25 すべての取引を集計してみよう! いってい きかん しわけ てんき …合計残高試算表 ないよう ごうけい しゅうけい ある一定の期間において仕訳・転記した内容をあつめて合計する( 集 計 する) きぎょうかつどう せいせき かくにん ことで、これまでの企業活動の成績を確認することができます。 いってい き か ん とりひき しゅうけい いちらんひょう しさんひょう 一定期間の取引を 集 計 した一 覧 表 のことを試算表といいます。 しさんひょう 1 ごうけいざんだかしさんひょう 2 ごうけいしさんひょう 3 ざんだかしさんひょう 試算表には、①合計残高試算表、②合計試算表、③残高試算表の3つがあり ごうけいざんだかしさんひょう 2 ごうけいしさんひょう 3 ざんだかしさんひょう ますが、①合計残高試算表ができるようになれば、②合計試算表も③残高試算表 いちぶ す ぎ な い も、その一部に過ぎないので、すぐにわかるようになります。 合計残高試算表 借 残 方 高 合 150,000 勘定科目 計 250,000 現 貸 合 方 計 残 高 100,000 金 : さ し ひ き がく きんがく お お き い ほう かりかたざんだか か く ※差し引きした額を金額が大きい方のとなり(ここでは借方残高)に書く 合計試算表 借 方 250,000 勘定科目 現 借 方 100,000 金 : 残高試算表 借 方 150,000 勘定科目 現 金 : 62 借 方 【例題25】 次の取引を仕訳・転記し、合計残高試算表に集計しましょう。 ①商品 20,000 円を仕入れ、代金は掛けとした。 ②商品 15,000 円を仕入れ、代金は掛けとした。 ③商品(原価 20,000 円)を売上げ、現金 30,000 円を受取った。 ④仕入先に買掛金 18,000 円を現金で支払った。 【仕訳帳】 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 ① ② ③ ④ 【総勘定元帳】 現 金 ③ 1 ④ 商 ① ② ④ ① ② 2 品 3 買掛金 4 商品売買益 ③ ③ 【合計残高試算表】 合計残高試算表 借 残 高 方 合 元 計 丁 勘 定 科 目 1 現 金 2 商 品 3 買 掛 金 4 商品売買益 貸 合 方 計 残 高 ※元丁(もとちょう)…勘定科目の番号のこと(ここでは、現金なら「1」) 63 26 収益と費用を集めてみよう! いっかげつ いちねん しさんひょう しゅうけい …損益計算書の作成 いってい き か ん きぎょう とりひき きろく 一か月や一年などの一定期間における企業のすべての取引を記録し、それら きぎょう せいせきひょう を試算表に 集 計 したら、そのまとめとして、企業の成 績 表 を作ります。 きぎょう せいせき きかん か せ い だ りえき 企業の成績は、 「その期間で、どれだけ稼いだか、つまり、どれくらい利益を あ げ て てんしゅ も ち ぶ ん し ほ ん きん 上げて店主の持ち分である資本金を増やしたか?」で判断されるのです。 きぎょう せいせきひょう つくり らいねん ちょうぼきにゅう このような企業の成 績 表 を作り、さらに来年あらたに帳簿記入をするための じゅんび いちれん しごと けっさんてつづき 準備をする一連の仕事を「決算手続」といいます。 ~決算手続とは?~ 企業のもうけ(利益)をあらわす成績表を作る。 来年の帳簿記入のための準備をする。 1. 2. せいせきひょう つく てつづき がくしゅう ここでは、成 績 表 を作る手続について 学 習 します。 きぎょう つく せいせきひょう しゅるい そんえきけいさんしょ 企業が作る 成 績 表 には 2種類あり、1つめが損益計算書といいます。 そんえきけいさんしょ しさんひょう しゅうえき ひよう あつ さがく と う き じゅんりえき 損益計算書とは、試算表から 収 益 と費用を集めて、その差額で当期純利益(収 と う き じゅんそんしつ もと ひょう 益のほうが費用より大きいとき)または当期 純 損 失 を求める 表 です。 損益計算書 費 用 給 金 料 : 当期純利益 額 収 益 ××× 商 品 売 買 益 : : ××× 64 金 額 ××× : 【例題26】 次の平成○年 12 月 31 日における残高試算表をもとに、ABC 商店の収益と費 用を書き写して損益計算書を作りましょう。 