仕様書 - 量子科学技術研究開発機構

原型炉設計における接合技術及び検査技術
の基本仕様の設計検討
仕様書
平成28 年 8 月
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
核融合エネルギー研究開発部門六ヶ所核融合研究所
核融合炉システム研究開発部
核融合炉システム研究グループ
1.一般仕様
1.1
件名
原型炉設計における接合技術及び検査技術の基本仕様の設計検討
1.2
目的及び概要
本仕様書は、原型炉設計活動の一環として量子科学技術研究開発機構(以下、量研
機構という)にて実施される原型炉概念設計において、炉内機器の製作に適用可能な
接合技術と検査技術の基本仕様の技術検討の内容について記したものである。
核融合原型炉に固有の高い機能をもつ炉内機器においては、複雑な構造・形状とな
る部分での接合箇所における熱負荷や中性子負荷に対して、強度や健全性等への要求
が高くなる。特に、増殖ブランケットやダイバータ機器において、適用可能な接合技
術及び検査技術が明確でないと、機器の健全性を担保することができない。そのた
め、想定される接合部について、特に接合技術が困難な箇所を抽出し、接合部への健
全性要求が高い箇所を代表箇所として拡散接合技術を中心に接合技術と検査技術の基
本仕様の設計検討を実施する事を目的とする。
1.3 作業項目
1.3.1 代表接合箇所における接合技術と検査技術の基本仕様の検討として、以下の作業項目
を実施する。
(1)接合部に対する接合手法の検討
(2)機器形状と使用環境による接合技術の基本仕様の設計検討
(3)接合部の健全性確保の基本仕様の設計検討
(4)接合部の検査技術の基本仕様の設計検討
(5)接合技術及び検査技術の確立に必要な試験計画の検討
1.4
提出書類
受注者は、次表に定める書類を提出すること
書類
1.5
作業体制表
提出時期
契約締結後速やかに
部数
1部
確認
要
作業工程表
契約締結後速やかに
1部
要
委任または下請負届
作業開始 2 週間前までに
1部
要
(量研機構指定様式)
*下請負がある場合のみ提出
納入品
1) 設計作業報告書
2) 打合せ議事録
3) 電子媒体(CD 等)による報告書・議事録
1.6
納期
平成29年2月24日
1.7
納入場所
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
核融合エネルギー研究開発部門 六ヶ所核融合研究所
核融合炉システム研究開発部 核融合炉システム研究グループ
管理研究棟 核融合炉システム研究開発部室
2
3 部(原本、コピー2 部)
1部
1部
1.8
検収条件
受注者は第1.5項に示した納入物件の員数確認、及び設計作業報告書が本仕様書に定める
技術仕様を満足することを確認し、検収とする。
1.9
産業財産権等
(1) 技術情報の開示制限
受注者は、本契約を実施することによって得た技術情報を第三者に開示しようとす
るときは、予め書面による量研機構の承認を得なければならないものとする。量研機
構が本契約に関し、その目的を達成するため受注者の保有する技術情報を了知する必
要が生じた場合は、量研機構と受注者協議の上、決定するものとする。
1.10 機密保持
受注者は、本業務の実施にあたり、知り得た情報を厳重に管理し、本業務遂行以外の目
的で、受注者及び下請会社等の作業員を除く第三者への開示、提供を行ってはならない。
1.11 工業所有権の取り扱い
本設計作業により発生する工業所有権の取り扱いは、別に定める「産業財産権特約条項」
によるものとする。
1.12 グリーン購入法の推進
1) 本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)
に適用する環境物品(事務用品、OA機器等)が発生する場合は、これを採用するもの
とする。
2) 本仕様に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本方針に定め
る「紙類」の基準を満たしたものであること。
1.13 協議
本仕様書に記載されている事項及び本仕様書に記載のない事項について疑義が生じた
場合は、量研機構と協議のうえ、その決定に従うものとする。
3
2. 技術仕様
2.1
設計作業の概要
量研機構は「幅広いアプローチ (Broader Approach) 活動」のもとで、トカマク型核
融合原型炉の概念設計(核融合出力:1.5 GW、主半径8m程度)を進めている。増殖ブラ
ンケット、ダイバータに代表される炉内機器は、高温の炉心プラズマ維持、トリチウム
増殖、発電するための除熱や熱交換等の高い機能と、熱やプラズマの負荷、中性子照射
による厳しい環境での信頼性が要求される核融合炉に固有の機器である。また、保守時
には機器の放射化のため作業員や検査機械のアクセスが著しく制限される。
現在の機器設計では、機器の大まかな形状から接合部位を想定しているが、接合技術
にも対象部位に適合させる為の要求仕様がある。その為、現在想定している機器の接合
部位に対し、適合可能な接合技術と検査技術を想定し選択する必要がある。一方、主な
接合技術として想定される溶接では狭隘部や複雑な接合面に対する接合は難しく、健全
性確認のためには定期的な非破壊の検査が必要である。また、中性子照射の影響から、
重照射部での溶接継ぎ手は避けるべきであり、保守の観点からもその数は極力減らすべ
きである。その為には溶接以外の接合技術をその技術の利点を理解して積極的に採用し
ていく必要がある。
本作業では、量研機構にて抽出した溶接技術の適用が困難かつ接合部への健全性等の
