テクニクス SL-1200Gカタログ

Direct Drive Turntable System
SL-1200G
音 楽 は 、国 を 越 え て 、世 代 を 越 え て 、
人 の 心 を 揺 さ ぶり 続 け ま す 。
そし て 時 代 は い つ も 、
新し い 感 動 を 求 め て います 。
ま だ 経 験 し た こと の な い 音 と の 出 会 い 。
音 楽 を 愛 する す べ て の 人 に 、
再 び 心 ふるわ せ る 喜 び を 。
01 02
GRAND CLASS
SL-1200G
再 び、世 界 が まわり だ す
ノスタルジーではなく、真のアナログレコードの音を追求したい。
発売当時、画期的な高性能を実現したSP - 10のように、再び世界を驚かせたい。
これは、Technicsの新たな挑戦です。
自らが生み出したダイレクトドライブ方式を最新の技術を投入して磨き上げ、
その真価を再び世に問う。
Technicsのダイレクトドライブターンテーブルシステムの
新たなリファレンスとなるSL - 1200G。
アナログレコードの豊かな音で音楽と触れあうひとときを、
もう一度。
Direct Drive Turntable System
SL-1200G
03 04
GRAND CLASS
SL-1200G
Technicsが生み出した
ダイレクトドライブ方式ターンテーブルを、
自らがすべて一新して開発
Technicsが世界で初めて実 現した、
ダイレクトドライブ方式ターンテーブル。
それまでのターンテーブルの課 題となっていたS/ Nやワウ・フラッターを大幅に改善し、
高い性能と信頼性で話題となり、放 送局でも使用されるなど、多 大な実 績を残しました。
その性能や実績は現代でも色 褪 せることはなく、多くの愛用者に支えられています。
ダイレクトドライブ方式なら、
ターンテーブルの音をさらに高めることができる。
これはダイレクトドライブ方式の生みの親であるT e c hni c sのこだわりと自信です。
こうしてS L - 1200Gの開発は始まりました。
ダイレクトドライブ方式での課題となるコギングなどを解 決するため、最 新の技 術を投 入 。
新開発となったコアレス・ダイレクトドライブ・モーターをはじめ、
回転の制御も、ブルーレイディスクの制 御 技 術を盛り込み、その精 度を大 幅に高めました。
過去のダイレクトドライブ方式を、最 新 鋭のダイレクトドライブ方式で超えてゆく。
それは復 刻ではなく、革新。
現代のダイレクトドライブ方式ターンテーブルのリファレンスを再 定 義します。
05 06
GRAND CLASS
SL-1200G THE HISTORY OF TURNTABLE
ダイレクトドライブ方 式ターンテーブルのたゆまぬ進 化の歴 史 。そして、新たな時代へ
1970年、世界初のダイレクトドライブ方式ターンテーブル「SP - 10」が登場。
その性能に世界は驚き、放送局用プレーヤーとして採用されるなど、高い評価を獲得しました。
Technicsは、
ダイレクトドライブ方式をさらに普及させるため、
ロングセラーモデルとなる
「SL-1200(1972年)」などを次々に開発していきました。
そして新しい製品の開発に伴って、
ダイレクトドライブ方式はさらに進化を遂げていきます。
ダイレクトドライブ方式で重要になる回転制御回路に、水晶発振器を採用。
音質の向上はもちろん、信頼性を高めるための強靱なシャーシ構造の改良。微弱なアナログ信号の読み取り性能を高めるための、高感度なトーンアームの設計。
こうしたたゆまぬ進化を続けるなかで、
ベストセラーとなった「SL-1200MK2(1979年)」、
カッティングマシン用の強力なダイレクトドライブ・モーターを搭載した「SP - 10MK3(1981年)」など、
数々の名機が登場してきました。
そんなTechnicsのダイレクトドライブ方式ターンテーブルの歴史に、2016年、
「SL-1200G」が加わります。
Technicsのダイレクトドライブ方式ターンテーブルの新たな時代が始まりました。
ダイレクトドライブ方式ターンテーブルの技術進化とその歩み
1 9 7 0 年 、世 界 初のダイレクトドライブ
