次世代に残したい歴史的景観建造物の保全市には、養蚕農家や町屋などの家屋やこれらに付属する残したい景観本塀、門、蔵など文化財としては指定地域で長年親しまれてきた昔ながらの建物が織りなす風景はされていないものの、歴史と文化が息づく情緒豊かな建物が残されています。長年守られてきた建物はふるさとの風景を作り上げてきました。しかし古い建物は、管理や維持に多額の費用がかかることなどから、取だんだんと少なくなってきています。市は、次の世代に残したい貴重な建物の保全を支援するため﹁歴史的景観建造物登録制度﹂を設けています。今回号では、この制度を活用してり壊されることが少なくありません。次第に姿を消していき、いつし保全された建物の紹介と今年度の対象となる建造物の募集についてお知らせします。われたものは、二度と戻りません。そこで市は、独自の取り組みとして﹁歴史的景観建造物登録制度﹂を設け、貴重な景観資源を保全し、将残したい景観残したい景観来の市民に引き継ぐための支援を（3）高崎市役所☎ 027-321-1111 守りたい風守りたい風景行っています。建物の保全のため、対象は、個人が所有する住宅とそれらに付属する塀、門、蔵などの建造物で、次の①∼⑤の全てを満たす建造物です。 ①築 50 年以上を経過している②所有者に保全・活用する意思がある③良好な景観形成に寄与している④老朽化が著しくなく修復・活用が見込める⑤国・県・市の指定重要文化財や登録有形文化財、景観重要建造物になっていない該当する建造物で、景観的に価値があると認められれば「歴史的景観建造物」に登録されます。さらにその中で特に景観的価値の高いものは、「特定歴史的景観建造物」に認定されます。歴史的景観建造物建造物保全のための相談が無料で受けられます。特定歴史的景観建造物無料相談の他、建造物の修繕にかかった費用の助成が受けられます。助成額は、主に建造物の外観を修繕する工事にかかった費用の 3 分の 2 以内です（限度額 300 万円、市の予算の範囲内で助成）。登録の申し込みは、9 月 30 日㈮までに、所有者が指定の申込書に記入して、市役所 11 階景観室へ。申込書は同室と各支所地域振興課で配布する他、市ホームページからダウンロードもできます。 81 専門家による相談などを行うもの ■今年度の申し込みは 9 月 30 日㈮までで、これまでに件が歴史的景観建の人たちがカメラを向けてくれるなど周囲から注目してもらえるのでうれしいですね。壊してしまうのは簡単です。守っていき、次の代まで残していきたいと思います。軒下の縁台はまち歩きの人のために設置造物として登録されました。県外で暮らしていましたが、平成 17 年に戻ってきました。自分が生まれ育った家なので、昔のまま住みたいと手を入れました。古い家を維持するのは大変ですが、風が通って夏は涼しく過ごせるなどいい面もあります。昔はエアコンがありませんから工夫して設計されているんだなあと、改めて気が付くことも多いですよ。まち歩きか忘れ去られてしまいます。一度失次の代に受け継ぐことが私の役目問い合わせは、景観室︵☎３２１・１３５０︶へ。外壁を黒色に塗装し、下屋の瓦の葺き替えました歴史的景観建造物登録制度改修後旧中山道に沿って佇む、せがい造りの矢島家。建造は昭和 8 年ごろ。助成制度を利用し、母屋の壁と下屋、蔵の屋根、塀を改修。木製の塀は新しい木材に継いで改修を行った。登録されると、景観アドバイザーなどの専門家による無料相談が受けられます。さらに、登録された建物の中で、特に景観的価値が高いものは、﹁特定歴史的景観建造物﹂として認定します。この場合には、修繕費用の助成が受けられます。矢島滋樹邸（倉賀野町）守りたい風景改修前 ■登録・認定までの流れ建造物の所有者が申込書を提出（ 9月30日㈮まで）現地調査（聞き取り・写真撮影）景観審議会（意見聴取）歴史的景観建造物に登録 ●建造物保全のための相談サービス高橋泰子邸（新町）明治初期に建造された母屋と蔵。元は質屋だった場所に高橋さんの先々代が歯医者を開業。その面影が今も門に残っている。母屋は道路拡張のため、明治と昭和に 2 回曳家を行った。窓の格子などまだ使える素材は再利用し、改修。蔵は外壁を一部修復し、漆喰を塗り直した。改修後母屋の外壁を杉板に、蔵は漆喰の白壁に改修しました改修前特定歴史的景観建造物に認定 ●建造物保全のための相談サービス ●建造物の外観修繕の工事費用の助成（限度額300万円、市の予算の範囲内で助成） ※申し込みのあった建造物の全てを登録するものではありません雨戸の戸袋も外壁と同じ杉板に 2016．8．15（ 2016．8．15 （2）