資料92-1-1 動物性集合胚の取扱いに関する今後の検討内容について(案) 平 成 2 8 年 8 月 3 日 科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会 特定胚等研究専門委員会 1.作成目的について 動物性集合胚の作成目的については、特定胚等研究専門委員会動物性集合胚の取扱い に関する作業部会(以下、 「作業部会」という。)において、臨床用ヒト臓器の作成の他、 多能性幹細胞の分化能検証、非臨床モデル動物の作成について、科学的観点から他の研 究方法より優位性・意義があると整理されたところ。 これら目的について、倫理的・法的及び社会的観点から調査・検討する。 2.動物胎内への移植について 動物性集合胚の動物胎内への移植については、平成25年8月に示された総合科学技術 会議(現・総合科学技術・イノベーション会議)生命倫理専門調査会の見解「動物性集合 胚を用いた研究の取扱いについて」において、「人と動物との境界が曖昧となる個体を産 生することによって人の尊厳を損なうおそれのないよう、科学的合理性、社会的妥当性に 係る一定の要件を定め、それを満たす場合に限って、動物胎内への移植を認めることが適 当である。」とされている。 そこで、 「人と動物との境界が曖昧となる個体」とは何か、「人の尊厳を損なう」とは どのような場合か、について、倫理的・法的及び社会的観点から調査・検討する。 さらに、上記検討及び作業部会での科学的観点からの調査・検討の結果を踏まえ、「人 と動物との境界が曖昧となる個体の産生により人の尊厳を損なうおそれのない」研究内容 について、以下の事項を含めて総合的な見地に基づいた検討を行う。 (1)交雑個体に類する恐れがないと考えられる目的外の分化の程度 (2)作成する臓器(特に脳神経細胞・生殖細胞の作成の是非) (3)移植先の動物(特に霊長類の取扱い) (4)研究実施期間(例えば原始線条まで、胎仔まで、個体産生まで) 3.規制のあり方について 科学的合理性、社会的妥当性に係る一定要件の下、動物性集合胚の動物胎内への移植 を認め得るとした場合の国の関与のあり方について検討する。
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