2016年8月18日 (No.2,534) 〈マーケットレポートNo.4,961〉 鉄鉱石・石炭価格の動向 鉄鉱石、石炭価格とも回復基調 石炭、鉄鉱石とも上昇 中国の需給改善が背景 ■鉄鉱石、石炭などの市況が上昇基調に転じていま す。発電用燃料などに使われる石炭の価格は、4 月初めの安値から4割以上の上昇となっています。 また鉄鋼の主原料となる鉄鉱石の価格も、昨年末 の安値から5割以上の上昇となっています。 ■これら市況の上昇は、最大の消費国である中国の 景気対策期待と、生産能力削減の動きを背景と した需給関係の好転があると見られます。 (ドル/トン) 200 【鉄鉱石、石炭のスポット価格】 180 160 140 120 100 80 60 鉄鉱石 40 20 10/01 11/01 石炭 12/01 13/01 14/01 15/01 (注)データは2010年1月3日~2016年8月15日。 16/01 (年/月) (出所)Steel Index, ICE, CMEデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 中国で石炭の減産が進む 中国の生産がマイナスに ■石炭市況については、中国政府による鉱山の生産 能力削減や減産指導が特に大きな要因となってい ます。昨年末の中央経済工作会議で、中期的に 石炭鉱山の生産能力を5億トン(生産量の13% 相当)削減するほか、当面操業を年間330日から 276日に抑える目標も設定されました。この結果、 中国の生産が減少に転じ、在庫が減少してきました。 ■鉄鉱石に関しては、中国の経済対策期待の側面 が強いと思われます。景気刺激策の出現を期待し て、鋼材市況が好調なため、鉄鋼メーカーが原料の 手当てを活発化させている模様です。 ■石炭に関しては、市況上昇から中国では輸入の増 加が目立ってきていますが、需給バランスは良好で、 当面底堅い市況が予想されます。世界的に新規の 鉱山開発も限定的であり、供給増加による市況下 落のリスクは小さいと思われます。 (月) 1.2 港湾在庫(左軸) 在庫率(右軸) 3,000 0.9 2,000 0.6 1,000 0.3 0 10 石炭は底堅い値動きか 【中国の石炭港湾在庫】 (万トン) 4,000 11 12 13 14 15 0.0 16 (年) (注)データは2010年3月~2016年7月。在庫率は港湾在庫/火力発電量。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 ■一方、鉄鉱石に関しては、鋼材市況上昇に期待 先行の面があるうえ、豪州やブラジルなどの主要生 産国で大型鉄鉱石鉱山の増産計画があるなど、需 給実態は、予断を許さないため、上値はやや重いと 見られます。 2016年 8月17日 最近の指標から見る中国経済(2016年8月) 2016年 7月26日 原油価格の動向 足元は軟調だが下値は限定的と見られる ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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