(平成28年8月15日年発0815第1号~第2号)(PDF,422KB

年発0815第1号
平成28年8月15日
日本年金機構理事長
殿
厚生労働省年金局長
(公
印
省
略)
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する政令等の一
部を改正する政令等の施行及び社会保障に関する日本国とインド共和国と
の間の協定の発効に伴う実施事務の取扱いについて
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成19年法律第
104号。以下「特例法」という。)等の内容については、「社会保障協定の実施に伴う厚
生年金保険法等の特例等に関する法律等の施行について」
(平成20年1月10日付庁保発
0110002号)において、社会保障協定の発効に伴う実施事務の取扱いについては、
「社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律等の施行に伴う実施
事務の取扱いについて」
(平成20年1月10日付庁保険発第0110001号、社業発第
30号)において、それぞれ通知しているところである。
その後、社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定(以下「インド協定」と
いう。)の国会承認(平成25年12月4日)を経て社会保障協定の実施に伴う厚生年金保
険法等の特例等に関する政令等の一部を改正する政令(平成25年政令第345号。以下
「改正特例政令」という。)が平成25年12月13日に公布され、また、インド協定に係
る実施事務が相手国との間で確定したことを受けて社会保障協定の実施に伴う国民年金法
施行規則及び厚生年金保険法施行規則の特例等に関する省令の一部を改正する省令(平成
28年厚生労働省令第132号。以下「改正特例省令」という。)が平成28年7月28日
に公布されたところである。
今般、インド協定は平成28年10月1日から効力を生ずることとなるところ、インド
協定の概要、改正特例政令(インド協定に係る部分に限る。Ⅱ及びⅣにおいて同じ。)及び
改正特例省令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係並びにインド協定の発効に伴う
1
実施事務の取扱いに関する主な内容は下記のとおりであるので、その内容について御承知
いただき、その実施に当たってよろしくお取り計らい願いたい。
この通知において、改正特例政令による改正後の社会保障協定の実施に伴う厚生年金保
険法等の特例等に関する政令(平成19年政令第347号)を「特例政令」と、改正特例
省令による改正後の社会保障協定の実施に伴う国民年金法施行規則及び厚生年金保険法施
行規則の特例等に関する省令(平成20年厚生労働省令第2号)を「特例省令」と、それ
ぞれ略称する。
このほか、この通知における用語の意義は、インド協定並びに特例法、特例政令及び特
例省令における用語の意義によるものとする。
また、本通知の内容について、貴機構から年金事務所長等宛て、周知のための文書を発
出する場合には、当該文書を厚生労働省年金局長宛て併せて送付されたい。
記
Ⅰ
インド協定の概要
第1
インド協定の概要
この協定は、我が国とインド共和国(以下「インド」という。)との間で年金制度の適
用についての調整を行うとともに、両国での保険期間の通算によりそれぞれの国におけ
る年金の受給権を確立し、もって両国間の人的交流・経済交流の促進を図ることを目的
とするものであり、その内容の大要は、次のとおりであること。
1
総則
(1) この協定の適用上、
「国民」、
「法令」、
「権限のある当局」、
「実施機関」、
「保険期間」、
「給付」の用語はそれぞれ定義された意味を有し、この協定上定義されていない用
語は、適用される法令において与えられている意味を有するものとすること(イン
ド協定第1条)。
(2) この協定は、我が国については、年金制度に関し、国民年金及び厚生年金保険に
ついてそれぞれ適用すること。
また、この協定は、インドについては、被用者のための老齢年金及び遺族年金に
関する全ての法律及び規則並びに被用者のための恒久的かつ完全な障害に係る年
金に関する全ての法律及び規則について適用すること(インド協定第2条)。
(3) この協定は、一方の締約国の法令の適用を受けているか又は受けたことがある者
等について適用すること(インド協定第3条)。
(4) インド協定第3条に規定する者であって一方の締約国の領域内に通常居住するも
2
のは、当該一方の締約国の法令の適用に際し、当該一方の締約国の国民と同等の待
遇を受けること(インド協定第4条)。
(5) 一方の締約国の領域外に通常居住することのみを理由として給付を受ける権利の
取得又は給付の支払を制限する当該一方の締約国の法令の規定は、他方の締約国の
領域内に通常居住する者については、適用しないこと(インド協定第5条1)。
(6) 一方の締約国の法令による給付は、第三国の領域内に通常居住する他方の締約国
の国民に対しては、その者が当該一方の締約国の国民であった場合と同一の条件で
支給すること(インド協定第5条2)。
(7) この協定に基づく給付の支払は、自由に交換することができる通貨によって直接
行われること。いずれか一方の締約国が外国為替取引等を制限する措置を実施する
場合には、両締約国の政府は、当該一方の締約国による給付の支払を確保するため
に必要な措置について、直ちに協議すること(インド協定第5条3)。
