御 挨 拶 - 東京都立永福学園

御
挨
平成 28 年4月
拶
東京都立永福学園校長
朝日 滋也
本校のホームページを御覧くださり、ありがとうございます。
本校は、東京都特別支援教育推進計画(第一次実施計画)に基づいて建てられた新しいタ
イプの特別支援学校です。知的障害が軽い生徒全員の企業就労を目指す高等部就業技術科
と、肢体不自由教育小学部・中学部・高等部普通科とで構成されています。
お陰様で、平成 28 年度に開校 10 周年を迎えることができ、7 月 16 日(土)には、両部
門合同で、開校 10 周年記念式典を挙行いたします。これまで本校の歩みを支えてくださっ
た方々に深謝するとともに、本校を卒業した皆さんには、母校を誇りとして、もっている
良さを一層伸ばして、活躍されますことを期待しております。
永福学園は、今後とも学校建学の目的、理念を実現するため、教職員一同、誠心誠意努め
てまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【高等部就業技術科】
就業技術科は、全都域を通学区域とし、1学年 100 人の定員制で平成 19 年 4 月に開校
しました。これまで 7 期の卒業生を輩出しましたが、卒業時の企業就労率は、平均95%
を達成することができました。
また、
卒業生の職場定着率も 9 割を維持しています。1 期生、
2期生は就職して 5,6 年が経ち、20 台も半ばに入りました。中にはフォークリフトの免
許を取得したり、調理師の資格取得に挑戦したりする卒業生もいます。卒業生の活躍は、
後輩の現場実習先の確保や採用にも大きな力となっています。この春の卒業生が就職した
企業のうち 6 割は、これまで永福学園の生徒を採用した経験のある企業です。
就業技術科のカリキュラム(教育課程)は、自立して
社会に貢献できる人になることを目標に、職業に関する
技術や知識を身に付けること、更に働くことの意義や働
き続けるための態度や体力を着実に身に付けられるよう、
特色ある教育課程を編成しています。
国語や数学、英語などの各教科別の学習と、職業に関
する専門教科を、3 年間を通して学びます。
職業に関する教科では、「ビルクリーニング」「ロジ
スティクス」「食品」「福祉」の4つのコースを設置し、
卒業後の雇用現場を模した実習室(ロジスティクス倉
庫・作業場や厨房、カフェ等)で働くことの実際を学習
します。最近では、パソコン入力や社内メールを扱うなどの事務的な仕事で企業に採用さ
れることが増えていることから、「事務・情報」に関する部門も特設して学べるようにし
ました。平成 28 年の秋にはこれまでの実習室を「オフィスルーム」として改修し、より企
業に近い形で学習できるよう整備してまいります。
1 年生は、4 つのコース(5つの内容)をローテーションですべて経験し、2 年生以降は、
自分の特性にあった系列、コースに分かれて学習します。生徒一人一人が社会人・職業人
として必要とされるマナーや態度、コミュニケーション能力等が適切に習得できるように、
企業等から市民講師(9人)と就労支援アドバイザー(3人)を招いています。
また、自分の特性を理解し、学校生活や友人関係の悩みなどに専門的な立場からアドバ
イスをいただけるよう、臨床発達心理士(4人)が定期的に来校し、相談にも応じてくだ
さいます。
卒業後も、職場に定着し社会人として豊かな生活を送ることができるよう、就職先の企
業訪問や卒業した同期生が集まる機会を設定するなどの支援も行っています。
就業技術科へ入学を希望される方は、「入学者選考」に応募し、「適性検査」と「面接」
を受けていただくことになります。入学者募集要項は例年 5 月末までには公表され、都教
育委員会のホームページにも掲載されます。また、6 月以降、職業学科の合同説明会や本校
における学科説明会(本校ホームページに予定の申込み方法を記載)で詳しく説明させて
いただきますので、御来校をお待ちしています。
なお、「適性検査の出題方針」及び「適性検査の内容例」について、都教育委員会のホ
ームページに掲載されていますので、本校を希望される方は、どうぞ御覧ください。