ダイレクトドライブ方式ターンテーブル
アナログターンテーブルの性能比較の
SP-10MK2と同じく水晶発振器を採用して
レコードジャケットサイズを実現したフル
方 式 を 採 用したターンテ ーブ ルで 、
をより広く普及させるためのモデル。
トーン
基準となる標準原器を目指して開発された
回転精度を高めたモデル。
フェーダー式
オートプレーヤー。
ダイレクトドライブ方式に
トーンアーム部を別売。優れた性能で
アーム一体型の筐体はさらにコンパクト
SP -10の後継機。水晶発振器の採用や
の回転数調整を新採用するなど、
ユーザー
加えて、
トーンアームはリニアトラッキングを
多くの愛好家を魅了し、
ダイレクトドライブ
化され、
より使いやすさも重視した設計
強力なモーターの搭載で回転精度を向上。
の声も採り入れた設計が行われ、
ロング
採用するなど、Technicsの優れた技術が
方式は世界を席巻。Technicsの躍進の
となっています。
世界中で高い評価を得ました。
セラーモデルとなりました。
数多く投入されたモデルです。
きっかけとなりました。
放送局にも使用されたダイレクトドライブ方式ターンテーブル
ダイレクトドライブ方式の性能の高さにいち早く注目したのが放送局です。
ワウ・フラッターが少なく音質に優れることはもちろん、高トルクな
モーターを使用したダイレクトドライブ方式は、再生開始のスピードが速く演奏を素早く始められることや、
メンテナンスの手間が少ない
信頼性の高さで数多くの放送局で活躍し、一般ユーザーの間にもダイレクトドライブ方式の優れた性能が知られるきっかけともなりました。
SP-10シリーズの第3世代機。
アナログ
ロングセラーを続けたSL-1200MK2の
SL-1200シリーズの第4世代機では、SP
スタ
SL-1200シリーズの第5世代機では、
S字形トーンアームの内部配線にOFC
レコードの原盤を製作するカッティング
改良モデルで、筐 体の色がブラックと
盤を再生するための78回転への対応や
イラスイルミネーションに白色系LEDを
(無酸素銅)
を採用した第6世代機。3層
マシン用の強力なブラシレスDCモーターの
なっているのが特徴。ボディ構造は一層
PHONO端子をケーブル着脱式とするなど
採用。上位機のSL- 1200MK5Gでは、
構造キャビネットなど、SL-1200シリーズ
搭載、約10kgもの超重量級ターンテー
の防振対策が施され、信頼性を高めると
の改良が施されました。
また、
トーンアーム
針飛びを軽減する水平荷重調整機構の
の特長を継承しています。
スタイラスイル
ブルの採用など、圧倒的な性能を誇った
ともに高音質化にも貢献しています。
内部の配線材をOFC(無酸素銅)
とする
採用や内部 配 線 材の変 更による音 質
ミネーションは青色LEDを採用しています。
など、
さらに高音質化を徹底しています。
改善が図られています。
モデルです。
アナログ盤逆風時代へ
累計約350万台を出荷したSL-1200シリーズ
1982年に登場したCDは驚異的なスピードで普及し、
わずか4年でアナログ盤の販売枚数を超えました。
しかし、
アナログ盤を
MK6まで世代を重ねたSL-1200シリーズは、累計で約350万台ものセールスを記録。
これは、
オーディオ愛 好 家だけの人 気
好むオーディオ愛好家も数多く、CDの音質が十分でないという声も出ていました。アナログ盤は根強い人気を保ち続け、人気
モデルであったSL-1200シリーズは多くの人にとってのスタンダードなターンテーブルとして、
好調なセールスを続けていきました。
ではなく、ダンスミュージックなどのDJ文化の普及でダイレクトドライブ方式ターンテーブルが人気だったことも理由の
ひとつです。SL-1200シリーズは、
さまざまなジャンルにわたって、
アナログレコード文化を支えていたのです。
07 08
GRAND CLASS
SL-1200G
TE CH NICA L IND E X
Direct Drive Motor
ターンテーブルの核となる
モーターを究める
Turntable Platter
安定した滑らかな回転のために、
剛性と振動減衰特性を追求
Tonearm
バランスウェイト
