4 - BMW Motorrad

Rider's Manual
BMW Motorrad HP Race Calibration ソフトウェア
BMW Motorrad
駆けぬける歓び
モーターサイクル/ディーラーのデータ
モーターサイクルデータ
ディーラーデータ
モデル
アフターサービス担当者
フレーム番号
氏名
カラー
TEL
初度登録
ライセンスプレート
ディーラー所在地/電話 (スタンプ)
BMW の世界へようこそ
BMW モーターサイクルHP Race
Calibration ソフトウェアは、エン
ジンマネジメントシステムおよ
びトラクションコントロールの
各種機能の調整を可能にします。
これにより、 車両 (エキゾース
トシステムやタイヤなど) の変
更や、 チューニングにおけるラ
イダーの要望などを考慮するこ
とができるようになります。
ソフトウェアをより良く使いこ
なせるように、 この取扱説明書
をご活用ください。, ご質問は、
解決策と作業を熟知したBMW
Motorrad ディーラーにいつでも
お問い合わせください。
本書をお読みになり、 安全で快
適なライディングをお楽しみく
ださい。
BMW Motorrad
目次
1 一般的な情報 . . . . . . . . . . . . . .
はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
記号と意味 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アプリケーションに関する注
意事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
本書の記述について . . . . . . . . .
3
4
5
5
6
2 全体図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
HP Race Calibration に関する
作業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
モーターサイクルの接続 . . . . 10
3 操作 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
データのロード/保存/印
刷 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
データ伝送、 工場での設定
を復元する . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
4 機能説明 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
データを編集する . . . . . . . . . . .
オプションスイッチ . . . . . . . .
特性値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
特性マップ . . . . . . . . . . . . . . . . . .
特性曲線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
DTC のライン生産後の取付
けに関する注意 . . . . . . . . . . . . .
17
18
18
18
20
23
23
インジェクション . . . . . . . . . . .
イグニッション . . . . . . . . . . . . .
DTC . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
シフトアシスト . . . . . . . . . . . . .
ピットレーンリミッター . . . .
アダプション . . . . . . . . . . . . . . .
23
25
27
41
41
42
5 接続 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 45
モーターサイクルへの接続
を確立する . . . . . . . . . . . . . . . . . . 46
モーターサイクルへの接続
を外す . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 46
6 インストール . . . . . . . . . . . . . 47
システム条件 . . . . . . . . . . . . . . . 48
言語選択 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
ライセンスに関する注意事
項: . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
インターフェースドライ
バーのインストール (FTDI)
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
ドライバー調整 . . . . . . . . . . . . . 49
一般的な情報
一般的な情報
はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
記号と意味 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
1
3
アプリケーションに関する注意事項
...................................... 5
本書の記述について . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
一
般
的
な
情
報
1
4
一
般
的
な
情
報
はじめに
以下の機能を最適化することが
できます:
インジェクション
イグニッション
DTC(オプション装備)
シフトアシスト
ピットレーン回転数リミット
アダプション
以下のコンポーネントが必要で
す:
HP Race Calibration ソフト
ウェア DVD
USB アダプターケーブル
HP Race Calibration 作動
最初にHP Race Calibration ソフ
トウェアの機能をコントロールユ
ニット内で作動させなければなり
ません。 これは、BMW Motorrad
ディーラーでロック解除コードを
使用して行う必要があります。
HP Race Calibration Kit ソ
フトウェアを有効化するこ
とにより、モーターサイクルの運
転許可の認証が無効になります。
当該車両を公道での走行に使用
することはできなくなります。
このソフトウェアを有効化した
後は、 当該車両を公道で使用し
ないでください。
コントロールユニット内で
HP Race Calibration Kit ソ
フトウェアを有効化すると、 当
該車両は高出力のレース用車両
となり、 耐用年数は短くなりま
す。 使用の性質上、 公道使用が
許可されているモーターサイク
ルの耐用年数には適合しません。
そのため当キット取り付け後は、
モーターサイクル本体、 付属品
共に保証対象外となります。
これらの BMW 製品を装備
することにより、 モーター
サイクルの電装系システムに著
しい影響がもたらされます。 パ
ラメーターの変化により、 BMW
Motorrad による保護が不可能な、
限界状況的な走行状態に陥るお
それがあります。
モーターサイクルを再び公
道走行に使用する場合に
は、 このコントロールユニット
用のHP Race Calibration 機能の
有効化を、 BMW Motorrad 故障
診断装置を使用して解除するこ
とができます。
取扱説明書に記載されてい
るサービスインターバルは
標準車両に該当するものです。
駆動系コンポーネント用のメイ
ンテナンスインターバルについ
ては、 HP Race Calibration ソフ
トウェアの有効化に伴い、高負荷
用に合わせる必要があります。
BMW Motorrad は 、 メ イ
ンテナンスインターバル
5000 km(3100 mls) を推奨しま
す。
記号と意味
ライダーとその周囲の人々
の安全のため、 また、 モー
ターサイクルを損傷から守るた
めに、 必ず注意するべき警告を
示します。
アクセサリーや装備に関
する情報の末尾を示しま
す。