2
適用法令に関する規定
(1) この協定に別段の定めがある場合を除くほか、一方の締約国の領域内において被
用者として就労する者については、その就労に関し、当該一方の締約国の法令のみ
を適用すること(インド協定第6条)。
(2) 一方の締約国の法令に基づく制度に加入し、かつ、雇用者により当該一方の締約
国から他方の締約国又は第三国から他方の締約国に一時的に派遣される被用者に
ついては、その派遣の期間が5年を超えるものと見込まれないことを条件として、
その被用者に対して当該一方の締約国の法令のみを適用すること(インド協定第7
条1)。
(3) インド協定第7条1に規定する派遣が5年を超えて継続される場合には、両締約
国の権限のある当局等は、当該派遣に係る被用者に対してインド協定第7条1に規
定する一方の締約国の法令のみを引き続き適用することについて合意することが
できること(インド協定第7条2)。
(4) 一方の締約国の旗を掲げる海上航行船舶において被用者として就労し、かつ、こ
の協定がないとしたならば両締約国の法令が適用されることとなる者については、
他方の締約国の領域内に事業所を有する雇用者に雇用されている場合には、当該他
方の締約国の法令のみを適用すること(インド協定第8条1)。
(5) 国際運輸に従事する航空機において被用者として就労する者については、その就
労に関し、その者の雇用者の所在する締約国の法令のみを適用すること(インド協
3
定第8条2)。
(6) この協定は、外交関係に関するウィーン条約又は領事関係に関するウィーン条約
の規定の適用を妨げるものではないこと(インド協定第9条1)。
(7) インド協定第9条1の規定に従うことを条件として、一方の締約国の公務員又は
公務員として取り扱われる者が他方の締約国に派遣される場合は、当該一方の締約
国の領域内において就労しているものとみなして当該一方の締約国の法令のみを
適用すること(インド協定第9条2)。
(8) 両締約国の権限のある当局等は、被用者及び雇用者の申請に基づき、特定の者等
の利益のため、これらの特定の者等にいずれか一方の締約国の法令が適用されるこ
とを条件として、インド協定第6条から第9条までの規定の例外を認めることにつ
いて合意することができること(インド協定第10条)。
(9) 日本国の領域内において就労する者であって、インド協定第7条等の規定により
インドの法令のみの適用を受けるものに同行する配偶者又は子については、社会保
障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たすことを条件と
して、国民年金に関する日本国の法令の強制適用を免除すること。なお、配偶者又
は子からの申請により、国民年金制度への加入は可能であること(インド協定第1
1条)。
(10) インド協定第6条から第8条まで、第9条2及び11条の規定は、強制加入の制
度についてのみ適用すること(インド協定12条)。
3
給付に関する規定
(1) 日本国の実施機関は、日本国の給付を受ける権利を確立するため、日本国の法令
による保険期間と重複しない限りにおいて、インドの法令による保険期間を考慮す
ること、及び、その他日本側にのみ適用される特別の事項を定めること(インド協
定第13条~第15条)。
(2) インドの実施機関は、老齢給付等に関する日本国の法令による保険期間について
必要な場合には、インドの法令による保険期間と重複しない範囲において、インド
の法令による保険期間と通算すること、及び、その他インド側にのみ適用される特
別の事項を定めること(インド協定第16条~第17条)。
4
一時金に関する規定
(1) 日本国については、インド協定第3条に規定する者は、日本国の法令に従って日
4
本国民以外の者に対する脱退一時金を請求することができること(インド協定第1
8条1)。
(2) インドについては、インド協定第3条に規定する者は、1952 年の被用者積立基金
及び雑則に関する法の適用を受ける事業所の被用者でなくなった場合には、1952 年
の被用者積立基金制度の下で当該者の勘定にある額の全額を引き出す権利を有す
ること(インド協定第18条2(a))。
(3) インドについては、インド協定第3条に規定する者は、この協定の規定に従って
保険期間を通算した後においても毎月年金を受け取るための適格な役務に係る要
件が満たされない場合には、1995 年の被用者年金制度の下での脱退給付を受ける権
利を有すること(インド協定第18条2(b))。
5
雑則
(1) 両締約国の権限のある当局は、この協定の実施のために必要な行政上の措置につ
いて合意し、連絡機関を指定し、また、この協定の実施に影響を及ぼす自国の法令
の変更に関する全ての情報をできる限り速やかに相互に通報すること。両締約国の
権限のある当局等は、この協定の実施のために必要な援助を無償で提供すること
(インド協定第19条)。
(2) 一方の締約国の法令等において、当該一方の締約国の法令の適用に際して提出す
べき文書に係る行政上又は領事事務上の手数料の免除又は軽減に関して規定する
場合には、これらの規定は、この協定及び他方の締約国の法令の適用に際して提出
すべき文書についても適用すること。この協定及び一方の締約国の法令の適用に際
して提出される文書については、外交機関又は領事機関による認証等を要しないこ
と(インド協定第20条)。
(3) 両締約国の権限のある当局等は、相互に、及び関係者に対して、日本語、ヒンデ
ィー語又は英語により、直接に連絡することができること。また、一方の締約国の