(針圧目盛リング)
素材を吟味し精度を高めることで、
アームロック
トレース性能を向上
アンチスケーティング調整
アーム高さ調整リング
アームレスト
トーンアームリフター
ピッチ範囲切換ボタン
Body & ,nsulator
ピッチアジャスト
あらゆる振動を遮断。
RESETボタン
美しい音を支える強靱な筐体
スタイラスイルミネーター
スピード切換ボタン
START・STOPボタン
ON/OFF(電源)
スイッチ/ストロボイルミネーター
EPレコード用アダプター
09 10
GRAND CLASS
SL-1200G DIRECT DRIVE MOTOR
安定した回転を実現する
Direct Drive Motor
コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを新開発
ターンテーブルの核となる
モーターを究める
しかし、モーターを低速で回転させ、
プラッターを直接駆動するダイレクトドライブ方式は、ベルトドライブ
今日のHi-Fi市場向けのアナログターンテーブルの駆動方式はベルトドライブ方式が主流となっています。
方式のように高速なモーターの回転を減速機構を介してプラッターに伝える構造を持たないため、
モーターの
振動や減速機構のメカノイズによるS/Nの劣化の問題がほとんどありません。
アナログターンテーブルとしての
性能においても、
ダイレクトドライブのS/N78dB、
ワウ・フラッター0.025%という性能は、一般的なベルトドライブ
方式に比べて圧倒的な優秀さを誇ります。
また、
ベルトなどの部品の定期的な交換が不要な信頼性の高さなど、
数々のメリットがあります。ただし、ダイレクトドライブ方式にも課題はあります。
それはコギングと呼ばれる
モーターの回転ムラの影響です。
モーターは、
回転子の永久磁石と固定子の電磁石との間に働く磁力を利用して
回転します。固定子の電磁石にコア
(鉄芯)
があると、永久磁石との位置関係が回転によって変化することで
磁力が不均一になり、
コギング
(回転ムラ)
が発生します。
Technicsでは、
SL-1200Gの開発にあたって、
ダイレクト
ドライブ・モーターの新開発が不可欠であると判断。
コギングの問題を解消し、振動の影響もさらに低減する。
こうして生まれたのが、新開発のコアレス・ダイレクトドライブ・モーターです。
これは、モーターを構成する
コイルからコアを排除したコアレスステーターを採用。
コアと磁石の間に吸引力が発生しないため磁力が不均一
にならず、理論上コギングの発生を排除しました。
ただしコアレス・モーターはそのままでは磁束密度を高める
ことが難しいため、容易に強いトルクが得られない難点があります。
このため、永久磁石を配置したローターは、
コアレスステーターを上下から挟んだ構造の面対向式ツインローターとしました。
従来のSL-1200MK6と比べて
およそ2倍の高トルクと軸受け荷重の低減などを実現しています。
さらに、回転軸となるシャフトと軸受け部は
クリアランスをSP-10MK2と同等以下にまで狭めて、回転中の微小振動の低減を徹底しました。
このほか、
オイル含浸軸受けを採用することで長期にわたって高い性能を維持できます。
優れた性能に加えて、
メンテナンス
フリーで長く愛用できる信頼性を兼ね備えました。
面対向式ツインローター
コアレスステーター
(固定子)
オイル含浸軸受け構造のスピンドル
最適な回転状態を実現する
高精度なモーター制御
回転の精度検証・補正を行うモーターの
回転制御には、
ブルーレイディスク機器の
開発で培った最新のモーター制御技術を
応用しました。
モーターは起動時など強い
トルクが必要な区間と、速度が定速に達し
慣性回転を利用する区間とで、異なる駆動
モードに切り換えて一定の速度を保ちます。
動作状態に合わせ精密な切り換えを行う
ことで強いトルクと高安定性を実現しました。
SL-1200MK6のモーター制御と比べて、
基準クロックの精度をおよそ3倍に高精度化
し、正確な回転位置の検出と合わせて、
より
正確な回転制御が可能になりました。
SL-1200Gの電気回路部
回転速度を高精度に検出する
ハイブリッドエンコーダー
