伝統を未来へ/平和への願い

統
伝
和
平
昭和36年に始まり、今年で第56回
を迎えた水戸黄門まつり
8月5日~7日 水戸市平和大使派遣事業で広
島へ/8月13日 市平和大使による作文朗読
発表会とパイプオルガン・プロムナード・
コンサート
(水戸芸術館)/8月14日 私は戦
争を忘れない
(県立歴史館)、音楽ライブと
市語り部による共演(クラブハウスソニッ
ク水戸)
今年もまた、水戸に祭りの季節
がやってきた。
8月5日、約4500発の花火
で水戸黄門まつりが開幕。夜空を
彩る大輪が広がると、訪れた観客
からは歓声が上がった。
会場は多くの人でにぎわった。夕
続く8月6日は、山車巡行や水
戸黄門パレードなどが繰広げられ、
方 から 夜にかけて行 われた市 民
カーニバルでは、老若男 女さまざ
まなチームごとに、工夫を凝らし
た演出で踊りを披露。力いっぱい
踊る姿に、
沿道からも声援が飛んだ。
とぎょ
月7日。この日の見
最終日、み8
こし
どころは神輿が競い合う神輿連合
渡御。きらびやかな神輿が勇まし
くぶつかり合った。山車太鼓合戦
では、幼い子どもたちが山車に乗
り、大きなかけ声とともに太鼓を
たたく姿も。
何度も何度も練習した踊り。お
じいちゃん、おばあちゃんに抱か
れ、沿道から一生懸命振る小さな
手―。子どもたちの心には、この
祭りの思い出はどう刻まれただろ
うか。水戸のまちが3日間包まれ
た熱気と一体感は、伝わっただろ
うか。
水戸には、残したい風景がある。
今はまだ小さな子どもたちが、や
がて手にする未来へと、確かに伝
えたいふるさとの風景が。
* * *
* * *
種をまく。
という
「風化させてはいけない」
強い思いで、語ることをためらっ
ていた自らの体験を語る。空襲か
ら逃れ、近所の人にもらった一杯
の甘いお湯―。
「生き延びたんだと
言う実感が湧いた」
。戦争を体験し
た語り部たちの話には、教科書だ
けでは知ることができない、一人
一人の日常や感情が詰まっている。
もし自分がその時代に生きてい
た ら、 何 が 一 番 つ ら い だ ろ う か。
当たり前にあるはずの毎日が消え
てしまう。大切な人と二度と会え
な く な る。
「 想 像 す ること し か で
き な い か ら 」と、 自 分 た ち な り の
平和への思いを込めて作った曲を
歌う若者たち。それを聴く人の心
にもまた、まっすぐに届く。
世界中から広島に届けられた平
和への思い。市平和大使の子ども
たちは
「 見 たこと や 学 ん だこと を
周りの人に伝えていくことが、私
た ち の 役 目 」と 話 す。 家 族、 友 だ
ちと、その思いは広がっていく。
次の世代に伝えようと、語り部
と若者や子どもたちとをつなぐ活
動を続ける人々は願う。共有した
時間は、かけがえのないものにな
るに違いない。今すぐでなくても、
少しずつでもいい。心の中にまか
れた小さな種が、いつか大きな木
となって、彼らの未来を、平和な
世の中を、支えてほしいと。
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2016. 9. 1 広報みと
2016. 9. 1 広報みと
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を未来へ
への願い