権限のある当局等は、他方の締約国の言語で作成されていることを理由として申請
書等の受理を拒否してはならないこと(インド協定第21条)。
(4) 一方の締約国の権限のある当局等は、当該一方の締約国の法令の下で収集された
個人に関する情報を当該一方の締約国の法律等に従って他方の締約国の権限のあ
る当局等に伝達すること。伝達された個人に関する情報は、当該情報を受領した締
約国の個人に関する情報の秘密の保護のための法律等により規律されること(イン
ド協定第22条)。
5
(5) 一方の締約国の法令に基づく給付の申請、不服申立てその他申告が他方の締約国
の権限のある当局等に対して提出された場合には、その提出の日に当該一方の締約
国の権限のある当局等に提出されたものとみなすものとし、当該一方の締約国の手
続き及び法令に従って取り扱うこと(インド協定第23条1)。
(6)一方の締約国の権限のある当局等は、インド協定第23条1の規定に従って提出さ
れた給付の申請、不服申立てその他申告を遅滞なく他方の締約国の権限のある当局
等に伝達すること(インド協定第23条2)。
(7) この協定の解釈又は適用についての意見の相違は、両締約国間の協議により解決
すること(インド協定第24条)。
(8) 両締約国は、両締約国の権限のある当局等の代表者で構成される合同委員会を設
置することができ、当該合同委員会はいずれか一方の締約国の要請により、必要に
応じて会合すること(インド協定第25条)。
(9) この協定中の部、章及び条の見出しは、引用上の便宜のためにのみ付されたもの
であって、この協定の解釈に影響を及ぼすものではないこと(インド協定第26条)。
(10) この協定は、その効力発生前に給付を受ける権利を確立させるものではないこと。
この協定の実施に当たっては、この協定の効力発生前の保険期間等についても考慮
すること(インド協定第27条1及び2)。
(11) インド協定第7条1の規定の適用に当たっては、この協定の効力発生前から一方
の締約国で就労していた者については、同条1に規定する派遣の期間は、この協定
の効力発生の日に開始したものとみなすこと(インド協定第27条3)。
(12) この協定の効力発生前に行われた給付を受ける権利に関する決定は、この協定に
より確立されるいかなる権利にも影響を及ぼすものではないこと(インド協定第2
7条4)。
(13) この協定の適用の結果として、受給者に対し、この協定の効力発生前に権利が確
立された給付の額を減額してはならないこと(インド協定第27条5)。
(14) この協定は、一時金の支払又は保険料の還付により解決された権利については適
用しないこと(インド協定第27条6)。
(15) この協定は、両締約国が、この協定の効力発生に必要なそれぞれの憲法上の要件
が満たされた旨を相互に通告する外交上の公文を交換した月の後3カ月目の月の
初日に効力を生ずること(インド協定第28条)。
(16) この協定は、無期限に効力を有すること。いずれの締約国も、外交上の経路を通
じて他方の締約国に対し書面によりこの協定の終了の通告を行うことができ、この
6
場合には、この協定は、終了の通告が行われた月の後12カ月目の月の末日まで効
力を有すること(インド協定第29条1)。
(17) この協定が終了する場合には、この協定の下で取得された給付を受ける権利及び
給付の支払に関する権利は維持されること(インド協定第29条2)。
第2
1
インド協定における主な留意点
二重加入の防止の対象となる制度及び対象者
二重加入の防止の対象となる制度は、日本国及びインドについて年金制度のみであ
ること。また、二重加入の防止の対象となる者は、日本国及びインドについて被用者
のみであること。
2
二重加入の防止の規定
(1) 被用者の派遣に関し、当該被用者が一方の締約国の法令に基づく制度に加入し、
当該雇用主により当該一方の締約国の領域から他方の締約国の領域内において就
労するために派遣され、かつ、その派遣の期間が5年を超えるものと見込まれない
場合、当該一方の締約国の法令のみが適用されること。
(2) 予見できない事情など特別な事情による派遣期間の延長については、引き続き一
方の締約国の制度にのみ加入することについて両国で合意することができ、その場
合は3年を超えない範囲で認められること。
また、認められた延長期間以降においては、原則としては派遣先国の制度にのみ
加入することとなるが、インド年金制度の改正(平成26年9月:月収 15,000 ルピ
ーを超える外国人労働者等はインド年金制度のうち一時金の給付に係るもの以外
には加入することができないこととされたもの)により、インドで加入できる制度
が一時金の給付に係るもののみになる場合は、日本制度に継続して加入することが
できること。
3
年金加入期間の通算の規定
(1) インド協定による通算の対象となる給付は、老齢給付、障害給付及び遺族給付で
あること。
(2) インド協定による通算の対象となるインド年金制度は、1995 年の被用者年金制度
であること。
(3) インドの法令による年金給付の支給に当たって、インドの法令による年金給付の
7
受給資格要件を満たしていない場合には、インドの法令による保険期間と重複しな
い範囲において、日本国の保険期間を通算することができること。それでもなお、
インドの法令による年金給付の受給資格要件を満たさない場合、インドの法令によ
る脱退給付金を受給することができること。ただし、インドの法令による保険期間
が6カ月未満である場合には、当該脱退給付金を受給することができないこと。