締付けトルク
テクニカルデータ
モーターサイクルの制御、
点検、 調整などの手順に関
する個々の情報と、お手入れにつ
DTC ダイナミックトラクショ
いての一般的な情報を示します。
ンコントロール。
注意事項の末尾を示しま
す。
アプリケーションに関す
る注意事項
作業内容の指示を示しま
す。
トラクションコントロール
の変更および調整は、 全体
的にHP Race Power Kit を使用
してのみ可能です。 標準コント
ロールユニットによる使用時の
機能は、HP Race Power Kit の場
合とは以下の点において異なり
ます:
- タイヤ半径の修正用標準コント
ロールユニットアダプション機
能は、 HP Race Calibration Kit 内
作業の結果を示します。
説明のある参照ページを
示します。
で行われる修正を無効にするこ
とができます。
- バンク角 (LeanAngleDTCon)
によるトラクションコントロー
ルの停止は、 標準コントロール
ユニットの場合には制限付きで、
SLICK モードでのみ可能です。
- 前述の制限により、 標準コ
ントロールユニット装備の
HP Race Calibration Kit の使用時
には、 トラクションコントロー
ルに予期しない不具合が発生し
たり、 それに伴って走行安定性
が損なわれる場合があります。
HP Race Calibration ソフトウェ
アの使用上の注意に関連して、
あなたの安全のために役立ち、
作業を軽減する、 以下の一般注
意事項を順守してください。
連続パラメーター
特性マップおよび特性曲線につ
いては、 その変化のプロセスが
常に調和がとれたものとなって
いるように注意してください。
1
5
一
般
的
な
情
報
1
6
一
般
的
な
情
報
較正 (パラメータ化) 中のジャ
ンプやゆがみにより、 モーター
サイクルが予期しない危険な動
きをするおそれがあります。 3D
表示や 2D 表示で、パラメーター
が安定していることを確認して
ください。
段階的なプロセス手順
すぐに最適な値を確定できない
場合には、 パラメーターの較正
が最適に行われるよう、 段階的
に適合させます。 例えば、 タイ
ヤの大きさは確実に測定して記
録することができます。 しかし
ながら、 DTC の調整特性マップ
の較正 (パラメータ化) を最適
に行うには、 わずかに変化する
曲線や数々の試運転を通じて確
認していかなければなりません。
大きな変化を優先させるのでは
なく、 確実で安定している側の
わずかなホイールスリップを見
逃さずに、 最良の状態に近づい
てください。
途中の状態の保存と記録
ファイル内のデータを定期的に
保存し、 そのデータで達成した
こととまだ最適化できていない
ことをできるかぎり正確に記録
してください。 これにより、 い
つでも既知の状態に戻ることが
でき、 比較検討を行うことがで
きます。
本書の記述について
BMW Motorrad の高い安全性お
よび品質は、 デザイン、 装備、
アクセサリーに関する絶え間な
い開発によって支えられていま
す。 そのため、 本書の記述が実
際のモーターサイクルとは異な
る場合があります。 また、 BMW
Motorrad はそのような誤りを完
全に排除することはできません。
したがって、記載内容や図、説明
について責任を負いかねる場合が
ありますことをご理解ください
ますようお願い申し上げます。
全体図
全体図
HP Race Calibration に関する作業
...................................... 9
2
7
モーターサイクルの接続 . . . . . . . . . . . 10
全
体
図
2
8
全
体
図
HP Race Calibration に
関する作業
-
1
このソフトウェアを使用し
て、 データセットを作成
や編集を行うことができま
す。 各種の機能との適合性
もあります。
HP Race Calibration ソフト
ウェアの画面は、 各種のエ
リアに分かれています。
メニューバー
メニューバーのメニューか
ら、全ての機能、ヘルプ、
設定にアクセスすることが
できます。 キーボードの
ショートカットがある場合
には、 ここに表示されま
す。
2
3
4
5
6
ツールバー
ツールバーにより、 頻繁に
必要となる機能にアクセス
することができます。 この
バーは、 メニュー 「オプ
ション」下のツール(アイ
コン) バーで OFF にする
ことができます。
HP Race Calibration バー
このバーは、メニュー「オ
プション」下のツール(ア
イコン) バーで OFF にす
ることができます。
インデックスバー
インデックスバーからカテ
ゴリーを選択することがで
きます。
作業エリア
作業エリアは選択されてい
るテーマカテゴリーにより
変わります。
ステータスエリア
ステータスエリア内にモー
ターサイクルとの通信のた
めの情報が表示されます。
2
9
全
体
図
2
モーターサイクルの接続
10
全
体
図
データセットの調整はモーター
サイクルへの接続なしで実行す
ることができます。 コンピュー
ターからモーターサイクルへの
データ転送 (またはその逆) を
行うときには、 接続を確立して
いなければなりません。
接続ステータス 1、エンジンマネ
ジメントシステム内の有効化のス
テータス 2(HP Race Calibration
ソフトウェア用)、 モーターサイ
クルのバッテリー電圧 3 は、 ス
テータスエリアに表示されます。
コミュニケーション内のメニュー
「オプション」 から、 接続を設定
することができます。 ここでは、
例えば COM ポートを選択するこ
とができます。
操作
操作
データのロード/保存/印刷 . . . . . . . 12
データ伝送、工場での設定を復元す
る . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
3
11
操
作
3
データのロード/保存/
印刷
12
データセットはファイルに保存
したり、ファイルからロードした
りすることができます。 さまざ
まなデータセットを管理し、 他
のユーザーと交換することも可
能です。 アクセスは、 メニュー
またはツールバーから行います。
そのたびごとにいつでも、 デー
タセット全体がロードまたは保
存されます。
ロード 1
保存場所 2
印刷 3
操
作
データは、「すべて」 3 または
「マーク」 4(現在の特性曲線また
は現在の特性マップ)の選択によ
り、 印刷することができます。
印刷ウィンドウがオペレー
ションシステム(OS)に設
定されている言語で表示されま
す。
3
13
操
作
3
データ伝送、工場での設定
を復元する
14
データをコントロールユニット
に書き込みます 1。
HP Race Calibration ソフトウェ
アの最新のデータセットをコン
トロールユニットに伝送するこ
とができます。 その後、 それが
コントロールユニット内でアク
ティブになり、上書きされるまで
保持されます。 コントロールユ
ニット内にすでにデータセットが
ある場合には、 上書きされます。
データセットをコントロールユ
ニットに書き込めるようにする
ため、適宜、ディーラーでこれを
有効化しておかなければなりま
せん。 HP Race Calibration ソフ
トウェア内で実行された変更は、
まずモーターサイクル内でアク
ティブになった後、 コントロー
ルユニット内に書き込まれます。
常にデータセット全体が伝送さ
れます。
操
作
コントロールユニットからの
データを読み取ります2。
データセットは同様の方法でモー
ターサイクルから読み出すこと
ができます。 その際、 HP Race
Calibration ソフトウェア内のデー
タセットは、 モーターサイクル
からのデータセットにより上書
きされます。 その際、 常にデー
タセット全体が伝送されます。
データセットの読み取りおよび
書き込みは、メニューまたはツー
ルバーから行われます。 これは、
車両が USB アダプターケーブル
を使用してコンピューターに接
続されている場合にのみ可能で
す(イグニッションは ON、エン
ジンは停止している状態である
こと)。 条件が満たされていない
場合には、 該当するボタンがア
クティブになりません。
工場での設定を復元する 3.