モーターの回転制御には、回転数を高精度に検出する仕組みも欠かせません。
コアレス・ダイレクトドライブ・
モーターでは、ニッケルと銅のクラッド材料を用いてエッチングで生成した高精度なスリットを持つ光学式
エンコーダーによって高精度に回転数の検出を行います。
さらにコイル駆動信号の発生には、従来用いていた
電磁カップリング方式に代えてマイコンのROMテーブルを用いる方式に変更し高精度化を実現。
また、
エンコーダーのスリットの加工精度のバラつきを学習する機能により、
さらに正確な回転を実現しています。
ローター磁石
(上側)
コアレスステーター
(固定子)
ローター磁石
(下側)
オイル含浸軸受け構造のスピンドル
ステーターフレーム
回転速度検出のためのハイブリッドエンコーダー
ハイブリッドエンコーダー
エンコーダーのスリット加工
11 12
GRAND CLASS
SL-1200G TURNTABLE PLATTER
Turntable Platter
安定した滑らかな回転のために、
剛性と振動減衰特性を追求
わずかな振動やノイズの原因を除去する、
精密なバランス調整
プラッターの質量に不均一な偏りがあると回転時に余分な振動やノイズが発生し、
音質劣化の原因となります。
そのため、新幹線の車輪などの製造工程に用いられるバランス調整機をこのプラッター専用にカスタマイズ
して使用。一品一品回転バランスを精密に調整しています。調整を完了したプラッターにはバランス調整済み
を示す「BALANCED」のシールを貼り付けています。滑らかで安 定した回転を実 現するため、徹 底した
作り込みを行いました。
3層構造を採用した
重量級ターンテーブルプラッター
SL-1200Gのターンテーブルは、
アルミダイカストと真鍮製のウェイトを強固に一体化し、不要共振を排除する
デッドニングラバーを裏面全体に貼り付けた3層構造として、高い剛性と優れた振動減衰特性を実現しました。
総重量は従来のSL-1200MK6比で2倍以上となる3.6kgとなり、放送局用としても使われたSP-10MK2を上回る
慣性質量を実現しました。
バランス調整済みを示す
「BALANCED」
シール
プラッターの面ブレが規定値内にあることを全数測定して検査
減衰特性グラフ
真鍮
デッドニングラバー
アルミダイカスト
赤線:SL-1200G 青線:SL-1200MK6
33 1/3、
45回転に加え、
78回転も選択可能
SL-1200Gは、
アナログレコードのLP盤(33 1/3回転)、EP盤(45回転)
だけ
バランス調整機
バランス調整機
でなく、
SP盤
(78回転)
も選択でき、
ピッチコントローラーと合わせてさまざまな
レコード盤の再生が楽しめます。
回転数の切り換えは、
ボディにあるスピード
切換ボタンの
「33」
と
「45」
のボタンを同時押しすることで78回転となります。
スピード切換ボタン
13 14
GRAND CLASS
SL-1200G TONEARM
Tonearm
素材を吟味し精度を高めることで、
トレース性能を向上
高精度に盤面をトレースする
盤面との高さを精密に合わせる
マグネシウム製トーンアーム
トーンアーム高さ調整機構
レコード盤の回転に追従し高精度な信号読み取りを可能にするトーンアームは、Technicsで伝統的に採用
SL-1200Gでは、
カートリッジやターンテーブルシート
されてきたスタティックバランス型のユニバーサルS字形トーンアームを継承しています。SL-1200Gでは、
トーン
の変更に応じて、最大6mmのトーンアーム高さ調整
アームパイプの素材として、
より軽量で高減衰特性を持つマグネシウムを採用。冷間引抜加工を行うことで、
ができます。
トーンアームのベース部分には硬度の高い
より一層の材料特性の向上と高い寸法精度を実現しました。
トーンアーム接続部
トーンアーム高さ
調整機構
真鍮を使用し、調整のためのネジの溝を6組刻んで
います。6つの溝でトーンアームを支えるため、
トーン
アームのガタつきを排 除 。高 精 度の高さ調 整が
行えます。
トーンアームベース
トーンアーム架台部分を
組み立てた状態
トーンアームとジンバルサスペンション
トーンアームの動きを妨げず、
さまざまなカートリッジに対応できる