なお、当該脱退給付を受けたインドの保険期間は日本法令による年金給付を受け
る保険期間に通算しないこと。
Ⅱ
改正特例政令及び改正特例省令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係
第1
1
改正特例政令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係
被保険者の資格の特例
(1) 国民年金の被保険者の資格の取得及び喪失の特例
インド協定の年金制度適用調整規定によりインドの法令の規定の適用を受ける
者及びその者に随伴する配偶者又は子のうち次に掲げる者(国民年金の被保険者と
なることを希望し、国民年金法(昭和34年法律第141号)第12条第1項の規
定による国民年金の被保険者の資格の取得の届出をすることとなる者を除く。)に
ついては、国民年金の被保険者としないこと(特例法第7条第1項並びに特例政令
第11条及び第13条)。
ア
社会保障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たして
おり、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の家族滞在の在
留資格をもって日本に在留する者
イ
社会保障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たして
おり、主として特例法第7条第1項第1号に該当する者の収入により生計を維持
する者
この生計を維持する者の認定は、国民年金法施行令(昭和34年政令第184
号)第4条の規定を準用すること。
(2) 国民年金の任意脱退に関する特例
国民年金の任意脱退の規定を適用するに当たって、インド協定に係る昭和17年
6月以後の相手国期間を国民年金の被保険者期間とみなすこととされたこと(特例
法第9条の2及び特例政令第21条第1項)。
(3) 厚生年金保険の加入の特例
厚生年金保険の加入の特例制度の対象となる社会保障協定について、インド協定
8
を追加することとされたこと(特例法第25条及び特例政令第50条)。
2
給付の支給要件等に関する特例
(1) 通算の対象期間
相手国期間のうち、インド協定にあっては昭和17年6月以後の期間を通算の対
象とすることとされたこと(特例法第10条、第11条第1項、第12条第1項、
第27条、第28条第1項、第29条第1項、第30条第1項及び第38条から第
40条並びに附則第4条、第5条、第6条、第9条、第10条、第11条第1項及
び第14条第1項。特例政令第22条第1項、第23条、第24条、第25条、第
56条第1項、第57条、第58条、第61条、第102条、第110条第4項、
第113条、第116条、第130条第3項、第131条第3項及び第6項、第1
32条並びに第137条第1項)。
(2) 特例法により支給される給付の計算方法
障害基礎年金、遺族基礎年金、障害厚生年金(障害者となった者の厚生年金被保
険者であった期間が300月未満の場合に限る。)及び遺族厚生年金(死亡した者の
厚生年金被保険者であった期間が300月未満の場合に限る。)並びに障害手当金等
の計算に用いる按分率について、インド協定については、公的年金被保険者である
ことが理論的に可能な期間に基づいて計算することとされたこと(特例法第13条、
第15条、第16条、第19条、第20条、第32条、第33条及び第38条から
第40条並びに附則第4条、第5条、第9条及び第10条。特例政令第32条、第
37条、第39条、第70条、第71条、第74条の2、第74条の3、第76条、
第84条、第104条、第107条、第118条、第122条及び第127条)。
第2
1
改正特例省令による改正後の国民年金法及び厚生年金保険法の特例関係
国民年金の被保険者に係る適用証明期間継続・延長申請書の記載事項
インド協定に係る適用証明期間継続・延長申請書に係る記載事項について、他の社
会保障協定に係る適用証明期間継続・延長申請書と共通する記載事項のほか、次の内
容を定めることとしたこと(特例省令第3条)。
(1) 収入を理由にインド年金制度に加入できない者にあっては、その旨
2
厚生年金保険の被保険者に係る適用証明期間継続・延長申請書の記載事項
インド協定に係る適用証明期間継続・延長申請書に係る記載事項について、他の社
9
会保障協定に係る適用証明期間継続・延長申請書と共通する記載事項のほか、次の内
容を定めることとしたこと(特例省令第7条)。
(1) 収入を理由にインド年金制度に加入できない者にあっては、その旨
Ⅲ
インド協定の実施事務における主な留意点
第1
適用に係る主な留意点
二重加入の防止のため適用証明書を発給する者は、被用者のみであること。また、
適用証明期間継続・延長申請書において、申請者の収入を理由に、インド年金制度に
加入することができない場合は、その旨を記載すること。
第2
給付に係る主な留意点
1 インドの法令による年金給付は、年金事務所で受け付ける際、口頭による申請がで
きないこと。
2 日本の実施機関においてインドの法令による一時金制度の申請ができること。
第3
その他
1
インド協定を実施するための様式については、別添のとおりであること。
2
インドの法令による年金等の申請書にはインドの事業主の証明(事業所が存在する
場合)及びインド印紙法に基づく印紙の貼付が必要であること。
Ⅳ
施行期日
改正特例政令及び改正特例省令は、インド協定の効力の発生の日(平成28年10月
1日)から施行することとされたこと。