メ ニ ュ ー か ら 、 HP Race
Calibration ソフトウェア内で変
更されたパラメーターを工場で
の設定に戻すことができます。
データセット全体のすべての変
更がリセットされます。 この工
場での設定がモーターサイクル
内でも再びアクティブになるよ
うに、 記載されているとおりに
データをコントロールユニット
に書き込む必要があります。
3
15
操
作
3
16
操
作
機能説明
機能説明
データを編集する . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
オプションスイッチ . . . . . . . . . . . . . . . . 18
4
17
特性値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
特性マップ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
特性曲線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
DTC のライン生産後の取付けに関
する注意 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
インジェクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
イグニッション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25
DTC . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27
シフトアシスト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 41
ピットレーンリミッター . . . . . . . . . . . 41
アダプション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 42
機
能
説
明
4
18
機
能
説
明
データを編集する
データセットは、 一定数の調整
可能なパラメーターで構成され
ています。 これらは、 車両内の
全エンジンマネジメントシステ
ム機能およびフレーム制御機能
の部品に対応しています。 影響
を受ける機能は、 以下のテーマ
カテゴリーに割り当てることが
できます:
インジェクション
イグニッション
DTC
シフトアシスト
ピットレーン回転数リミット
アダプション
これらの各テーマ用にツールバー
の下にタブがあり、 影響を受け
るパラメーターを見つけること
ができます。 該当するタブをク
リックすると開きます。
変更が可能なパラメーターは 4
種類あります。 変更はHP Race
Calibration ソフトウェア内ですぐ
に確認できます。 モーターサイ
クルでは、 変更は、 データがコ
ントロールユニットに書き込ま
れて初めて有効になります。
オプションスイッチ
ティブなステータスはボックス
にチェックマークで表示され、マ
ウスクリックで復元することが
できます。 アクティブなステー
タスでのオプションスイッチの
意味は、 テキストで説明されて
います。
特性値
オプションスイッチ ON 1 - ラ
ムダコントロールは OFF で
す。
オプションスイッチ OFF 2 フューエルカットオフは ON で
す。
徐々に調整する 1
ON 2:登録されている値が使
用されます。
OFF 3:工場での設定が使用さ
れます。
オプションスイッチは、 チェッ
クボックスと説明テキスト (右)
で構成されています。 できるこ
とは、 ステータスを ON または 特性値は、 チェックボックス、
OFF にすることだけです。 アク 説明テキスト (右)、 数字入力
フィールド、その下の調整ボタン
(2 個) で構成されています。
特性値はアクティブになってい
なければなりません。 チェック
マークを付けることにより、 特
性値がアクティブになり、 数字
フィールドを編集することができ
るようになります。 数字はキー
ボードで入力することができま
す。 その際、 小数点の入力に間
違いのないように、 ドット (.)
はコンマ (,) に自動的に置き
換えられます。 登録されている
数字は、 矢印ボタンを使用して
徐々に変化させることができま
す(増やす、減らす)。 さらに、
マーク、 コピー、 挿入により、
クリップボードから変更を実行
することができます。 コンテキ
ストメニューによる方法の一部
も利用できます。 全体の入力は、
許容範囲および許容ステップレ
ンジに限定されています。
特性値がアクティブでない場合
には、 数字フィールドはグレー
で表示され、 変更することはで
きません。 この場合には、 モー
ターサイクルはこのパラメーター
に関して工場での設定を使用し
て作動し、 グレー表示の値は使
用しません。
4
19
機
能
説
明
4
20
機
能
説
明
特性マップ
特性マップは、 チェックボック
ス、 真理値表、 3D 表示、 各種の
操作ボタンで構成されています。
特性マップは、 原則としてアク
ティブになっていなければなりま
せん。 赤いx印をチェックマー
クに切り替えることにより、 特
性マップ 1 がアクティブになり、
数字フィールドを編集できるよ
うになります。 特性マップ 1 が
アクティブになっていない場合
には、 数字フィールドはグレー
で表示され、 変更することはで
きません。 この場合には、 モー
ターサイクルはこのパラメーター
に関して工場での設定を使用し
て作動し、 グレー表示の値は使
用しません。
特性マップは、 2 本の軸 7 と真
理値表 8 で構成されています。
それぞれの軸に 1 つのインプッ
ト値があり、これはモーターサイ
クル内で変わる数値に対応して
います。 両方のインプット値の
現在の値をもとにして、 現在の
またはボタン 4 を押すことによ
作動ポイントが特性マップ 1 の り、 標準表示に戻ります。 3D 表
どのポイントにあるのか特定さ
示 10 の最適化のため、 ボタン
れ、 真理値表から使用されるべ 「軸リミット」 5 を押すことによ
き値が特定されます。 1 つのイ
り、Z 軸の最小/最大値を変更す
ンプット値が該当する軸の値に
ることができます。 これが適用
対応していない場合には、 線で
されるのは 3D 表示のみで、デー
補間されます。 軸のインプット
