。作 業 内 容 は、
コラム
野菜の収穫や選別、
除草、
私が考える障がいのある人の
人権と共生社会 ①
ブドウのかさ掛けなどの
ほか、ラベル貼りや出荷
の準備などです。
障 が い や 障 が い の あ る 人 の 人 権 に つ い て、
有識者 4人 の コ ラ ム を 4回 に わ た り 掲載 し
ます。
権利擁護センターぱあとなあ新潟
運営委員
竹田一光さん
公益社団法人新潟県社会福祉士会
〝希望の種〟
みんなで育てる
秋葉
(秋葉区役所2階)
にいがた し み んの し や く しょ
共生社会に向けた協働
の取り組み︱農福連携
労働力不足が懸念され
る農業分野で、障がい者
る﹂﹁もっと継続したい﹂
来てもらえて大変助か
受け入れた農業者から
の就農を促進し、自立し
は
﹁ 人手不足の繁忙期に
た生活ができるようにす
ることを目的に、平成
年度から
﹁ 施設外就農助
成制度﹂
を行っています。 など要望も多く、また作
﹁清々しい疲労
作業するのは楽しい﹂
安心・安全な施設の運
同制度は、障がい者が 業 し た 障 が い 者 か ら は
営に向けて、市内の障が 農作業を行い、受け入れ ﹁収穫に向けてみんなで
対し、安全確認や注意喚
た農業者に対し市が助成
利用日時 月∼金曜午前8時半∼午後5時半、
◇は火∼土曜午前8時半∼午後5時15分
い者施設などを対象に研
問い合わせ
年中無休 8:00∼21:00
■編集・発行 新潟市広報課
〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602-1 ☎025-226-2089
を掲載します=左囲み=。 修会を実施します。
24
市の各種手続き、
催し案内などは
土・日曜、
祝日も 新潟市役所コールセンター
人 口 800,719人(−60) 男 385,614人(+3) 女 415,105人(−63)
ついて、施設からの意見
相談窓口(所在地)
除草作業の様子
☎025-250-2315
025-250-7706
)
世帯数 333,059(+135)
起を行い、入所支援施設
26
27
東
(東区役所1階)
(
■市の人口・世帯数(7月末住民基本台帳人口。かっこ内は前月との比較)
にはアンケート調査を実
25
26
感で、作業が終
アンケート調査で回答
人 は 全 介 助 の 状 態 で 誕 生 し、 ほ と ん ど の 方
わった後は気分
のあった課題なども踏ま
が 要 介 護 の 状 態 で 亡 く な っ て い く。 誰 も こ の
が 良 か っ た ﹂な
え、施設の防犯対策など
運 命 か ら 逃 れ る 事 は で き な い。 た ま た ま 今 障
どの声が寄せら
を説明します。また、4
が い の な い 人 も、 事故・ 病気・ 加齢 な ど に よ
り体の機能を損ったとき
﹁こんなはずじゃなかっ
れました。
月に施行した同条例と、
た﹂と考える。大切なのは想像力を持って自分
今後も、共生
障がい者虐待についても
事 と し て 考 え る こ と。 障 が い を 持 つ と い う 事
社会の進展と雇
解説します。
はひとごとではないのだ。
用の拡大につな
日時 8月 日
︵水︶
・
げていきます。 7 月 日未明、 相模原市 の 施設 で 殺傷事件
日
︵木︶
午後7時∼8時半
が 起 き た。 命 の 重 さ は、 障 が い の 有無 に 関係
問 障がい福祉
■□
会場 市役所本館3階対
な
い
。
メ
デ
ィ
ア
に
言葉が躍る。
﹁障がい者敵視・
課
︵ ☎ 0 2 5・
策室
際立 つ 独善性 ﹂
、﹁ 無理解 と 無関心 ﹂、﹁ 犠牲者
問 障がい福祉課
226・124
■□
︵☎02
名の非公表まさに差別﹂など、何とも言えない
9、 0 25・
5・ 2 2 6・ 1 2 48、
虚脱感が漂う。
025・223・15
223・150
しかし、4月、新潟市は小さな希望の種を生
00︶
0︶
み出した。その種とは﹁障がいのある人もない
人も共に生きるまちづくり条例﹂。この条例の
した差別を禁じています。
施設 の 設置当初、 地域 で は 受 け
誕 生 ま で に は、 実 に 7 年 半 の 歳 月 を 要 し た。
相談窓口の設置
施設から見た共生社会
差別ではないかと感じ
入 れ 難 か っ た よ う で す。 腫 れ 物 に
私 は こ の 条例 を イ ソ ッ プ 寓話 の﹁ 北風 と 太陽 ﹂
障害者支援施設
条例では本市と事業者 た場合は、専門の窓口で
触 る よ う な 視 線 も 受 け ま し た が、
にあやかり、勝手に〝太陽条例〟と呼んでいる。
太陽の村︵北区太夫浜︶
私たち職員と施設入所者である〝村
に対し、障がいのある人 相談できます。相談員が
障 が い の あ る 人 に 対 す る 差別 を 罰 に よ っ て な
園長
松田勝比古さん の 住人 〟た ち は で き る だ け 外出 し、
へ
の
不
利
益
な
取
り
扱
い
対
応
す
る
ほ
か
、
解
決
に
向
く そ う と す る の で は な く、 話 し 合 い に よ る 相
や、合理的配慮を行わな けて話し合いや調整を行
互理解 に よ っ て、 差別 の 原因=〝 無知 〟に よ る
﹁太陽の村﹂
には、知 地域 の イ ベ ン ト に も 積極的 に 参加
私たちの施設
いなど、障がいを理由と います=表=。
誤解・偏見をなくしていこうという条例だ。
的障がいを伴った重度の自閉症があ さ せ て も ら い ま し た。 今 で は 地域
の イ ベ ン ト に 招待 を 受 け る よ う に
る人たち 人が入所しています。
誰 も が 人生 の ど こ か で 遭遇 す る 生 き づ ら さ
な り ま し た。 も ち ろ ん、 村 で 開催
や理不尽さ。そんな時﹁独りで悩まなくてもい
するお祭りには、近隣の子どもたち、
いんだよ﹂と伝えてあげよう。相談↓話し合い
そして多くのボランティアの皆さ
↓ 相 互 理 解 を 積 み 重 ね て、 新 潟 市 を ど ん ど ん
んも参加してくれます。
共生のまちに育てていこう。
地域に根付いてこその施設です。
条 例 が 施 行 さ れ て 4 カ 月 余 り。 相 談 は 件
村 の 住 人 た ち が 外 に 出 歩 く と き、
を 数 え た。 周知 は ま だ ま だ だ が、 少 し ず つ 新
そっと温かく見守っていただける、
潟市 が 共生 の ま ち と し て 育 っ て い る 事 を 実感
そんな共生社会がここにはあります。
す る。 小・ 中学校 で は、 こ の 条例 の 副読本 を
活 用 し た 授 業 も 始 ま っ て い る。 多 く の 市 民 が
私たちは地域から遠ざかること
な く 、 地 域 と 共 に あ る こ と で 、安
こ の 条 例 を 知 り、 実 際 に 道 具 と し て 使 い、 市
心・安全が確保されると確信して
民 の 手 で 差別 の な い ま ち に 変 え て い く。 私 た
います。
ちの条例は、そんな希望の種なのである。
障がい者基幹相談支援センター
50
村のお祭り「SUNSUN
フェスティバル」
の様子
障がい者就労施設利用者らの共同作業によるイラスト。
同条例のパンフレットに使用しています