この通知は、インド協定の効力の発生の日(平成28年10月1日)から適用するも
のであること。
10
年発0815第2号
平成28年8月15日
地方厚生(支)局長
殿
厚生労働省年金局長
(公
印
省
略)
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する政令等の一
部を改正する政令等の施行及び社会保障に関する日本国とインド共和国と
の間の協定の発効に伴う実施事務の取扱いについて
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成19年法律第
104号。以下「特例法」という。)等の内容については、「社会保障協定の実施に伴う厚
生年金保険法等の特例等に関する法律等の施行について」
(平成20年1月10日付庁保発
0110002号)において、社会保障協定の発効に伴う実施事務の取扱いについては、
「社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律等の施行に伴う実施
事務の取扱いについて」
(平成20年1月10日付庁保険発第0110001号、社業発第
30号)において、それぞれ通知しているところである。
その後、社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定(以下「インド協定」と
いう。)の国会承認(平成25年12月4日)を経て社会保障協定の実施に伴う厚生年金保
険法等の特例等に関する政令等の一部を改正する政令(平成25年政令第345号。以下
「改正特例政令」という。)が平成25年12月13日に公布され、また、インド協定に係
る実施事務が相手国との間で確定したことを受けて社会保障協定の実施に伴う国民年金法
施行規則及び厚生年金保険法施行規則の特例等に関する省令の一部を改正する省令(平成
28年厚生労働省令第132号。以下「改正特例省令」という。)が平成28年7月28日
に公布されたところである。
今般、インド協定は平成28年10月1日から効力を生ずることとなるところ、インド
協定の概要、改正特例政令(インド協定に係る部分に限る。Ⅱ及びⅣにおいて同じ。)及び
改正特例省令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係並びにインド協定の発効に伴う
1
実施事務の取扱いに関する主な内容は下記のとおりであるので、その内容について御承知
いただき、その実施に当たってよろしくお取り計らい願いたい。あわせて、貴管内各市区
町村へ周知方よろしく取り計らわれたい。
この通知において、改正特例政令による改正後の社会保障協定の実施に伴う厚生年金保
険法等の特例等に関する政令(平成19年政令第347号)を「特例政令」と、改正特例
省令による改正後の社会保障協定の実施に伴う国民年金法施行規則及び厚生年金保険法施
行規則の特例等に関する省令(平成20年厚生労働省令第2号)を「特例省令」と、それ
ぞれ略称する。
このほか、この通知における用語の意義は、インド協定並びに特例法、特例政令及び特
例省令における用語の意義によるものとする。
記
Ⅰ
インド協定の概要
第1
インド協定の概要
この協定は、我が国とインド共和国(以下「インド」という。)との間で年金制度の適
用についての調整を行うとともに、両国での保険期間の通算によりそれぞれの国におけ
る年金の受給権を確立し、もって両国間の人的交流・経済交流の促進を図ることを目的
とするものであり、その内容の大要は、次のとおりであること。
1
総則
(1) この協定の適用上、
「国民」、
「法令」、
「権限のある当局」、
「実施機関」、
「保険期間」、
「給付」の用語はそれぞれ定義された意味を有し、この協定上定義されていない用
語は、適用される法令において与えられている意味を有するものとすること(イン
ド協定第1条)。
(2) この協定は、我が国については、年金制度に関し、国民年金及び厚生年金保険に
ついてそれぞれ適用すること。
また、この協定は、インドについては、被用者のための老齢年金及び遺族年金に
関する全ての法律及び規則並びに被用者のための恒久的かつ完全な障害に係る年
金に関する全ての法律及び規則について適用すること(インド協定第2条)。
(3) この協定は、一方の締約国の法令の適用を受けているか又は受けたことがある者
等について適用すること(インド協定第3条)。
(4) インド協定第3条に規定する者であって一方の締約国の領域内に通常居住するも
のは、当該一方の締約国の法令の適用に際し、当該一方の締約国の国民と同等の待
2
遇を受けること(インド協定第4条)。
(5) 一方の締約国の領域外に通常居住することのみを理由として給付を受ける権利の
取得又は給付の支払を制限する当該一方の締約国の法令の規定は、他方の締約国の
領域内に通常居住する者については、適用しないこと(インド協定第5条1)。
(6) 一方の締約国の法令による給付は、第三国の領域内に通常居住する他方の締約国
の国民に対しては、その者が当該一方の締約国の国民であった場合と同一の条件で
支給すること(インド協定第5条2)。
(7) この協定に基づく給付の支払は、自由に交換することができる通貨によって直接
行われること。いずれか一方の締約国が外国為替取引等を制限する措置を実施する
場合には、両締約国の政府は、当該一方の締約国による給付の支払を確保するため
に必要な措置について、直ちに協議すること(インド協定第5条3)。
2
適用法令に関する規定