安定して支えるジンバルサスペンション
補助ウェイトを付属
トーンアームの支持は、水平回転軸と垂直回転軸の
音楽のジャンルや、気分に応じてカートリッジを交換
PHONOアース端子には真鍮削り出し材に金メッキ加工を施した端子を使いました。
このほか、AC入力端子は着脱可能な
軸心が一点で交差するTechnics伝統のジンバルサス
して、音の違いを楽しむことはアナログ再生ならでは
インレットタイプとし、電源コードのグレードアップも可能です。
トーンアーム下部にある出力端子部のケース内は外来ノイズの影響を防ぐ金属シールド構造を採用。PHONO出力端子、
ペンション構造を採用。
トーンアーム軸受け部には、
補助ウェイトを2種付属。
の楽しみです。
SL-1200Gでは、
切削加工のハウジングを使用した高精度ベアリングを
カートリッジ質量5.6∼12g*まで対応するバランス
採用。
熟練した日本の職人の
ウェイトに追加することで、
補助
手で組み立て・調整を行う
ウェイト小で10∼1 6 . 4 g * 、
ことで、5mg以下という高 い
補 助ウェイト大で 1 4 . 3 ∼
初 動 感 度を実 現 。レコード
19.8g*までのカートリッジに
盤に刻まれた溝を正 確に
対応可能。
より多くのカート
トレースします。
リッジに対応いたします。
高精度ベアリング
*付属ヘッドシェル含まず
純度の高い信号伝送のための真鍮削り出しPHONO端子
真鍮削り出しPHONO端子
AC入力端子
(着脱可能なインレットタイプ)
補助ウェイト
15 16
GRAND CLASS
SL-1200G BODY & INSULATOR
Body & ,nsulator
あらゆる振動を遮断。
美しい音を支える強靱な筐体
耐振性と高剛性を実現した
4層構造の筐体
アナログターンテーブルは、外部から伝わるわずかな振動さえもノイズとなって再生音を濁らせてしまう原因に
なります。
そのため、
アナログターンテーブルの筐体設計では、耐振性と高剛性を高いレベルで実現すること
が何よりも重要です。SL-1200Gでは、従来のSL-1200MK6が採用していた重量級ゴムベース、BMC(バルク・
モールディング・コンパウンド)
シャーシ、
アルミダイカストシャーシによる3層構造に加え、10mm厚のアルミ
トップパネルを加えた4層構造を採用し、高い剛性を確保しています。
アルミダイカストシャーシ
アルミダイカストシャーシ
重量級ゴムベース
BMCシャーシ
重量級ゴムベース
高剛性と質感の高い仕上がりを
兼ね備えた10mm厚アルミトップパネル
アルミトップパネルは、
耐振性の向上、
高剛性化に貢献
します。
また、
無垢のアルミ板を一枚一枚切削加工し、
ヘアライン加工を施しました。筐体としての性能向上
だけでなく、使うほどに愛着の湧く高品位な質感に
仕上げています。
BMCシャーシ
アルミトップパネル
外来振動を遮断する
高減衰シリコン採用インシュレーター
SL-1200Gでは、高い振動減衰特性と長期の信頼性を兼ね備えた特殊シリコンラバーを採用。
マイクロセル
ポリマーによる円筒形のチューブで補強することで横方向の振動を吸収します。
これらのパーツが高比重の
亜鉛ダイカスト製のハウジングに収められた構造となる、専用のインシュレーターを新開発しました。
また、
インシュレーターの取り付け部分にはネジ式の水平調整機構を備えます。
ターンテーブルをラックなどへ
設 置したときに生じるガタつきをなくし、不 要な振 動の発 生を防ぎます。さらに、水平調整機構によって
プラッターや盤面の水平度を厳密に調整することで、
傾きによる回転ムラの発生をなくし、
より安定したレコード
再生が可能になります。
高剛性一体加工ボルト
シリコンラバー
チューブ
ハウジング
フェルト
アルミトップパネル
アルミダイカストシャーシ
BMCシャーシ
重量級ゴムベース
インシュレーター
17 18
GRAND CLASS
SL-1200G CRAFTSMANSHIP
技
Made in Japan
日本で生まれたT echnicsの「こだわり」
最 新 の 技 術と伝 統 の 技 を 融 合し 、
タ ー ン テ ー ブ ル シ ス テ ム を 新 た に 生 み 出し た 作 り手 たち
