β型チタン合金板の冷間多段深絞り加工 塑性加工研究室 古川陽介 《純チタン》 《チタン合 金》 •耐熱性 •冷間成形性 •耐食性 •軽量 表面処理 ダイス材質 潤滑剤 •高強度 ・ α-β型,α型合金 熱間加工 ・β型合金 冷間加工 チタン合金 実験材料 結晶構造 Ti-15V-3Al-3Cr-3Sn β型(bcc) 容器の焼付き 焼付いたダイス 焼付き防止:大気酸化皮膜処理 実験方法 《多段圧延》 板厚 1.0mm→0.5mm 結晶粒粗大化防止 《大気酸化皮膜処 理》 β変態点730℃ 皮膜処理温度の影響 600℃,750℃,800℃ 《多段深絞り加 工》 1段∼10段 熱処理後の応力ーひずみ曲線 真応力 /MPa 1000 600℃ 800 750℃ 600 400 ひずみ速度 200 & = 1.6 × 10 -3 s-1 ε 0 熱処理 750℃,5min 600℃,60min 0.02 0.04 0.06 真ひずみ 引張強さ 805.3MPa 976.7MPa 0.08 全伸び 14.0% 10.2% 0.1 絞り 25.3% 9.6% 多段深絞り加工条件 パンチ パンチ 段数 1 2 絞り比 1.6 1.3 スリーブ ダイス 超硬合金 パンチ しわ押え R4 Φ20.0 ダイス (a)1段目 60 ° 3-6 7-10 1.2 1.1 SKD11 SKD11 SKD61 潤滑剤 二硫化モリブデン クリアランス 0.5mm R2 ダイス (b)2-10段目 ブランク 直径(mm) 32.3 板厚(mm) 0.5 600℃,60min 大気酸化皮膜処理 破断 5mm 1段 加工限界:2段 2段 3段 低い延性 750℃,5min 大気酸化皮膜処理 表面性状の悪化 1段 2段 3段 4段 5段 6段 7段 加工限界:10段以上(750℃,800℃) 10段深絞り加工での焼付き防止 8段 9段 10段 高延性 10mm 深絞り容器の表面粗さ 表面粗さ / μmRz 20 800℃:83.6μm 15 750℃:68.8μm 10 大気酸化皮膜処理温度は 低いほうが良い 5 0 1 2 3 4 5 6 7 深絞り段数 8 9 10 容器表面粗さの改善 10段深絞り容器の成形が可能 容器表面性状の悪化 改善方法 しごき加工 10段深絞り加工容器 結晶粒の微細化 2段目しごき絞り加工 4段目しごき絞り加工 68.8μm 圧下率:50% (t0=1.0mm) しごき率:10% 16.5μm 圧下率:72% (t0=1.8mm) しごき絞り加工による表面粗さ改善 20 表面粗さ / μmRz しごき加工無 15 表面粗さ改善 10 10段目 4段目しごき加工 5 0 しごき加工 無 2段目しごき加工 1 2 3 4 5 6 7 深絞り段数 8 9 10 4段目しごき加工 しごき率 10% 10段目 結晶粒の微細化による表面粗さ改善 表面粗さ / μmRz 20 68.8μm 15 表面粗さ改善 10 10段目 16.5μm 5 0 68.8μm 1 2 3 4 5 6 7 深絞り段数 8 9 10 16.5μm 10段目 まとめ ・β型チタン合金板で10段の冷間多段深絞り加工が 可能である. ・多段深絞り加工において大気酸化皮膜処理よる 焼付き防止が有効である. ・しごき絞り加工を行うことで,容器の表面荒れを 抑えることができた. ・ブランクの結晶粒径を小さくすることで,容器の 表面荒れを抑えることができた. しごき絞り加工 4段 10段 4段目しごき絞り加工 しごき率 10% 絞り加工 しごき無 1mm しごき絞り加工 10段 10% 20% 2段目しごき絞り加工 しごき無 1mm 10段目しごき絞り加工 しごき率 10% しごき無 焼付き 表面性状 改善 しごき率 20% 二硫化モリブデン ステアリン酸Ca +CD400 1mm 容器の肉厚ひずみ分布 肉厚ひずみ 10段パンチR部 5段パンチR部 0.1 1段パンチR部 0 1段目 5段目 10段目 -0.1 0 10 20 30 容器中心からの距離 /mm 容器表面粗さの測定位置 表面粗さ / μmRz 20 800℃:83.6μm 15 750℃:68.8μm 10 観察位置 5 0 1 2 3 4 5 6 7 深絞り段数 8 9 10 結晶粒の微細化による表面粗さ改善 表面粗さ / μmRz 20 68.8μm 15 10 0.2mm 16.5μm 0.8mm 16.5μm 5 0 68.8μm 1 2 3 4 5 6 7 深絞り段数 8 9 10 しごき加工による容器表面粗さの低減理由 結晶粒界の溝が 大きい しごき加工 無 しごき加工により結晶粒 が大きくつぶされる しごき加工 有 結晶粒界の溝が 小さい
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