タセットには影響しません。 ボ
値は、 3D 表示 10 で見て取るこ タン 「軸リミットをリセットす
とができます。 例えば、 エンジ る」 6 により、 軸リミットは解
ン回転数のような値が、 それか
除されます。
もしれません。
軸 7 の変更のため、 サポート位
置編集 2 を開くことができます。
真理値表 8 を直接変更すること
ができます。
真理値表はボタン 3 でリセット
することができます。
3D 表示 10 では、 特性マップが
グラフィックで表示されます。
すべての軸に軸名称 11 がありま
す。 仕切り線 9(真理値表 8 と
の) は、 サイズ調整のためにず
らすことができます。 表示は左
マウスボタンでドラッグするこ
とができます。 右マウスボタン
4
21
機
能
説
明
4
22
機
能
説
明
特性マップ
マウスまたはキーボードにより、
1 つまたは複数のセルをマークし
たり変更することができます。
数字はキーボードで直接入力する
ことができます。 その際、 小数
点の入力に間違いのないように、
ドット (.) はコンマ (,) に自
動的に置き換えられます。 さら
にコンテキストメニューから実
行可能な、 調整方法のシリーズ
があります。 対応するショート
カットキーは同様にそこに示さ
れます。
入力された数字は、 増やす 1 ま
たは減らす 2 により徐々に変化
させることができます。
さらにマークされているセルに
値 3 を入れたり、 複数化したり
4 追加する 5 ことができます。
さらに、マーク 6、コピー 7、挿
入 8 により、 クリップボードか
ら変更を実行することができま
す。
この方法では、 データの編集を
他のプログラムで行うことがで
きます。
入力されている値は、取り消す 9
ことができます。
このリセットは、 データセット
の残りの部分には影響しません。
全体の入力は、 許容範囲および
許容ステップレンジに限定され
ています。
特性曲線
インジェクション
特性曲線は特性マップに似た特性 ラムダコントロール OFF
があります。 ただし、 インプッ
ト値は 1 つ、 軸は 1 本です。 2
D グラフィック表示が対応してい
ます。 統一された特性曲線では、
軸を変更することはできません。
インプット値には、 すべて標準
軸内に含まれている (DTC モー
ドなど) 一定の値のみ適用され
るからです。
ラムダコントロールはチェック
マーク 1 を付けることにより
OFF にすることができます。 ラ
HP Race Calibration ソフトウェ
ムダコントロールは、 エキゾー
アが DTC 非装備のモーターサイ ストシステム内の標準装備ラム
クルに接続されている場合には、 ダセンサーの信号を評価し、 燃
DTC パラメーターはグレー表
料噴射時間を修正し、 フューエ
示です。 伝送時には、 パラメー ル/エア比が燃焼のための理論
ターの伝送はされますが、 アク
混合比に達するようにします。
ティブにはなりません。 これに
ラムダコントロールが工場設定
より、 ライン生産後に DTC を取 レベルでアクティブである限り、
り付ける場合に、 DTC の工場で ラムダコントロールを OFF にす
の設定をアクティブにすること
ることができます。 供給時のス
が確実になります。
テータスでチェックマークがアク
DTC のライン生産後の取
付けに関する注意
4
23
機
能
説
明
4
24
機
能
説
明
エンジンマネジメントシステム
は、そのモーターサイクルの工場
設定レベルで最適な燃焼をもた
らす噴射時間を算出します。 そ
の際、 作動ポイントに対応して、
燃焼のためのさまざまなフュー
エル/エア比 (ラムダ値) に達
します。 モーターサイクルで吸
気量を変える (エキゾーストシ
ステムなど) 変更を行った場合、
または最適なフューエル/エア
比からずらしたい場合には、算出
された噴射時間をこの特性マッ
プに基づいて、 ある要素を使用
して拡大することができます。 1
超の値は噴射時間を延長させ、
噴射される吐出量を増やし、それ
により 「リッチな」 フューエル
/エア比にします。 1 未満の値
の場合には、 その逆になります。
1 ちょうどの場合には、エンジン
混合気修正要素
マネジメントシステムにより算出
された噴射時間は変更されませ
混合気修正要素の特性マップを
ん。 修正係数は、 エンジン回転
介して、 エンジンマネジメント
数およびスロットルバタフライ
システムにより算出された噴射
時間を調整することができます。 開度に対応して特性マップに保
ティブになっていない場合には、
必ずしもラムダコントロールが
アクティブであることを意味す
るのではなく、 単に供給時のス
テータスが変更されていないこ
とを意味します。 ラムダコント
ロールがアクティブかどうかは、
取り付けられているエキゾース
トシステムに対応しています。
標準装備ラムダセンサーを装備
している場合には、 ラムダコン
トロールは工場設定レベルでア
クティブです。 この場合にのみ、
OFF にすることができます。 こ
れは、 フューエル/エア比を理
論混合比からずらしたい場合に
のみ意味があります。 ラムダコ
ントロールが変更を再調整する
ことなく、 噴射時間を変更する
ことができます。
存することができます。 フュー
エル/エア比は、 エンジン作動
特性 (ミスファイア) やさまざ
まなコンポーネント温度 (ピス
トン、 エキゾーストバルブなど)
に著しい影響を与えることに注
意してください。 特にエンジン
が高回転域にあり、 スロットル
バタフライ開度が大きい場合に
は、 吸気量の変更を調整するの
みにすることをお勧めします。
最適なフューエル/エア比のた
め、 適切なラムダ測定技術を使
用してください。 修正係数は、
同様に全てのインジェクターで
計算に含まれます。
フューエルカットオフ OFF
オフが解除されている状態では、
フューエルは吸気量に応じて噴
射され続けます。 この場合、 混
合気およびイグニッションタイ
ミングの制御に基づいて、 燃焼
への影響やそれによるモーター
サイクルの減速の可能性につい
て考慮する必要があります。
イグニッション
フューエルカットオフは、チェッ
クマーク 2 を付けることにより
OFF にすることができます。
フューエルカットオフにより、
スロットルグリップが閉じた状
態でエンジン回転数が高い場合
に、 エンジンへの燃料供給を完
全に止めることができます。 こ
の状態では燃焼が行われなくな
るため、 モーターサイクルは駆