19 20
技術を究め、
性能を高めていくTechnicsの「こだわり」。それは音と形に現れる
理想を追い求め、アナログ再生の音の良さを引き出す。
磨き上げられた技術と職人の想いが、SL-1200Gには込められている。
技
Made
in
Japan
パーツの開発、設計、生産、組み立てに至るまで
測定によって全数チェックを行い、高い精度で質を
高い精度の
「ものづくり」
に挑んだSL-1200G
揃えています。そのほかにも、アルミダイカストを
切削して作るプラッターは、機械による高精度な
アナログレコード全盛の時代から、
ダイレクトドライブ
切削と3D測定で精密に仕上げていますし、回転数
方式のSL-1200シリーズが世界中で支持され、長い
を目視で確認するためのストロボパターンも、
回転時
間 生 産を続けられたのは 、優 れた基 本 設 計が
のムラが出ないようにチェックしているほどです。
あったからです。
その設計を軸に、
デジタルが主流と
さらには、
ダイナミックバランスの調整では、新幹線
なった現在のオーディオ環境に適したターンテーブル
の車輪や工作機械の駆動部分など、精密な回転が
を新たに開発するのは、極めて困難なものでした。
厳しく要求される機器と同等の調整機を使っています。
特に現在の技術でさらなる進化を果たしたダイレクト
こうしてあらゆる面での精度の高さがSL-1200Gの
ドライブ・モーターは、
当時を知る先達の技術者の
性能を高めているのです。
力も借り、総力を結集して誕生したものです。
こうした精度の追求は、
コストや手間を度外視して
生産される高級オーディオ機器と比べてもはるかに
性能を高めるためのTechnicsのこだわりは、新設計
のモーターの開発や最新技術を応用した回転制御
だけでは十分ではありません。求めたのは、
あらゆる
面での
「精度の高さ」
です。
アナログレコード再生の仕組みは極めてシンプル
なので、
あらゆる部分での機械的な精度の高さが
音質に直結します。わずかな振動や回転制御の
乱れは音源のピッチを変えてしまい、忠実な音の
再現ではなくなります。
そのため、
回転数を検出する
精度にもこだわりました。エンコーダーのスリット
厳格で、常識を超えたレベルです。過剰品質と思わ
その補正をして
幅のバラつきは1台1台検査して、
れるかもしれませんが、決して無意味なこだわりで
いるほどです。
はありません。機械的な精度が高いほど、電気回路
組み立てにおいても、
徹底して精度を追求しています。
による補正は最小限で済みます。
それはSL-1200G
多くの大量生産品は機械による組み立てですが、
のS/Nの良さに現れています。徹底してこだわって
SL-1200Gは、パーツの組み立てや調整を熟練の
いくことで、必ずその成果が音に現れると信じて、
職人が手作業で行っています。職人による手作業
「精度の高さ」
を追求しています。
は高い精度での組み立てができる反面、機械と
これまでの経験とノウハウに、
最新の技術、
熟練の職人
違い、個々の質にはバラつきが生じます。Technics
による手作業、
そして精密な調整を繰り返し、
「精度
の組み立ては、
そのバラつきをなくすために精密な
の高さ」
にこだわったSL-1200Gが完成したのです。
日本の技術者や職人たちの
丁寧な
「ものづくり」
が生み出す美しさ
トーンアームやプラッターなど、SL-1200Gの部品は
日本各地にある卓越した技術を持つ工場で生産
されています。最終的な組み立てと細かな調整は、
宇都宮にある自社工場で行われ、
そこで完成した
高い精度と性能を持った製品が、世界各地へと
人と技術のつながりが、SL-1200Gを生み出した。
出荷されていきます。
音楽を楽しむ道具としてずっと愛用してほしい
SL-1200Gは、最新の技術を結集しただけでなく、
かつてのTechnicsを支えた技術者や職人が再び
手軽に楽しめるデジタル音楽再生が普及した現代に、
結 集して完 成 することができました。例えば 、
あえて手間のかかるアナログレコード再生を楽しむ。
SL-1200Gのトーンアームにはマグネシウムが使わ
そんなユーザーのこだわりに応え、アナログなら
れています。軽量で強度が高く材質としては優れて
