前回の問題 • 不完備情報のクールノー複占 – 市場需要 P 5 ( x1 x2 ) – 企業1の限界費用=2 – 企業2 75%の確率で限界費用=3 – 25%の確率で限界費用=1 • ベイジアン・ナッシュ均衡を求めなさい • 高コストタイプ • 低コストタイプ • 企業1 1 H 3 L 14 x 3x L x1 2 H 0 4 xH 4 x L 4 4 H 2 x1 2 x H 0 x H L 4 x1 2 xL 0 xL 3 4 1 1H 1L 3 x1 1 x 3xL 3 2 x1 H 0 x1 4 解答例(2) • 高コストタイプと低コストタイプの1階の条件から 1 4 解答例(1) xH 3 xL x1 4 解答例(3) x2 • 上式と企業1の一階の条件から 5 x1 6 • これを代入して xH 7 19 , xL 12 12 x1 オークションの種類 • オープンビッド・オークション オークション さまざまなオークション オークションの比較 – 入札額が参加者全員にわかる – いわゆるオークション(競売) • シールドビッド・オークション – 誰がどんな額を入札したかがわからない – いわゆる入札 1 競売の種類 • イングリッシュ・オークション – だんだん値をつり上げていく – 最後に残った人が落札 – サザビーズ、ネット・オークション • ダッチ・オークション – だんだん値を下げていく – 最初に手をあげた人が落札 – バナナの叩き売り、寅さんの売り方 オークションの定式化 • 一人の売り手と2人の買い手 – 売り手にとって、商品の価値はゼロ – 買い手1に対する商品の価値はV1 • 商品を買うためにV1まで支払う用意がある。 – 買い手2に対する商品の価値はV2 – V1、V2はプライベート・インフォーメーション セカンド・プライス・オークション • セカンド・プライス・オークションの特徴 – 入札者自身の評価を正直に表明する誘引を持つ • 買い手1の入札額b1 – b1<V1の場合 – → 相手の入札額b2がb1とV1の間 – → 落札できない可能性 – b1>V1の場合 – → b2がV1とb1の間 – → V1を超える額を支払うと損をする 入札の種類 • シールドビッド・ファースト・プライス・オークション – 競争入札 – 最高入札者が落札し、その額を支払う – ダッチ・オークションと似ている • シールドビッド・セカンド・プライス・オークション – 最高入札者が落札し、2番目に高い入札額を支払う – イングリッシュ・オークションに似ている イングリッシュ・オークション • 買い手1の最適戦略 – せり値=p – 相手(買い手2)の評価にかかわりなく、 p V1 – である間は競売に残る。 • 売り手の収益=買い手の支払額 – 最後に一人が残るのは、低いほうの評価額を超えたとき – 収益=min{V1,V2} 売り手の収益 • セカンド・プライス・オークション – 最高入札者が落札し、2番目の入札額を支払う – 収益=min{V1、V2} – イングリッシュ・オークションと同じ結果 • b1=V1が期待利得が最大(支配戦略) 2 最適戦略(1) ファースト・プライス・シールドビッド・オークション • ベイジアン・ゲーム – 買い手1と買い手2のゲーム – 評価額V1、V2はプライベート・インフォーメーショ ン – V1、V2は[0,1]の一様分布 – 評価額=タイプ、自然が評価額を選択 – 各プレイヤーは自分の評価額をもとに入札額b1 を決定 – → b1はV1の関数 • プレイヤー1の最適戦略 – 評価額がV1のとき、いくらで入札するべき? – b1で落札できたとすると – → 買い手1の利得=V1-b1 • 期待利得 – (b1で落札できる確率)×(V1-b1) =(b1>b2である確率) ×(V1-b1) – • 相手の入札額の見込み? 最適戦略(2) 勝者の災い • 勝者の災い(Winner’s curse): – 期待利得=(b1で落札できる確率)×(V1-b1) – b1で落札できる確率はb1が大きいほど高い – 落札したときの利得はb1が大きいほど小さい – ↓ – 落札できた → 入札額が大きすぎた – → 儲け損ねた • この効果を考慮すれば、入札額は評価額を 割り引いた金額になるはず • 買い手2は、評価額を一定の率で割り引いて入札す ると考えて、割引率をkとおく b2 kV2 • 買い手1の期待利得 – (b1で落札できる確率)×(V1-b1) – =(b1>b2である確率) ×(V1-b1) =(b1>kV2である確率)×(V1-b1) – b1 kV2 最適戦略(3) 一様分布 • 一様分布の確率変数 – どの数値も等しい確率で起こりうる – [0,1]上の一様分布 – 0 1 – V1<Xとなる確率=Xの左側の面積 =X – 1 b1 V2 k • 買い手1の期待利得 1 – (b1>kV2である確率)×(V1-b1) b1 (V1 b1 ) k – 期待利得の最大化(V1は既知) – b1で微分してゼロとおく 1 (V1 2b1 ) 0, k • 最適戦略 1 b1 V1 2 – 最適な入札額は評価額の半分 3 ベイジアン・ナッシュ均衡 • 競争入札のベイジアン・ナッシュ均衡 – 評価額V1、V2が[0,1]上の一様分布 – それぞれの買い手の戦略 – 「自分の評価額の半分の額を入札する」 – はベイジアン・ナッシュ均衡 • オークションの結果 – 売り手の収益= 1 1 max V1 , V2 2 2 ダッチ・オークション • ダッチ・オークションの最適戦略 – ダッチ・オークションでは上から価格が下落 – 最初に手をあげて落札 – → 手を上げるときの価格=入札額 – ファースト・プライス・オークションと同じ – → 自分の評価額の半分で手を上げる • 売り手の収益 オークションの比較 • 売り手の収益=買い手の支払額 – イングリッシュ・オークション =セカンド・プライス・オークション – minV1 ,V2 – ダッチ・オークション=ファースト・プライス・オークション 1 1 max V1 , V2 2 2 minV1 ,V2 の平均(期待値) • V1=v1に固定 – V2<v1 → min{V1,V2}=V2 v2dv2 v1 0 – v1は0から1まで v 2 2 1 1 2 v1 v 1 0 0 v2dv2 dv1 0 21 dv1 6 1 – V1<V2である場合も同様 → 期待値=1/3 1 1 max V1 , V2 2 2 – F.P.Oと同じ= 収益同値性定理 • 個人価値オークション – 商品の価値が各個人に固有 – 評価の分布は独立 • 収益同値性定理 – 個人価値オークションでは、オークションの形式によらず、 売り手の平均収益(期待収益)は等しい • V1、V2が[0,1]上の一様分布 1 1 • minV1 ,V2 の期待値= max V1 , V2 の期待値 2 2 =1/3 • 1 1 max V1, V2 の平均(期待値) 2 2 • V1=v1に固定 – V2>v1 → max{V1/2,V2/2}=V2/2 v 1 v 22 dv2 4 1 v1 1 2 – v1は0から1まで 1 v 2 2 dv 1 0 v1 2 1 2 dv1 1 v1 dv1 1 4 6 0 – V1>V2である場合も同様 → 期待値=1/3 4 今日の問題 5
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