動系全体の摩擦損失により減速
します。 フューエルカットオフ
の解除は、 スロットルグリップ
を閉じた状態でモーターサイク
ルの減速を抑えたいときに意味
があります。 フューエルカット
アンチノックコントロール
OFF
はノックセンサーの信号を評価
し、エンジン作動のノッキングを
回避するようにイグニッション
タイミングを調整します。 イグ
ニッションタイミング出力への
介入を抑えたい場合には、アンチ
ノックコントロールを OFF にす
ることができます。 アンチノッ
クコントロールはノッキングを
発生させる燃焼異常がある場合
にのみ介入するので、 OFF にす
ることはお勧めしません。 イグ
ニッション出力への介入を行う
ため、アンチノックコントロール
の作動解除は必要ありません。
イグニッション修正オフセッ
ト
アンチノックコントロールは
チェックマーク 1 を付けること
により OFF にすることができま
す。 アンチノックコントロール
特性マップ 「イグニッション修
正オフセット」 で、 エンジンマ
ネジメントシステムによって算
出されたイグニッションタイミ
ングを調整することができます。
フューエル/エア混合気は、 ス
パークプラグによって点火され
て、 燃焼が始まります。 このと
4
25
機
能
説
明
4
26
機
能
説
明
き、 点火時期の選択は、 フュー
エルエネルギーをできるかぎり
最適にトルクに置き換えること
ができるように行われます。 イ
グニッションタイミングは、 圧
縮上死点前のクランク角度にな
ります。 最適な状態から外れる
と最適な燃焼にならず、 トルク
が減少します。 これにより重大
なエンジン損傷が引き起こされ
るおそれがあり、 エンジン寿命
が縮まります。
この特性マップにより、算出され
たイグニッションタイミングを、
オフセットを使用してエンジン
回転数およびスロットルバタフ
ライ開度に合わせて調整するこ
とができます。 すでに最適な点
火タイミングに変える(エキゾー
ストシステムなど)モーターサイ
クルの変更を行った場合や、 最
適なトルクを抑えたい場合に行
うことができます。 これはイグ
ニッションタイミングのように
クランク角で示されます。 修正
オフセットでは、全シリンダーの
イグニッションタイミングにつ
いて均等に計算に入れられます。
0 超の値はイグニッションタイミ
ングを進角方向にシフトさせま
す。 それによりエンジン作動の
ノッキングのリスクが高まりま
す。 0 未満の値はイグニッショ
ンタイミングを遅角方向にシフ
トさせます。 最適なトルクを抑
える作用があります。 0 ちょう
どの場合には、 エンジンマネジ
メントシステムにより算出され
たイグニッションタイミングは
変更されません。
イグニッションタイミングが早
すぎると、多くの作動ポイントで
ノッキングを発生させる燃焼異常
が発生します。 この場合、 燃焼
室内で混合気の自己着火に至り、
通常の、 スパークプラグによっ
て引火される燃焼になりません。
このときには、過熱によりエンジ
ンコンポーネントが損傷し、 超
過圧力を招く、 極めて高い圧力
が発生します。 イグニッション
タイミングが遅すぎると、 エキ
ゾーストシステムのエキゾース
トバルブや他のコンポーネント
が過熱する危険性が高まります。
これも同様に重大なエンジン損
傷をもたらします。 特にエンジ
ン高回転域で、 スロットルバタ
フライ開度が大きい場合には、
変更は極めて慎重に行うことを
お勧めします。 アンチノックコ
ントロールの作動解除は行わな
いでください。 これが介入する
のは、 何としても回避しなけれ
ばならないノッキングを発生さ
せる燃焼異常の場合のみです。
イグニッション修正を優先して
利用し、 スロットルバタフライ
開度が小さい場合の応答特性お
よびエンジン作動に影響を与え
てください。
DTC
DTC センサー
DTC 機能用に、 ABS コントロー
ルユニットからのホイール速度
信号およびバンク角算出用セン
サーボックス信号が援用されま
す。 このとき、 センサーボック
スが正しい位置にあること、 ホ
イールセンサーリングが正しい
間隔で損傷なく取り付けられて
いることが重要です。 センサー
リングが損傷していたり、ラジア
ル方向および軸方向の動きがス
ムーズでない場合、信号障害が発
生するおそれがあります。 フロ
ントおよびリヤセンサーリング
には、 マグネティック素材製の
均等に 48 分割されているエッジ
部/歯と多くの切り欠きがあり
ます。 センサーボックスはまっ
すぐに下方向を示すコネクター
で取り付けられます。 ブラック
カラーのベースプレートは、 進
行方向と反対に後方を示します。
間違いがある場合、 測定エラー
が出たり、許容範囲を超えるバン
ク角に至るおそれがあります。
タイヤ半径
27
アプリケーション手順
最初に、 正確なタイヤ半径を確
認しなければなりません (フロ
ントタイヤ半径またはリヤタイ
ヤ半径)。 引き続き、 グリップの
限界を確認する必要があります
(GripLevel)。 後のプロセスの中
で、トラクションコントロールの
影響を分類し、積極的に調整する
ことができます。 後に、 ホイー
ル速度進行から、ウィーリー走行
やホイールのスリップに制御介
入するかどうかが決定されます。
バンク角情報からバンク角を大き
くすることができ、ウィーリー走
行を阻まずにエンジン出力を抑え
ます (LeanAngleDTCon)。 地域
によるサーキットコースの違いに
よる調整は、ファインチューニン
グ(バンク角情報およびコースセ
グメントでの速度のSlipCor Mod
特性マップ内での調整) により
可能です。
4
ホイール速度算出の修正のため、
フロントおよびリヤホイールのタ
イヤ半径が直進走行用に入力さ
れています(フロントタイヤ半径
1 またはリヤタイヤ半径 2)。
アプリケーションまたはスリッ
プ評価の際には、 現在のタイヤ
圧を考慮しなければなりません。
これはタイヤ剛性に影響し、 現
在の回転半径にも影響します。
タイヤ半径は、 クラッチをつな
ぎ、ブレーキなし、バンク角なし
でまっすぐに回転している状態
で、 点検または修正することが
できます。 半径が正常な場合に
機
能
説
明
4
28
機
能
説
明
は、フロントおよびリヤホイール
で同じ速度になります (測定範
囲 V_FW および V_RW)。 速度
に依存する相違は、 特性マップ
SlipCor Mod 1-4 内で考慮され、
調整されます。 入力されている
