極めて緩み難い二重ねじボルト締結体 の転造加工と性能評価 諏訪東京理科大学 機械システム工学科 竹増 光家 二重ねじボルト締結体とは パワーナット ロックナット パワーナットの接触断面 二重ねじボルト 一本のボルトにピッチの異なる ナットを締め込むことによって あらゆる振動衝撃にも緩まない 画期的なボルトナット。 ロックナットの接触断面 二重ねじボルト締結体の緩み止め原理 シングルねじ PLB(二重ねじ) 摩擦式ではなく,異なるピッチの二つのナットが 同時に回転移動できないことによる機械的ロック ねじの抱える問題点と二重ねじによる解決策 これまでの課題 •世の中に緩まないねじはない 激しい振動や衝撃を伴う場合 特に米国航空規格NAS3354で はほとんどのねじが緩む. •緩まなかった(摩擦力を強化 した)ねじや緩み止めナット は切削加工のため高価. •ねじ破損はゆるみが原因で大 事故を引き起こす可能性大. •割ピンや溶接では繰返し使用 は不可. •メンテは困難 転造二重ねじの特徴 •二重ねじ干渉効果(機械的)と 摩擦力とにより完全にロック 米国航空規格(3×104)の30倍 の長時間振動試験でも緩まな い. •市販のシングルねじと同様 一回の転造工程により量産で きるため安価. •プレペリントルクが要らないの で作業性も良く,繰返し使用で きメンテが容易. •強度は転造シングルねじと同 等かそれ以上. 二重ねじの製造法に関する特許証 二重ねじ転造ダイスの構造と加工手順 転造二重ねじダイスの加工法と精度評価 CNC複合旋盤による二重ねじダイスの加工 CNC複合加工旋盤によるPLBダイスの加工 並目加工 細目加工 各種ねじ転造法の二重ねじへの適用 二重ねじの転造工程と成形品 転造二重ねじとナットの嵌合状態 0゜ 位置 180゜ 位置 パワーナットとの嵌合状態 ロックナットとの嵌合状態 転造二重ねじと切削二重ねじの外観比較 0゜ 位置 90゜ 位置 180゜ 位置 転造二重ねじ 切削二重ねじ 各種ピッチ比の転造二重ねじ ピッチ比 2対1 ピッチ比 7対4 ピッチ比 7対5 米国航空規格NAS3354に基づく 衝撃振動緩み試験装置および条件 試験条件 Number of vibration 1,780 cpm Shaking stroke 11 mm Impact stroke 19 mm Number of impact Loosening test time 30,000 times 17 minutes 二重 ねじ NAS3354衝撃振動緩み試験結果 新振動緩み試験装置および試験条件 緩み試験条件 振動緩み試験機 振動時間 (sec) 30 振動周波数(Hz) 30 ナットの静的荷重(kg) 15.5 ウエイトの静的荷重(kg) 8.02 稼動点振動数 855 各種緩み試験片 二重ねじと衝撃振動緩み試験をクリアしている ナットA~Eを比較対象とする. 新緩み試験条件 試験1のナット締結条件 試験2 二重ねじB 二重ねじC 並目ナット 細目ナット 並目ナット 細目ナット 締め付けトルク [Nm] 10 30 44 22 ナット A~E 44 試験2のナット締結条件 二重ねじB 試験3 二重ねじC 軸力 17 [kN] ナット A ナット B ナット C 約17 ナット D ナット E 新緩み試験の結果 試験2結果 20 20 15 15 ボルト締結荷重[kN] ボルト締結荷重[kN] 試験1結果 10 5 二重ねじB 二重ねじC ナットA ナットB ナットC ナットD ナットE 0 -5 0 50 100 150 200 運転時間[sec] 250 10 二重ねじB 二重ねじC ナットA ナットB ナットC ナットD ナットE 5 0 300 350 -5 0 50 100 150 200 運転時間[sec] 250 300 350 動的疲労試験方法および条件 振動条件:平均応力σm230MPa 応力振幅σa160~60MPa 周波数 10Hz 終了条件:評価基準 2.5×106回 破断 動的疲労試験機 島津サーボパルサーEHF10 動的疲労試験結果 復興支援(二重ねじの適用候補) お問い合わせ先 信州大学 産学官連携推進本部 ナノテク・材料、IT分野コーディネータ 信州産学官連携機構(SIS)担当 宮 坂 秀 明 TEL 026-269-5622 FAX 026-269-5630 e-mail [email protected]
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