ではの音の良さを伝えるために、S L - 1 2 0 0 Gは
いますが、加工が非常に難しい素材です。
その難問
生まれました。
を最先端の加工技術を採り入れて解決。調整が
かつて世界中で発売されていたSL-1200シリーズを、
難しく組み立てが困難であるといった問題点も
当時はできなかったレベルまで進化させたSL-1200G。
熟練した技術者たちのかつての経験を活かした
先達の技術者から伝えられた貴重な経験やノウハウ
独自の方法の発案により乗り越えることができました。
と、最新鋭の技術との融合。
それを可能にした人と
緻密で丁寧な
「ものづくり」
は、優れた性能や美しさ
人とのつながりがあってこそ、完成することができた
に加え、かけがえのない価値を創出します。長く
製品です。
こうした技術と人が結集できたことは
大切に愛用できる信頼性です。SP-10シリーズ、
大きな喜びです。Technicsには昔も今も自らの技術
SL-1200シリーズには、
今でも熱心な愛好家が世界中
に自信を持った人がたくさんおり、
そんな人たちが
にいます。今もなお現役で使われているモデルも
製品を生み出しています。そうした人々の技術と
少なくありません。
もちろん、SL-1200Gもそれらと
こだわりを、ぜひともその目で見て、手で触れて、
同じく高い信頼性を受け継いでいます。
音を聴いて、実際に体感していただき、末永く愛用
日本人の
「ものづくり」
は、美しさ に通じています。
していただきたいと思います。
日本刀や茶碗は、道具としての当初の用途を超え、
現在ではその「ものづくり」
により、美術品としての
SL-1200Gは、
これまでTechnicsのターンテーブルを
価値を認められています。Technicsのこだわりも
愛用いただいたファン、
これからアナログレコード再生
それに通じるものがあります。その製品には高い
を楽しむ新たなファン、
そして音楽を愛するすべての
技術を超えた美しさが宿っているのです。
人へのTechnicsからの誠意ある答えなのです。
GRAND CLASS
SL-1200G DESIGN
細 部にまでこだわった作りが音 楽を聴く歓びを高めます
ターンテーブル、
トーンアーム、操作ボタン類を歴代のSL-1200シリーズを踏襲して配置。
これは、
かつてSL-1200
シリーズを使用していたユーザーが当時の感覚のまま、
自然にお使いいただけることを目指したもの。
かつての感覚
のままにSL-1200Gに触れたとき、懐かしさを覚えると同時に、
ターンテーブルの精密かつ安定した回転や、
トーン
アームの軽やかな動き、細部にまで息づく精密感に気付くことでしょう。
それこそが、SL-1200Gの進化の証なのです。
23 24
GRAND CLASS
SL-1200G PRODUCTS INFORMATION
Grand Class
SL-1200G
ダイレクトドライブターンテーブルシステム
メーカー希望小売価格 330,000円
(税抜)
■「コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」で安定した回転と振動低減を実現
■高精度に盤面をトレースするマグネシウム製トーンアーム採用
■3層構造プラッターや4層構造の筐体による徹底した耐振動構造
Grand Class
SU-G30
ネットワークオーディオアンプ
メーカー希望小売価格 400,000円
(税抜)
■ハイレゾ音源対応のHi-Fiネットワークオーディオアンプ
■プレーヤーとアンプを一体化し、
フルデジタル信号処理
■JENO Engine、GaN-FET Driverなど、Technicsのデジタル技術を結集
「SU-G30」について、詳しくはホームページ
http://jp.technics.com/products/g30/networkaudioamplifier/ をご覧ください。
Premium Class
SB- C700
スピーカーシステム
メーカー希望小売価格 158,000円(税抜)2本
■理想的な点音源とリニアフェーズ再生を実現
■正確かつ応答性に優れた低域と精緻で美しい高音域を再生
■不要な共振や音の回折を排除したキャビネット