残 残 高 試 算 表 元 丁 勘 定 科 目 32,400 1 現 76,000 2 売 50,000 3 商 品 24,000 4 備 品 5 買 掛 金 16,000 6 借 入 金 30,000 7 資 本 金 120,000 8 商 品 売 買 益 36,000 9 受 取 手 数 料 2,000 10,000 10 給 4,000 11 広 告 宣 伝 費 7,000 12 支 400 13 雑 200 14 支 高 費 高 金 掛 金 料 払 家 賃 費 払 利 204,000 ABC 商店 残 息 204,000 損 益 計 算 書 平成○年 1 月 1 日から平成○年 12 月 31 日まで 用 金 額 収 65 益 金 額 27 財産の一覧表を作ってみよう! きぎょう せいせきひょう ばんめ …貸借対照表の作成 きかん さいしゅうび じてん ざいさん 企業の成 績 表 の 2番目は、その期間の最終日の時点で、どれくらいの財産や しゃっきん し め す ひょう ざいさん いちらんひょう 借 金 などがあるかをわかりやすく示す 表 です。財産の一 覧 表 です。 ぐたいてき しさんひょう しさん ふさい し ほ ん きん か う つ 具体的には、試算表をもとに資産・負債・資本金を書き写します。 しさん ふさい し ほ ん きん か う つ かりかた かしかた さ ゆ う たいしょうひょう いちらんひょう たいしゃくたいしょうひょう 資産・負債・資本金を書き写した 一 覧 表 を 貸 借 対 照 表 といいます。 たいしゃくたいしょうひょう よ 借方と貸方の左右 対 照 表 なので、 貸 借 対 照 表 と呼ばれています。 貸 資 産 現 借 金 金 対 額 照 表 負債および純資産 ××× 買 : 掛 : 金 額 金 ××× : : 当期純利益 ざんだかしさんひょう しさん ふさい し ほ ん きん じゅんしさん ××× か う つ たいしゃく なお、残高試算表から資産と負債と資本金(純資産)をすべて書き写して 貸 借 かりかた かしかた ごうけい ごうけい あ (借方と貸方)を合計しても、それぞれの合計が合わないのがふつうです。そ し さ ん ごうけい ふさい し ほ ん きん ごうけい さ ひ さがく もと こで、資産合計から「負債+資本金」の合計を差し引いて差額を求めます。こ さがく そんえきけいさんしょ も と と う き じゅんりえき ごうけい てんしゅ の差額は、損益計算書で求めた当期純利益(損失)と同じ金額です。 し ほ ん きん りえき もちぶん じゅんしさん なお、資本金と利益の合計は店主の持分で、「純資産」といいます。 いちねん きしゅ じゅんしさん し ほ ん きん たいし いちねん お わ り きまつ 一年のはじめ(期首)の純資産(=資本金)に対し、一年の終わり(期末) じゅんしさん し ほ ん きん りえき りえき ぶん じゅんしさん ふ の純資産は「資本金+利益」となり、利益の分だけ純資産が増えるのです。 66 【例題27】 次の平成○年 12 月 31 日における残高試算表をもとに、ABC 商店の資産・負 債・純資産(資本金)を書き写して貸借対照表を作りましょう。 残 残 高 試 算 表 元 丁 勘 定 科 目 32,400 1 現 76,000 2 売 50,000 3 商 品 24,000 4 備 品 5 買 掛 金 16,000 6 借 入 金 30,000 7 資 本 金 120,000 8 商 品 売 買 益 36,000 9 受 取 手 数 料 2,000 10,000 10 給 4,000 11 広 告 宣 伝 費 7,000 12 支 400 13 雑 200 14 支 高 高 金 掛 金 料 払 家 賃 費 払 利 息 204,000 204,000 貸 借 対 照 表 平成○年 12 月 31 日 ABC 商店 資 残 産 金 額 負債および純資産 67 金 額 28 いくら儲かったかな? …利益の計算方法 きぎょう いちねんかん じぶん もう りえき て もちぶん し ほ ん きん ふ 企業が一年間でどれだけ自分の持分(資本金)を増やしたか、つまり、どれ けいさん ほうほう だけ儲け=利益(純利益)を手に入れたかを計算する方法は 2 つあります。 