注意喚起情報 台風第10号の接近に係る農作物等の技術対策について

注意喚起情報
台風第10号の接近に係る農作物等の技術対策について
気 象 庁 の台風情報( http://www.jma.go.jp/jp/typh/16105l.html)によると、
非 常 に 強 い台風第 10号は、 8月26日午前 9 時現在、日本の南の海上 にあり、
今後、30日頃に 本県 に接近する見通しで、強風と大雨 による農作物や農業施設
等 へ の 影 響が懸念されます。
農 作 物等 の被害を最小限にとどめるため、下記の とおり事前・事後の技術 対策
を 参 考 に して、適切な対応を講じるよう お 願いい たします。
な お 、作業 の際 は 安全に 十分 注意して活動 しましょう 。
記
1 共 通
( 1 ) 作 業 時の安全確保
作業は、事故防止の観点から安全に十分配慮し、焦らず落ち着いて行う。事
前 の 対 策は台風が近づく前に終 わらせるが、台風が接近する前でも天候が 急変
す る 場 合があるため注意する。悪天候時の作業や見回りは行わない。
( 2 ) 園 地 等の排水対策
大雨による浸水・冠水に備え、事前に暗渠や排水路の点検・補修を行うとと
も に 、 明渠を整備して速やかな 排水を図る。
2 事前対策
[稲 作]
(1)台風通過時のフェーン現象により稲体の消耗が大きくなることから、登熟中
期 の 稲 で は、一時的に湛水し水 分補給を行い、稲体の活力保持に努める。
[果 樹]
(1 ) 収 穫 期を迎えている品 目は、 台風が来る前に収穫する。
(2 ) 収 穫 期に入っていない品 目は 、支柱の手直しや補強を行う。
(3)ぶどうの雨除けテントは、マイカ線の締め直しやビニールの破損部分を補
修する。
[ 野 菜 ・ 花 き]
( 1 ) 露 地 品目
ア 夏秋 き ゅう り、 なす 、ア ス パラ ガス 、 露 地ぎ く 等 で は支 柱や 防風 ネ ット ・
倒 伏 防 止ネット 等の点検、補強を行い、強風による茎葉や果実の損傷を防ぐ。
イ フェ ー ン現 象に よる 乾燥 し た高 温の 風が 強い 場 合は 、灌 水し て茎 葉 損傷 や
萎 れ 等 の被害軽減を図る。
( 2 ) 施 設 品目
ア 大雨 に よる 施設 内へ の水 の 浸入 を防 ぐた め、 施 設周 辺の 排水 溝等 の 点検 を
行う。
イ 防風 施 設や パイ プ支 柱、 ア ンカ ーな どの 点検 を 行い 、損 傷箇 所や 連 結ジ ョ
イン トな ど に緩 み が ある 場合 は 、速 やか に補 修を 行 う。 アン カー 等は 必 ず 設
置 し て 、強風によるパイプや 支柱の浮き上がりを防止する。
ウ 強風 に よる 被害 を防 ぐた め 、ハ ウス の天 窓や 側 窓な どの 点検 を行 い 、マ イ
カー 線の 締 め直 し、 支持 材の 点 検、 被覆 資材 の破 損 部補 修等 を実 施す る 。 ま
た、 フェ ー ン現 象に よる 気温 上 昇で 天窓 等が 自動 開 放し ない よう 手動 制 御 す
る。
[畜 産]
(1)強風による破損被害を防止するため、畜舎・堆肥舎等施設の点検と補強を行
う と と もに、施設内への浸水防 止対策を講じる。
(2)放牧場では 、排水が良く風裏となる牧区に 、放牧家畜を 移し、事故防止に努
める。
3 事後対策
[稲 作]
( 1 ) 冠 水 し た場合は葉先や穂先だ けでも水面に出すよう速やかな排水に努め る。
(2)倒伏の発生などにより品質の低下が懸念される場合には、被害発生程度に応
じ て 、別刈りを行うよう計画す る 。
[ 大 豆 、 そ ば]
( 1 ) 滞 水 し た 場 合 は 、生 育 遅 延 や 根 腐 れ を 引 き 起 こ し 、 日 照 不 足 と 相 ま っ て 作
物 体 を 軟 弱 化 さ せ 、 病 害 虫 に 対 す る 抵 抗 性 を 弱 め る の で 、速 や か な 排 水 に 努
める。
[果 樹]
( 1 ) 落 下 した果実は選別を徹底し 、損傷のある果実は、生食用には出荷しな い。
(2)園地が浸水した場 合は、早急に排水対策を行う。葉や果実が水に浸かった場
合は、園地に機械が入れるようになったら直ちに殺菌剤を散布し、病害の感染
を 予 防 する。
[ 野 菜 ・ 花 き]
( 1 ) 露 地 品目
ア 大 雨による浸水や停滞水が速やかに排水されるよう、明渠や暗渠、排 水 路
の点検を行う。浸水した場合は、直ちにポンプによる強制排水等の排水対策
を 行 う。
イ ねぎ、枝豆、小ぎく等が倒伏した場合には、天候の回復を待って速やかに
起こし、生育の回復を図る。また、果菜類は損傷した果実や不良果は速やか
に 摘 除する。
ウ 茎 葉に傷がつくと病害が発生しやすくなるの で、病害虫の発生に留意 し、
防 除 基準に従って防除する。
( 2 ) 施 設 品目
ア ハ ウス被覆資材が破損した場合は、風や雨等の状況を見ながら速やか に補
修 し て、内部の作物の管理が 十分に行える状態にする。
イ 被 覆資材の破損で茎葉の損傷など作物の被害が発生した場合は、被害 株の
抜 き 取りや茎葉の摘除ととも に、灌水や液肥の茎葉散布、追肥により草 勢 回
復 に 努める。また、病害虫の 発生に留意し、防除基準に従って防除する 。
[ 畜 産](牧草地)
( 1 )牧 草 地において、冠水等の被害が生じた場合には、速やかに排水する。また、
冠 水 し た場合には 品質が低下するため、高刈り等により土砂の混入を避けて収
穫 す る。その後、草勢 の 回復 を早めるよう窒素成分で4kg/10aの追肥を行 う。