診療科名:血液内科

血液内科 後期研修(内科専門医)プログラム
診療科名:血液内科
診療科の概要
疾患の特性、患者の生活環境・社会背景を考慮し、治癒・高い QOL/QALY を目指した
医療を提供している。一日平均入院患者数は 40~45 名、一日平均外来患者数は 50 名を越
えて川崎地区随一の診療規模を誇っており、各種貧血(鉄欠乏性貧血、出血性貧血、巨赤芽
球性貧血、二次性貧血、自己免疫性溶血性貧血、サラセミア、遺伝性球状赤血球症等)、特
発性血小板減少性紫斑病、DIC、TTP、後天性血友病、悪性リンパ腫(ホジキンリンパ
腫、各種非ホジキンリンパ腫)
、キャッスルマン病、急性・慢性白血病、ATLL、MGU
S、多発性骨髄腫、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、真性多血症、本態性血小板血症、
骨髄線維症、血球貪食症候群、HES、全ての症例を経験できる。また無菌室 11 床を備え
悪性リンパ腫・多発性骨髄腫に対しては積極的に自家末梢血幹細胞移植を施行している。
指導体制
正規スタッフは 5 名で日本血液学会代議員 1 名、日本血液学会専門医 3 名、日本血液
学会指導医 2 名、日本臨床腫瘍学会専門医 1 名、日本臨床腫瘍学会指導医 1 名、日本臨
床腫瘍学会暫定指導医 2 名、がん薬物療法専門医 1 名、日本がん治療学会認定医機構暫定
教育医 1 名、血液内科医師2名、腫瘍内科医師1名(重複あり)が指導を行う。日本血液
学会認定研修病院であり専門医の資格取得が可能。
一般目標(GIO:General Instruction Objects)
患者を全人的に理解し、総合的に診療する能力を有する医師になるために、血液内科診療
に必要な一般的血液疾患(出血性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、二次性貧血、悪性
リンパ腫、(急性)慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫)の鑑別診断、治療の基礎知識・技術
を習得する。
行動目標 (SBO:Structural Behavior Objects)
1. 診察法
循環器・消化器・呼吸器・腎代謝・神経内科の基本手技をマスターし駆使できる。
1) 視診技術の習得(皮疹の鑑別診断ができる)
2) 触診技術の習得(特にリンパ節腫大の所見がとれる)
3) 打診技術の習得(脾腫の有無等)
4) 聴診技術の習得(特に胸部・腹部)
2. 検査
一般内科の手技を全てマスターし、その上で以下の検査手技を習得する。
1) 骨髄穿刺(腸骨)
・骨髄生検(腸骨)
骨髄像の基本的所見を読むことができる。
2) その他の一般的検査胸腔穿刺・腹腔穿刺・腰椎穿刺・CVカテーテル挿入・PICC
挿入・胃液採取・気管内挿管・腹部エコー
3. 診断・治療
1) 貧血の鑑別診断と治療ができる。
(鉄欠乏性貧血、出血性貧血、巨赤芽球性貧血、二次
性貧血)
2) 出血傾向の鑑別診断ができる。
(DIC、ITP 等)
3) リンパ節腫大の鑑別診断ができる(悪性リンパ腫)
4) 多発性骨髄腫の診断・治療に関わる。
5) 適応を考え輸血を適切に実施できる。
6) 免疫抑制剤・抗癌剤を適切に投与できる。
7) 易感染性を有する患者に感染予防処置を講じ、感染症の治療(ウイルス、細菌、真
菌)ができる。
8) 血液疾患の合併症(呼吸器、循環器、消化器、神経、腎代謝、骨関節、皮膚、眼な
ど)に対し適切な処置(コンサルテーションを含む)ができる。
9) 患者およびその家族と良好な信頼関係を築くことができる。
10) 適切な外来診療ができる。
研修内容および学習方法(LS:Learning Strategy)
1. 指導医とともに入院患者約 5~15 名の入院患者の診療にあたる。
2. 指導医の外来診療を見学し、初診患者の予診を行う。習熟度に応じ指導医の監督の下に
外来診療を行うこともできる
3. 血液内科医(内科専門医)として必要な処置(骨髄穿刺・生検、胸腔穿刺、腹腔穿刺、
腰椎穿刺、CVカテーテル・PICC挿入等)を指導医の下で行い習得(習熟)する
4. 代表的な血液疾患を担当医として経験し、指導医の下でその血液像・骨髄像を実習す
る。
5. 血液内科・腫瘍内科合同カンファレンス・回診に参加し症例提示する。
6. 血液内科および内科医局会の抄読会で英語論文の要旨を適切に発表する。
7. 指導医・上級医の指導のもと研修期間中に経験した貴重な症例の学会報告・論文作成を
行う。
週間スケジュール
月
火
7:30~8:15
午前
水
木
金
病棟/外来
病棟カンファ
病棟/外来
病棟/外来
英語論文
抄読会
血液内科・腫
瘍内科合同回
診
キャンサーボード
(2 回/月)
内科医局会
病棟/外来
病棟/外来
12:30~13:00
午後
17:00
病棟/外来
合同カンファ
病棟/外来
研修評価
専攻医が登録した症例経験について、指導医がその内容を確認する。指導医は専攻医が登
録したその症例を専攻医登録評価システム(指導医画面)から内容を確認し、将来、病歴要
約の提出候補症例として作成できる十分な研修を積んでいると判断できる場合、これを評価
する。