そんえきけいさんしょ しゅうえき ひよう ひ そんえきほう ・損益計算書の 収 益 から費用を引く。 たいしゃくたいしょうひょう きまつ じゅんしさん …損益法 きしゅ じゅんしさん ひ ざいさんほう ・ 貸 借 対 照 表 の期末の純資産から期首の純資産を引く。…財産法 (設例)つぎの残高試算表から損益計算書・貸借対照表を作ります。 残 高 試 算 表 現 商 給 雑 4,000 3,000 2,000 1,000 金 品 料 費 損 買 数 金 金 益 料 3,000 2,600 4,200 200 売 買 益 4,200 手 数 料 200 益 4,400 金 金 益 3,000 2,600 1,400 7,000 負債+資本金+利益 7,000 益 計 借 資 商 受 算 2,000 商 1,000 受 給 料 雑 当 期 純 利 費 益 1,400 費 用 + 利 益 4,400 収 貸 現 商 資 金 品 産 借 対 照 4,000 借 3,000 資 当 68 入 本 売 手 品 取 品 取 書 表 期 入 本 純 利 【例題28】 問1 平成○年 12 月 31 日における残高試算表の各勘定残高をもとに、太平洋 商店の損益計算書および貸借対照表を作り、当期純利益を求めましょう。 勘定残高:現 金 65,000 売掛金 90,000 商 品 100,000 建 物 200,000 買掛金 84,000 借入金 95,000 資本金 204,000 商品売買益 160,000 受取家賃 48,000 給料 88,000 水道光熱費 12,000 雑費 30,000 支払利息 6,000 太平洋商店 費 損 益 計 算 書 平成○年 1 月 1 日から平成○年 12 月 31 日まで 用 額 収 益 金 額 負債および純資産 金 額 貸 借 対 照 表 平成○年 12 月 31 日 太平洋商店 資 金 産 金 額 問2 次の( )内に、正しい言葉を書きましょう。 収益から費用を引いて利益を計算する方法を( )という。 財産法では、期末と期首の( )の差額で利益を求める。 (参考)損益計算書は P/L( Profit and Loss Statement )ともいいます。 貸借対照表は B/S( Balance Sheet )ともいいます。 69 練習問題7 …25~28 の復習 問題1 次の取引を仕訳・転記し、合計残高試算表に集計しなさい。 ①商品 40,000 円を仕入れ、代金は掛けとした。 ②商品 30,000 円を仕入れ、代金は掛けとした。 ③商品(原価 20,000 円)を売上げ、現金 30,000 円を受取った。 ④仕入先に買掛金 36,000 円を現金で支払った。 仕 借方科目 訳 帳 借方金額 貸方科目 貸方金額 ① ② ③ ④ 総 現 ③ 勘 定 元 1 金 ① ② ④ ① ② 2 品 ③ 合 残 高 方 合 4 商品売買益 ③ 借 3 買掛金 ④ 商 帳 計 元 計 丁 残 高 試 算 勘 定 科 目 1 現 金 2 商 品 3 買 掛 金 4 商品売買益 70 表 貸 合 方 計 残 高 問題2 つぎの残高試算表をもとに、港商店の損益計算書・貸借対照表を作り なさい。また、そのしたの文章の( )内に言葉を書きなさい。 残 現 売 商 給 広 雑 告 掛 金 金 品 宣 料 費 費 伝 高 試 算 16,000 買 26,000 借 25,000 資 12,000 商 7,500 受 表 掛 入 本 品 取 売 手 買 数 金 金 金 13,000 20,000 30,000 益 料 23,600 2,900 3,000 89,500 ( )商店 費 ( 損 益 計 算 書 平成○年 1 月 1 日から平成○年 12 月 31 日まで 用 ・「収益-( 金 額 収 益 金 額 負債および純資産 金 額 貸 借 対 照 表 平成○年 12 月 31 日 )商店 資 89,500 産 金 額 )=利益」となる計算方法を( ・「期末純資産-期首純資産=利益」は( 71 )という。 )による計算式である。
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