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 生まれながらにして幸運な
指導者がいる。自ら幸運を作
り出す指導者もいる。そして
ロシアのプーチン大統領のよ
うに、幸運が転がり込んでく
る指導者もいる。最近の対外
的な出来事が同氏にどれほど
有利に働いているか考えてみ
たい。
米国には、国家の支援を受
けたロシアのハッカーが米民
米ユーラシア・グループ社長
和の一助となるとみら
氏の工作を巡る緊張緩
イナにおけるプーチン
対ロシア制裁とウクラ
決めたことは、欧米の
州連合︵EU︶離脱を
英国が国民投票で欧
楽しむだろう。
こす不安を心ゆくまで
た。エルドアン氏は死刑の復
ジャーナリストが拘束され
国内では数千人が逮捕され、
チン氏に有利に働く。トルコ
像上の敵も︶の弾圧も、プー
る国内の敵︵実際の敵も、想
受けたエルドアン大統領によ
トルコのクーデター未遂を
ことにもなる。
ーチン氏の主張を後押しする
しかし両国は、米国や欧州と
関係にある場合の方が多い。
ある。両政府は協力より競合
シアと中国の協力には限界が
招待した。トルコと同様、ロ
国はロシアを合同軍事演習に
られたことに激怒している中
に南シナ海を巡る主張を退け
べる理由がある。仲裁裁判所
中国もロシアに手を差し伸
し、それを利用して米大統領
政府が米国の機密情報を入手
部長はかつて、親ロシア派の
ている。同陣営の選挙対策本
O︶への関与を縮小するとし
は北大西洋条約機構︵NAT
てきたプーチン氏は、今年の
おってきたと長年疑念を抱い
連やロシアで政治的混乱をあ
だと考えている。米国が旧ソ
は当時のクリントン国務長官
対する抗議デモを扇動したの
標を持つ価値はないというプ
来欧州の一部になるという目
るだろう。ロシア国内で、将
主張が説得力を持つようにな
替になり得るというロシアの
崩壊の危険が高まるEUの代
ラシア関税同盟﹂が、やがて
る、プーチン氏主導の﹁ユー
的支援をするだろう。
るトルコに喜んで政治・経済
に重要なNATO加盟国であ
ている。プーチン氏は戦略的
は、すでにプーチン氏に傾い
不信感を抱くエルドアン氏
コ政府に対する欧米の意図に
るまない。欧米の批判とトル
ドアン氏はひ
するが、エル
イナスと警告
EU加盟にマ
圧はトルコの
利用しようとするだろう。
り、降って湧いたこの幸運を
動いており、同氏は可能な限
とがプーチン氏の思い通りに
し今のところ、さまざまなこ
できる友好国は少ない。しか
化は遅々として進まず、信頼
念の源泉となる。経済の近代
く、ロシアにとって長期的懸
が近く回復する見込みは薄
問題を抱えている。原油価格
ロシアは依然として多くの
うするだろう。
イアン・ブレマー氏
れる。
の関係が悪化した際にはお互
選を不正に操作するかもしれ
ウクライナのヤヌコビッチ前
米大統領選挙に自分が一役買
いを援護できるし、今後もそ
ないという不安の広がりにプ
大統領の下で働いていた。
っているという疑惑が引き起
欧州の首脳は、こうした弾
ロシア、ベラルーシ、 活にも言及している。
ーチン氏はほくそ笑んでいる
プーチン氏は2011年に
カザフスタンで構成す
に違いない。
モスクワで発生した自分に反
主党全国委員会や民主党の大
米共和党の大統領候補、不
は専門家に任せるが、ロシア
向きがある。その確認や反論
子メールを盗んだと非難する
トン前国務長官の陣営から電
動産王ドナルド・トランプ氏
統領候補、ヒラリー・クリン
I
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emme
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世界の政治リスク分析に
定評。ユーラシア・グループは米調査会
社。著書に「スーパーパワー――Gゼロ
時代のアメリカの選択」など。 歳。