(1) この協定に別段の定めがある場合を除くほか、一方の締約国の領域内において被
用者として就労する者については、その就労に関し、当該一方の締約国の法令のみ
を適用すること(インド協定第6条)。
(2) 一方の締約国の法令に基づく制度に加入し、かつ、雇用者により当該一方の締約
国から他方の締約国又は第三国から他方の締約国に一時的に派遣される被用者に
ついては、その派遣の期間が5年を超えるものと見込まれないことを条件として、
その被用者に対して当該一方の締約国の法令のみを適用すること(インド協定第7
条1)。
(3) インド協定第7条1に規定する派遣が5年を超えて継続される場合には、両締約
国の権限のある当局等は、当該派遣に係る被用者に対してインド協定第7条1に規
定する一方の締約国の法令のみを引き続き適用することについて合意することが
できること(インド協定第7条2)。
(4) 一方の締約国の旗を掲げる海上航行船舶において被用者として就労し、かつ、こ
の協定がないとしたならば両締約国の法令が適用されることとなる者については、
他方の締約国の領域内に事業所を有する雇用者に雇用されている場合には、当該他
方の締約国の法令のみを適用すること(インド協定第8条1)。
(5) 国際運輸に従事する航空機において被用者として就労する者については、その就
労に関し、その者の雇用者の所在する締約国の法令のみを適用すること(インド協
定第8条2)。
3
(6) この協定は、外交関係に関するウィーン条約又は領事関係に関するウィーン条約
の規定の適用を妨げるものではないこと(インド協定第9条1)。
(7) インド協定第9条1の規定に従うことを条件として、一方の締約国の公務員又は
公務員として取り扱われる者が他方の締約国に派遣される場合は、当該一方の締約
国の領域内において就労しているものとみなして当該一方の締約国の法令のみを
適用すること(インド協定第9条2)。
(8) 両締約国の権限のある当局等は、被用者及び雇用者の申請に基づき、特定の者等
の利益のため、これらの特定の者等にいずれか一方の締約国の法令が適用されるこ
とを条件として、インド協定第6条から第9条までの規定の例外を認めることにつ
いて合意することができること(インド協定第10条)。
(9) 日本国の領域内において就労する者であって、インド協定第7条等の規定により
インドの法令のみの適用を受けるものに同行する配偶者又は子については、社会保
障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たすことを条件と
して、国民年金に関する日本国の法令の強制適用を免除すること。なお、配偶者又
は子からの申請により、国民年金制度への加入は可能であること(インド協定第1
1条)。
(10) インド協定第6条から第8条まで、第9条2及び11条の規定は、強制加入の制
度についてのみ適用すること(インド協定12条)。
3
給付に関する規定
(1) 日本国の実施機関は、日本国の給付を受ける権利を確立するため、日本国の法令
による保険期間と重複しない限りにおいて、インドの法令による保険期間を考慮す
ること、及び、その他日本側にのみ適用される特別の事項を定めること(インド協
定第13条~第15条)。
(2) インドの実施機関は、老齢給付等に関する日本国の法令による保険期間について
必要な場合には、インドの法令による保険期間と重複しない範囲において、インド
の法令による保険期間と通算すること、及び、その他インド側にのみ適用される特
別の事項を定めること(インド協定第16条~第17条)。
4
一時金に関する規定
(1) 日本国については、インド協定第3条に規定する者は、日本国の法令に従って日
本国民以外の者に対する脱退一時金を請求することができること(インド協定第1
4
8条1)。
(2) インドについては、インド協定第3条に規定する者は、1952 年の被用者積立基金
及び雑則に関する法の適用を受ける事業所の被用者でなくなった場合には、1952 年
の被用者積立基金制度の下で当該者の勘定にある額の全額を引き出す権利を有す
ること(インド協定第18条2(a))。
(3) インドについては、インド協定第3条に規定する者は、この協定の規定に従って
保険期間を通算した後においても毎月年金を受け取るための適格な役務に係る要
件が満たされない場合には、1995 年の被用者年金制度の下での脱退給付を受ける権
利を有すること(インド協定第18条2(b))。
5
雑則
(1) 両締約国の権限のある当局は、この協定の実施のために必要な行政上の措置につ
いて合意し、連絡機関を指定し、また、この協定の実施に影響を及ぼす自国の法令
の変更に関する全ての情報をできる限り速やかに相互に通報すること。両締約国の
権限のある当局等は、この協定の実施のために必要な援助を無償で提供すること
(インド協定第19条)。
(2) 一方の締約国の法令等において、当該一方の締約国の法令の適用に際して提出す
べき文書に係る行政上又は領事事務上の手数料の免除又は軽減に関して規定する
場合には、これらの規定は、この協定及び他方の締約国の法令の適用に際して提出
すべき文書についても適用すること。この協定及び一方の締約国の法令の適用に際
して提出される文書については、外交機関又は領事機関による認証等を要しないこ
と(インド協定第20条)。
(3) 両締約国の権限のある当局等は、相互に、及び関係者に対して、日本語、ヒンデ
ィー語又は英語により、直接に連絡することができること。また、一方の締約国の
権限のある当局等は、他方の締約国の言語で作成されていることを理由として申請