「SB-C700」について、詳しくはホームページ
http://jp.technics.com/products/c700/speaker/ をご覧ください。
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GRAND CLASS
SL-1200G SPECIFICATION & INFORMATION
Grand Class
SL-1200G
ダイレクトドライブターンテーブルシステム
メーカー希望小売価格 330,000円(税抜)
「サウンド」
●カートリッジは本体に付属されていません。
「コアレス・ダイレクト
ドライブモーター」
トーンアーム部
総合
電源
AC100V 50/60Hz
形式
ユニバーサルS字形トーンアーム スタティックバランス型
消費電力
12W(電源オン時)0.2W(電源オフ時)
アーム有効長
230mm
外形寸法
幅453mm 高さ173mm 奥行372mm
オーバーハング
15mm
質量
約18.0kg
カラー
-S(シルバー)
トラッキング
エラー角
(30cmレコード外周)
+2 32′
(30cmレコード内周)
+0 32′
オフセット角
22
形式
ダイレクトドライブターンテーブルシステム
(マニュアル)
アーム高さ調整範囲
0∼6mm
駆動方式
ダイレクトドライブ
針圧調整範囲
0∼4g(針圧直読式)
駆動モーター
ブラシレスDCモーター
シェル質量
約7.6g
ターンテーブル
アルミダイカスト・真鍮一体型
適用カートリッジ質量
補助ウェイトなし/5.6∼12.0g
ターンテーブル部
回転数
回転数調整範囲
「アナログレコード
プレーヤー」
(30万円以上)
直径: 332mm
14.3∼20.7g(ヘッドシェル含む)
質量: 約3.6kg(ゴムシート含む)
補助ウェイト小使用時/10.0∼16.4g
33 1/3、45、78 r/min
18.7∼25.1g(ヘッドシェル含む)
補助ウェイト大使用時/14.3∼19.8g
8%、 16%
起動トルク
3.3kg・cm
起動特性
0.7s(33 1/3 r/min時)
カートリッジ取付寸法
23.0∼28.5g(ヘッドシェル含む)
JIS規格12.7mm(1/2インチ)取付間隔
ブレーキ機構
電子ブレーキ
シェル端子ラグ
1.2mmφ 4ピン端子ラグ
ワウ・フラッター
0.025% W.R.M.S.(JIS C5521)
付属品
ターンテーブル 1、
ターンテーブルシート 1、
ダストカバー 1、
SN比
(ランブル)
78dB(IEC 98A weighted)
バランスウェイト 1、補助ウェイト 小 1、
EPレコード用アダプター 1、
シェル 1、
オーバーハングゲージ 1、
補助ウェイト 大 1、
カートリッジ取付ねじ
(1セット) 1、PHONOケーブル 1、PHONOアース線 1、
ターンテーブル取付ねじ
(1セット) 1
電源コード 1、
試聴会場のご案内
Technics製品試聴ルームを常 設しています。S L-1200 Gをご試 聴いただけます。
パナソニックセンター大 阪
住 所:大 阪 府 大 阪 市 北 区 大深 町4 番 20 号グランフロント大 阪
南 館2階 ∼ 地 下 1階 T E L:0 6- 6 3 7 7- 17 0 0
ご 試 聴 には 予 約 が 必 要 です。
詳しくはこちらをご 覧ください。
●写真は3Dイメージです。実際の配置とは異なります。
パナソニックセンター東 京
住 所:東 京 都 江 東 区 有 明 3 丁目5 番 1 号
T E L:0 3 - 3 5 9 9 - 2 6 0 0
ご 試 聴 には 予 約 が 必 要 です。
詳しくはこちらをご 覧ください。
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〒140-0002 東京都品川区東品川 1-39-9
●このカタログの記載内容は2016年8月1日現在のものです。
●掲載の商品は改善のため予告なく仕様・設計・外観・デザイン・価格等の変更を行う場合があります。
●掲載の製品の写真と実際の色は撮影や印刷の条件等により異なる場合があります。
technics.jp
R-JJCT12G1