平成18年度発電所に係る立入検査結果について

平成18年度発電所に係る立入検査結果について
平 成 1 9 年 4 月
中部近畿産業保安監督部
電
力
安
全
課
1.立入検査の目的
管内の火力発電所、水力発電所及び風力発電所に対して、電気事業法第107条
第2項又は第3項の規定に基づき、技術基準適合状況、保安規程遵守状況及び主任
技術者の業務状況等を調査し、保安の実態を把握するとともに、事故を未然に防止
する等を目的に毎年立入検査を実施しております。
2.立入検査実施件数
平成18年度の立入検査は、火力発電所13カ所(自家用:11、事業用:2)、
水力発電所18カ所(自家用:2、事業用:16)及び風力発電所2カ所(事業用:
0、自家用2)の合計33カ所に対して実施しました。
3.不備事項及び件数
(1) 保安規程遵守状況等
保安規程遵守状況等では、巡視、点検、検査において約6割、②保安管理体制
や保安教育において約2割の発電所で不備が認められました。
項
目
1.手続き状況
2.
保
安
規
程
遵
守
状
況
A保安管理体
制
B保安教育
C電気工作物
の巡視,点検
及び検査
D電気工作物
の運転,操作
E 記録
件数
不備事項(具体例)
3 ①定期事業者検査において、その実施時期が法第55条に定め
る時期を超過したにもかかわらず、定められた時期に行ったよう
に記録を作成し、その記録をもって定期安全管理審査を受審して
いた。
②電気関係報告規則に基づく報告が必要である事故が発生した
にもかかわらず、報告を行っていない。
5 ①主任技術者の代務者が、保安規程どおり指名されていない。
②保安組織図が不明確。
4 ①一部の保安教育について記録がない。
②保安に対する訓練が保安規程に従って実施されていない。
③事故時の体制整備が不十分。
27 ①巡視点検等が保安規程に従って実施されていない。
②保安規程で別途定めるべき巡視心得が定められていない。
③点検結果の記録方法等が不適切。
④点検結果についての判定基準が不明確
⑤精密検査において管理値を超過していたにもかかわわらず、
未対応。
1 ①機器の操作順序、運転方法等が不明確。
3 ①記録の保存年限が不明確。
②臨時、工事中の巡視点検等における記録が不十分。
(2) 施設管理状況
施設管理状況では、件数は少ないものの電気施設関係での不備が認められま
した。
違 反 事 項
架空電線樹木接触
件数
2
4.まとめ
(1) 定期事業者検査における記録改ざんは、コンプライアンス(法令遵守)の根
幹に係る重大な問題であり、保安管理体制が十分機能していない典型的な例で
あります。
当部は当該事業者に対し電気事業法第106条に基づき、再発防止対策につい
て報告書の徴収を行い、改善状況を確認するとともに今後、立入検査等により本
報告書の実施状況の確認を行うこととします。
(2) 事故報告書未提出の事業者に対しては、早急に報告書の提出を求めるととも
に、当該報告書の提出方法を含めた事故時マニュアル等を整備し、事故時に適
切な対応ができる体制とするよう指導しました。
(3) その他の発電所の不備事項については、比較的軽微であり、早急に対応がな
されていることを確認しています。