<参考> http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/tokushi_tekiseikensa.htm
【肢体不自由教育部門】
通学区域を杉並区、中野区、新宿区として、平成 21 年 4 月に開校しました。
新宿区は、区立新宿養護学校に小・中学部がありますので、本校では高等部の生徒を受
け入れています。開校当初は 65 名でしたが、児童・生徒数は徐々に増え、今年度は開校当
初の約 1.8 倍に当たる 114 名になっています。スクールバスの台数も増え、現在、中型 13
台が配車されています。
肢体不自由教育部門では、小・中学校、高等学校に準じて教科指導等を行う教育課程の
ほか、障害が重度、あるいは重複している児童・生徒に対しては、障害の状況に応じた特
別の教育課程を編成し、指導内容・方法の工夫・改善に努めています。また、通学が困難
な児童・生徒に対しては、訪問学級の担任が、家庭や入院先の病院へ訪問し、授業を行っ
ています。
本校の肢体不自由教育部門は、「安心・協働・伸長」のある学校の実現をテーマに掲げ、
教員と共に 23 名の学校介護職員とが協働し、教育活動の充実に努めています。医療的ケア
が必要な児童・生徒も在籍していますので、2 名の常勤看護師に加え、非常勤看護師(今年
度は 14 名)を中心に、一部の医療的ケアについては、研修を修了した教員と学校介護職員
も実施しています。
肢体不自由教育部門に在籍する児童・生
徒には、様々なニーズがあります。特に、
身体の動きやコミュニケーションの力を
高めるため、自立活動の時間を設定し、理
学療法士(PT)や作業療法士(OT)な
どの外部専門家と連携して、個人プログラ
ムを作成し、指導にあたっています。さら
に、音楽療法士を招いて、音楽による豊か
な表現活動を通して、コミュニケーション
の力の育成にも努めています。
自立活動室
小・中学部においては、杉並区・中野区の小・中学校の御理解と御協力をいただきなが
ら、副籍制度による交流の実績も積み上げられてきました。
また、日々の授業の更なる充実を目指して、校内研究にも取り組むとともに、今年度は「生
きる力をはぐくむ歯・口の健康づくり推進校」(日本学校歯科医会)、「オリンピック・
パラリンピック教育推進校」(都教育委員会)の指定を受け、教育内容の充実を図ってい
ます。具体的には、スポーツ競技部を設置し、陸上・ボッチャ・ハンドサッカーなどの大
会に参加して、社会参加の幅を広げています。
学校卒業後の豊かな社会生活、地域生活を目指し、杉並区、中野区、新宿区の福祉、医
療等の関係諸機関、並びに肢体不自由児者父母の会の皆様との連携を図りながら、児童・
生徒一人一人のニーズに応じた進路指導にも積極的に進めてまいります。
今後、肢体不自由教育部門の部門公開、入学相談等については、ホームページ等を通じ
て御案内いたしますが、見学等を御希望される場合は、肢体不自由教育部門の副校長又は
特別支援教育コーディネーターまで、お問い合わせください。
都立永福学園は、高等部就業技術科と肢体不自由教育部門がそれぞれ先駆的な目的と役
割が与えられた、全く新しいタイプの学校です。
開校から 10 年の節目を迎え、平成 28 年度には開校 10 周年記念行事を行います。
○ 高等部就業技術科 開校記念祝典
平成 28 年 7 月 16 日(土) 午後 1 時 30 分開式
○ 肢体不自由教育部門 開校記念祝典
平成 28 年 7 月 20 日(水) 午前 10 時開式
都立永福学園は、今後も「教員と外部の人材や専門家とのチーム・アプローチ」という
ミッションのもと、「知的障害が軽い生徒全員(1学年100人)の企業就労の達成」及
び「教員と学校介護職員等との協働による新たな指導体制の構築と教育活動の充実」に努
め、児童・生徒、保護者、都民に信頼される学校になるよう、教職員一同、誠心誠意、取
り組んでまいります。
企業、労働、福祉、地域等の関係者及び関係機関の皆様におかれましては、今後とも本
校への益々の御理解・御支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。