書等の受理を拒否してはならないこと(インド協定第21条)。
(4) 一方の締約国の権限のある当局等は、当該一方の締約国の法令の下で収集された
個人に関する情報を当該一方の締約国の法律等に従って他方の締約国の権限のあ
る当局等に伝達すること。伝達された個人に関する情報は、当該情報を受領した締
約国の個人に関する情報の秘密の保護のための法律等により規律されること(イン
ド協定第22条)。
(5) 一方の締約国の法令に基づく給付の申請、不服申立てその他申告が他方の締約国
5
の権限のある当局等に対して提出された場合には、その提出の日に当該一方の締約
国の権限のある当局等に提出されたものとみなすものとし、当該一方の締約国の手
続き及び法令に従って取り扱うこと(インド協定第23条1)。
(6)一方の締約国の権限のある当局等は、インド協定第23条1の規定に従って提出さ
れた給付の申請、不服申立てその他申告を遅滞なく他方の締約国の権限のある当局
等に伝達すること(インド協定第23条2)。
(7) この協定の解釈又は適用についての意見の相違は、両締約国間の協議により解決
すること(インド協定第24条)。
(8) 両締約国は、両締約国の権限のある当局等の代表者で構成される合同委員会を設
置することができ、当該合同委員会はいずれか一方の締約国の要請により、必要に
応じて会合すること(インド協定第25条)。
(9) この協定中の部、章及び条の見出しは、引用上の便宜のためにのみ付されたもの
であって、この協定の解釈に影響を及ぼすものではないこと(インド協定第26条)。
(10) この協定は、その効力発生前に給付を受ける権利を確立させるものではないこと。
この協定の実施に当たっては、この協定の効力発生前の保険期間等についても考慮
すること(インド協定第27条1及び2)。
(11) インド協定第7条1の規定の適用に当たっては、この協定の効力発生前から一方
の締約国で就労していた者については、同条1に規定する派遣の期間は、この協定
の効力発生の日に開始したものとみなすこと(インド協定第27条3)。
(12) この協定の効力発生前に行われた給付を受ける権利に関する決定は、この協定に
より確立されるいかなる権利にも影響を及ぼすものではないこと(インド協定第2
7条4)。
(13) この協定の適用の結果として、受給者に対し、この協定の効力発生前に権利が確
立された給付の額を減額してはならないこと(インド協定第27条5)。
(14) この協定は、一時金の支払又は保険料の還付により解決された権利については適
用しないこと(インド協定第27条6)。
(15) この協定は、両締約国が、この協定の効力発生に必要なそれぞれの憲法上の要件
が満たされた旨を相互に通告する外交上の公文を交換した月の後3カ月目の月の
初日に効力を生ずること(インド協定第28条)。
(16) この協定は、無期限に効力を有すること。いずれの締約国も、外交上の経路を通
じて他方の締約国に対し書面によりこの協定の終了の通告を行うことができ、この
場合には、この協定は、終了の通告が行われた月の後12カ月目の月の末日まで効
6
力を有すること(インド協定第29条1)。
(17) この協定が終了する場合には、この協定の下で取得された給付を受ける権利及び
給付の支払に関する権利は維持されること(インド協定第29条2)。
第2
1
インド協定における主な留意点
二重加入の防止の対象となる制度及び対象者
二重加入の防止の対象となる制度は、日本国及びインドについて年金制度のみであ
ること。また、二重加入の防止の対象となる者は、日本国及びインドについて被用者
のみであること。
2
二重加入の防止の規定
(1) 被用者の派遣に関し、当該被用者が一方の締約国の法令に基づく制度に加入し、
当該雇用主により当該一方の締約国の領域から他方の締約国の領域内において就
労するために派遣され、かつ、その派遣の期間が5年を超えるものと見込まれない
場合、当該一方の締約国の法令のみが適用されること。
(2) 予見できない事情など特別な事情による派遣期間の延長については、引き続き一
方の締約国の制度にのみ加入することについて両国で合意することができ、その場
合は3年を超えない範囲で認められること。
また、認められた延長期間以降においては、原則としては派遣先国の制度にのみ
加入することとなるが、インド年金制度の改正(平成26年9月:月収 15,000 ルピ
ーを超える外国人労働者等はインド年金制度のうち一時金の給付に係るもの以外
には加入することができないこととされたもの)により、インドで加入できる制度
が一時金の給付に係るもののみになる場合は、日本制度に継続して加入することが
できること。
3
年金加入期間の通算の規定
(1) インド協定による通算の対象となる給付は、老齢給付、障害給付及び遺族給付で
あること。
(2) インド協定による通算の対象となるインド年金制度は、1995 年の被用者年金制度
であること。
(3) インドの法令による年金給付の支給に当たって、インドの法令による年金給付の
受給資格要件を満たしていない場合には、インドの法令による保険期間と重複しな
7
い範囲において、日本国の保険期間を通算することができること。それでもなお、
インドの法令による年金給付の受給資格要件を満たさない場合、インドの法令によ
る脱退給付金を受給することができること。ただし、インドの法令による保険期間
が6カ月未満である場合には、当該脱退給付金を受給することができないこと。
なお、当該脱退給付を受けたインドの保険期間は日本法令による年金給付を受け