要求が高い接合部に対して、適切な接合技術と検査技術の基本仕様の設計検討を実施す
る。また、類似する接合部位へ展開が出来るよう選択された接合技術、検査技術の設計
に反映すべき要求仕様についてまとめる。
2.2 設計作業項目
2.2.1 代表接合部を表 1 に示す。代表接合部は接合材料の種類(同種材、異種材)と接合部の
要求(構造強度、熱伝達)からカテゴリ分けを行い、要求が高い箇所の 8 種類(No1-1
〜No4-2)を選択した。表 1 示す 8 種類の接合箇所に対して、以下の(1)〜(5)項目に
示す接合技術と検査技術の基本仕様の検討を行う。本作業では、表 2 に示す最終報
告表フォーマット案の完成とそれに至る基本仕様の設計検討の結果報告をもって報
告書とする。
(1) 接合部に対する接合手法の検討
表 1 の 8 種類(No.1-1~4-2)に対して機器の形状と接合部に要求される機能と使用
環境(各運転状態に対する温度、応力、雰囲気、照射環境)は量研機構より提示する。
これら条件に適切な接合技術を選択する。接合技術の選択にあたり、継ぎ手形状は必
要に応じて再検討する。また、選択した接合技術の設計に反映すべき要求仕様につい
てまとめる。(具体的には、選択した接合技術の長所、短所、装置容量による制約、接
合可能な形状、その他特筆すべき事項。)
(2) 機器形状と使用環境による接合技術の基本仕様の設計検討
機器形状と使用環境(温度、応力、雰囲気、照射環境)から接合部への要求(熱、応
力)を検討し、接合部に求められる機械的性質、および熱特性から接合技術の基本仕
様を設計検討する。
接合技術の適合性を明らかにする上で必要となる機械的性質、熱特性については、過
去の試験結果、報告書、文献の調査を行うものとする。さらに、現状得られていない
試験項目については今後取得が必要な項目として抽出する。また、得られた情報を整
理し、今後の設計に反映すべき項目についてまとめる。(機械特性、熱特性及び形状、
その他特筆すべき事項。)
4
(3)接合部の健全性確保の基本仕様の設計検討
選択した接合技術の特性から予想される接合部の劣化モードを検討し、使用環境(温
度、応力、雰囲気、照射環境)における接合部の健全性を確保する基本仕様を設計検討
する。
健全性については、その健全性を明らかにする上で必要となる疲労特性、耐食性につ
いて、過去の試験結果、報告書、文献の調査を行うものとする。現状得られていない
項目については、今後取得が必要な項目として抽出する。また得られた情報を整理
し、設計に反映すべき項目についてまとめる。(具体的には、疲労特性、耐食性、及び
形状、その他特筆すべき事項。)
接合技術に HIP 等による拡散接合技術を適合する場合は、同種材接合では接合界面及
び周辺の応力集中部への影響、異材接合は接合面近傍での金属組織の変質等に注意す
る。また、中性子の照射影響や製作過程での母材への熱履歴についても注意し、基本
仕様を設計検討する。
(4)接合部の検査技術の基本仕様の設計検討
接合技術への要求から健全性を確認する非破壊検査技術とその適合性について基本仕
様の設計検討を行う。
適合性の基本仕様項目の抽出及び仕様検討は、その検査技術の適合性を明らかにする
上で各種非破壊検査技術にて検出可能な欠陥の種類や大きさについて検討を行うもの
とする。対象となる接合部に対する欠陥検出の有効性と、今後必要となる評価試験に
ついて抽出する。また、適合する検査技術から今後の設計に反映すべき項目について
まとめる。(具体的には,検査技術からの形状の要求、装置サイズ等の制約、その他特
筆すべき事項。)
(5)接合技術及び検査技術の確立に必要な試験計画の検討
概念仕様の設計結果を基に今後の設計詳細化に必要となる項目についてまとめ試験計
画を立案する。検査技術に関して検査工程の概念仕様の設計を行う。また今後の設計
に反映すべき項目についてまとめる。
検査工程についてはこれまでの概念設計情報から不足している項目については、今後
取得が必要な項目として抽出する。
以上
5
表 1.基本仕様の検討対象とする代表接合部
求
略
No
カテゴリ
1-1
①
同種材接合(
【構造強度】
2-1
代表項目
形態
接合部概
図
機能要
導体の支持(電磁力)
②
同種材接合(炭素鋼−炭素鋼)
【構造強度】
③
同種材接合(炭素鋼-炭素鋼)
【熱伝達】
ブランケットFWの矩形管流路、
矩形流路
気密性(加圧水)
2-2
②
同種材接合(炭素鋼−炭素鋼)
【構造強度】
③
同種材接合(炭素鋼-炭素鋼)
【熱伝達】
ダイバータカセット筐体の冷却水路、:複雑な接合面
2-3
②
同種材接合(炭素鋼−炭素鋼)
【構造強度】
配管とヘッダー部の
3‐1
④
⑤
3-2
④
4-1
⑤
4‐2
⑤
留
低温強度鋼のHIP拡散接合による 複雑な接合面
Fコイルラジアルプレート歩 まり
改善
-
)
ブランケットFWのWコート(F82H−
W)、
隘箇所
表面コーティング
配管の
材継ぎ手部(F82H−
機密性(加圧水)
表面コーティング
溶
異
異
材接合【構造強度】
構造体
筐体内流路
機密性(加圧水)
狭
狭
異異
材接合【構造強度】
材接合【熱伝達】
隘箇所
複雑な接合面
) 難
接材料
機密性(加圧水)
異
材接合【熱伝達】
ダイバータモノブロックと冷却管
(F82H−W)
熱伝達
ダイバータモノブロックと冷却管(Cu 複雑な接合面
合金-W)
熱伝達
異
複雑な接合面
材接合【熱伝達】
6
表 2.最終報告表フォーマット(案)1/2
7
表 2.最終報告表フォーマット(案)2/2
8