リヤホイールタイヤ半径が 1 %
小さいと、 全車両モードで 1 %
大きなスリップが発生します。
GripLevel
グリップの限界
摩擦係数は各モード別に特性曲線
GripLevel にインプットすること
ができます。 現在は、 最初の 4
モードのみが制御可能です。 こ
れらの 4 つのデータは、 以下の
特性マップReductionPreControl
用に使用されます。
記載されている調整は、
グリップの限界を検知するため、
HP Race Power Kit が車
リヤホイール半径の大きい方の
両に取り付けられていること
入力の開始をお勧めします (よ
によるものです。。 HP Race
り大きなホイールスリップを算
Calibration Kit を標準コントロー 出するため、制御はより以前に開
ルユニット装備車両に組み込む
始)。 確実で安定している側から
場合には、 タイヤ半径を変更し
グリップの限界を確認してくだ
ないでください。 標準データ内
さい。 さらに、 モーターサイク
でタイヤ半径アダプションが適
ルがスリップするまで、 現在の
用されているため、 特定の走行
モード用の特性曲線GripLevel の
状況で事前設定がリセットされ、 値を徐々に下げます。 同様に特
それにより予測不能な車両反応
性曲線LeanAngleDTCon のバン
が引き起こされるおそれがあり
ク角の値をわずかに下げます。
ます。
記載されている調整は、
HP Race Power Kit が車両
に取り付けられていることか
ら派生しています。 HP Race
Calibration Kit を標準コントロー
ルユニット装備車両に組み込ん
だ場合には、表LeanAngleDTCon
にある変化はSLICK モードでの
み表れます。 必要に応じて、
バンク角を大きくとった状態で
ウィーリー走行を行うこともで
きます。
ReductionPreControl
トルクのサーボ制御
トルクのサーボ制御では、 モー
ターサイクルが回路のリミッ
トにどれくらい近づいている
かが算出されます。 特性マッ
プReductionPreControl 1 では、
エンジン回転数および適用され
ている摩擦係数に対応して、トル
クリダクションが較正されます。
適用されている値は、1 速でのみ
完全に効果を発揮します。 2 速
では概算で 20、 3 速で 34、 他
のギヤでは 50 が、 特性マップ値
に追加されます。 100 を超える
値は、システムにより 100 %(最
大) として解釈されます。
工場での設定の適用は、 スポー
ツマフラー装着時のフルロー
ド曲線の加速特性が、 HP Race
Power Kit から約 4,000 rpm 以上
で 1 速および最大摩擦係数で一
定して推移するようになってい
ます。 サーボ制御には、 スリッ
プコントロールにより駆動ノイ
4
29
機
能
説
明
4
30
機
能
説
明
ズが発生しないという利点があ
ります。
サーボ制御により以下の較
正を解除することができま
す:特性曲線GripLevel 2 内の
全ての値 (1.95(最大値) を
含む) および全特性マップ
ReductionPreControl 1(100 を含
む)
4
31
機
能
説
明
4
32
機
能
説
明
調整のための測定
LeanAngleDTCon
隣のグラフィックはデータロガー
評価を示す一例です。
測定の中でこの数値が表示され
ています。
スイッチオフリミット到達時点
(バンク角約 35°) 1
フロントホイール速度 2
リヤホイール速度 3
フロントホイール用基準速度 4
バンク角 5
スロットル開度 6
スロットルバタフライ開度 7
エンジン回転数 8
スリップからのリダクション 9
スリップおよびサーボ制御から
のリダクション 10
LeanAngleDTCon
スイッチオフに至るバンク角
トラクションコントロールは、
レースサーキット上で大きなバ
ンク角をとる場合にのみ必要と
なります。 モーターサイクルが
まっすぐに立てられている場合
には、フロントホイールを浮き上
がらせるだけです(ウィーリー走
行)。 ここから誤って、 駆動力を
阻害するような広範囲にわたる
スリップが予測されます。 バン
ク角はモードに対応して特性曲
線 LeanAngleDTCon 内で適用さ
れ、トラクションコントロールは
解除されます。 実際のフロント
ホイール速度 (測定範囲 V_FW)
から決定された、新しい基準速度
(測定範囲 V_REF_FW)が形成さ
れます。 測定範囲 V_REF_FW は
最大でリヤホイール速度 (測定
範囲 V_RW) と同じ大きさにな
ります。
4
33
機
能
説
明
4
34
機
能
説
明
SlipCor Mod 1-4
スリップコントロール
ホイールスリップは以下のよ
うに算出されます:まずフロ
ントホイール速度 (測定範囲
V_REF_FW) とリヤホイール速
度 (測定範囲 V_RW) の差を測
定します。 引き続き、 バンク角
(測定範囲 PHI_LEAN) からタイ
ヤ回転半径の差を考慮した修正
を行います。 それぞれのモード
(RAIN = 1、 SPORT = 2、 RACE
= 3、 SLICK = 4) 用に、 専用の
特性マップ (SlipCor Mod 1-4)
があります。 これらの特性マッ
プは、 バンク角および速度によ
るタイヤ形状を考慮しています。
現在の特性マップSlipCor Mod か
ら特定された値は、ホイールの速
度差から差し引かれます。 修正
された差をフロントホイールス
ピードで割ると、 システム内で
使用されるホイールスリップに
なります。 システムは、 算出さ
れたホイールスリップが約 10 %
に達すると、 イグニッションタ
イミング制御を開始します。 基
本アプリケーションは、 Metzler
Racetec K3 または Pirelli Super
Corsa SC2、 寸法 120/70-17 お
よび 190/55-17 のタイヤをベー
スにしています。
バンク角が大きくなると共に、
フロント/リヤホイールのタイ
ヤ半径が小さくなることが、ダイ
アグラムで確認できます。 参考
値として、 フロントホイールの
タイヤ半径はバンク角 45° で約
5 %、 リヤホイールでは約 10 %
小さくなります。 これにより、
フロントホイールとリヤホイー
ル間で約 5 %(1700 N、 50 km/
h および 100 km/h 時、 Metzeler
Racetec K3 190/55-17 での半径
