平成28年度事業計画 昨年の我が国を振り返りますと、3月に北陸新幹線の開通、10月には大村氏のノーベル賞 生理学・医学賞受賞、梶田氏の物理学賞受賞、ラクビーワールドカップイングランド大会での 活躍など明るい話題が多くありました。 LPガス業界においてもシェールガス革命に対する中東勢のシェアー優先姿勢により原油・ LPガスとも昨年比、安値安定状態が続きました。 一方、鹿児島県口永良部島新岳の爆発的噴火や箱根山、桜島、阿蘇山の火山活動や9月の関東 東北豪雨では鬼怒川の堤防決壊により茨城県常総市で多くの家屋が水没し、LPガスのガス容器 が流出する災害も起こりました。 5年前の東日本大震災やその後、頻発する集中豪雨・地震など災害はいつどこで起きても不思 議ではない状況が続いております。 協会では、国の補助で整備された11ヶ所の中核充填所を中心に体制を見直し東京都を七地区 に分け、防災組織体制の整備に向けた「LPガス災害対策要綱」の策定を進めている所でござい ます。 この「LPガス災害対策要綱」に基づき、災害時に避難所に成り得る公共施設等へのLP ガス設備の平時からの常設を訴え、各市町村との協定締結をより一層推進して参ります。 エネルギー業界では、本年4月より電力小売の全面自由化が開始され、既にLPガス業界でも 元売り、卸売り事業者が多数参入の意思表明をしております。 来年4月からは都市ガスが全面自由化となり、エネルギー間の垣根を越えた競争激化に加え 日本全体の人口減、少子高齢化社会の到来など、取り巻く環境はスピードを増し厳しい状態とな って参ります。 このような状況下、お客様に選択して頂けるエネルギーとして、全国LPガス協会主導で進め られている「LPガス販売指針」に基づき「取引の適正化の推進・料金の透明化」や「需要開発 推進運動」など積極的に推進して参ります。 「需要開発推進運動」でお客様との距離感を縮め、 「需要開発セミナー」の開催や情報提供によ り地域貢献型、地域密着型のLPガス事業者のための応援をして参ります。 本年度は、その一環として当協会のホームページ上に会員名簿を掲載し、少しでもお客様が 身近に感じて頂ける様、LPガス販売指針の掲載や石油情報センターの地域ごとの料金情報など 提供致します。 LPガス事故件数は全国的には減少傾向となっており、東京都管内でも平成21年~24年の 2桁の事故件数から平成25年~26年8件、27年は9件と1桁となっております。 経済産業省が策定した「液化石油ガス販売事業者保安対策指針」に掲載されている2020年 に向けた死亡者ゼロ、負傷者25人未満の目標達成に向け、本年度も「LPガス安全応援推進運 動“すべてはお客様の安心のために”」の実施、特に長期使用製品安全点検制度の登録を保安講習 会等で促進して参ります。 平成28年度の事業計画は、上記の事柄を踏まえお客様にLPガスを安全・安心に提供できるよ う以下の諸事業を推進して参ります。 1 1.保安対策事業 ① 保安講習会の実施 液石法第18条に基づき販売事業者等従業員の保安教育の講習会を実施する。 ② 「LPガス安全応援推進運動“すべてはお客様の安心のために“」の実施 昨年度より3年計画で実施されている上記「LPガス安全応援推進運動」の2年目を迎える、 当協会として、東京都の事故状況等を鑑みて、独自の対策を打ち出す。内容は別紙1の とおり実施する。 ③ 「自主保安活動チェックシート」の実施 自主保安活動チェックシートを活用して、販売事業者自らの保安活動を検証し、保安レベル の向上と保安の確保に努め事故ゼロを目指す。 ④ 製造事業所、容器検査所等の保安対策 LPガス製造施設において自主点検を実施、保安の確保と事故防止を図る。 ⑤ LPガス放置容器の回収処理 都内で発生している放置容器の回収処理を迅速に行い、事故防止を図る。 2. 需要促進事業 ① 平成25年度から3年計画で全国展開してきた、「需要開発推進運動」を平成28年度以降も継 続して行う。「より多くのお客様にLPガスをお届けする」この目標を実現するため、「進 化 する LP ガス」、「究極のライフライン LP ガス」、「人 を育む LP ガス」の3本の矢を推進し更なる 需要拡大を図る。 3.高圧ガス保安協会関連事業 ① 東京都液化石油ガス教育事務所事業 高圧ガス保安協会東京都液化石油ガス教育事務所として、法令に基づく各種資格取得講習 及び検定試験並びに再講習を実施する。講習会等の予定は別紙2のとおり。 ② 東京都液化石油ガス試験事務所事業 高圧ガス保安協会より委託された高圧ガス試験(液化石油ガス関係)を都内で実施する。 4.販売事業者指導支援事業 お客様相談所を協会内に開設、LPガス消費者から寄せられるLPガスについてのさまざま な疑問、要望、意見等に適切に対応致します。 また、LPガス販売事業者の取引の適正化、料金の透明化に寄与し、消費者のLPガスに対 する意識向上に繋がるよう推進する。 5.保安機関認定申請の指導 保安機関の認定更新に対する指導を精力的に展開し、認定期限内に全ての事業者が更新 出来る様努める。 6.取引適正化推進事業 関東ブロック取引適正化委員会などに参加、各県協会と連携し特商法違反やLPガス切替勧 誘に関するトラブルの事例を関係行政に発信し、LPガス取引適正化を推進する。 また,協会ホームページに会員名簿を掲載するとともに、会員事業者の取引の適正化を推進 する。 2 7.競合エネルギー対策の推進事業 エネルギーの自由化に際し、適切な情報が提供できる様、都市ガス会社並びに電力会社の 動向に注視し、各県協会とも連携し推進する。 8.広報活動事業 広報誌「エルピー東京」を年4回発行し、業界動向、当協会の活動状況等の情報を積極的に 提供し、会員の事業活動に貢献できるようにする。 また、LPガス事業PRのためのチラシ等の作成も検討、実施できるよう推進する。 9.高圧ガス防災訓練への協力参加 東京都高圧ガス地域防災協議会のLPガス部門を担当して平成28年度東京都高圧ガス防災 訓練に参加する。 10.保安活動促進週間への協力参加 自主保安活動促進のための活動に協力する。 11.災害発生時等の情報連絡手段の確保 東京都が都庁各局及び関連団体に配備した業務用MCA無線により定期的に通信訓練を 行い、当協会と東京都の災害発生時等の情報連絡を確保する。 12.石油ガス地域防災対応体制整備事業 平成26年度から経済産業省の補助事業として実施している石油備蓄法の災害時供給連携計 画に基づき、防災訓練等を通じ会員相互の連携体制を強化し、災害時の保安及び安定供給確 保に努める。 13.保安功労者、優良事業所等表彰の推薦 永年に亘り、LPガスの保安業務に精励され、業界及び当協会に貢献された個人及び事業所に 対し、保安功労者、優良事業所等として、各保安大会等に推薦する。 14.行政庁及び関係団体への協力 行政機関及び関係団体と相互に連携して、関係業務の円滑な運営を図る。 15.協会組織の検討 協会の組織体制の整備及び事務合理化の推進を図る。 16.登録、認定、届出等の指導業務 会員及び入会希望者の登録、認定、届出及び免状交付手続き等の指導業務を行う。 17.賠償責任保険その他関連業務 液化石油ガス法に基づくLPガス賠償責任保険及びオートガススタンド保険や個人情報漏えい 賠償特約、総合賠償特約の付保業務並びにLPガスライフ応援制度の受付業務を行う。 3
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