る保険期間に通算しないこと。
Ⅱ
改正特例政令及び改正特例省令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係
第1
1
改正特例政令による改正後の厚生年金保険法等の特例関係
被保険者の資格の特例
(1) 国民年金の被保険者の資格の取得及び喪失の特例
インド協定の年金制度適用調整規定によりインドの法令の規定の適用を受ける
者及びその者に随伴する配偶者又は子のうち次に掲げる者(国民年金の被保険者と
なることを希望し、国民年金法(昭和34年法律第141号)第12条第1項の規
定による国民年金の被保険者の資格の取得の届出をすることとなる者を除く。)に
ついては、国民年金の被保険者としないこと(特例法第7条第1項並びに特例政令
第11条及び第13条)。
ア
社会保障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たして
おり、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の家族滞在の在
留資格をもって日本に在留する者
イ
社会保障に関する協定の実施に関する日本国の法令に定める要件を満たして
おり、主として特例法第7条第1項第1号に該当する者の収入により生計を維持
する者
この生計を維持する者の認定は、国民年金法施行令(昭和34年政令第184
号)第4条の規定を準用すること。
(2) 国民年金の任意脱退に関する特例
国民年金の任意脱退の規定を適用するに当たって、インド協定に係る昭和17年
6月以後の相手国期間を国民年金の被保険者期間とみなすこととされたこと(特例
法第9条の2及び特例政令第21条第1項)。
(3) 厚生年金保険の加入の特例
厚生年金保険の加入の特例制度の対象となる社会保障協定について、インド協定
を追加することとされたこと(特例法第25条及び特例政令第50条)。
8
2
給付の支給要件等に関する特例
(1) 通算の対象期間
相手国期間のうち、インド協定にあっては昭和17年6月以後の期間を通算の対
象とすることとされたこと(特例法第10条、第11条第1項、第12条第1項、
第27条、第28条第1項、第29条第1項、第30条第1項及び第38条から第
40条並びに附則第4条、第5条、第6条、第9条、第10条、第11条第1項及
び第14条第1項。特例政令第22条第1項、第23条、第24条、第25条、第
56条第1項、第57条、第58条、第61条、第102条、第110条第4項、
第113条、第116条、第130条第3項、第131条第3項及び第6項、第1
32条並びに第137条第1項)。
(2) 特例法により支給される給付の計算方法
障害基礎年金、遺族基礎年金、障害厚生年金(障害者となった者の厚生年金被保
険者であった期間が300月未満の場合に限る。)及び遺族厚生年金(死亡した者の
厚生年金被保険者であった期間が300月未満の場合に限る。)並びに障害手当金等
の計算に用いる按分率について、インド協定については、公的年金被保険者である
ことが理論的に可能な期間に基づいて計算することとされたこと(特例法第13条、
第15条、第16条、第19条、第20条、第32条、第33条及び第38条から
第40条並びに附則第4条、第5条、第9条及び第10条。特例政令第32条、第
37条、第39条、第70条、第71条、第74条の2、第74条の3、第76条、
第84条、第104条、第107条、第118条、第122条及び第127条)。
第2
1
改正特例省令による改正後の国民年金法及び厚生年金保険法の特例関係
国民年金の被保険者に係る適用証明期間継続・延長申請書の記載事項
インド協定に係る適用証明期間継続・延長申請書に係る記載事項について、他の社
会保障協定に係る適用証明期間継続・延長申請書と共通する記載事項のほか、次の内
容を定めることとしたこと(特例省令第3条)。
(1) 収入を理由にインド年金制度に加入できない者にあっては、その旨
2
厚生年金保険の被保険者に係る適用証明期間継続・延長申請書の記載事項
インド協定に係る適用証明期間継続・延長申請書に係る記載事項について、他の社
会保障協定に係る適用証明期間継続・延長申請書と共通する記載事項のほか、次の内
9
容を定めることとしたこと(特例省令第7条)。
(1) 収入を理由にインド年金制度に加入できない者にあっては、その旨
Ⅲ
インド協定の実施事務における主な留意点
第1
適用に係る主な留意点
二重加入の防止のため適用証明書を発給する者は、被用者のみであること。また、
適用証明期間継続・延長申請書において、申請者の収入を理由に、インド年金制度に
加入することができない場合は、その旨を記載すること。
第2
給付に係る主な留意点
1 インドの法令による年金給付は、年金事務所で受け付ける際、口頭による申請がで
きないこと。
2 日本の実施機関においてインドの法令による一時金制度の申請ができること。
第3
その他
1
インド協定を実施するための様式については、別添のとおりであること。
2
インドの法令による年金等の申請書にはインドの事業主の証明(事業所が存在する
場合)及びインド印紙法に基づく印紙の貼付が必要であること。
Ⅳ
施行期日
改正特例政令及び改正特例省令は、インド協定の効力の発生の日(平成28年10月
1日)から施行することとされたこと。
この通知は、インド協定の効力の発生の日(平成28年10月1日)から適用するも
のであること。
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