の変化) の速度差が生じます。
これは、 フロントホイール速度
について 100 km/h 時で 5 km/
h、50 km/h 時で 2.5 km/h を特性
マップに登録しなければならな
いことを意味します。
バンク角によるフロントタイヤ
半径とリヤタイヤ半径の差は、
対象となっているスリップから
差し引かれなければなりません。
これは、 フロントホイール速度
とバンク角に依存して適用が可
4
35
機
能
説
明
4
36
機
能
説
明
能となる特性マップSlipCor Mod
1-4 を使用して行われます。
それ以外のSlipCor Mod 特性マッ
プを使用して、 各種の車両モー
ドでさまざまな設定を行うこと
ができます。 これにより、 さま
ざまなスリップを設定したり、
摩耗の進行による回転中のタイ
ヤの変化に反応できるようにな
ります。 これらの設定は、 走行
中に切り替えることができます
(モデルS 1000 RR の取扱説明書
を参照)。
速度 (km/h) 1
バンク角 (°) 2
例えば、 SlipCor Mod 特性マッ
プにより以前より 1 % 多くス
リップが発生する場合、ライン
の各値(全てのバンク角用)に
ついて、速度サポート位置の値
の 1 % が初期値に加えられま
す。 ダイアグラムには、タイヤ
半径の変化に関連して、異なる
モードやSlipCor Mod 特性マッ
プの場合の Metzeler Racetec
K3 タイヤ用の例があります。
特性マップ 3 は、 特性マップ
4 より 1 % 多いスリップを発
生させます。
記載されている調整は、
HP Race Power Kit が車両
に取り付けられていることか
ら派生しています。 HP Race
Calibration Kit を標準コントロー
ルユニット装備車両に組み込む
場合には、 スリップ修正を特性
マップSlipCor Mod 1-4 により行
うことができます。
4
37
機
能
説
明
4
38
機
能
説
明
TrqControl
トルクリダクション
算出されたホイールスリップが
約 10 % になると、 DTC 制御が
行われます。 各種の車両モード
用のスリップ水準を上げ下げす
る場合には、 タイヤ半径に基づ
いて行われます。
ダイアグラム 1
測定範囲 RED_SLIP は、 リダ
クション特性曲線TrqControl か
らのもので、エンジントルクリ
ダクションをパーセントで表示
します。 値 1.0 はリダクショ
ンなし、 値 0.0 は 100 % リダ
クション (エンジン停止) に
対応しています。 リダクショ
ン特性曲線により、トルクリダ
クションはレースサーキットや
タイヤに対応して影響を受ける
ことがあります。 基本較正は
TrqControl リニアです。
ダイアグラム 2
特性曲線が厳密に一直線に下降
していなければなりません。
著しく摩耗しているタイヤは、
わずかなリダクションレベルで
大きなトルクリダクション(デ
グレッシブな下降)を必要とし
ます。
ダイアグラム 3
ソフトなタイヤ/限界領域に幅
のあるタイヤの場合には、わず
かなリダクションレベルで少な
いトルクリダクションが必要と
されます(プログレッシブな下
降)。
4
39
機
能
説
明
4
40
機
能
説
明
TrqIncrease
戻りトルク制御
リヤホイールのスリップが
SlipCor Mod 特性マップに適用さ
れている値の下で抑制されると、
トルクは再び戻り制御されます。
プリセットされている値は、 特
性曲線TrqIncrease により回転数
に対応して変化します。 1.0 超の
値は戻りトルクを加速させ、 1.0
未満の値は戻りトルクを減速さ
せます。
スプリング/ショックアブソー
バー設定に対応して、戻りトルク
がモーターサイクルを振動させ
ることがあります。 振動を、 ス
リップコントロールとスプリン
グ/ショックアブソーバー/タ
イヤシステムから切り離すため、
戻りトルクを小さくすることを
お勧めします (1.0 未満の値)。
戻りトルクの値を極端に小さく
すると、 車両は動きが鈍くなり、
加速しようとしなくなります。
記載されている調整は、
HP Race Power Kit が車両
に取り付けられていることか
ら派生しています。 HP Race
Calibration Kit を標準コントロー
ルユニット装備車両に組み込ん
だ場合には、 8000 rpm 以上での
戻りトルクが、 標準データレベ
ルによって著しく弱まっている
ことに留意してください。 これ
により数値 1.0 はニュートラル
ではなくなります。
シフトアシスト
トルク生成をもたらし、1 未満の
値はゆっくりとしたトルク生成
をもたらします。 1 ちょうどの
場合には、 トルク生成は工場で
の設定に合わせて行われます。
シフト動作後のトルク生成の速
度により、 駆動系の荷重移動に
よる反応にも影響が及び、 予期
しない車両反応が引き起こされ
ることがあることに注意してく
ださい。
ギヤシフトアシスト (オプショ
ンまたはアクセサリー) により、 ピットレーンリミッター
クラッチ操作なしでのギヤのシ
フトアップが可能になります。
ギヤシフトアシストの修正は、
モーターサイクルがこれを装備
している場合にのみ可能です。
エンジントルクのリダクション
が、ギヤシフトアシストによる基
本的なシフトプロセスの導入の
ために行われている間、要素「ギ
ヤシフトアシスト制御速度」1 に
より、シフト動作後のエンジント この機能により、 1 速のときに
のみ、 スタータースイッチが押
ルクの生成に影響を与えること
されている状態で作動状態にな
ができます。 1 超の値は迅速な
るスピードリミッターの使用が
可能になります。 これは回転数
リミット 1 に基づいて、 例えば
ピットレーンで 1 速のときに許
容速度を上回らないように、設定
することができます。 スピード
リミッターが同様に設定されて
いる場合には、 他のタイヤを異
なる速度リミットに調整したり、
ギヤレシオの変更を行うことが
できることに注意してください。
ここで変更を行う場合には、 設
定の変更を行ってください。 こ
の設定では、 工場設定の最大回
転数リミットを上回ることはで
きません。
4
41
機
能
説
明
4
42
機
能
説
明
アダプション
エンジンマネジメントシステム
には、 ご使用のモーターサイク
ルのコンポーネント限定の各種
の設定が保存されています。 こ
れらの設定は、 エンジンマネジ
