FPGAによる制御用16bitDSPの開発 西博史 曽禰元隆

FPGAによる制御用16bitDSPの開発
西博史 曽禰元隆
概要
近年、モータや電源などの電力機器または工業用ロボットに対して、比例制御やシーケン
ス制御などの簡単な制御から、PID 制御や H∞制御などの複雑な制御まで、様々な制御理論
を高速に実現するために組込用プロセッサにおいても高速処理の要求が高まっている。この
要求を満たすために、組込用プロセッサとして高速な演算処理が可能な DSP や、演算性
能を向上させた RISC などの制御に対する適用が注目されている。しかしながら、演算処
理向けであった DSP や、
制御に多用されていたが高速演算処理向けではなかった RISC では、
プロセッサアーキテクチャが必ずしも制御用に最適化されていない。そこで制御に要求され
る処理内容に注目し、割込処理や外部信号操作、制御演算などを高速化した制御用プロセッ
サを FPGA 上に構築した。プロセッサ構築に必要となる命令長や命令セットなどのプロセッ
サの基本仕様を決定し、これに基づいて実現に必要となるフェッチ部、デコード部、演算部
などを構築し、動作を検証した。ベンチマークの一例として簡単なインバータ制御を実装し
たところ、他のプロセッサより 25~267[%]高速な結果を示した。