メントシステム内に保存されて
おり、 バッテリーの接続を外し
てもそのまま維持されます。
該当するのは以下のコンポーネ
ントです:
スロットルバタフライ
エキゾーストシステム
エアボックス、エアフィルター
エンジン本体(負荷移動関連の
変更)
ギヤシフトドラムポテンショ
メーター、 シフトレバーセン
サー
モーターサイクルでこれらのコ
ンポーネントに関連する変更が
行われると、 アダプション値が
消去されます。 そのようにして
エンジンマネジメントシステム
は、 変更された値や新しいコン
ポーネントを保存することがで
きます。 この保存は走行動作中
に行われるので、 アダプション
値を消去した後、 ただちに走行
を続けることができます。
唯一の例外は、 ギヤシフトアシ
ストです。 ギヤシフトアシスト
の機能が作動するのは、 全ギヤ
で十分に走行され、 アイドリン
グが十分に行われていた場合に
限られています。 この場合、 ア
ダプション値を消去する方法は 2
つあります。 ギヤシフトドラム
ポテンショメーターやシフトレ
バーセンサー関連の変更ではな
い場合には、機能「アダプション
データをギヤボックスアダプショ
ンなしで消去する」 1 を実行し
ます。 ギヤシフトアシストの機
能をすぐに使用できるようにな
ります。 ギヤシフトドラムポテ
ンショメーターやシフトレバー
センサー関連の変更の場合には、
機能 「全アダプションデータを
消去する」 2 を実行します。
4
43
機
能
説
明
4
44
機
能
説
明
接続
接続
モーターサイクルへの接続を確立す
る . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 46
5
45
モーターサイクルへの接続を外す
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 46
接
続
5
モーターサイクルへの接
続を確立する
モーターサイクルへの接
続を外す
USB アダプターケーブルを使用
して、 コンピューターを車両の
診断インターフェース 1 に接続
します。 保護キャップ 2 は事前
に外しておきます。
イグニッション ON の後、コミュ
ニケーションが確立されます。
データをHP Race Calibration ソ
フトウェアを使用して変更しま
す。
イグニッションを OFF にしま
す。
アダプターケーブルを診断イン
ターフェース 1 から外し、 保護
キャップ 2 を再び取り付けます。
46
接
続
インストール
インストール
システム条件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
言語選択 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
6
47
ライセンスに関する注意事項: . . . . 48
ドライバー調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49
イ
ン
ス
ト
ー
インターフェースドライバーのイン
ストール(FTDI) . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
ル
6
48
ー
イ
ン
ス
ト
ル
ライセンスに関する注意
事項:
システム条件
オペレーションシステム
( OS ):MS Windows XP;
MS Windows Vista;
MS Windows 7
インストール中に、 ライセンス
に関する注意事項を読み、 確認
する必要があります。
CPU:Pentium または互換性が
あるもの
クロック周波数:2 GHz また
はそれ以上
RAM:1 GB
ハードディスク:100 MB のメ
モリーの空き容量
グラフィックボード:Open GL
のサポート
接続:1 x USB 2.0
言語選択
DVD ドライブに DVD を挿入して
ください。
すぐに表示されているウィンド
ウが開きます。
ウィンドウが自動的に開か
ない場合には、ファイル
Setup_HPRC.exe をダブルク
リックして実行してください。
該当するボタンをクリックして
ご希望の言語を選択し、 引き続
きインストール指示にしたがっ
てください。
インターフェースドラ
イバーのインストール
(FTDI)
HP Race Calibration ツールのイ
ンストール後、 インターフェー
スドライバーをインストールす
る必要があります。
そのため同梱のインターフェース
ケーブルを PC の USB ポートに
接続し、 ファイルftdiport.infを使
用してドライバーをインストー
ルしてください。
ファイルはインストール DVD の
ディレクトリFTDI_Driver_20600
にあります。
ドライバーのコンフィギュレー
ションを点検または変更するた
め、 以下のパスに従ってくださ
い。
「 シ ス テ ム 制 御 」「 シ ス テ
ム」「デバイスマネジャー」
「 ポ ー ト ( COM & LPT )」、
BMW HPRC USB Serial Port を
ダブルクリックして、 ウィンド
ウ 「特性」 を開いてください。
タブ 「接続設定」 を選択し、「拡
張されている」 をクリックして
ください。
必ず以下の値を設定してくださ
い:
USB パッケージサイズ:
受信:64
送信:64
BM 設定:
待機時間:1
6
49
イ
ン
ス
ト
ー
ドライバー調整
ル
ご購入いただきましたモーターサ
イクルの装備、アクセサリー、仕
様は、本書の説明や図と異なる場
合があります。 これらについて
のクレームはご容赦ください。
本書に記載されている寸法、 重
量、 燃費、 性能などのデータに
は、 一般に認められている許容
誤差が含まれています。
デザイン、装備、アクセサリーな
どは、 製品を改良するために予
告なく変更することがあります。
印刷の誤りや誤字、脱字に起因す
るクレームはご容赦ください。
© 2010 BMW Motorrad
本書はその全部について、たとえ
一部であっても、BMW Motorrad,
After Sales から書式による承諾
を得た場合を除き、 転載や複製
することは禁じられています。
Printed in Germany.
BMW recommends
P/No.: 77 01 8 522 218 .08
12.2010, 1st edition
*77018522218.08*
*77018522218.08*
*77018522218.08*